2018/01/19 のログ
ご案内:「常世公園」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
■鈴ヶ森 綾 > 朝から降り続いていた雨は夕方を前に雪に変わり、街を徐々に白く染めてゆく。
公園の中は特にその進行が早く、人の行き来が殆ど無い場所等はもうすっかり雪に覆われている。
そんな白色の世界に、傘を手にした少女が一人、白い息を吐きながらやってくる。
行き先は何時ぞや雨宿りに使った東屋。その屋根の下に入りこむと傘を畳んで少し湿った木製のベンチへと腰を下ろす。
無論、傘を持ってきているのだから今日は雨宿りというわけではない。
雪見などと風流を気取るつもりはないが、ただなんとなく、雪を見たくなったのだ。
■鈴ヶ森 綾 > 「雪なんて、忌々しいだけなのに…。」
空気は冷え切り、動くものと言えば降りしきる雪だけ。
その冷気が全てを凍らせてしまったかのように辺りは静まり返っている。
街の喧騒もここには届かない。
思わず漏らした自分の呟きだけが、唯一の音として耳に届いた。
彼女がそのまま黙り込んでしまうと、いよいよ雪と静寂だけが辺りを包む。
街灯に照らされた石畳が雪に覆われていく様を見ていると、どうにも胸がざわつく。
ご案内:「常世公園」にイチゴウさんが現れました。
■イチゴウ > しんしんと降りしきる雪は辺りの景色一帯を
白く染め上げ喧騒の音を吸収するように奪っていく。
そんな幻想的な世界に似つかわしい叩くような金属音が
一定のリズムを刻んで奏でられる。
公園に近づいているのは一機の四足マシン。
ゆるやかな曲線を描いているその背中には
多少なりともの雪を積もらせているが
この機械は気にも留めていない。
道路を歩いて公園の入り口へと近づけば
そのまま90度曲がって中へと入ってくるだろう。
■鈴ヶ森 綾 > 何をするでもなく、目の前が白く染められていく様をただ見つめるだけ。
そうして時を過ごしていると、不意に静寂が破られる。
どこか遠くの世界を渡り歩いていたような感覚から現実へ引き戻され、音の方向へと顔を向ける。
「……風情の欠片もないこと。」
最も、こちらもそんな物を求めてこの場にいるわけでもないのだが。
何度か見かけた歩く金属の塊が悠々と石畳をゆく様を見てそのように毒づく。
■イチゴウ > 公園に入る。
目的は記憶ストレージの整理だ、
定期的にやっておかないと思考速度に影響が出てしまう。
大体この公園は静けさの恩恵もあり情報整理にはうってつけで
余計な外部情報が流れないこの場所はいつしかロボットにとって
憩いの場のようなものになっていた。
前を見る。
今日の公園には一人の先客がいたようだ。
その者はこちらに目を向けるが彼女が何を思ったのかはわからない。
ただロボットはコミュニケーションを取ろうとするだろう。
会話の最初は挨拶から、そのプログラムに従い
「やあ。キミに会うのはこれで3回目だと記憶している。」
彼女が内心毒づいているのも知らないままそばに近寄ると
無線機を通したようなそんな機械音声で会話を始めようとする。