2017/10/22 のログ
ご案内:「常世公園」に黒峰龍司さんが現れました。
■黒峰龍司 > 今夜も今夜とて、黒いスーツにサングラス姿。愛用のアメスピを吸いながら、フラリと公園へとやって来る。
何時もなら歓楽街か落第街辺りを適当にウロついている所だが、まぁ偶にはこういう場所も悪くない。
「…つーか、最近平和ボケしてる気がしてならねぇな」
元の世界と照らし合わせると、この島は矢張り平和な部類になってしまう。
とはいえ、この島にも色々と深い闇があるのは何となく気付いてはいるが。
そういう闇とは対照的に、ここらはまた随分と平和な光じみた落ち着きがある。
(…悪くはねぇんだろうが、やっぱ俺の性分にゃ合わねぇってな)
学生生活を送るようになってから、改めて感じるのは己が根っからのアウトロー気質だという事。
無論、退屈だが学生というのもまぁ今後味わう事も無い立場だから貴重な経験にはなるのだろう。
■黒峰龍司 > 煙草を蒸かしつつ、ベンチや自販機には寄らずブラリブラリと公園を歩き回る。
そういえば、何だかんだで公園を普通に歩いて回るのは初めてかもしれない。
まぁ、大抵は自販機で飲み物を買ってベンチで一服してから立ち去る、という感じだったし。
「…つっても特に見て面白ぇモンがある訳でもねぇしなぁ」
公園に奇抜なモノがそうそうある訳は無いのだが。しかし退屈凌ぎくらいの何かがあって欲しいとは思う。
退屈は人だけでなく龍も殺す。休息の意味合いも無く、ただただ無為に時間を過ごすのは矢張り詰まらないものだ。
「……そういや、もうすぐ冬…だっけか。四季ってのは新鮮だな」
こちらの世界に来てから迎える冬は…確か二度目だったか。歩きながらサングラス越しに空を見上げ。
■黒峰龍司 > 「……あン?」
携帯…支給されたガラケーの方にメール着信。懐から億劫そうにソレを取り出して内容を確認。
…何時もの仕事だ。一応、情報商会に所属しているので当然、彼にもそういう仕事が回ってくる。
「……へいへい、俺は何時ものように足で稼げと。まぁツテもそんなにねぇしな」
とはいえ、1年近く落第街で暮らしていれば、それなりに知り合いやら付き合いも増えてくる。
決して大きくはないがそれなりに情報屋としての地盤は固まりつつあるのだ。
――無論、別に男は将来一人立ちして情報屋になる!という事は全く考えてもいないが。
(…ま、落第街やスラムの近況が割とリアルタイムで入ってくるのは便利といやぁ便利だわな)
吸い終わった煙草の吸殻を魔術で一瞬で灰にして夜風に流しつつ、2本目を取り出して口に咥え。
■黒峰龍司 > 「さて。と。そろそろ行くか…」
2本目の煙草も吸い終わり、同じように吸殻を魔術で灰にすれば右手を軽く振る。
現れた直径2メートルの円形の暗闇の中にヒョイッと身を滑り込ませて。
そのまま、穴のようなその空間が閉じれば公園はた完全に無人の静かな空間に戻るだろう。
ご案内:「常世公園」から黒峰龍司さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に和元月香さんが現れました。
■和元月香 > 「...っはーあ、死ぬかと思った!」
昨日から何度目かになる言葉。
月香は公園のベンチで夜空を見上げながらまた、
軽い口調で叫ぶように言った。
しかし、現状はそんな軽いものではない。
左腕は三角巾で吊るしている状態で、
脇腹には包帯を巻き、右太ももにはガーゼを貼っている。
怪我人と言えば、で思い浮かぶ姿そのままだ。
■和元月香 > 「左腕全然動かないし不便だなぁ...」
固定された左腕を振り回しながら不満げな表情を浮かべる月香。
昨日は、この島で月香が死ぬかもしれないと本気で思った日だった。
全身の複数箇所に衝撃による打撲跡や爆撃による火傷があり、
特に左肩の損傷は酷かった。
口の固い個人経営医院の医者に診てはもらったものの、
左肩は高度な治癒魔術をかけても少なくとも全治2週間。
肩と脇腹、それから太腿以外は
中度の治癒魔術を重ねがけすることで完治した。
ただ左胸下の傷は完治したものの傷跡が残ってしまった。
肩や脇腹、太腿も傷跡が残ることは避けられないだろう。
■和元月香 > 普通の学生が歓楽街を彷徨いていたからああなった。
その理屈は分かるし、反省すべきなのだろう。
しかし月香はどうも、不機嫌では無さそうだった。
「〜...♪」
むしろ、機嫌良さげに歌を歌い始める。
なぜ高揚したら気持ちになっているのか?
月香自身もそれの理由は分からなかった。
分からなかったのだが。
久々の肉薄した戦闘の興奮が冷めない。
ただそれだけの話だった。
自分の命の重みなど月香には無価値だろう。
だがそれでも、死にたくはなかった。
それを守り切った高揚。虚ろな気分にならなかった喜び。
きっと月香以外の誰も、理解できない喜楽。
■和元月香 > だけどいくら言葉を重ねても、
それはどうしても気まぐれな感情だった。
月香自身が全て、気まぐれで出来ているような人間だから。
「...まぁ、それがどうしたって話なんだけどねー」
ぴたりと歌声を止めて、そう嗤いながら月香は独りごちた。
死ななかったラッキーが素直に嬉しかった。
久々の戦闘は案外面白かった。
ただそれだけの話だろう。
「.....にしても、あの蜘蛛のおねーさん一体なんなんだ?
私なんか食べても、美味しくはないだろうに」
肉とかろくについてねぇぞ?と自分の体を見下ろす。
...まぁ恐らく、性的な意味でぱっくんちょされる所だったのだろうが
それについては考えない。考えたくない。
■和元月香 > それから、少しだけもやっとする。
不快というか、不思議な感慨である。
「...私、くっそ弱いな...。
今は」
傷跡が薄く残った右掌を星に掲げて淡々と呟いた。
■和元月香 > 「ま、当たり前か...」
小さく溜息をつく。
鬱々とした様子はなく、すっくとベンチから立ち上がり。
あくまで気まぐれに、飄々と。
「...暫く学校、休もうかな」
満身創痍の女子高生は不便な生活に少しだけ興味を持ちながら、
実にあっさりと夜道へと消えていった。
ご案内:「常世公園」から和元月香さんが去りました。