2015/08/23 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に綾瀬音音さんが現れました。
■綾瀬音音 > (お気に入りの席が空いていたので、そこに座る。
店員がお冷とおしぼりを持ってきたのでメニューを見ることも考えることもせず、本日のケーキセットをアイスティで注文した)
―――………
(当然というか、何というか、気分は上がらない。
“報告”を受けてから2日。
何もする気は起きなかったし、何も考えられなかった。
ただグルグルと同じ思考を繰り返すような二日間だった。
それじゃあダメだろう、と漸く思い立って少し化粧をして、街に出てきてうろうろと過ごして、〆に何時ものカフェに寄ったのだ)
薄情だよねぇ
(彼がいなくなってしまったことより、自分のもとに帰ってくる気がなかった、と言う事実のほうがショックだなんて。
ぼんやりと、誰に言うでもなく呟いて、ぼんやりと注文したものが来るのを待った)
■綾瀬音音 > (やらないといけないことは、案外何もない。
否、びっくりするくらい何もない。
精々が今住んでいる家を落ち着いたら空っぽにしないとなぁ、位なものだ。
だとしたら、色々考えないことや自分の中でけじめを付けないといけないことはあるけれど、緩やかに――彼がいない日常に戻るべきなのだろう)
薄情、だなぁ……
(先ほどと余り変わらない言葉を繰り返した所で、ケーキとアイスティが運ばれてくる。
本日のケーキはチーズスフレ。ふわふわで口の中でとろけるような食感のケーキはお気に入りだったけれど、余り心躍るとは言えない)
ご案内:「カフェテラス「橘」」にアーヴィングさんが現れました。
■アーヴィング > (日課になった放課後の散策、その中で目に付いた物を大雑把に買い込んだ帰り
ふと、何かの予感に惹かれる物があった
そういう時は疑わず、そのなんとなくの指し示す方向へと足を向けるのが習いだった
故郷ではそれを「精霊の導き」と呼ぶ)
よ、どーしたオトネ?また下向いてんぜ?
(そこで見かけた見知った顔、見覚えのある表情、既視感のある光景
だから取った行動もあの時と同じで
対面の席に腰を下ろして、勝手に注文を済ませてしまう)
■綾瀬音音 > (声を掛けられて、ゆるゆると顔を上げる。
いつもと変わらない様子の――多分気遣ってくれるているのだろう――の友人の顔を見つめて、へら、と力なく笑った)
あはははは、うん。
まあ、ね。
――ええと、うん。
いなくなっちゃったんだ。
帰ってこなかったんだよ
(以前あった時と同じ状況で、同じことを訊かれて。
そんなことを困ったように力なく笑いながら言った。
こちらは運ばれてきたケーキにもアイスティにも口をつけようとはしない)
■アーヴィング > ………そうか
(冷たい氷の浮かんだ水を飲み下し
するりと喉元を落ちていく水と一緒に、彼女の言葉が胃の腑に落ちていく
なんとなく、予想出来た展開ではある
一度、言葉を交わしただけだが……交わりあわない色合いがある
その時の印象はそれだった)
大変だったな、そりゃ…
しんどかったよな、いっぱい考えたよな
だから、俺はもっかい言うぜ?お前は悪く無い、ってな
(息を吸い、吐く
彼女の憔悴具合は……力の無い笑みは、あの時よりももっと、もっと彼女が疲弊しているように見えた
だから、ゆっくりと言葉を紡いで)
ま、事情聞く前に言っちまうのは先走りすぎかも知んねーけどよ
言いたくなきゃ言わなくていい、そうじゃないなら…
ま、どの道、飯食う間は、ここに座らせてくれや
(肘を付き、手の甲の上に顎を置くとそれだけ言って
あとは彼女の言葉を待って、視線をそちらに固定する)
■綾瀬音音 > (そうか、と、ただの肯定が心に滲みる。
何だかそれで本当に、彼が帰ってこなかった事実を改めて実感してしまって、こみ上げてきそうになるものを飲み込んだ。
