2017/02/22 のログ
■飛鷹与一 > (……マイペースというか、天然ぽい人だな…)
少年の率直な感想がそれだ。流石に失礼になるから口には出さないけれど。
少女の言葉に「いえ、お気になさらず」と返しながら渡されたスマホを確認。
次にバッテリーにコードを接続し、反対側を彼女のスマホのコネクター部に接続。
…と、電源ランプが赤く点る。矢張り電池切れだったようだ。
「…取り敢えず、3,40分程度充電すれば1時間か2時間くらいは持つ筈です。
ただ、帰ったらちゃんと充電器で充電しておいた方がいいですね…」
と、彼女に告げながらも質問にはゆっくりと頷いた。別に隠す事でも何でもない。
あと、手に持ったままは地味に疲れるのでスマホは少女に返しつつ、コードで繋がったバッテリーは彼女の隣に置いておく。
「…ハイ、まぁまだ新米の下っ端ですが。今も定期的な街の巡回警邏の帰り掛けって所です」
■柊 真白 >
充電しなきゃならないのは、面倒。
(一緒についていたコードはそのためのものだったのか、と今更納得。
外に居る時は出来るだけ触らない方が良さそうだ。)
わかった。
――そう。
風紀委員、大変?
(もう一度首を傾げる。
彼の座るところを作るように、ベンチの端へ移動。)
ご案内:「常世公園」に飛鷹与一さんが現れました。
■飛鷹与一 > 「……でも、昨日からずっと使っていたという事ですし便利なのは事実ですよ。」
苦笑、という程ではないが少女の言葉に若干頬を緩ませつつ。
確かに充電時間とか手持ち無沙汰にはなるが、それを差し引いても利便性が矢張り高い。
常世島でも外でも、携帯電話というのは今の時代はほぼ必須アイテムの一つだ。
「…どうですかね。一応スカウトに近い形で入ってこうして活動してますが…。
騒動には困らない島ですし、風紀委員会は外でいう警察の代わりみたいなモンですからね…。
必然的にトラブル対処は日常茶飯事で、慣れはしても楽、というのは無いかな、と。
……遣り甲斐はまぁ、でもあると思います。…といっても…。」
そこで小さく肩をすくめてみせる。
「…風紀委員会も万能ではないです。人手も地味に不足してるのは否めないですし、島の全域をカバーできる訳でもないですしね」
新米ではあるが、人材不足や全域までカバーはしきれない、という欠点は既に把握もしている。
■柊 真白 >
使い方、よくわからないから。
(触って何とか基本的な操作は覚えた、と言うところ。
いまだに訳の分からないアプリは大量にあるし、ネットの使い方もよくわからない。
便利ではあるが、そこまで多機能ぶりを発揮する必要はあるのだろうか、と言う感じだ。)
学生がそう言うのもやるってのは、実験都市らしいとは思う。
(普通は大人がやると言うのが常識的なことだろう。
それをあえて子供である学生にやらせる、と言うのは。
色々と黒い噂も聞くこの島だ、もしかしたら何らかの実験の一環である可能性も否めない。)
そう。
大変だね。
(けれども自身には関係ないことで。
人手が不足している、カバーできない地域も存在すると言う事は、自身の仕事もそれなりにやりやすい、と言う事だ。
彼の言葉通りなら、予知や千里眼のようなスキル持ちも居るわけではなさそうだし。
そんな思考は表には出さず、ねぎらいの言葉を。)
■飛鷹与一 > 「……まぁ、それは追々ゆっくり覚えていけばいいのではないかと。
何事も焦って早く覚えようとしても身に付かないものですし。
…俺もまぁ、初めてスマホを使った時は戸惑いとか多かったですしね」
自身も程度の差はあれど体験しているから、そこは何となく気持ちは分からないでもない。
