2018/09/15 のログ
■神代理央 > 「――ええ。風紀、公安共にアンデッドや犯罪組織の対応で手一杯といったところでしょう。とはいえ、半ば独立国家として運営されているこの都市が、外部に救援を求めるとは思えませんね」
無人の公園で、通信端末に向かって淡々と言葉を投げかける少年が一人。画面には相手の姿は無く、真っ白な立方体のみが映し出されている。
「…まあ、詳しくは帰宅してから。島の状況が気になるのは重々承知していますが、時と場所を弁えて連絡してください。私も、此の島では一介の生徒に過ぎませんので。では」
まだ物言いたげな通信相手に、半ば強引に通信を打ち切って端末を閉じる。
小さく溜息を吐き出すと、暗闇の中で煌々と輝く自販機の前で足を止めた。
「……売り切れてるのか。俺以外に買うやつがいるとは思っていなかったが…」
愛飲している缶コーヒーが売り切れている事に再度溜息を吐き出すと、代わりにカフェオレを選択してボタンを押す。
鈍い音と共に吐き出された缶を手に取ると、蓋を開けてその暴力的な甘さに僅かに表情を緩ませた。
■神代理央 > 缶コーヒーに舌鼓を打っている間に、再度通信相手が振動音と共に鳴り響く。
何事から端末を取り出して視線を落とすと、落第街で発生した小規模な組織対組織の抗争を鎮圧せよとの命令が下っていた。
「人数は大丈夫そうだが…先輩方の機嫌を取るのも仕事の内か。
何度めかの溜息を深く吐き出すと、応援を求められた地区へと足を進める。
夜はまだ、始まったばかりであった。
ご案内:「常世公園」から神代理央さんが去りました。