2015/06/23 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」からカミューさんが去りました。
ラヴィニア > 「いえ、申し訳ありません。そのようなつもりはございませんでしたが」

言ってまた困ったように苦笑の表情を作る。

「一応は神に仕える身ではございますので……
色々とお話させていただいて、大変ありがとうございます。
それではお元気で。またお会いするのを楽しみにしております」

カミューが立ち上がると、自分も立ち上がってカミューへと返礼し、見送った。

ラヴィニア > そしてしばらくして、ひょいとテーブルの抹茶ラテに視線を戻す。
着席しなおすと、両手でカップをもってこくこくこくと飲む。
結局、会話中はほとんどカップに手をつけていなかった。

それから、カミューがやっていたように角砂糖を口に含んで噛んでから、抹茶ラテを飲んでみる。
こういうものなのだろうか、と小首を傾げた。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に詩想 八夜衣さんが現れました。
ラヴィニア > 「……ごちそうさまでした」

飲み切ると、一人で礼をし

「今度は本来のチャドー…………?というもので、飲んでみたいものですわね」

と独り言ちる。
ただ、ラヴィニアは茶室や正座という概念を知らないのだが……。

詩想 八夜衣 > (ふら、と寄ったカフェテラス。この頃通い詰めているのだが、相変わらず、混雑しているだろうか。それとも、多少とも空いているだろうか。いずれにしても、何となく、日本人ではなく、あからさまに外国人らしき人が目についた。金髪。)
………。
(ちら、と目を遣ると、抹茶ラテを頂いていたようで。どうしてか、親近感が。)
失礼、少々相席させて頂いても、宜しいでしょうか?
(何となく好奇を含んだ視線を馳せつつ、首を傾げた。)

ラヴィニア > 後もう一杯ほどいただこうか。今度はなにかお菓子でも
と考えていたところで声がかかり、そちらを見る。

「あら……はい、結構ですよ。今日はここもお人が多いですからね。そちら、どうぞ」

続けて相席を望まれるので、見れば周りのテラスは埋まっていっている。
言って、八夜衣に会釈した。

詩想 八夜衣 > ありがとうございます。それでは、失礼しますね。
(会釈に次いで、こちらは深々と一礼した後に、そちらと言われた方へと掛けた。)
…そうですね、今日もとても混雑しています。
(やはり、何時来ても人気の店は人が溢れかえっている様で。)
あ、ところで…外国の御方?
(彼女からしたらこちらが外国になるだろうが。相も変らぬ、何処か好奇的な視線。世間話の一つの様なものが出来れば良いのだが。)

ラヴィニア > 八夜衣の視線を受け止めて、浅い半眼の微笑を浮かべたまま

「はい。来たのはごく最近ですわ。イタリアからこちらに留学させていただいております。
向こうでは……修道院にいましたので、こういった場所のことは勉強させて頂いているところで」

答えて、「あの」と切り出す。

「丁度もう一杯頂いてこようかと思っていたところですので、よろしければお席の方一旦お願いしてもよろしいでしょうか」

詩想 八夜衣 > あら、イタリアの…。
修道院…という事は、キリスト教徒さんでいらっしゃるのでしょうか。
何にしても、少し変わった場所ですし慣れるのも大変でしょうね…。
(やっぱり、外国の御方だったようで。それにしても、修道院とは、ますます国の違いという物が感じられる。因みに、修道院と言う言葉はあまりどういう意味か理解していないが。)
えっと、はい勿論。いってらっしゃい。
(次ぐ言葉には、こくんと一つ頷いて。)

ラヴィニア > 「はい、そうですわ。カトリックです」

そう答えて、会釈してするするとカフェのカウンターへ。
ばたばたと走るわけではないが、身が軽い。
追加の注文を手早く済ませると、席へと戻ってくる。

「失礼いたしました……ありがとうございます」

二杯目もまた抹茶ラテ。ドーナツをひとつつけている。
席につくと先ほどの続きとばかりに

「まあ、それでも世界のモデルケース。
この辺りもそうですが非常によく整備されていて、素晴らしいと思いますわ。
外ではまだまだ治まっていない場所もございますから」

触れた言葉は今この世界に対する一般的な物言いだろうが。
ラヴィニアがこれまで見てきた物自体は、多少の偏りがある。

詩想 八夜衣 > (彼女が立ち上がった後。)
カトリック…。はて、免罪符を売ってたのはどっちでしたっけ。
(なんて溢しながら、彼女の行く様を見送る。店員さんを呼べばよかったのでは、なんて思ったがこの混雑だし、向かった方が早いのだろう。それにしてもあの身のこなし…ひょっとして戦闘の心得でも…?)

