2018/07/19 のログ
神代理央 > 缶の中身が空になった頃。風紀委員の通信端末が淡く輝き振動する。

「…公安委員会からの要請?彼処は風紀の様に派手な戦はしない筈だが…」

風紀委員に比べると情報開示も無く、秘密警察めいた活動を行う公安委員会。それ故に、派手な行動を取ることは無いのだと思っていたが―

「…まあ、此方に流れてくるという事は、秘匿性自体は少ないのだろう。何処もかしこも人手不足ということか」

単純な手数だけなら、違反部活が遙かに勝る。此処の武力で勝っていても、仮に違反部活が一斉に蜂起すれば島の防衛は危ういかもしれない。
だが、そうはならない。結局の所、彼等とはある種での共存関係にある。
島の闇に住む者達にとって、常世学園そのものの消失は避けなければならない事態でもあるのだから。
光と影は表裏一体。即ち、光が無ければ闇も存在し得ない。

「それを理解せぬ連中を刈り取るのが、仕事でもあるんだが」

空き缶をゴミ箱へ放り投げ、コートを翻して大通りへと向かう。
今夜は特に急ぎの仕事も無い。家に帰って、ゆっくりと休養を取ることが出来るだろう。
小さく欠伸を噛み殺しながら、明日の予定を反芻しつつ、少年は帰路へとついた。

ご案内:「常世公園」から神代理央さんが去りました。