2017/05/29 のログ
織原 仄香 > 放課後の帰り道途中で公園を横切りショートカットしてしまおうとしている最中、
紙パックのミルクティーにストローさしてチューチュー吸いながらのんびりした足取りで歩いている。

「ん〜、おいし、甘いものは欠かせないよね〜。」

再びストロー加えて飲みながら歩いていると、
横から私の前方にサッカーボールが転がって来た。
転がって来た方向を見てみると少年たちがなんか私をよんでる。

(あ、ボール取ってほしーんだ。)

軽い足取りでボールを追いかけ足で止めると、
少年たちの方へ向き直して

「いくよ〜!それっ!」

どんっ!と足でサッカーボールを蹴れば、
真っ直ぐに少年たちの方へとボールが返っていく。
ありがとうの言葉を受け取り、

「どういたしまして〜〜。」

一連の流れが終わればまた帰り道へと体を向き直し、
ゆったり歩き出す。

(あんな頃、私にもあったっけ…?覚えてないなぁー)

昔の事を思い返しながら空を見上げつつ歩き続ける。
ちょっと危なっかしいが…

織原 仄香 > 直ぐのこと、
私の学生鞄の中にある携帯端末が鳴り出した。
この着信音はあっちからだ。
携帯端末を取り出して耳に当てると。

「もしもーし、お電話ありがとーございまーす。
ご依頼の件ですか?あ、はい、見えます…え?
あの子達を、あの、それってなんで…あ、ごめんなさい、聞いちゃダメなんでしたね。
わかりましたー。」

携帯端末を切るとそのまま鞄にしまいこんで、
先ほどの子供達の方へと振り返る。
暫く様子を伺い考えた様子で見つめ続ける。

「価値は、ないんだから。」

一言呟けば先ほどの子供達の方角に向かって歩き出した。

ご案内:「常世公園」にレイヴンさんが現れました。
レイヴン >  
(最近は禁煙だなんだとやかましい。
 屋内はともかく屋外まで喫煙可のエリア以外での喫煙は禁止されているらしい。
 別に吸ったところで捕まる訳ではないが、一応教師たる自分が積極的にぶっちぎるわけにもいかない。
 忌々しげに禁煙エリアの看板を睨みつけながら、火の付いていない煙草を咥えて歩く。
 通りがかった公園には子供達の姿と女子生徒の姿。
 ボールを子供達へ蹴り返す女子生徒。
 特に不思議な点も無い。
 その後の電話を終えた後の彼女の様子以外には。)

――。

(子供達の方へ歩いていく彼女。
 電話の内容までは聞こえない。
 見た限りではおかしな様子も無い。
 が、何かが引っかかった。
 ただの勘。)

――オイ、そこの。

(その勘に従って、彼女に声を掛けた。)

織原 仄香 > あんまり子供相手にした事はなく、
むしろ初めての試み、

(でもまぁ…、いつもと同じ、作業を繰り返すだけだよね…)

あともう少しで子供達の所に辿り着く…
行動を起こそうとしたその瞬間のこと。
こちらに向けらた声にピタリと足は止まり
その場に立ち止まる。
声のした方に顔を向けてキョトンとした表情で、
そちらに視線を向けて『わたし?』と言わないばかりに自分を指差し首を傾げて。

「…はい?わたしですかー?」

何だろう?といった様子。
じーっとそちらを見つめて両手を背中に回して手を結んで、彼の返事を待つ。

レイヴン >  
(振り返った彼女の顔を見る。
 授業で見たことがあるような気はするが、いまいち覚えていない。)

お前だお前。
何してるこんなとこで。

(呼び止めては見たものの、さてどうするか。
 放っておくと不味い気がしたものの、そうでもない気もしないでもない。
 とりあえず教師らしくぶらぶら遊び歩いている生徒を注意する、と言った体で彼女の方へ近づいていく。)

織原 仄香 > 「何してるかって、帰ってるとちゅーですよ?
それと、あの子達を…
…あ、もしかして、せんせーですか?」

彼の方から近くまできてやっとわかった。
比較的授業に参加するしてるから授業を受けたことがある程度だが。

「せんせーこそ、こんなとこで何してるんですかー?
あ、もしかして、サボってたり…?」

にこにこと悪戯な笑顔を見せてじろーっとまん丸の目で彼の様子を伺う様に見つめる。
まるで彼の挙動や表情を分析する様に…

レイヴン >  
(近くまで寄って思い出した。
 何度か授業で見かけた事がある。)