…あら、それ、美味しいですよね。
(抹茶ラテは自身の好きな飲み物であるので、ふと溢して。)

確かに、島自体はとてもよく整備されていますね。
島全体が治まっているか、というと少々疑わしい面もあるのですが…。
(暗に最近物騒ですよね、みたいなことを意図している様で。)

けれど、少なくともこの辺は整備されていますよね。
こうして平和に甘味を頂けるのは良い事です。
後、それで外国の御方が慣れやすいならそれもまた、良い事です。

ラヴィニア > 美味しいですね、と言われれば、少し眉根をよせて微笑む。

「本場のグリーンティーというのが気にはなっているのですが、
ラテとありましたから慣れていないわたくしでも大丈夫かなと思いまして。
大変美味しかったので、普通のマッチャというものもいつか味わってみたいと思っております。
チャドー、でしたでしょうか」

そして最近の島の状況を憂う言葉を聞けば、かすかに首を傾げ

「そうなのですね。未だあまり長くないものですから……
ただそれでも、少し見ただけで良い所だと思える場所ですわ」

欧州はオカルト結社の本場だ。それは世界の変容後も変わらない。

詩想 八夜衣 > (彼女の言葉に微笑まし気に、口元を隠しくすくすと。ただ、そこに悪意はなく。)
チャドー…茶道…ですか?
確かに、ラテと言うものは甘味があり良いものです。
抹茶独特の葉っぱの良い味、それから牛乳のコクと程よい甘味。喉を潤すのに丁度いい飲み物ですよね。
…ふふ、苦いものはお好き?
苦手なのでしたら、少しばかり覚悟した方が良いかもしれませんよ。
(外国の御方なら、抹茶の苦さも知らないで当然。その点を和人としてつらりと語れるのは、何処か誇らしい。)

あ、そうでしたね…すると、最近の物騒なお話も御存知ないのでしょうか。
(と、彼女が最近来たことを再認識しつつ。)

それは何よりですね。あ、良い所と言いますと…お気に入りのスポット等、見つかりました?
(打って変わって、平和な様相で平和な話に転じるのだった。)

ラヴィニア > 「混ぜもののないマッチャというものがどれほどの味になるのか、まだあまり想像できないものですから……
苦いものがそれほど苦手ということはないと思うのですが。
でも、そうですね、飲む時は、気をつけて飲ませていただくことに致しますわ」

ありがとうございます、と会釈し。
二杯目で慣れてきたのか、抹茶ラテに口をつける。

「お気に入りですか……いえ、あまり。
学園区周辺にいることが多いものですから。
この辺りの店も実はあまり知らないのです。おすすめがありましたら是非お教え下さいませ」

詩想 八夜衣 > ふっふっふ…少なくとも、想像を絶する苦さですよー?
(わざとらしく、本人曰く不気味めかして笑うのだが。)
…あの、失礼ながら。…真面目な御方なのですね?
(どうにも、反応がキリリとしているというか…。仕事人な感じがする。)

あら、そうだったのですか。
そうですね、私も結構屋内に引きこもりがちですので何とも言えないのですが…。
例えば、大時計塔なんか、どうでしょうか。
…といっても、基本は出入り禁止ですが、ひっそりと忍び込んで見渡す眺めは良いらしいですよ。

ラヴィニア > 八夜衣の言葉に、半眼だった瞳をぱちくりさせる。
ええと、と困ったような表情を作り

「修道院育ちですから、そのせいで少しおかしく感じられるでしょうか……?
うふふ、怖がらせようとしていることぐらいでしたらわたくしでも分かりますよ」

といって右手の指を下唇にあてて。

「ああ……大時計ですか。確かに、目立つ建物ですね。
高いところは比較的好きではありますわ。風が気持ち良いですものね。
しかし、あらあら、規則破りはよろしくないのでは? ふふ。
年少に悪い遊びを教える先輩ですわね」

真面目、と言われたからというわけでもないのだろうが、続けて声をあげて笑う。

詩想 八夜衣 > あらら、こちらの意図はお察しの上でそんな真面目な対応だったのですね?ずるい子、です。
…修道院で育つと、その様な性格になるのでしょうか?
(先程と同様に口元を隠しながら笑って。それから、また好奇を含んだ視線でじーっと見据えてみる。)

ええ、大時計塔。大きいですし、夜景なり何なり良いものだと思いますよ。
…あ、高い所が御好きなら…その、何とか山、と言うのも良いかもしれませんね。
規則ばかりに縛られていては詰まりませんものっ。
(けれど、彼女の何処かお茶目な一面が見えた気がして。そうであるなら、こちらもそれに便乗するかのような、少々年不相応な振る舞いを。)
ん、そういえば、…後輩さんでしたっけ。
…あ、今更ですが、三年の詩想八夜衣《しそうやよい》と申します。どうぞ、よしなに。
(ふと、今更ながら言葉を拾って、自己紹介した後に、座ったまま軽く頭を下げる。)

ご案内:「カフェテラス「橘」」に神崎 聖さんが現れました。
神崎 聖 > カフェテラスでの珈琲は格別なものだ。
まったりと飲むのはまたいい。

そして二人の席を見て、私は言う。

「相席いいかな?」

ラヴィニア > 「うふふ」

笑って、真っ直ぐ見てくる八夜衣の視線を半眼の微笑で受け止めて首をわずかに傾ける。

「山ですか。そのうちこの島の自然にも触れておきたいところですわ。。
ハイキングというわけでもございませんが……
まあ、ほどほどというところで」

相手のおふざけに苦笑しつつ

「この学園ですと年齢と学年は関係ないものでしょうけれど、
、どちらにしてもわたくしが留学してきたのが最近ですから。
ラヴィニアと申します。よろしくお願いいたします」

