2017/04/17 のログ
東雲七生 > 「そうだなー、今年もいっぱい泳ぐんだ俺は。
 新しい水着も買ってさ。誰と行くとかは決めてないけど。」

というか大体一人で行く。
思い立ったら何とやら、で突発的な行動に走る事が多い七生はあまり友人たちの予定などは考えることは無い。
その為何処かに遊びに行くときに一人である事なんてざらにあるのだった。

「ふうん……弓道ではない、のか。
 よく分かんねえけど、大変そうだよなああいうのって。」

実のところ、説明されてもさっぱりわからない。
じっとしているよりは動き回っていることを好む七生だが、決してスポーツ少年では無い。
野球やサッカーといったメジャーな物でも、ほとんどルールを知らなかったりする。
持ち前の運動能力の高さから助っ人を頼まれた際には、小一時間ルール説明をして貰う必要があったりで、最近は助っ人を頼まれる事もめっきり減ってしまったほどだ。

「……で、ええと。その弓使って何すんの?」

狩猟って言ってたし夕飯のおかずとか調達するのかな。
純粋な疑問の眼差しでクロノとバッグを交互に見る。

クロノ > … へぇ。七生、水泳も得意なのかぁ。すごいなー。 …泳ぐの以外だったら、僕も一緒に遊びに行きたいな。七生のお友だちも誘って、みんなで。
(水没すると壊れちゃうロボットの男の子は、水辺に近づくだけでも怖いらしく、尊敬半分、苦笑い半分で彼の決意を聞く。)

… スポーツって、やっぱり怪我とかのリスクはもちろんあるし、種目によっては道具揃えたり、消耗品買い直すのに色々大変みたいだね。
(ふと考えてみれば、彼とこうして出会う場面では彼は運動後のことが多いけど、何か特定のチーム競技の練習をしている様子でもなく、特に部活動をしている訳でも無さそうなので、単純に体を動かすのが好きなのかな、と思ってみる男の子。)

… ? …… え、っと ……。
(彼からの問いに、男の子はちょっと驚いたような表情をして、その後はおでこのインジケータを点滅させながらしばらく回答を選んでいる様子。)

…何、かな。なんか、かっこいいな、って思って始めてみたんだけど …。今まで銃やナイフは扱ってきたけど、弓は初めてだったから、興味持ってさ。
(実のところ、こう見えて高機動、高出力の戦闘用機体であるロボットの男の子は、意外にも人間の数倍の身体能力で俊敏に、かつ強力に動き回れる。今は医師として、養護教諭としての資格に必要なデータをインストールしてその職についているけど… 男の子自身の自覚の無いところで、もしかしたら兵器として製造されるときにプログラムされた本能が、新たな武器に対して興味を認識したのかもしれない。)

東雲七生 > 「水の中なら小柄な方が何かと便利だからさー。
 ……俺も余裕があれば誰か誘って行きたいんだけどさ、中々予定合わねえんだよなあ。」

当日30分後に集合とか言い出すからである。
言ってる本人は恐ろしくフットワークが軽い所為で、
余程の事が無ければ同じことを言われても30分後には準備を万端にしてしまうのだから性質が悪い。

「ふーん……そういうもんかぁ。
 大変だな、スポーツって。俺、あんまそういうのしねえからなー。」

単純に身体を動かせれば、極論走ってるだけでも満足出来るので専ら島内を走り回っている七生である。
あるいは訓練施設で鍛錬を重ねているか。
元々身体を動かすのが好き、というよりも身体を動かさないのが嫌い、に比重がある為に産まれた歪さである。

「何かかっこいい……かあ。
 なるほどなあ。まあ、確かにカッコいいかもしれない。ううん。」

何やら腕組みをして考え込む。
あまり弓を使った戦闘を見た事が無かった、と思い至って納得したように腕組みを解いた。
今度、訓練施設のアーカイブを覗いて探してみようと心に決めつつ、改めてクロノを見る。

「まあ、ほどほどにな!
 ……学校の仕事も色々あるだろうしさ!」

というか学校外で割と頻繁に見掛ける気がする。
案外養護教諭というのは暇なのだろうか、いっぱい居るし、と思っても口にしないのは最低限の配慮である。

クロノ > …ぁはは、そぅ?
(水の抵抗に関しては確かに彼の言うとおりかもしれない、と納得しつつ、水に浸かれない男の子には無縁の世界なので、その感触はわからない。)
…七生が良ければ、僕がお友達誘って段取りしておく?
(彼の普段の学校生活も、他の生徒同様に時々見かけるけど、大体の場合周囲の反応が「そりゃあ急すぎて無理だわ!」という感じなので、今度は男の子の方から早めに話を進めておこうかと提案してみる。)