そうだよセンセーだよ。
帰る途中なら寄り道してねーでさっさと帰れ。
……あのガキどもがどうした。

(ちらりとそちらを見れば、サッカーボールで元気に遊ぶ少年達が見える。
 視線を彼女に戻せば、丸い瞳がこちらをじいと見つめている。)

サボってねーよ。
仕事終わったから帰るんだ。

織原 仄香 > (あちゃー…しまったなぁー…)

「子供達、あー…えーとー…」

聞かれたら嘘なんてつけない性格、
ここでわたしが思った全てを放してしまえば
彼はわたしを止める、
もしくは殺める可能性すらある。
だからわたしは敢えてありのままを伝えた。

「電話で連絡が来て困ってる人がいたから、
あの子達に対してわたしはいーことしようとしたんです。
ほら、頼みごとを聞いてあげれば、それは間違ってないでしょ?せんせー。」

表情に焦り等の感情を一切出さずに相変わらずにこにこ、
言葉の中に曖昧な部分はたくさんのだが…
多分私は次深く聞かれたら全て言ってしまう。
嘘がつけないから。

「なーんだ、サボってるならちょっと楽しかったのに。」

本気で残念そうに眉尻を下げ、地面を蹴り悔しがる素振りを見せた

レイヴン >  
……。

(彼女の言葉を黙って聞く。
 表情は変わらない。
 ただ、じっと彼女の目を見ているだけだ。
 見下ろすように、じっと。)

おいお前ら。
んなとこで遊んでねーでさっさと帰れ。
――あァ?
センセーだよセンセー。
ガキは家でゲームでもしてろ。

(とりあえず、彼女を追い越し、少年達に声を掛ける。
 おっちゃん誰とか怪しい人だとか言う少年達の嬉しそうな声を流しながら家に帰るように促す。)

織原 仄香 > 「あっ…。ちょっと待って…あー…」

彼が私を追い越し何をするかて思ってるうちに、
彼は遊んでる子供達を帰らせてしまった。
これじゃ私に向けられたお願い事ができなくなっちゃう。
ちょっぴり不機嫌気味に膨れっ面で

「きゅーにどーしたんですか?
あの子達より、私の答えに対して無視はひどいよ。
帰しちゃうし…」

帰宅していく子供達を惜しそうに見届ける。
膨れっ面は落胆の表情に変わりためいきをついた。

レイヴン >  
(子供達は素直に帰ってくれた。
 煙草に火を付け、煙を吐き出す。)

――で。
お前がガキどもにしようとしてた良いことってなぁ、なんだ。

(振り返らずに問いかける。
 彼女からの言葉は無視。
 有無を言わさぬ威圧感を背中から放つ。)

織原 仄香 > (だめか、ま、いっか、そろそろ私の番が回って来たんだ。)

さぁぁ、と風が抜けて私の髪の毛が揺れる。
さっきまで賑やかだった子供達が居なくなって、
気づかなかった風音が妙な静けさの中によく聞こえる。

にこりとした表情は依然として変わらないものの、
うちに秘めた根深い曲がった信念が瞳に生気をもたせて気強い眼差しへと変わる。

「いーことはいーことですよ、せんせー。
あの子一人が居なくなれば幸せになる人がいたんです、
人が死ぬことで幸せになる人がいる、
だから私は悪い事しよーとしてたわけじゃない。」

これはもう、退学だ。
そんな言葉がこんな時でもよぎる。

「ね?…だから、私は間違ってない、幸せを摘み取る様な生命に価値はないの。」

笑顔が消えた、見開いたまぶたと、
開いた瞳孔、彼の威圧感なんてもろともしない、
うちに秘めた曲がった狂気が見え始める

レイヴン >  
――そうか。

(悪い予感は間違いじゃなかったらしい。
 間違いであった方が良かったけれど。)