会釈したところで、新たな相手に「あら」と視線を送り

「あ、それではわたくしがお席お譲りいたしますわ。そろそろ、行かねばなりませんので」

修道服の下で端末が震えている。

神崎 聖 > 「あら、そうかな?」
私の代わりに去ろうとするのを見送ろうと

もう一人の方をみやり、
「じゃあ座ろうかな?私の事は知ってるかも
しれないけど、名乗るべきかな?」
多分、生徒会の人間なのにうろつき癖がある人だ。
仕事はしっかりやりおえてからするのだが

ラヴィニア > 「ええ、なんだか入れ違いになってしまい申し訳ございません。
では詩想様もごきげんよう」

立ち上がり、深々とお辞儀をして去っていった。

ご案内:「カフェテラス「橘」」からラヴィニアさんが去りました。
詩想 八夜衣 > 然様で。…ハイキングも良いでしょうけれどね。
あらら、釣れませんね。
(やっぱり、根は真面目なのだろうか。おふざけは切り上げられてしまった。)

はい、こちらこそよろしくお願いしますね、ラヴィニアさん。
お疲れ様です。
(と、挨拶し、見送ったところで。)

…ふむ、私もそろそろ、と思っていたのですが。
(彼女に次いで、立ち上がって。)
どうにも、間が悪いですね。
どうも、存じておりますよ。神崎さん。
それでは、失礼します。同じく、入れ違いになったようでごめんなさいね。
(一言謝罪の旨を述べつつ、店員の視線を掻い潜りながら店を後にした。)

ご案内:「カフェテラス「橘」」から詩想 八夜衣さんが去りました。
神崎 聖 > 「あらら、それは仕方ないね。」

八夜衣を見送るでしょう。

神崎 聖 > 「仕方ないか…。」
とりあえず珈琲飲んで考えるか。

八夜衣さんが幹部になれたように
私もそろそろなれるはずだが、
問題がある…。

神崎 聖 > 「うろつけるかな…?」
私は生徒会幹部候補でありながら
かなりのうろつき癖がある。

幹部になれたらうろつけるのか
それが出来るか怪しい。
私は珈琲をちょっとずつ飲む

神崎 聖 > 「しかし…。」
昔はロストサインにいた私が
今では生徒会の人間だ。

元サヤに収まったのかは知らない。
だけど、ぬるま湯に浸かるのも悪くないだろう。

神崎 聖 > 「……………。」
私のようにぬるま湯に使っているのは
何人いるのだろうか?

だが、そのぬるま湯が心地いいのも事実だ。
まるでロストサインの私と生徒会の私。
二律背反みたいなものだろうか?

神崎 聖 > 「……………。」
さらに珈琲を飲み進める。

そろそろ幹部になるべきか。
しかし、うろつきがしにくくなるのは困る。
だけど、うろつきたいのだ。
気まぐれな私だからだ。

神崎 聖 > 「ふぅー。」
飲みきる。

今思えばロストサインに入ったのも
誘われてだが、私のきまぐれも入ってたかもな。
はた迷惑かもしれんが。

神崎 聖 > 「さて…。」
一杯飲んだしこれからの事は
寝てから考えよう。

「店員さん。支払いします。」
私はカフェテラスをあとにする。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から神崎 聖さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に鈴鳴トバリさんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に薄野ツヅラさんが現れました。
鈴鳴トバリ > (おだやかな空気で満ちるカフェテラスに、どうみても不釣り合いな少年が姿を見せる)
(不機嫌そうな面を引っ提げてどかどかとブーツを踏み鳴らし
(がつんと乱暴に椅子を蹴りつけては放り投げるように腰をかけた)
(やや怯えるような店員を、鋭いまなざしでぎろり睨み付けて)

……アイスティーだァ

(いがいとかわいい)

薄野ツヅラ > (その後ろをゆっくりと歩むは小柄な赤ジャージにヘッドフォン)
(かつり、杖を鳴らしながら後を追う)
(対面の席にちょこんと腰を下ろした)

コーヒーフラペチーノ、エスプレッソショット追加で

(申し訳なさそうに小さくひとつ)

鈴鳴トバリ > ンだそりゃァ、ワケわかんねェ

(ぽつり溢しながら、乱雑に頬杖をつきつつ溜息を吐いて)
(血液をそのまま透したのような紅玉の眸に少女が映る)

……で?

(やがて運ばれてきたアイスティーを半ばぶんどるように受け取るとストローを突き刺して)

最近ズイブンオモシロそうじゃァねェか、

(その手のガムシロップを)

えェ、

(ひとつ)

廿楽ちゃんよォ

(ふたつ)

薄野ツヅラ > ……甘いのは得意じゃないしぃ

(じい、と見つめ返せば小さく微笑む)
(目の前に差し出されたフラペチーノを満足げに受け取り、一口)

勿論、随分落第街も賑わってるし

(おもむろにポシェットから名前のない生徒手帳を机に乗せて)
(ズイ、と目前に差し出す)

───トバリの為に頑張りました、なんて

(公安たる証拠の、其の中でも特殊な部署の証明を)

鈴鳴トバリ > あァ? ヒトの好みにケチつけるたァ随分とまぁエラくなったじゃねェか。
別にぼくだって飲み物なんざなんでもいいがなァ、アタマ使うにゃ糖分が要んだよ。
まして“こいつ”はそんな単純なシロモノじゃない。

手前ェならよォくご存知だろ?