… 割といつも運動してる感じだけど、意外だなー。てっきりなんかこう、陸上とかの競技好きなのかと思ってた。最初の頃は。
(だんだん見えてきた彼の生活実態に、大勢でわいわい賑やかにしているよりは、どちらかと言えばぼっちの方が気が楽なのかな?とも思ってみる。)

… んふふ。僕、こう見えて意外と素早く動けるんだよー?競技中は人間らしさの再現よりも身体の制御に処理を割くから、無表情になっちゃうし、感情とかも無くなるのが…自分でも苦手であんまりやってこなかったけど。
(機械が、機械らしい一面を見られることを厭うという、ちょっとした矛盾。毎日精一杯頑張って"人間ごっこ"をしている機械が、それが出来なくなることに不安を覚えるという、何か不安定な一面を覗かせるロボット。)

… 僕が施設で見た人は、矢に魔術を掛け併せて、なんかすごいこと練習してた。そういう使い方もあるんだなーって。…魔術に無縁な僕に出来ることは、精度を上げるのと、連射速度を上げることかな。
(腕組みする彼の隣で、男の子も顎に人差し指添えながら色々考える。学校の備品で養護教諭な自分が部活に入るのもなー、とか、顧問…といえるほど精通しているわけでもない。)

… ぁはは、そぅ、そうだよね。 …そうなんだよね。だから、部活に入る…っていうのとは、また違うんだろうなぁ。
(実のところ、勤務実態としては養護教諭も公務補も数人いて、シフト制交代勤務だから校外で見かける機会も意外とあるらしい。あとは医師としてのお仕事とか、学会関係とか、お出かけ業務も割とある。機械であり睡眠を必要としない分、夜間にも仕事が可能なので昼間から夕方にかけては生徒との交流を優先し、事務仕事は夜に片付けている様子。)

東雲七生 > 「うーん、それはその方が良いんだろうけどもさー。」

何しろあれもやりたいこれもやりたい、と一度湧き始めれば際限がないのだ。
そして一度興味を持てば食い尽くす様に実行に移す。
裏を返せば、興味が無いタイミングで何かをしようにも満腹状態で気乗りしないという事も大いにあり得るということ。
七生が単独行動をとる理由がそこにもあった。

「ううん、特にそういうのはねーなー。
 体動かすのは好きだけど、競ったりとかは別に。」

あっけらかんと答える。
単純な戦闘行為以外で勝敗に拘るという事も、あまり多くは無い。
自分や他者に危害が加えられないのなら、自ら負けを宣言する事もままあるほどに。

「へえ……まあ、色々大変そうだもんな。機械なわけだし。
 別に何でもないような機械だって扱うのに一苦労なんだから、ましてや自分の身体が複雑な機械だったら、ってー考えもつかねえや。」

正直話の内容はちんぷんかんぷんだった。
ただ、とにかく大変なのは伝わったので真剣な面持ちで頷きを返す。
自分が経験し得る事であれば想定は出来るのだが、自分の身体が機械だったら、なんて今の七生では考えられない事だった。
だから、クロノの口から語られる苦労も、悪く言ってしまえば他人事に聞こえてしまう。

「うーん……それでも、いや、何でも無い。
 スポーツとしてなら全然良いんだろうからさ。」

何か小難しい顔をしたが、すぐに首を振ってベンチから立ちあがる。
せっかく友人が楽しめるものを言っているのに、水を差すのは忍びない、と。

「じゃ、俺そろそろ行くわ。
 そろそろ今日の分のランニングはじめねーとだし!」

ベンチから数歩進んで、軽く屈伸運動。
それから振り返って、にぱ、と笑みを向けると公園の出口へと向けて歩き出した。

クロノ > … そっか。僕に手伝える事があったらいつでも言ってね?

(まだ4月なのに夏のことを話すのも、早すぎるし実感沸かないかも、とも思いつつとりあえず先取りすぎる話題は引き上げる。)

… ぁはは、平和なのは良いことだね。七生、割といつも運動してるから、勝負事とか好きなのかと思ってた。

(負けず嫌いとか、競争心とか。体を動かしているのを見かける事が多かったから、そういうことか、と誤解が解けたようで相手の意外さに驚きつつ、どこか安心しつつ。)

…うん。慣れるまで… 馴染むまで? しばらくの間は、純粋にスポーツとしての弓術を探求することにするよ。

(彼からの予想外の質問に、自分の中でも理解不能な不安と、妙な悪寒がするのを感じたのは確か。だから、何故弓術に惹かれたのか、についてはしばらく考えないことにする、と頷く。)

…あ、ぅん。頑張ってね。今日もありがと!

(席を立って準備運動、そして歩き始める彼にゆらゆらと手を振りながら見送って、男の子もまた、空き時間の練習から、午後の勤務時間に戻ろう。)

ご案内:「常世公園」からクロノさんが去りました。
ご案内:「常世公園」から東雲七生さんが去りました。