「……まぁ、同時に外から来る人もここにずっと住んでいる人も…訳ありの人ばかりでしょうしね。
そもそも、島の特殊性が強い、というのもあるんでしょうが…」
自分だって厄介払いされてこの島に流されてきたようなものだ。
実験都市に相応しいサンプルの一つ、という程でもないが外からも中からも都合がいいのだろう。
「……いえ、まぁ俺より大変な人は幾らでも居るので」
大変だね、という彼女の言葉に緩く首を振る。控えめ、というより単なる本音だ。
別に自分だけが大変でも何でもないのだから、慣れと割り切りがあれば何とかなる。
……勿論、風紀委員会でも対処しきれない裏が色々とあるのだと、薄々感づいてはいるが。
「……あ、今更ですが一応自己紹介でも。常世学園の1年生で風紀委員の…飛鷹与一、といいます」
名乗るのをすっかり忘れていた。袖摺りあうも他生の縁。一応自己紹介はしておかなければ。
■柊 真白 >
こういうの、苦手。
(とりあえず写真の撮り方とメールの送り方、電話の掛け方は覚えたのでそれで良い。
それさえ分かれば仕事で使えるのだ。)
異能の研究とかもやってるって聞いた。
(怪しい研究とかなんとか。
そう言う噂はついこの間まで部外者だった自分でも知っているのだ。
この島で風紀委員をやっている彼なら、聞いた事があるだろう。
その真偽は別にして。)
だからってあなたが慣れないことで大変じゃないってことにはならない。
――柊真白。
見学中。
(言って自分の身分証――本土の中学校の学生証を提示。
勿論この島で作った偽造品ではあるが、籍はちゃんとその学校にある。
籍だけだけれど。)
ご案内:「常世公園」に飛鷹与一さんが現れました。
■飛鷹与一 > 「……まぁ、通話機能とメール機能、あとはカメラ機能とネット機能だけ覚えておけば問題はないでしょうしね」
細々としたアプリとかは…何となく彼女はそういう多岐に渡るのは面倒に思ってそうだし。
最低限必要な機能だけ覚えておければ、まぁそれで十分ではあろう。
「……ええ、自分も異能者なんで散々検査とかやられてます。
俺の異能は詳細がまだ不明な点が多くて不確定要素が多いみたいなので。
…まぁ、俺の事は兎も角、非合法な異能実験とかもあるでしょうね”確実に”」
この前は異能が暴発しかけたり、二つ目の異能らしい力が判明したりと…正直、風紀委員の仕事より大変だ。
別に持ちたいとは欠片も思ったことが無いが、あるものは仕方ないのだ。
自分の事をぺらぺらと喋ってしまっているが、このくらいは別に秘匿する事でもない。
異能者はゴロゴロ居るし、千差万別で大変な思いをしている人は幾らでも居るのだから。
「……だとしても、他にも大変な人が沢山居るのに俺だけ弱音なんて吐いてられませんので。
…と、柊さんですね。よろしくお願いします」
彼女の言葉に、若干間を置いてそう切り返す。自分で溜め込む傾向がある少年なのでこういう切り返しになる。
「…あ、そうそう充電ついでに。一応連絡先交換でもしておきますか?メールになりますが。」
特に悪意も下心も無い。別にスマホで困った事があれば尋ねてくれるだけでもいい。
それに、風紀委員会のメンツにツテがあっても困る事は無いだろう、と。
■柊 真白 >
(ネットは覚える気が無い。
使わないし、セキュリティだのなんだのと面倒だ。)
検査。
――人と自分は別。
鳥が空を飛べるからといって、自分が飛べないことを嘆く必要は無い。
向き不向きがある。
(それでも尚頑なに譲ろうとしない。
口調と表情のせいでお説教をしているように聞こえるかもしれない。
むしろ気にしないように、気にしすぎないようにと励ましているつもりではあるのだけれど。)
――ナンパ?