彼が彼氏とあった事実は、自分は知らないけれど)
大変なこともないんだ。
何かしなくちゃいけないこともないし。
……うん、でも――流石に、堪えた、かな。
――――――――うん。解ってる、と思う。
(悪くない、のかもしれない。
手を伸ばしても、届かなかった。
もしくは、向こうが伸ばしてくれなかった。
その直後だったから、余計に堪えたのかもしれないけれど)
ご飯が美味しい話じゃなくて、ごめんね。
(そう言って、ゆっくりと、時々つっかえながら話しだす。
だが今回は時系列は正確なので、解りやすいだろうか。
要約すると、
襲撃事件自体は取り計らってくれた人がいたおかげで何とか収拾がついたこと。
その後、彼を“こちら側”に来て欲しいと言って、断られたこと。
その時に、自分の精一杯の我儘を言ったこと。
それから数日後――彼が彼の友人からの様々な説得応じず、また混乱したのか、天界、と呼ばれる場所から飛び降りたこと。
前回よりも少し長い話になっただろう。
彼のメニューが運ばれてくるくらいに)
……必ず、帰ってくるって、約束してたんだよ。
だけど――帰ってくる気すら、無かったんだなぁ、って。
(最後に、そんな事をぽつりと漏らした。俯く)
■アーヴィング > ばぁか
大変に決まってんだろが
ダチが下向いてることより大事な事っつーとそりゃもう命かかってる事しかねーよ
(やってきたのは前と同じ、店こそ違うがアイスコーヒーとカツサンド
今度はフレッシュとシロップを入れて、カラン、とかき混ぜる)
謝んなよ、俺が首突っ込んでんだ
(苦笑を浮かべ、彼女の告白が始まれば、黙ってそれを聞く
話が進むに連れ、彼女を安心させようと作られた優しげな表情がじわじわとしかめられ
最後には眉根がぴったりと寄せられて、長い長いため息を)
何がしたかったのかねぇ…あいつぁ
一度だけツラあわせた事はあったけどよ…
テメェがやりてぇ事のためにオトネを…言い方悪ぃが捨てるなら判んねぇでもねぇけど
抱えたまま逝かれちゃ置いてかれた方はたまったもんじゃねぇわな
(がり…と頬を指でひっかき、自分の内に生まれたイラ立ちを飲み下し
ため息という形でゆっくりと吐き出し)
やっぱり、もう一度言うぜ?
大変だったな、オトネ
本当なら背負う必要のねぇもんまで背負っちまって、そりゃ堪えらぁな
ちゃんと…飯、食えてるか?
(口元を淡く笑みの形にして、手も付けられていない彼女の手元に視線をやって)
■綾瀬音音 > ……うん。
あはははは……。アーヴィングさんって、優しい人だよね
(さらっとそういう風に言える人は、凄いと思う。
だから、先程よりは軽い笑み)
……ん。
多分、多分だけど、自分を曲げたくなかっただけ、なんじゃないかなぁ。
もしくは曲げられなかった、のかもしれないけれど。
あとやっぱりバカなんだとは思うよ。
何も飛び降りちゃうことはないよね。
……捨てられるとか、もしくはね、薄情なのは解ってるけど、ただ何かがあって死んじゃったんなら、もっと素直に悲しめたんだと思うんだ。
だけど――全部、嘘だったんだなぁって。
そう思っちゃった。
……そっか、会ったことあったんだ。
ならわかると思うけど、ああ言う人なんだよ。
悲しいけれど
(溜息に申し訳なさそうに眉を下げたが、何かをいうことも出来ず。
ただただ、そう漏らした。
彼が言った言葉は、本当に大切だった約束は、全部嘘だった。
そうなってしまった。
――それを信じていられたら、きっともっと楽だっただろう、とは思う。
そんなことを漏らして)
うん……。
でも、なんとかやってくしかないから、とは思ってるよ。
後悔するのもなんか違う気がするしね。
……正直言えばあんまり。軽く摘んだくらい
(優しい笑みに困ったように笑って首を振る。
でも、やっぱり食欲は余り湧いてこないだ)
■アーヴィング > おう、俺ぁやさしーからよ
遠慮せずに頼れや
な?
