2015/07/07 のログ
阿賀佐 メアリ > 「ふふふ……ははは……あれ?
 ははは……おかしいな、なんが涙、止まらなくて。
 あれ? あれ……?」

こんなに笑ったのはあの時以来だ。
まだ友達に囲まれて楽しく過ごせていた日々。
ある時を境に笑うことを止めてしまった阿賀佐にとってこの笑いは過去を思い出させるものであった。
だから涙が止まらない。
楽しかった過去と、つらい思い出が蘇るからだ。

「えとえと……ごめんね?
 あはは……なんでもない……なんでもないんだけど……。
 涙、止まらない……よ」

笑顔のまま袖で涙を拭っていた。

渡辺慧 > どうにも。
――参ったな。

笑ってくれるのは嬉しい。なにせ自分自身が堅苦しい雰囲気など苦手だからだ。
だけれど……それ以上に、その流した涙が気になって仕方ない。
流した涙の意味はまるで分からない。自らの機微はひどく疎いと思われる。実際は、どうかは知らないが。
その、思考は。困り顔という形で表情に出た。

だけれども。その困り顔は、しばらくすれば、苦笑の形に変わる。

泣いている人のあやし方など自分は分からない。
頭を撫でる。なんて不適切にしか思えないし。
なによりそれは……近づきすぎる気もする。

だから、せめて言葉を吐こう。

コーヒーで唇の周りを潤し。

「んー……。……よくわかんないけどさー」

ニィ、と。
シシシ。
いつもの、変わった笑い方。
猫のような笑い方。

「こんなんで笑ってくれるなら、まぁ。また、会えた時にでもはなそーや」

碌な事言えないけどさ。なんて。
そう言って。
やっぱり少年は、もう一度笑った。

阿賀佐 メアリ > ようやく涙も落ち着いてきた。
このまま関わるときっと不幸にしてしまうかもしれない。
そんな恐怖感もあった。
それ以上に、自分が寂しい思いをしていたのだと気がついた。

本当は誰かと友達になりたい、友達がほしい。
しかし、それでは過去と同じ目に遭ってしまう。
それは嫌だ。
そんな矛盾した思いで迷ってしまう。
どうしたらいいのかを。

「また……会えたら……」

そんなことを言われたら。
背中を押されてしまったら。
阿賀佐は弱い人間だ、そんなことを言われてしまえば抗えない。

「……ぅん」

頷いてしまう、誰かと関わっていないと辛いのだと。

「でも……口のまわり汚れててかっこ悪いよ」

涙を浮かべながら笑った。

渡辺慧 > 「おっと」

それは失敬、なんて。
あいもかわらず、かっこつかない。

備え付けの紙を取り、口元を拭きながら。
だからこそ楽しそうに笑う。

「会って数分で泣くほど笑われたのは流石に俺も初めてだな」

この空気に沿って。笑いながら軽口を飛ばす。

「だから、まぁ。そ。また」
どっかで会えたら。
そん時は普通に笑ってくれ、と。
言外にそう言い含めて。
ぬるくなってきた、ブラックのコーヒーを再び啜った。

阿賀佐 メアリ > 「私も……泣きながら笑ったのは……初めて」

怖いけど、求めているから一歩を踏み出す。
勇気を出してみる。

「メアリ……阿賀佐メアリ……」

自ら名前を口にする。

「私の名前……一応、二年生だよ」

いつ以来か、自分で人と関わろうとしたのは。
そしてもう一歩、勇気を出して踏み込む。
「名前を教えてほしい」と、つぶやく。
恥ずかしそうに俯きながら上目で顔を覗く。

渡辺慧 > 「一つ大人になったということで」

軽口。変わらない、いつもの軽口、冗談。

「渡辺慧だよ、ドジっ子……いや、あー」

少しだけ、言い淀む。言い直す。

「メアリ。俺も、一応二年だよ」

そうしたほうが、この目の間の少女には合ってるかと思った。
同じような言い方で。同じような言葉で。
なんとなく、その空気に、いつも通り。

その、照れたような、そんな顔に。
笑った。

阿賀佐 メアリ > 「……うん、慧。よろしくね」

アイスカフェオレが空になる。
そういえば飲み終わったら帰るなんて言ってたっけと思い出す。
せっかく友達になれそうなのに、ここで別れるのは惜しい気がしていた。

もう一つ思い出したことがある。
乾いた髪はゴワゴワに固まり、シミの付いたキャミソールからはカフェオレの臭いがする。
こんな格好で相手をするのが急に恥ずかしくなる。

「えと……あの……飲み終わったし……!
 私帰るねっ!」

慌てて立ち上がるとバランスを崩して膝を打つ。

「――――――っ!!」

涙目になりながらも赤くなった顔が見られないように背を向けて。

「また―――会おうね」

渡辺慧 > 「オォ……ドジっ子……」

相手の格好を気にすることはない。
そも、そこに誘ったのは、自分自身だったのだから。
まぁ、それがただの気紛れだったのは、言うまでもないことだけれども。

膝を打ったその動作に――少しだけ、からかいまじりの笑みと、その言葉。――少しだけ、近くなったのかもしれない。

しかしながら、また。
同じように転ばせてしまうのも、それはまた。
気が乗らない、というものかもしれない。
ならば、また会った時には――。
そこまで考えて。

「うん。また」

片手を。
ヒラリヒラリ、と揺らして。

「じゃーね、メアリ」

阿賀佐 メアリ > 別れの挨拶を済ませると急ぐかのようにカフェテラスを後にする。

一人でいるのは寂しいから。
また、もう少し頑張ってみよう。
少しだけ前向きな気分になれた阿賀佐であった。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から阿賀佐 メアリさんが去りました。
渡辺慧 > 見送って。
姿を横目で見送って。

