2017/08/12 のログ
ご案内:「常世公園」に鈴木竜一さんが現れました。
鈴木竜一 > 夕暮れ時の公園で,規則的に地面を蹴る軽快な音。
公園の外周をランニングしていた青年は最後にピッチを上げて,
やがてベンチの前でゆっくりとスピードを緩めた。

「……っしゃ,今日はこんなモンにしとくかー。」

軽くストレッチをしてからベンチに腰を下ろし,置いておいたスポーツドリンクを飲む。
それから,タオルで顔と首回りの汗を拭った。
涼しくなってきた風が,汗を冷やしていく感覚は心地良い。

「……あ,もうちっと持ってくりゃ良かった。」

残念なお知らせ,スポドリ切れである。
まぁ,喉が渇いているというほどでもないし,気にすることも無いか。

雲がかかった夕暮れの空を見上げて,青年は小さく息を吐く。
…………まだ,この島には馴染めていない。だからこうして,かつての習慣を繰り返している。

鈴木竜一 > トレーニング後のこの時間が,昔から好きだった。
きつい練習をした時ほど,その達成感や解放感は大きかった。
一緒に練習をする仲間も居たし,この時間に馬鹿な話をするのも好きだった。

「………………。」

1学期だけを過ごした高校では,“鈴木竜一”は交通事故で死んだことになっている。
いちいち説明するのが煩わしかったのと,両親を失ってそれどころではなかったのと…
…結局説明するタイミングを逃してしまい,そのままこの島に渡ってしまった。
異能を知っている何人かの旧友はきっと,気付いているだろうが…。

「……マジで,大丈夫かなぁ。」

…この学園はどちらかといえば大学のような,授業を選んで履修するシステムのようだ。
だから学級といった概念は殆ど存在しない。全てが自分次第で,全てが真っ白な状態。

新しいクラスに転校するのも緊張するのだろうが,これはこれで,経験がない分余計に不安だった。

ご案内:「常世公園」に筑波 察さんが現れました。
筑波 察 > 「さぁて、授業がないとここまで暇になるとは…
リハビリも訓練も新しい発見がなくなってきたし。
そろそろやり口を変えていかないとなぁ」

(夕刻。今のように能力が拡張される前であれば肉眼での視力が限界を迎える時刻だ。
しかし今では時間帯も光量も関係ない。
行き詰ってしまった研究の打開策を考えるべくいつものように公園に足を運ぶが、
今日も先客がいるようだ。

一度自販機に立ち寄って缶コーヒーを購入すると、
少年が座っているベンチのとは違う、
もう一つのベンチに腰を下ろす。見た感じ運動が得意そうな人だ。

「この島は悩みを抱える人が多いねぇ?」

(ベンチに座る少年の、不安げなつぶやきが耳に入ると、
少し茶化すように声をかける。
悩みを抱える人。その中に自分も半分含まれているのはとりあえず置いておく>

鈴木竜一 > 空を見上げたまま,誰もいないと思っていたが…声を掛けられてしまった。
しかもなんか聞かれてたらしい,めっちゃ恥ずかしい…。
視線を声のしたほうへ向けると,何だかちょっとサイバーな感じのゴーグル男子。
多分,歳はそんな離れてないんじゃないかな…という印象だ。

「…あー,俺この島に来たばっかしでさ。
 もーマジで色々通用しないのなんのって…。」

できるだけ平静を装って,貴方の声に反応する。
ないようはそのまま本音だったから,違和感はないだろう。

「…てか,俺以外にも悩める男子がどっかに?」

貴方の内心を読んだのではなく,多い,という言葉への反応。
だけれど貴方を真っ直ぐ見ているから,察して問い返しているようにも見えるだろう。

筑波 察 > 「来たばっかりねぇ、とりあえず上半期過ごしてみたはいいものの、
"外"とのギャップについていけなくてまだおろおろしてるってクチかな?」

(聞かれていた、というのは少し正確ではない。
能力柄耳がいいだけなので、
彼のつぶやきは本来であればだれの耳にも止まることのないものだったのだ)

「『どこにいるのか?』と聞いているなら『いたるところに』と答えるね。
少なくとも悩んでない人の方が少ないように思える。
もちろん異能や魔術で悩んでいる人もいるし、
人間関係で悩んでいる人もいるし」

(彼は何で悩んでいるのだろう。
周囲との壁?常識との乖離?力の制御?もしくはそのすべて?>

鈴木竜一 > 「そーだったら良かったんだけど,まだこっち来て2週間くらい。
 ぶっちゃけ,何がどこにあんのかもサッパリな感じ?」

貴方の能力を知らないこの青年にとっては,全く同じ事だった。
独り言を聞かれたり,鼻歌歌ってるのを聞かれたりするのはやっぱり恥ずかしい。
よくやるけど,やらかすけど。