(彼女の口元に笑みが浮かべば、それには笑みで返し)
まあ…その辺は判らなくもねぇ
人間っつーのはよ、世界を持ってんだ、どいつもこいつも
俺は、俺の見てる世界がある、オトネにはオトネが見てる世界がある
そいつぁ似てても違う世界だ…でもな、こうして言葉ぁ交わしゃ相手の世界がほんの少しだけ、てめぇの中にも入ってくる
でも、中にゃそいつが閉じてる奴がいる
外からどんだけ語りかけても変われねぇ奴が
自分以外の世界を認識出来ない奴が…な
なぁ、オトネ、誰もお前を薄情だなんて思いやしねぇよ
少なくとも、お前の事を知ってる奴なら、な
恋愛っつーのは…俺経験したこたねーからわかんねけどよ
人と人っつーのは…何かを与え合って生きてくんだ
エゴとか利己とかそういうのじゃなくてよ…互いに互いを与えて、貰えっから一緒に居られんだ
与えてばっか…つったらお前の想い出にケチ付ける事になるし言わねぇけどよ
お前はちっと……損、抱え込んじまったな
むしろ、深ぇと思うぜ?情は
(あいつと、彼女の間に何があったのかは判らない
判った風なクチを聞く事も出来ない
ただ、思うのは一つ
彼女に後悔はあっても罪は残して欲しく無いと
自分を責めてはほしく無いと、そう思う)
そっか、食えねーのは仕方ねぇけど
食おうってつもりがあんなら…大丈夫だな
困ったら…言えよ?
(と、一枚の名刺を差し出す
そこには名前と自宅の住所と電話番号
文字が書けない彼のためにと用意して貰い、公共機関などではこれを差し出し代筆して貰っている
携帯端末はまだ理解すら及ばないが、家置きの電話くらいは、なんとか使えた)
■綾瀬音音 > ――――うん、ありがとう。
うん……
(すん、と鼻を鳴らす。
彼の優しさが心に染みて泣きそうだ)
………………。
同じ“世界”に居るようで、ぜんぜん違う世界にいる、って感覚はあったよ。
見ているものっていうか――見てきたものが、全然違ったんだ。
でも、私の方に、合わせられたんじゃないかなって、でもこれは断られちゃったからね。
……玲刃君も――変われなかった、んだね。
きっと。
(理解しようとしてきた。
理解したかった。
――だけどきっと、自分だって、理解されたかった。
理解してくれようとしただろうか。
理解してくれていただろうか。
今ではソレすら、解らない)
…………でも、一番私が思うよ。
私はやっぱり薄情なんだなぁって。
ろくに泣きもしなかったんだ、実を言うと。
……………何か、して欲しかった訳じゃないんだ。
ただ、ただ――一緒にいたかった、それだけなんだよ……。
(与えたかった、とは思う。
だけど、その見返りは一つだけでよかったのだ。
一緒にいて欲しかった。
だから、帰ってくる、待っているという約束は何よりも大事だった。
だけど、それは破られてしまった。
それが堪らなく悲しかったし、切なかった。
恋したことも、愛した事も後悔はないけれど――ただただ、悲しくて切なくて仕方がない。
そうこぼした瞬間、涙がこぼれてしまったので、見せたくなくて慌てて下を向いた。
その視界に入り込んだ、一枚の名刺)
いつまでも、悲しんでるわけにも行かないから。
……うん、ありがとう
(ゴシゴシと手の甲で涙を拭ってから、その名刺を受け取って。
電話番号をみて、ああ、固定電話しかないんだなぁとぼんやりと思った。
それから、バッグがからメモ帳を取り出すと、自分の名前と携帯番号を書き込んで、それを差し出した)
こっちは私の番号、だよ。
今は説得力ないけど、力に成れることあったら、言ってね。
■アーヴィング > おう
(ありがとう、という言葉には
何も言わず、頷いて)
ああ、そうだな…選べなかった
オトネは…選ぶ事が出来なかった、そいつぁ仕方ねえ
んで、選べる側が…選ばなかった
なぁ…オトネ
言い方悪ぃと思うけどよ
死んだから…もう届かないから…こういう事するのフェアじゃねぇって思ってるかも知れねぇけど
お前は…怒ってもいいんだぜ?