(ぱきり、戯れに片手を鳴らす)
(……――異能「刃杭生成(仮称)」。その「本質」を、薄野ツヅラは知っている)
(ぐるり、ストローでかき混ぜて一口)

(やがて、差し出されたそれに視線を落とすと)
(一瞬、ほんの一瞬だけ口元に笑みが滲んだような気がしたが)

……公安なァ。
あのクソメスたァそのウチにケリつけてェトコだが――
手前ェがこんなクダらねェザマ張るにゃァ、相応に理由があんだろうなァ


……で?
「それ」でぼくの周りはどう面白くなるんだ? ン?

(じぃ、真っ直ぐに少女を見据える)
(証拠より論。結果より過程。或いはこれからの。求めるための理由を)

薄野ツヅラ > ボクは苦手、ってだけなんだゾ───…☆
生憎飽くまで飲んだものでねェ、暫くは甘いのは要らないわぁ

(ひとつ、彼に問われれば)

勿論、ボクの鈍いアタマを動かすには苦い珈琲が一番で

(ぱきりと鳴った片手を注視する)
(薄く笑って、ぎこちなく左手をぎゅうと握る)

屹度直ぐにつけられるわぁ───……
其れよりも先に『尻尾』を切られないといいけれどねェ

(理由、と云われれば自慢げに柔らかく笑顔を浮かべる)
(フラペチーノを、一口)

通常なら見得ない公安の機密書庫。
この島の正規の人間のデータなら身長体重から異能の詳細まで手の内に────

(にこり、微笑む)

此の島で手に入れうる情報の全てが此処にあるわぁ?
存分に使えばいいと思うしぃ───……

(暫し逡巡)

トバリなら面白く有効活用できるんじゃあないかしらぁ?

(フラペチーノを啜りながら、ジイと見返し)
(証拠もなにも在りはしない。在るのは唯一、其の材料)
(料理をするのは自分じゃない、と云わんばかりに)

鈴鳴トバリ > ……成程なァ

(くつり、喉をひとつ打ち鳴らしては再びアイスティーに口をつける)

正味のトコだァ……チョイと午睡にゃあ長すぎると思ってたとこさ
いくつも面白ェ物が浮かんでは消えていきやがる

(……からんと、氷が鳴いた)

……「情報」は「武器」だ
そいつは百億の弾薬庫にも勝るってやつだぜ
なら戦争でもおっ始めるか、ってンなワケにゃあいかねェが――

……いい加減、ぼくも動くときが来たってヤツなのかもしれねェなァ

(ふと己の右の手に視線を落とす)
(ぐ、ぱ、と戯れに握り開きを繰り返して)


……ま、現状はぼくより手前の方が回りをよォく分かってるさ
好きに振るまえ、廿楽
情報を呑めばどうなるかはさておいて、今のぼくはあンまりに無知が過ぎる
ならぼくはひとつの暴力装置でいい。
手前ェがフッ飛ばしたいところに置いていけばいい。少なくとも今はな


……それをするにも――
……あッは、もうチョイと「力」ってヤツが欲しくなるねェ

薄野ツヅラ > (嬉しそうに、頬を緩めた)

公安の手の中にない情報も、今のボクは握ってる───……
随分とこの島は情勢の変化が激しい、そんなものよぉ

(困ったように小さく微笑む)
(随分と嬉しかったのか、口元は緩みっぱなしで)

戦争を始めるにしても、情報面では圧倒的に有利。
───ボクは此れしか出来ない訳だけどぉ

(ぼんやりと対面の少年を見遣る)
(どこか寂しそうに、曖昧な笑顔を浮かべた)

………ン、解った
好きに動く。現状は───手始めに公安でも乗っ取ってやろうかしらぁ、なんて

(ごくり、喉を潤す)

じゃあ、今はそうする。
誰にも負けない程度の情報を抱え込む。
───けどこんな脚だ、傍にいてくれるだけで十分心強い

(其の双眸をジイと見つめる)
(力、と聞けば先日の戦闘を想起しながら)

────魔術、とか

(ぽつり、呟く)

鈴鳴トバリ > ……ク。“こんな脚”ねェ
いつまで被ってる心算だか知らねェが……
まァ、いいさ。むしろ、それも大きな武器だ
精々上手くやれよォ、手前一匹じゃしくじった時点で結末は見えてるからなァ

(あッは、と笑みを溢して一挙グラスを傾ける)

……魔術、なァ
ああいうのはどうにも辛気臭くていけねェな
ぼくには合わ無ェ気がするが――

そうだなァ……魔術を簡略発動できるデバイス――
或いは、もっとシンプルに……
詠唱という行程を情報として書き出して、別の媒体に挿げ替えてスキップできれば……――

……まァ
選択肢の一つ程度にゃ、ってトコかね

(やがて、ゆるりと立ち上がるだろう)