(連絡先交換を提案されて、しばらく彼の顔を見つめた後に。
首を傾げて無表情のままスマホの電源を入れた。
冗談はともかく、確かに風紀の知り合いが居ると言うのはやりやすい。
色々と。)
■飛鷹与一 > 勿論、彼女が考えてる事など読める筈も無いが、通話とメール、カメラ機能で十分といえば十分かもしれない。多分。
「……もしかしなくても、柊さん励ましてくれてます?」
彼女の口調と表情はとてもそうは見えず、何処か諭すような言葉にも聞こえるが。
何となく少年にはそう思えたのか、首を緩く傾げてそう思わず聞いてしまうのだ。
「……確かに柊さんは可愛いと思いますが、凡人顔の俺の方が釣り合ってませんよそもそも…」
と、真顔で自分の意見をぶっ放しつつ、メール機能は彼女は覚えているみたいなのでスムーズに行きそうだ。
こちらもスマホを取り出してアドレス交換をしておこう。彼女のスマホも電源ランプが緑色になってるからもう平気だろう。
「…あ、ついでにその充電バッテリーは差し上げます。外出時にもし電池切れした時の予備になりますし」
自分はもう一つバッテリーが自宅にあるので、もう無償で彼女に提供してしまおう。
■柊 真白 >
謙虚なのは良いことだけど、行き過ぎると卑屈。
(問いには答えず、その言葉だけ伝えておく。
自信を持つように、と言う事が伝われば良い。)
――やっぱりナンパ。
(可愛いとか言うし。
冗談を言っているつもりでも、真顔で淡々と言うものだからそうとはなかなか聞こえないかもしれない。
とりあえず電源を入れたのだが、電話帳の登録の仕方がわからなかった。
アドレス帳を開いたまま動きが止まる。)
それは流石に受け入れられない。
ちゃんと返す。
(とりあえず家に帰るまでは持つだろう。
持たなかったとしても問題は無いし、特にこれから使う余裕も無い。
連絡を取るために持っているのではないのだから。
スマホからケーブルを外し、バッテリーを彼に差し出す。)
■飛鷹与一 > 「……卑屈、ですか」
僅かに考え込むような仕草。思い当たるフシがあるにはあるようだ。
とはいえ、一朝一夕でどうにかなるものでもない。間違っても自信過剰にはならないと言えるが。
「……いや、そもそもどう考えても断られるに決まってるじゃないですか。あとナンパじゃないです。
…柊さんが受けてくれるなら食事だろうが何だろうがお誘いはしますけど」
…我ながら何を言ってるか分からない。本当にナンパのつもりはないのだが。
…で、動きが止まった少女に不思議そうに横から彼女のスマホ画面を覗き込んで。
「…俺が登録しておきましょうか?」
1から丁寧に教えるのもいいが、こちらが登録作業をしてしまった方が早い気もする。
■柊 真白 >
そう。
謙虚と卑屈は違う。
行き過ぎた自信の無さは人を不快にする事もある。
気を付けて。
(少なくとも彼には異能があるのだ。
だとすれば「その異能を備えた」と言う才能はあるのだ。
どんなものかは知らないし、マイナス方向の異能かもしれないが。
それでもあるか無いかで言えば間違いなくあるのだから。)
別に良いよ。
ご飯でもホテルでも。
(彼にとって不幸だったのは、自身が冗談の通じないタイプだったと言う事と、「そう言うこと」にあまり頓着しない性格だと言う事だろう。
――不幸じゃなくて幸せなのかもしれない。)
お願い。
(そう言ってスマホを渡す。
アドレス帳は真っ白だった。)
■飛鷹与一 > 「……そう、ですね。肝に銘じておきます」
彼女の言いたい事は少年なりに理解して。何処まで消化しきれるかは分からないけれど。
人の忠言は出来るだけ真摯に自分なりに留めておきたい。
だから、少しの沈黙を挟んでからゆっくりと頷いた。
「……いや、あの……いいんですか?むしろ初対面且つ俺みたいなので?」
言われた端からちょっと卑屈な言葉が出てしまうが流石の少年も無表情とは行かず。
瞬きして思わず柊嬢を見つめてしまう。少年も男だ。食事どころかホテルとか爆弾発言過ぎた。
…本当に誘いそうになる己が恨めしい。しかも彼女は平然としている。
「分かりました…ちょっと待ってくださいね」
先の爆弾発言に動揺しつつも、スマホを拝借してまっさらな連絡帳にこちらのアドレスと「飛鷹与一」という名前で登録しておく。
一通りそれらが済んだら、スマホを彼女へと差し出してそっと返すとしよう。
ご案内:「常世公園」に柊 真白さんが現れました。
■柊 真白 >
考えすぎも良くないけど。
(割と無茶な事を言っているが、ただ「こうあれば良い」と思うことを口に出しているだけだ。
難しい事だと言う自覚はあるけれど、言わないよりは言った方がいい。)
いいよ。
今からいく?
普段はお金貰うけど、すまほ充電してくれたから、お礼する。
(彼の曖昧な返答を、肯定だと受け取ったらしい。
ベンチから立ち上がり、見上げる。
中学生どころか小学生ぐらいのちんまりした身長なので、見上げる事になろうか。
そのまま彼が自身のスマホに連絡先を入力してくれるのを待って、差し出されたそれを受け取った。)
■飛鷹与一 > 「……中々ハードルが高いような気が」
どちらかといえば、変に考えて煮詰まってしまう事が多い性分なのでそんな呟きが漏れてしまう。
あと、何だこの流れは…完全に予期していない流れになったぞ、と内心でテンパる少年。
見た目は冷静沈着そうだが、感情は普通に人並みにある訳で…。
「……お金ってそれ援助交際ですよね完全に…あと、スマホの充電くらいは別にそんな大した事では」
むしろ冷静に考えたら、これロリコンにならないだろうか!?
