2016/06/04 のログ
水月エニィ >  頁を捲る。 

 背表紙には、 
 
『マーテリオン著 知性体の優劣における勇者と魔王の抽出』

 ――そう銘打たれている。
 知生体の優劣とは。勇者や魔王とは。
 彼らの強さとは。優劣とは。感情とは。
 彼らの強さの一部は何処にあるのか――

 "それ"らを(超)科学的に分析し、エネルギーそのものとして利用できないか。
 利用できるとしたらこのような炉はどうだろうか――

 筋道立てと今の科学を以ってしても飛躍したとしか思えぬような論理にような解体・分析。

 "それ"特別なものにしまいと読み解かんとするこの本の熱意と、
 人間の”それ”もそのようなものに落とし込めると定義する人を人と思わぬような所業。

 ……胸中は複雑だ。
 
 

水月エニィ > 「……行きましょうか。」

 本を閉じて立ち上がる。
 寛ぎは済んだ。会計を済ませて、散策に出かけよう。
 
 

ご案内:「カフェテラス「橘」」から水月エニィさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に九条 沙夢さんが現れました。
九条 沙夢 > 擬態訓練の成果を試すため、カフェテラスに足を運んだ久藤嵯督。
そこに行けば当然、例の店員がいるわけで……

■女性店員T >「―――ッ」

こちらの存在に気付くやいなや、既に接客《リンセン》態勢を取っている。恐らく既にデスジュースも仕込まれていることだろう。
しかし自分の姿を見て、頭の上に疑問符を浮かべている様子。
姿ではなく、気配で察したというのか。自分もまだまだ甘いものだと、嵯督は己を省みた。

「……」

今回はそれが目的ではないと、手で制する。
それを見た店員は通常通りの構えを持って、接客を始めるのだった。

■女性店員T >「いらっしゃいませ!店内でお召し上がりですか?」

注文したのはレディースセットA。
何一つ滞り無く、大和撫子の立ち振る舞いをもって着席した。

九条 沙夢 > (知り合いにはまだ気付かれる可能性がある、か)

店員から改善点を聞くことができればいいのだが、お互いそうもいかないだろう。
信用できる人間と共に訓練することも考えたが、そもそもここにいる誰も信用していなかった。
そういう発想が出てくるあたり、大分この場所に毒されているのだろう。

それからは無事に正体を探られることもなく、店を出ることが出来たという。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から九条 沙夢さんが去りました。