薄野ツヅラ > 飽くまで、よぉ
───こうした方が『味方』を増やすには容易いしぃ
好い加減立ち回りにも慣れてきた。精々死なない程度に頑張るわぁ──……

(クツクツと、含み笑い)
(グラスを傾ける様を見れば、同様に)

────武器は多い方がいいって云うじゃない?
アタマを使えばいいのよぉ、トバリの武器は異能だけじゃあないんだから──……
無論、ボクも好きに使って貰って構わない

(何処か自慢げに、楽しげに笑って)
(真っ直ぐな笑顔を彼に向けた)

───っと、置いてかないでよぉ

(ゆらり、追うように杖に体重を掛けて立ち上がる)

ご案内:「カフェテラス「橘」」から鈴鳴トバリさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から薄野ツヅラさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に生ヶ易案子さんが現れました。
生ヶ易案子 > その日。
カフェテラス「橘」はむせかえるような甘い匂いに満たされていた。

生ヶ易案子 > テラスの端にいるならまだしも、中心あたりにいれば――否が応でも気付くはずだ。

下手に不快な類の異臭ではないぶん、客たちも首を傾げたり、ひそひそ囁き交わすに留めているが。
煮詰めた蜂蜜を鼻の下に塗りたくられたかのような、明らかに異常なまでの蜜の匂いがする。

発生源たる小娘は、中央あたりの席でうつらうつらしながらくつろぎきっている。
その頭には、黄色い花の模造品がひとつ咲いている。

生ヶ易案子 > ……因果関係をたどれば、話は数日前にさかのぼる。

正門前で下校生徒に挨拶をするアルラウネの子と仲良くなった子娘は、あの子と同じ黄色い花の髪飾りを作ろうと思い立ったのだった。
そこまではいい。

そういえばあの子の花、とても甘い蜜の香りがしたな、と思って、なんとなく蜂蜜風の香料を買い足したのだ。

生ヶ易案子 > 彼女の異能は、『作品』を一瞬で『完成』させるというなんとも漠然としたものだが……、どうも、その『完成』度合いは当人の知識や実力に依存するようで。

「樹脂の造花に香料を混ぜる」という実際にはやったことのない作業を、横着して異能で省略したら、
「まるで加減がわからなかった」という結果が出力されたのだ。
ちなみに香料のボトルは結構量があったのだが、完全に空になっていた。

生ヶ易案子 > 実のところ本人も『完成』させた直後に「これはヤバい」とは思ったのだが。
悲しいかな、人間の嗅覚は、過度の刺激に対してより早く麻痺するように作られている。
そのうち、なんか思ったほどじゃないなと思えてきて、この嗅覚テロ兵器をつけて外出してしまったのであった。

けして不快な類の匂いではない。おそらく万人に好まれる、甘い糖のそれだ。
しかし、いかんせん、強烈すぎる。

発生源はカフェの席でうつらうつらと動く気配がない。

ご案内:「カフェテラス「橘」」にシン・アルバートさんが現れました。
シン・アルバート > 青年ははて、と首を傾げた。

此処は何時から香水屋か何かになったのだろう。
そもそも、香水屋でもこのようにだばだばと香りが漏れている、というのもおかしいし、
おとなしく大人しくウエイトレスに事情を問うてみる。

……言われた先には夢現を彷徨うものが居た。

生ヶ易案子 > 指し示された当人はといえば、どうやら発生源の至近距離で完全に嗅覚が死んでいる。
初心者が香水をつけすぎてしまうのと全く同じ原理である。

なんか今日はカフェの雰囲気が違うな、といった程度の様子だ。
ただ、無意識にそれ以上の甘さを避けているのか、ちびちびと飲んでいるものは、女の子らしくないシンプルなデミタスだが。

「う……?」
なんだか、レジのほうの新客と目があった気がして、カップから視線を上げる。

シン・アルバート > 「……掛け過ぎか何かだろうか?己れには香水やらなんやらは分からんが」
なるべく起こさないように近寄ってみるものの………

…近寄ると強くなる香りに、少し、顔をしかめてしまう。
……甘ったるい。

それの妨害…なのだろうか?を掻い潜って彼女の元へ近づく。

生ヶ易案子 > 「掛けすぎ……?」
どうやら自分に向けられた言葉らしい、とは気付くが、第一にうかがうのは自分ではなく、テーブルの上のパスタだった。
こちらも香水にはなじみがないため、「掛ける」という動詞が匂いという連想に結びつかなかったのである。

「確かに粉チーズちょっと多めに……」
周囲の客の「そうじゃねえ!」という視線をなんとなく感じたのか、
「ってわけでもない、か。えーと……見ない顔だな。最近来た子……?」
寝ぼけ眼をこすりながら、あくまで普通に話しかけはじめる。

シン・アルバート > 「……大丈夫か?香水の匂いが強いようだが」
当然に匂いの元が何かは分からない。

単に風に乗って匂いが広がっている、というのは分かる。
(…流石に己れの風はこういう換気には向かん……)