さて、と。

「……げ」

自らの好物のオムライス。
案の定、それは、冷めていて――。

「…………シッ」

笑って、それに手を付ける。

あんな楽しい子に会えたゆえの不幸がこれだっていうなら。
まぁ。

実に楽しい不幸とでもいうのだろうかね。
なんて思考して。

実においしそうに、そのオムライスを頬張る少年の姿があった。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から渡辺慧さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に道鉄さんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から道鉄さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に道鉄さんが現れました。
道鉄 > 「くぁ……」

あくびをしてから
店員に運んでもらったアイスティーを一口。
両腕はないから、顔をストローに近付けて
少しずつ。今日も暑い。
夏に突入したことを実感させる。

テストを受けるのは非常にめんどくさかった。
高校課程の最後。
まさかその時に腕がないなんて事態になるなんて思っておらず。
おかげでだいぶ苦労した。
大人たちにはいろいろ言われたが……
適当に流して、筆記をなんとか受ける。
もしくは実技で代用するなどの
直談判を経て、とれるものだけを。

――ま、大学とか、そのあたりの勉強とか興味ねぇしな

どうせ、今年が終われば殺し稼業。
今のバイト感覚が本職になるだけの話だと
納得しつつ、静かに時間を過ごす

道鉄 > 脳内で、仕事のチェック。
三件。
内密にということだが、そんな工作は
セットのやつが担当だ。
こちらは、ただ跡形もなく”食す”だけ。

――まっず……

ヘドロのような味がする、アイスティー。
水分補充という生きるに必要な行為。
仕方なしだと胃に入れる。

落第街では”認知されない”故に横行する殺人であるが
”表”でもそういったことはないとはいえない。
不慮の事故は突如としておきるものだ。
その事故を起こす奴も自然と必要とされる。
需要があるのだ、そういう”存在”は。
それが――

――飼われているか、野良かは別な話だが

前髪が視界にちらついてうっとうしい。
ふるっと首を振ればひらひらと”袖”が踊る

――ま、時間まで適当に過ごすか

道鉄 > 少し足で地面を押して
椅子を浮かし、ぶらぶらと。
退屈そうに黒にちかい緑の瞳を細めて
ぼーっと一点を眺める。

整った顔立ち
腕がないという不完全な造形。
人を寄せ付けない異質な雰囲気。
それが、どうにも視線をひく。

――うざってぇ

中身を知らないからか、見とれる男までいる。
ホモの気はないとあれほど言っているのに
まったくもって心外な視線である。

ぎぃ……ごぉ……

椅子のきしむ音がそっと響く

道鉄 > ――帰るか……

最近まともな食事はしてない。
稼ぎと腹を満たすためだけの行為になりつつある。
――だんだんと、確実に近付いている気がした。

「げはっ!!」

特徴的な笑みを浮かびながら、どすんっと椅子を
床におろして、ずぞぞぞーっと”ヘドロ”を飲み干して。

「ごっそーさん」

静かにその場を後にした

ご案内:「カフェテラス「橘」」から道鉄さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にレオンさんが現れました。
レオン > 「マスター、こんにちは いつもので」(入店早々そんなことを言う)
レオン > 「今日も疲れた…」(運ばれてきたコーヒーを飲み、そんなことをぼやく)
レオン > 「……」(ここに来てから向こうからの仕事が全く来ていない 連絡手段がないわけではないが、ここまで静かなのも久しぶりだ)
レオン > (それに自分の能力のこともある)「…考えてたって仕方ないか」
レオン > (鞄から勉強道具を取り出し、出されていた課題をやりだす)
レオン > 「あ、ここのとこ… 参考資料、部屋だったな… 忘れてた…」(頭を掻いて呟く)
レオン > 「資料もないし解けないから部屋に帰るか…」(立ち上がり、お金を払って店を後にする)
ご案内:「カフェテラス「橘」」からレオンさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にイヴェットさんが現れました。
イヴェット > (腰まで伸びた金髪をキャスケット帽でおさえ込み、人の目を気にするようにそそくさと店の奥に逃げ込む)
(キャスケット帽から覗くヘリオトロープ色の瞳がきょろきょろと店内を見回す)

(先生が言ってたけれど、本当に人間ばっかりなんだなあ……)

(アイスティーを片手に通りかかる人を一人一人目で追う)
(ガタン、と椅子が床にぶつかる音がすればびくりと身体を震わせる)
(つんと尖った人ならざる耳は人間よりは幾らか耳がいいのだ)
(大きな音がすれば人間以上に驚いてしまう)

「あ、えっと、ごめんなさい」

(視線が自分に向けば思わず謝罪が口に出る)
(より一層目深に帽子を被りなおした)

ご案内:「カフェテラス「橘」」にヨキさんが現れました。