2018/08/30 のログ
國宏一実 > 「あぁ...言われてみればそうなの...そうだな...」

女という生き物はやはり日焼けやらその辺を気にするのだろうか?
あまり考えたことないことをふと思えば少しばかり考えてみる。

「あぁ、今頃家出苦しんでるだろうさ。
近づかない方が身の為だ、それにこれ以上犠牲を増やすわけにはいかねぇし。
くくっ...確かに、奴等の慌てっぷりはお笑いだったよ。」

誤魔化しきれただろうか?頭のなかで居候が文句を言っているが気にしない。
割りと気が合うのでは?なんて思いながらここに来て初めて笑って見せる。
先程までの違和感は気のせいだったのか?と少し考えていたが。

「...無理?俺はこれが...自然体なんだけどな...。
そいつはあまりいい趣味じゃないな、他人の不幸が好きだなんてよ。」

無理なんてしていない。そう自分に言い聞かせるように心を落ち着ける。異形が焦ったかのように表に出てこようとするが制止する。
だが鼓動は激しくなる、本当は辛い、そう口に出したい。
ただ、それを言ってしまえば何か繋いでいた糸が切れてしまうような気がして。
彼は動けなかった、図星と言わんばかりの表情で相手の動きを見つめていて。

鈴ヶ森 綾 > 「ぞんびーだかずんびーだか知らないけど、早く駆除してもらいたいわ。
 …あら、そちらはよっぽどみたいね。」

先程の態度といい今の反応といい、彼も風紀に対して色々と思うところがあるらしい。
知らず知らずシンパシーを感じ合う二人だったが、その根本にあるものがまったく異なる事にはどちらも気づいておらず。
こちらも薄っすらと口元に笑みを湛えた。

「ふふっ、不幸だなんて。そっちの方が男らしくて素敵って言いたかったのだけど?
 そうやって妙に気を張っているよりも…。」

身体を寄せ、制服の布地越しに柔らかな胸や脚部を押し当てるようにくっつかせる。
男が何も抵抗しないのを良いことに首に手を回して引き寄せるように互いの顔を接近させ、
後少しで唇が触れ合うか合わないかというところで、猫がジャンプ一番背中に飛びついてくる。
やめて、制服に爪を立ててしがみつくのはやめてちょうだい。

密着させていた身体は既に離れ、現在彼女は背中の猫と格闘中である。

國宏一実 > 「あぁ、次あった頃には元気でくれるといいんだがな。
そうだな...ぞんびとやらが全部処理されねぇといい夢が見れねぇ。」

自分もアンデッドの駆除に尽力しているが、いかんせん数が多い。お陰で助けられなかったと。
犠牲になった奴等に負い目を感じているのか、下唇を強く噛んだ。

「はっ、悪いが俺は前々からこんなんなんだよ。
って、何してッ!」

両目を大きく開き、相手が自分から離れると同時にこちらも数歩ひく。
危なかった、人間関係そのものが薄い彼にとっていまのは正直胆が冷えた。
猫と戯れている彼女を見ては気の抜けた表情で立っていると、先程までの制止を無視して異形が実体化し、左肩の上に現れる。

『オイ、俺ノ宿主二何シテルンダ。オ前、人間ジャナイダロ?』

まるっこい赤黒いスライムにむき出しの歯がついたそれはギリギリ声として聞き取れるような音で相手に聞く。

鈴ヶ森 綾 > ようやく猫を背中から引き剥がし、腕に抱きかかえて向き直ると、そこには正体不明の物体が。
はて、蛭子かなにかだろうか。

「それが例のつれかしら?幽霊の正体みたり、枯れ尾花…花っていう感じではないわね。
 何って…口に出してもいいのかしら?」

ちろりと唇の間から舌を覗かせ、何故かニンマリと笑って彼の方にお伺いを立てる。
猫が邪魔しなければ当然唇が重なっていただろうが、それだけで終わらすつもりもなかったと言外に言っているようで。

「人間じゃなかったら、何かしら。そんなに目くじらを立てられるような事をした覚えはないのだけれど。
 …まあいいわ。なんだかもうそういう気分じゃないし、今日のところはありがたい忠告に従って帰る事にするわ。
 今度はその余計なの抜きで会いたいものね。」

國宏一実 > 「居候っ!お前なに『少シ落チ着ケ...』」

左肩に乗っているそれを隠そうと掴もうとするが、異形は体から生やした触手で払いのける。
観念したかのようにため息を吐けば、人間ではない、その言葉を思い出し、彼女の方に目を向ける。

『霊等ト思ワレテイタトハナ。
口セズトモワカル、気ヅクノニ時間ガカカッタガ...。』

相手と打ってかわってこちらの異形は敵意丸出しだった。
仮にも自分の餌である俺を横取りされるのが種として気にくわなかったのだろうか?
彼女は自分に言葉を残して別れを告げる。

「はぁ....どうしたもんか...」

『奴ハ根本的ナトコロハ悪ダロウサ、勘ダガナ』

なんて会話をしながらその場から去っていく。
次あったときどうしたものか...

ご案内:「常世公園」から國宏一実さんが去りました。
鈴ヶ森 綾 > 最後にひらひらと手を振ってその場を後にする。
それにつけても、あの勘のいい怪生物はなんだったのだろうか。

「まぁ…それよりも先に、これをどうしたものかしらね。」

目下の問題は、この猫をどうするかだ。とりあえず歩きながら考える事にしよう。
そうして夜の公園を暫し散策した後、その日はまっすぐ寮へと帰った。
なお、猫は寮につく少し前に腕から逃げ出し、何処かへと走り去っていった。

ご案内:「常世公園」から鈴ヶ森 綾さんが去りました。