「粉チーズでは無いな、残念ながら……」
少し考えこむような顔をする。
チーズ臭だとするならそれは、銀杏臭かったり、加齢臭だったり、もうちょっと不快なベクトルの筈だ。

「一応己れは2年なのだが……おそらく会った事が、無いだけだと思うぞ。」

生ヶ易案子 > 「あれ……そっか。ごめん。最近新しい子が多いから勘違いしたかも」
2年かあ、上級生だ、と言いながら、眠たそうにもう一口デミタスを飲もうとして、

「…………」
香水、匂い、という言葉に数秒考え込み、……何か思い当ったように、そっと自分の髪飾りを外す。
コーヒーの香ばしいにおいを一度吸ってから、「それ」を顔の前へと持っていき、

「うわやべえなこれ!?」

目が覚めた。
思わず汚い言葉も出た。

「ご、ごめん! たぶんこれのせいだ! 近すぎて気付かなかったっぽい……」

シン・アルバート > 「………至近距離ならば、嗅覚が麻痺するのも致し方ないが…」
と腕を組む。
「髪飾り…の部分に、使いすぎたか?流石に己れの風で換気する訳にもいかなかったのでな。」
「申し訳ない、休息の邪魔をした様で」

ペコリと頭を下げる。
しかし、ここまで強烈に至った理由はコレ以上彼には思いつかなかった。

生ヶ易案子 > 「う、うん。作るときに香料を混ぜたんだけど……」
どこまで説明するか、やや考え込み、
「なんていうか、『適当にやった』んだよね。加減を間違えた」
軽い説明にした。
普段なら機会あらば自分の異能を紹介しだすのがあんずさんなのだが、この状況でそれはあるまい。

「いや、邪魔っていうか」
そんなそんな、と顔の前で手を振る。邪魔どころか、
「むしろほんとありがとう! 言ってもらえなかったら、このままずっと鼻が死んでたかも」
と、こちらも頭を下げる。

しかしどうしてくれようか、このテロ飾り。
とりあえず応急処置として持ち合わせのハンカチでぐるぐる巻いてみたが、いかんせんレース素材だったためあまり効果はないようだ。

シン・アルバート > 「適当に―」
思案を巡らす。おそらく「作り慣れてないもの」を作ったのだろうか、と結論が着地する。
「……適当とは、いうが、「大雑把」ではなく「加減」が分かって初めて適当、やらになるからな。」
「また、量を加減して作れば良いだろう」

なお、彼はその髪飾りに掛かった労力は深く考えていないようだ。

「それならば良いのだが……」

巻いたハンカチに匂い移りしないか心配だった。
しかし、そこまで気が回らない。

「……己れので良ければ、幾らでもあるが」
……彼の手持ちの中から3枚ぐらいハンカチが出てきた。

ご案内:「カフェテラス「橘」」にニコラス・グレイさんが現れました。
ニコラス・グレイ > そこのお嬢さん

(テラスの端から案子へ声をかける)

どうやらその花飾りでお困りのようだが……もしかしたら匂い消しに
私の魔術が役に立つかもしれない。百パーセントどうにか
できるかどうかはわからないのだが……良ければ私に
その髪飾りを少し預からせてくれないだろうか?
数秒で成否が分かる

(どうやらやりとりを聞いていたらしくテラスの端から中央へ
ニコラスが移動し案子に話しかける)

生ヶ易案子 > 「適当って言葉、難しいよね。どっちが正しい意味なんだろう」
まあ、そんなこと、識らなくてもいいか。

「おお、女子力高い」
ほいと3枚のハンカチが出てくることに、思考の浅い感想を述べる。
しかし、枚数からしておそらく余剰分であろうとはいえ他人のものを拝借するのも悪いのでは。そっちこそにおいが移るのでは、なんて思って躊躇していると――、

一人の男性から声がかかる。自分の魔術でなんとかできるのではないか、と。
「ん、貸すだけなら大丈夫、です、けど……」
年齢からして、先生だろうか。ちょっと口調を改めて。

「あんずさんの『作った』ものは、なんていうか、呪いのアイテムです。『修正』しようとするとかなり反発しますよ」

異能によって一瞬で『完成』された『作品』は、『修正』できない呪いを負うのだ。

ニコラス・グレイ > そうか……私のは修正というか再構成なんだが、まあイケるかどうか
やるだけやってみよう……

(微妙な顔をして言う。呪いが関わってくると魔術が通るか
どうか怪しいからだ)

では髪飾りをお願いする

(手を差し出し髪飾りを受け取ろうとする)

シン・アルバート > 「いや、女子力ではなくて……」
自分の流血を拭く為や止血する為の物です、と言ったら流石に引かれるだろう。

「……ふむ」
反発、という事を考えるに、材料を元に、その形で『固定』する
という類の制約でもあるのだろうか、異能と言うのは幅が広いな、とか感心する。
己れの異能は戦闘にしか向かないのだから、殊更そう思うのかもしれない。