立ち上がった彼女と自身の身長を照らし合わせる…風紀委員が補導されたら洒落にならない気が。
「……い、今からだと明日も学園あるので後日メールで日時打ち合わせとかどうでしょうか?」
あ、テンパりすぎて自爆した。完全に行く流れに自分から持っていく程度には動揺していた。
■柊 真白 >
いきなりは誰でも無理。
少しずつ変えていけば良い。
(無理は良くない。
彼のテンパリ具合など知る由も無く、こちらは淡々と喋る。
伊達に長く生きては居ないのだ。)
あくまでお仕事。
――内緒ね。
(ついいつもの調子で応対してしまったが、そういえば彼は風紀委員だった。
はたと気付いて、彼の口に人差し指を伸ばしながら呟いた。)
わかった。
連絡待ってる。
(こちらは完全に彼がそう言うつもりだと思ってしまっている。
年頃の男の子だし、興味がある年頃なのだろう。
無駄に理解があるだけにとんとん拍子に話が進む。)
■飛鷹与一 > 勿論、少年は少女の実年齢やら正体やらは知らない為、見た目だけはこちらが年上だがそれも意味が無い。
重ねた年月にそもそも差があり過ぎるのだ…少年が勝る面がまず無い。
「……えぇ、まぁそれはここだけの秘密で。…あと、自分普通に童貞なのでご迷惑お掛けしたらすいません」
もうぶっちゃける程度には動揺が続いていた。いや、態度で童貞だというのはバレバレだろうけど。
ただ、風紀委員とはいえ少年はそれなりに柔軟だ。彼女のお金取る云々は秘密にしておこう。
「えーと、じゃあ後日にこちらからご連絡します。…無難にラブホテル、でしょうかね…俺は男子寮暮らしでお招きは無理ですし」
それに、今時のラブホは受付も無人な場所が多いと聞く。それに多分私服で行くから風紀委員会とはバレない筈だ。
あと、ラブホの方が単純に普通のホテルよりもお値段が安い。まぁうん、支払いは少年持ちのつもりだ。
(……後には引けないけど、風紀委員会失格だよな俺…)
けど、もう流れに乗ってしまう覚悟…ある意味で開き直りに近い。
明らかに彼女はそっちの経験も豊富そうだし、童貞の筆卸ろしの面倒をもう見て貰ってしまおう。
■柊 真白 >
ありがとう。
いいよ、おねーさんがやさしくリードしてあげる。
(童貞さんの相手は初めてではない、と言うより慣れている。
後半の言葉は軽いジョークのつもりだが、やっぱり真顔で。)
わかった。
(こちらも居候の身だ。
流石に人の家でそう言うことをするつもりは無い。
この街は学園都市だが、歓楽街の方に行けばそう言うところはいくつか見かけた。)
じゃあ、私そろそろ帰るから。
また今度。
(それだけ告げて歩き出す。
連絡帳に増えたアドレスを確認し、足音の少ない歩き方で公園を後に――)
ご案内:「常世公園」から柊 真白さんが去りました。
■飛鷹与一 > 「お手柔らかにお願いします……ハイ」
うん、見た目で判断してはいけないというのがよく分かった。
真顔ではあるが明らかに経験豊富な人だ。
「確か歓楽街とかにはそういうホテルも多い筈なので…」
しかし、我ながら流されやすいなぁ、と思いつつ。選んだのも自分だからどうしようもない。
それに、俗な考えだが童貞卒業の機会が訪れたのだ。男女の性的な経験を積むのは悪くない。
「ええ、俺も引き上げます。それではまた…」
挨拶だけは何とかしっかり返して見送ったが…彼女の姿が消えてから肩を落とす。
「……完全に流れのままに、というか自分で墓穴掘ってしまった…情けない」
自己嫌悪にちょっと陥りつつも、後日連絡はしよう。やるとなったらやるしかないのだ。
背負っていたライフルケースを担ぎ直しつつ、少年も公園を後にするのであった。
ご案内:「常世公園」から飛鷹与一さんが去りました。