「そーいうことか。
 ま,俺もそーだけどさ,この島に来るって時点でお察しってヤツだろーしな。」

あまり他人の事情に踏み込むのが好きなわけではない。
それで傷つけてしまうことがあるかもしれないからだ…けれど,貴方の口調が妙に哲学的というか,達観しているように聞こえたので…

「…で,そー言うにーさんも,悩んでる人の仲間だったりして?」

なんて,冗談交じりに聞いてみた。

筑波 察 > 「それはまた妙な時期に来たもんだね。
まぁ、上半期が終わりそうな、テストが重なる時期に来た子もいるし」

(別段変ってほどでもないか。そう続ける。
町巡りで場所を覚えるよりも、こうして身体を動かしているあたり、
やっぱり体育会系なのかな、と思ったり)

「んー?でもこの島にいるから皆何かしら力を持ってるってわけでもないみたいだけど。
純粋に商売で来てる人も多いって聞くし」

(これは本当だ。別に島に隔離されているわけではないのだから)

「悩んでないって言えば大嘘かねぇ?
ま、命を持ってかれるような危険なもんでもないしねぇ。
自分で勝手に問題を作ってそれを解くために悩んでるだけ」

(これは嘘じゃない。実際問題自身の能力は十分に制御できている。
これ以上何もしなければ島では珍しい、ほとんど異能を自由に操っている部類になるのだから>

鈴木竜一 > 「まー,なんてーか色々あってさ…。
 気楽でいいけど,授業無いと逆に誰とも会わなくてヒマでしょーがないよ。」

この島の通常を知らない青年はそうとだけ答えた。
実際,勇気が出ずにあまり人気の多い場所に出歩かなかったこともあって,知り合いの数はまだ本当に少ない。

「あぁ,学生街とかのお店かー。
 地元の商店街みたいな雰囲気で嫌いじゃないけど,ショッピングモールとか無いと不便じゃない?」

個人的には大型のスポーツ用品店が無いのだけが不満である。
探せばあるのかも知れないけれど……。

「また難っしいことを…数学とかの問題じゃないだろーし?」

青年は苦笑を浮かべた。
貴方が抱えている,作りだしている問題というのはきっと,
自分の思い付くようなレベルのものではないのだろうと。

「…あれか,好きな女の子の口説き方とか?」

けれど敢えて,そんな軽口を叩いてみた。

筑波 察 > 「いろいろ、ねぇ。
言葉を濁すあたりいろいろあったんだろうねぇ。
授業がなくて暇なのはすごくわかるね。
新しい発想とか、そういうのがなくてつまらないし」

(自分で勉強したりしてもいいのだが、労力が半端ではない。
教えてもらって理解できるならそっちの方が楽だ)

「僕は普段あまり出歩かないからね。
あまり洒落た店とか、娯楽施設はしらないんだ。
だから困ったこともあまりない。最低限のものが買えればそれでよかったりするし」

(でも本屋がないのが不満だ。
図書館と古本屋しかないのが不満。探せばあるのかもしれないけど)

「半分正解。
僕は異能のために異能を勉強したことがない。
異能の勉強よりも数学や物理やってる時間の方が長いかもねぇ」

(自分でややこしくしているのだ。
これ以上いじらなければ安定しているのに、あえて手を出してあれこれ試している)

「それも半分正解。
性格にはどうやったら相手の特別になれるか。かな?
そういう話題をふる君には、恋心寄せる相手がいたりするのかい?」

(目には目を、歯には歯を、冗談には冗談を。
黙って茶化されたまま、とはいかないのが世の常だ>

鈴木竜一 > 「別に隠してるわけじゃないんだけどさ,あんまし良い話でもねーし。
 ってか,にーさん真面目だなぁ…俺はほら,どっちかってーと,授業よりも休み時間の駄弁りが楽しみなタイプだから?」