生ヶ易案子 > 「ん、じゃあ――」
レースのハンカチを一度ほどく。
甘いにおいが充満する。

「…………」
ハンカチを巻きつけ直して、
「このままで大丈夫でしょーか。お願いします」

『再構成』。ふむ。
それは『修正』だろうか、『破壊』だろうか。髪飾りを手渡し、結果を待ちながら、小娘は少し考える。

ニコラス・グレイ > (右手で受け取ったハンカチに包まれた髪飾りを軽く握り)

Alchemize

(ラテン語で錬金術で作り出す行為を指す単語を唱える。
彼の魔術──錬成は錬金術の応用。万物が単純な元素から
成り立っていることを利用し元素単位まで分解。
そして再構成する魔術だ。
それによって髪飾りを無臭の髪飾りへと再構成しようとする
だが異能が関わっているので成功するかどうかは不明だ)

生ヶ易案子 > ――「もの」を物質、元素単位でとらえる錬金術と、
「もの」を「作品」、「髪飾り」といったイデアで捉える概念系の異能。
その激しいせめぎ合いを――特に学のない異能者本人は視認することはできないのだが。

「うーん……?」
判断基準が「におい」であるため、その判断基準ははっきり表れるとは言いがたいが。
においは一度弱くなった。が、消えてはいない。
観測能力や注意力のあるものなら――、すでに放散したにおいの「物質」には魔術がおよぶものの、物体内部には届き切っていないことが観測できるかもしれない。

生ヶ易案子 > 「あ、でも、確かに普通になったかも……!

しかし、香料は徐々に内部から樹脂をしみだすとはいえ、……においというものは、基本的に表面の物質の放散が影響するものだ。
その強烈なにおいは、普通に身に付けられる程度に再構成されている。

ニコラス・グレイ > ふぅ……なんとか普通になった

(一瞬失敗したかと冷や汗をかいたがどうやら上手くいったようだ
それにほっとする)

シン・アルバート > 「確かに―」
風に乗ってる匂いはなんとなく…だが、軽減された気がする。
「後になって不変の部分から香る『匂い』に関してはどうなるか分からないが、流石にそこまで不変、だと大変そうだな」

異能に関する学はその辺りは中途だ。
個人の部分は個人に聞いた方が早いと思っている節も有るのだが……

ニコラス・グレイ > っと私はそろそろ用事があるのでこれで失礼する
匂いには気をつけてくれ……

(そう言って代金を会計で支払いその場を去った)

ご案内:「カフェテラス「橘」」からニコラス・グレイさんが去りました。
生ヶ易案子 > 何度かその場で顔を近づけ、慎重に嗅いでみる。
……普通だ。
こころなしか、他の客たちもほっとしている。

「わー、すごい!」
無臭まで持っていこうとしていたことはわかっていないため、完全に成功だと思っているようだ。
「やっぱり先生の魔術とかだと効くのかな」
無邪気に喜んで、髪飾りを掲げて一周くるりとその場で回る。

「ありがとうございましたー!」
去っていく姿に元気に手を振って、その背中を見送る。
なんの授業の先生だろうか。
講義には出席しない主義なのでわからないが。

シン・アルバート > 「ではまた、……出来れば何処かの授業で。」
魔術関係の授業だと取っているか不明なのである。
座学ならともかく、実践系は取った試しがない。
そんな男だが、その教師の背を見送る。

「……しかし、その様に『作れる』者も居るのだな。」
「……まだまだ己れの知らぬ世界がある、という事なのだろうか。」
目の前の一連の騒動含めて彼女の持っている『能力』…だろうか。
それに感心をしている。

生ヶ易案子 > 「おお」
髪飾りをつけ直して、女子力の高い先輩(あんずさんによる不名誉な脳内呼称)を見上げる。
「なんだかそれ、『持ってる』人の言い方だね。君も異能系かあ」
さっき見ていた感じ、自分と同じく、魔術系には明るくないようだったし。

「そうだ、自己紹介。あんずさんは、あんずさんって呼ばれてる。女子力の高い先輩は?」
脳内のみならず口にも出した。

シン・アルバート > 「己れはシン・アルバート、と言う。」
「……己れの力は『戦い』でしか人の役に立てんのでな」
「…純粋にそういう用途にも使える力と言うのは羨ましく思う」

こくり、と頷く。見てくれはどう考えても日本人なのだが、
混血っぽいのか、ちょっと英語交じり気味の喋り方に聴こえる。

「……アンズ、その、己れは、そこまで…女子力?は、高く、ないのだが」
……流石に本当の理由を言うのはすんでの所で止めた。

生ヶ易案子 > 「シンくん、か。よろしく。やー、さっきはありがとう」
先輩と呼ぶわりには口調がフランクだが、年齢と学年が一致しないことの多い常世学園ではさほど珍しいことでもあるまい。たぶん。

「でも、あんずさんは逆に『戦う』のは全然ダメだからね。そこはまあ……」
語りながら、そそくさとパスタをフォークに巻きつける。
「お互い、生まれた領分ってものじゃないかなあ。――異能持ちって、多かれ少なかれ、そういうものじゃん」
巻きつけたフォークをくいっと上げて、そんな話を振る。
「できることをする、ってさ」