人助けしてんだな、お前は。
別にそいつは間違っちゃねーよ。
人助けってんなら、良いことだ。

(煙を吐き出す。
 分かっていた事だ。
 彼女に限らず、そう言うのが学校に入り込んでいてもおかしくない。
 ここはそう言う島だ。)

――ただ、まぁ、子供殺すってのは。
感心しねぇな。
出来ればやるな。
無理ならやる前に呼べ。
止めてやっから。

(振り向き、彼女に近付いて。
 彼女の頭を、わしりと乱暴に撫でる。)

織原 仄香 > 「そーだよ、私は間違ってない、
人を助ける為に殺しちゃうの。
…いーこと?せんせーもそう思うの?」

(あれ?…何時もと違う、なんで、なんで?)

困惑気味に眉を顰めて、
頭の中が一気に混乱に陥る。
いつもこの話をしたら私を止めに来る。
私は止められたら不幸になる。
私を不幸にする相手に価値はない、
両親もそーだった、
じゃーなんで?これは何?この状況は何?
ぴしりぴしり、と、私の中で何かが割れる音がする。
ガッと私は右手で頭を支える、
痛みを感じないから頭痛じゃないけど、
モヤモヤする不思議で気持ちが悪い感覚。
睨む様な目で彼を見つめる。

「触るなっ!!!」

彼がわたしの頭を撫でると、
わたしはその手を思い切り弾き一歩後退する。
首をぶんぶんと振り、髪の毛は乱れてわたしの何かが崩壊していく。

「わ、わたしは、あの子を殺さなきゃ、
わ、わたしの価値はなくなる。
それだけじゃない、全部、全部!!
…無理、無理だよ…止められないの。
せんせー。」

震えた声で乱れた髪の毛の隙間から彼を睨む、
まるで彼を警戒する様に

レイヴン >  
お前が良いことだと思ってやってんだろ。
なら、お前は良いやつって事じゃねえかよ。
手段はどうあれ、お前の根底にあるのは「良いことをしたい」って考えなら、それは良いことだ。

(彼女が悪いわけではない。
 彼女は良いことをしようとしているだけだ。
 悪いのは、彼女ではない。)

――。
お前、俺の授業受けてんだろ。
面倒でもか、好きで受けてるんかはわかんねーがな。
俺の授業に出てるだろうが。

(払われた右手。
 一瞬その右手を見て、その右手をポケットに突っ込む。
 左手の指に煙草を挟み、それを彼女へ突き付けて。)

お前は俺の生徒だ。
俺にとっちゃ、それだけで充分お前の価値はあるよ。

織原 仄香 > 「せんせーが、そーいうなら、わたしは止まらないよ。
止めるのなら勝手に止めて、わたしはわたしのいーことを繰り返していく。」

精神が砕かれかけたみたいで苦しい、
普通の痛みより何十倍も痛い。

「授業は好き、だって、わたしは資格いっぱいとるんだから。
…わたしに、価値なんて最初から無い、生まれを否定されたなら、その存在意義すらないんだから。
…せんせーは、変わってる。」

(わたしも、か…)

一歩後退した場所からくるりと彼に背を向ける。

「そろそろ、帰ります、せんせー。
…また、話しましょう。」

背を向けたまま言葉を彼に送り、
わたしはその場から走り去っていった。

ご案内:「常世公園」から織原 仄香さんが去りました。
レイヴン >  
正直な事いやぁ止まって欲しいけどな。
見えてる限りは止めてやる。

(普通の教師ならば止めるべきなのだろうけれど。
 それでしか自分の価値を感じられない行為ならば、止められない。)

――数学だと取れる資格は大したもんでもねーけどな。
なんにせよ、好きで授業出てくる生徒っつーなら、俺にとっちゃ充分過ぎるほど価値あるよ。

(煙草を地面に捨て、靴で踏み付け火を消す。
 が、ここは公園。
 舌打ちをして、拾い上げた。)

おう。
気ィ付けて帰れよ、織原。

(その背中を見送る。
 煙草の吸殻はゴミ箱に捨てておいた。
 火は完全に消えているので火が起きる心配も無いだろう。
 彼女の名前は知っていた。
 教師だから。
 自身も歩いて公園を後にする――)

ご案内:「常世公園」からレイヴンさんが去りました。