憤ってもいい、怒鳴り散らしてもいい、罵ったっていい
お前の内側に、感情は残すな
それはきっと、お前も気付けない傷になる
俺の思い込みだったら、ずいぶん勝手言ってる事になっちまうな
(と、苦笑を浮かべ、肩をすくめる
彼女は強い人だと思う
こんな状況でも冷静に…分析すらして
自分の感情を整理しようとしている
でも、その感情を綺麗に納められるほど…彼女は
いや、誰だってそんなに人は強くは無いのだから
耐えられるかどうか、違いがあるとすればそこだけだろう)
こすんなよ、赤くなるぜ?
(と、この男にしては几帳面な事に持ち歩いているハンカチを目の前にほうるようにして渡して)
そうだな…オトネが力に、か
んじゃ……ちゃんと笑えるようになったら、言えよ
そうしたら頼らせて貰うわ
ニホンゴ教えて貰ったりとかよ
俺、異世界人だから翻訳術式に頼ってんだけど、読みは出来ても書き取りが出来ねーんだよな
その名刺作ったも代筆頼む時に便利だからって理由だしな
(な?と問いかけ、笑いかけ
冷め切ったカツサンドをざくりと一口
今度は顔をしかめる事もなく
代筆の話を告白すると、情け無さそうに苦笑を)
■綾瀬音音 > …………
(だけど、と言いかけたが口を噤んだ。
誰を庇っていて、誰のために庇っているのか、そんなことも良くはわからない。
自分には選択肢は殆どなかった。
相手には――多分自分よりはきっと少しだけ、多くあって。
だけどそれも、選んではくれなかった)
怒ってもいいって言うけれど、何に怒っていいかも解らないよ。
そりゃあ勿論悲しいし切ないし、何でって思うよ、あんなに約束したのにって思うけれど、思うけれど――、
なんかもう、いいかなって。
怒ることもでもないんだろうなぁ、って。
本当は、きっと、玲刃君は約束守る気なかったんだろうから。
少なくとも、飛び降りた瞬間は。
なんか、もう、
疲れちゃった
(多分これが本音。
ぽつりとこぼした言葉が、一番心のそこにあるもの。
繋ぎとめようとしても、繋ぐことも出来なかった。
想いも届かなかった。
愛されていたと思うし、愛していたと思うけれど、こうなってしまってはどこまで意味があるのかも解らない。
ただ、もう。
想うのも怒るのも、憤るのも、疲れてしまった。
だから、薄情なのだと、やっぱり想うのだ)
うん……。
ありがとう
(自分の前に放られたハンカチを受け取るとありがたく目元を拭わせてもらう。
それから、漸く顔を上げた)
うん……もうちょっとかかるかもしれないけど、努力するよ。
そうだったんだ……。
何方にしても日本語とかは難しいしね、漢字はややこしいって聞くし。
(苦笑しながらの告白には、そんなことないよ、と首をふる。
この世界でだって、日本語は習得が面倒だという話を聞くくらいなのだから。
漸く、アイスティにだけ口をつけて)