シン・アルバート > 「出来る事、か……」
思案する。流石に不吉そうな物しか操れない己れの身を考えれば、
出来ないことからやる事を探すべきでは無いのかもしれない。
というか、ざっくりとしすぎてて、やる事を見出だせていない、というのも有るのかも、しれない。
……が、当人がそこまで頭の回る人間かは不明である。

「……害すことしか、出来ぬのであれば、目方を変える…しかない、のだろうか」
そういえば、注文を頼み忘れていることに気付いたので
適当に目についた物を頼んでいる。

生ヶ易案子 > こちらも、あまり深刻げな顔ではないものの思案する。
『しか出来ない』という言い方について。
「――君の異能がどういうものかは、あんずさん、わからないが」
丸くなったパスタをひとくち。

「出来ることは、出来ること、だ。
自分がやりたいことかどうかも、
……やったら誰かに怒られるかどうかも、
そういうのとは関係なく、『出来ちゃう』。それが異能だ」
お仲間なら、そこはなんとなくわかるだろう、という目で、シンくんを見る。

「あんずさんは割り切ったな。出来ることをやるだけだって。そこを割り切っても生きていけた。
君が何を選ぶかはわからないけど」

シン・アルバート > 「『……選ぶ道を間違えるな、お前がどんなに不吉だ、不気味だ、と言われようが、
お前はお前で、お前の向き合う為の権利を、お前の存在するための居場所を、
『悪』になりさえしなければ、否定することは出来ない』」
「………と、言われたことならば、有る。」
「俺は未だに出来る事に関して、定めきれて無いから、なのかも知れないが……」
少し、視線を落とす。
「……未だに、見付からない。」
「これを、隠して、ひた隠して、『使わなければ』、誰も傷つかずに澄むのではないか」
「……とすら、思っている。」


「……だから、正確に言えば、『選べてすら居ない』」
「の、だろうな。」

その辺りは、俺はアンズよりも、弱いのかもしれない。

生ヶ易案子 > 「気に病むことないさあ」
悩むことはあるかもしれないけど。

自分の異能は、特に隠す必要などなかった。
否定され、笑われることはあっても、眉をひそめられることはあっても、奪い奪われることはなかった。

「あんずさんはこの『永遠の一瞬』だった。
あんずさんだって、もし君と同じ力を持って生まれたら――」
空になったパスタ皿を置いて、立ち上がる。
「今ごろ君と同じ人間だったろうさ。たぶん、それだけのことだ」

うむ。だから恥じることはない。自分の力をぞんぶんに悩むとよいよい、なんて、気楽なくらい軽く言い放って、伝票を手に取る。
……考えてみれば、長時間テロを敢行していたのだ。原因が解決されたとはいえ、今日は速めに立ち去ったほうがよかろう。

シン・アルバート > 「……そうか、あまりに否定されたことの方が多かったからな」
否定されもせず生きてたら、それはそれで、ぞっとするが。

「…飾りの件は、誰にも起きることだろう。それがどのような形であれ、
甚大であるにしろ、ないにしろ、間違いは、起きるだろう、……一度は」

「出来れば、どこか、また、授業辺り、で」
……見送るが、相手の出席状況など、この男は知らなかった。

生ヶ易案子 > 「うん、ありがと。できれば――」
えーと、と一度言葉を選んで、
「できればまたどこかで!」

ぱたぱたと手を振って、小娘が入口へかけていく。周囲の客もほっとする。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から生ヶ易案子さんが去りました。
シン・アルバート > 背を見送り、入れ違い気味に注文がやってくる。

傍目からすればなんともなさそうに食べ始めるのだが、
少し、考えるべきことが出来たような、気がした。

ご案内:「カフェテラス「橘」」からシン・アルバートさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に苗羽 寧々さんが現れました。
苗羽 寧々 > 万年金欠で以て世に汚名を響かせている寧々とて、学生街の有名店を利用しないということはない。
バイト代が入って気が大きくなった時など、みみっちくも最安値のアイスコーヒーの一杯を、
よく晴れた日の午後、テラス席でせめて気持ちだけ優雅に飲み味わうことをすることがあるし、
今まさにアイスコーヒーの注文を済ませたところである。

行き交う人の群れをぼんやりと眺めながら、アイスコーヒーの届くのを待つ。
店は案の定混んでいて、座席は大体が埋まっている。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から苗羽 寧々さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に苗羽 寧々さんが現れました。
苗羽 寧々 > 待ち時間、一人で来ていると行きにくいのだが、やむを得ない。お花を摘みに行っていた。
なんかこう、個人証明のIDが入っているべきところに連絡先を晒していた気がするが、そこはそれ、お化粧直しは乙女のたしなみである。
寧々は常にすっぴんであるが、気持ちの問題だ。

さておき。正直なところ、寧々は何もしないでぼんやりするということに慣れていない。
せっかくコーヒーを頼んだのだし、いっそ粘ってやろうという腹積もり、軽く勉強道具を広げ始める。
寧々は多少騒がしい方が勉強がはかどる性質である。テストも近い。