無論,授業はしっかり受ける。
けれど,そのために学校へ行っているかと言われれば,それもNOだ。

「ゲーセンくらいはあるらしーけど,まぁ,行かないだろうなぁ。
 生活するだけなら学生街でどーにかなりそーだし,まぁ,それだけ考えたら便利なんだろーけど…。」

本土に慣れた感性ではやはり,物足りない部分もある。
この島での楽しみも,見つけていかなければならないだろう。

「……何でそーやって難しく話すかなぁ。」

苦笑をうかべてから,けれど最後に告げられた冗談に,肩を竦めて笑う。

「もし,来て2週間でそんな相手が居たらスゲーと思わん?
 そもそも警察官みたいなおねーさんと,蛇みたいな身体の女の子にしか出会ってねーしなぁ…。」

貴方の冗談にさらに冗談を返す,ほどの口先は持ち合わせていなかった。
だから素直にその質問に答えることにして,それから…

「…相手の特別に,って,なんかだいぶレベル高い話じゃね?
 それ,アレだろ……結婚とかそーいうレベルの話だろ?」

自分の中の常識を基準で考えると,そんな結論に達して…

「アレ,ってか,にーさん一体何歳?」

もしかしてまたやってしまっただろうか。見た目で年齢を判断するのはタブーにした方が良いかもしれない。

筑波 察 > 「だから聞かずに"いろいろ"っていう便利な言葉を使っているんじゃないか。
真面目って言うか、ほかにやることもないしねぇ。
お世辞にも友達が多いってわけでもないし。
駄弁るのは僕も好きだねぇ。
だから今もこうして名前も知らない相手と会話を弾ませている」

(会話が弾んでいる、というのはあくまでこちらが勝手にそう思っているだけなのだが)

「まぁ、カジノとかならあるけど。
ゲームセンターとはちょっと意味合いが違ってくるからねぇ?
何かを考えてないと落ち着かないんだ。
なんでだろうなんでだろうって」

(ここまでくると若干病気なのかもしれないが、それが楽しいのだ)

「……結婚?
まぁ、結婚したら特別な存在になれるねぇ」

(少年の言葉に少し不思議そうな表情、と言ってもゴーグル越しだが。を浮かべて、
おかしそうに笑う)

「別にそこまでしなくていいんだよ。
相手がふとしたタイミングで僕のことを思い出してくれればいいんだ。
そのレベルでいい。そうやって思い出して、
覚えていてもらえるなら好かれるか嫌われるかはどうだっていいんだよ」

(ひとしきり笑った後で、簡単に説明する。
だからこんな面倒な話題をだすのだ。
無意識にこの話題を提供している節もあるけれど)


「ん?僕かい?僕は17歳だよ。
あー、君はこの島に来て見た目で判断することの怖さを知っている感じかな?」>

鈴木竜一 > 「さんきゅ,そのうちまぁ,話したくなったら話すよ。
 ってか,どう考えても今の俺よりは多いと思うぞ?」

会話が弾んでいるかどうかは…何とも言えないところだ。
けれどそれは貴方の口調が硬いからそう感じるだけかもしれない。
少なくともこうして話しているのは,案外心地よかった。

「あー,俺は鈴木竜一ってんだけど,にーさんは?」

そんな風に軽く名を名乗って,貴方の名を聞く。

「カジノ……それって未成年が近付いちゃ駄目なパターンじゃね?
 ってか,にーさんそれもうなんか末期症状っぽいぞ!
 たまには何も考えねーで思いっきり身体動かしてみよーぜ!」

まぁ,無理にとは言わねーけど。なんて,苦笑する。貴方の好みや生活を否定するつもりは無いから。

「…なんだ,もうそーいう相手が居るのかと思ったじゃんか。
 覚えていてもらえれば良い…って,何かそれも不思議なハナシだなぁ。
 嫌われっちったら意味ないような気もするけど…。」

貴方の言葉の違和感を口に出したりしながらも,青年は考える。
覚えてもらうにはどうするべきか。

「よし,一目見たら忘れられないような髪型にしてみるとか?どうよ!?」

………酷い結論であった。

「何だ,タメじゃんか安心したわー!
 そーいうこと,ってかそん時は年齢だけじゃなく性別も間違って,マジで逃げ出したい気分だった。」

筑波 察 > 「君が自発的に話せるようになる日を願ってるよ。
知り合いは多いけど友達っていうプラスの意味で呼べる人は案外少ないかな」

(そもそも友達の定義とはなにか。
そんなことにまで思考を割きそうになる)

「僕の名前は筑波、筑波察っていうんだ。
この島じゃ未成年なんて特に意味を持たないさ。
それこそ1000年生きるやつの20歳なんて幼子もいいところだし。

身体は毎日動かしてるよ?
これでも人間相手なら素手で殺…倒すくらいの自身はあるよ。」

(言いかけて、言葉を選びなおした。
この間までダミー人形相手にあれこれ実験していたせいだろう)

「そういう相手ねぇ。
相手の特別になりたいとは思うけど、特別な存在が欲しいと思ったことはないかな」

(嫌われたっていいのだ。
嫌っている割にいつもそいつの話を話題に出して、
悪口を言うやつを見たことがあるだろう。あれでいいのだ)

「たぶん、君の髪型以上に僕のゴーグルの方が目立っていると思うけどね。
性別間違えちゃうのは……仕方ないね」

(とかく、この島にはいろいろいるのだ。
それこそ、異世界から来たような奴らばっかりなのだから。
なれないものを見て間違うのは仕方がない>