2016/06/14 のログ
雪城氷架 > 今度それとなく聞いてみるか、なんとなくはぐらかされそうだけど、
と思いつつ

三人前にはさすがに四苦八苦している様子
本来は皆で食べるパーティーメニューですものね

「(…零なにしてるかなー……)」

ぼんやり、メールぽちぽち

ご案内:「カフェテラス「橘」」にヴァルトラウテさんが現れました。
ヴァルトラウテ > 姉さまの気配。ヴァルトラウテにはわかる。
だって、わかるのだから。
実際には、精密機械の塊で、実験的に異能を大量にインストールされた少女には
その程度など造作も無い
が……、それを偶然や運命だと思うぐらいには、少女のAIは純真だった。

「……もしかして、姉様、いらっしゃいますか?」

ゆっくりとドアを開ける音が、チリンチリンと響く。
中の様子を覗くようにそうっと入ってくる少女は、場違いなくらいに姫騎士な格好だった。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に十六夜棗さんが現れました。
雪城氷架 > 「ん?」

姉様、そう聞こえた気がして入り口に目をやると…
うん…自分によくにた、最近出来た妹───

「よう」

片手を上げて、挨拶とアピール
相変わらず見た目にそぐわず女の子っぽくない

十六夜棗 > 街中を歩いていて、ぶーっと噴き出した。
中々無い事なのだが、噂をついぞ聞いていなかった闘技場チャンプの姿を見かけたのだから。

「……ヴァル?」

瞼を擦り、見間違いではない事を確認して、店内へと追いかける。
今の自分が"望月満月”ではない事も、最後に会ってから時間が経ちすぎている事も忘れて。

ヴァルトラウテ > 「ああ、やっぱり姉様!」

満面の笑み。
基本的に、なにがあろうとほとんどのことは喜ばしく嬉しい事なのだ。
世の中は幸せに満ちている。だいたい。
それが姉とあれば、それはもう、この上ない僥倖である。

「ごきげんうるわしゅうございます姉様。このようなところでおめもじできて光栄の極みに思いますわ」

姉様がいれば全て満たされるのだから。

雪城氷架 > 「お、おう……相変わらずだな…まぁ座れよ」

店内が空いていたので窓際の席に案内された
なので、隣りに座るスペースのある長椅子だった

「こういうトコ来るのにもその格好なんだな…」

苦笑して、ふと誰かが慌ただしく店に入ってきた姿が目に入る
カフェテラスにバタバタと入ってくる人間なんて珍しい

ヴァルトラウテ > 「はい、では失礼して」

佩いていた太刀を外し、丁寧な振る舞いで座る。
たったそれだけの動作にもかかわらず気品溢れる様子は、良家のお嬢様である様子を感じさせる。
もっとも、本人にその自覚は全く無いのだが。

それに、姉様の横に座れるという光栄に与るだけで、十二分に満たされているのだし。

「学校に行く時以外はだいたいコレですね。誰にどこで襲われるかもわかりませんし?」

そもそも、彼女は戦闘行為をあまり悪いこととして考えていない。
コミュニケーションの一環ぐらいにしか思っていないので、それはそれで話しかけられたと同じくらいのつもりでいる

十六夜棗 > 視線は姉妹?の邂逅に向けたまま、店員の案内を一度聞きそびれて。
姉の方と視線が合って目を思わず逸らす。
店員さんにその時気付き。

「似てないけれど異母姉妹かしら。あ、あちらの席で。」

彼女達の近くの席を示して案内されて、近くのテーブルで着席。
しまった。変装道具がなくて、話しかける切っ掛けがない。
あちらからは初対面だ。

雪城氷架 > 目をそらされた
まぁ、切れ長で強めの目つきなのでたまにあることなのだけど

まぁいいか…と思いつつ

「あー…うん、特に最近は治安もな……。
 学園周辺はそこまで危険ってこともないだろうけど」

歓楽街に夜に行ったりとか、その先に行ったりすると危なそうだけど

と、携帯が鳴る
メールの着信音だ、さっきのが返ってきたらしい

何してるーと送った返答は、自己鍛錬中とのことだった
相変わらずだなーとくすくす思わず笑みをこぼして
『こっちは妹と一緒にカフェテラス』 と返事を返して

「腹減ってないか?もうすぐ注文来ると思うんだけど───」

ヴァルトラウテ > 「でも、ここのみなさんはみんな親切な方が多いので、だいぶ色々と助かってますけどね」

そもそも闘技場の姫にして気が乗った時しか伺わないような性格であるため、謎多きチャンプである。
しかも愛想よくだれにでも親切、となれば相応の対応になるというものだ。

なお、歓楽街の夜とかには興味もないが、何かしら誘われたらその限りではない。
父様に止められていなければ。

「あ、ではせっかくなのでケーキセットを。アップルパイで。紅茶はニルギリでお願いします」

あとから入ってきた慌ただしい少女に関してはまったく気がついた様子がない。
もともと姉様と一緒にいさえすればそれでいいという話もあるのだが。

十六夜棗 > 店員にココアセットを注文して、話かけるにも二人の会話に混じる切っ掛けはまず無い。
聞き耳を凝らして切っ掛けを探る位しか今は出来そうにない。

はたから見れば、ある席の方を見ている怪しげな客と化した。

雪城氷架 > 店員さんはヴァルトラウテの普通の注文に安心したように奥へ戻っていった
この分だと多分運ばれてくるのは同時ぐらいになりそうだ

「親切なフリしてるのもいるかもしれないから、気をつけろよー?」

そう、そういうヤツはどこにでもいる
特にこう、見た目が良い女の子なんかには絡んでくるものだ
…腕ずく、という部分では心配はなさそうなのだけど、
いかんせんこの妹、純粋すぎる

「ところで…」

視線を感じて、ちらちらと近くの席に視線を送る

「…知り合い?なんかずっとこっち気にしてるけど…」

ヴァルトラウテ > 「そうなんですか? みんないい人なのでそういったこともないのですが……姉様の注意なら」

素性的にそういう目には合いづらいのもあって、そうした経験自体がない。
が、もしなったらなったで良い実験なのだろう、きっと。
無論、少女が知らないことではあるが。

「……? 知らない方ですね。先程からずっと視線は感じますが」

変装、という概念がほとんどない。
なので、気配的にはなにか感じるところはあっても、そういった気の回し方は出来ない。
AIとしてはまだまだ子供なのだ。

十六夜棗 > 姉の方に気にされている。
当然の話だった。
自分としては会話から手がかりを得て、改めて接触したかったけれど、どうしたものか。

何も言わぬ訳に行かない雰囲気を感じる。

「……失礼しました。目を引く物で。
見覚えがあった気がしますが、お名前を聞いても?」

雪城氷架 > 自分の言うことなら、この妹は本当になんでも聞く
素直なのだ、逆にそれが心配なところでもあったけど

「ん…見覚え?私達に…?」

きょとん、少なくとも自分は見覚えがないし、
ヴァルトラウテも知らない方だという、もしかしたら一方通行の面識かもしれない

特に名前を隠す理由もないので…

「えっと…私は雪城氷架、
 こっちは妹のヴァルトラウテ」

手のひらをつい、と妹に向けて、紹介してみる

ヴァルトラウテ > 「ヴァルトラウテです、姉様ともどもよろしくお願いします……どこかでお会いしましたか?」

深々と礼。
だが、姿形に見覚えがあるわけではないが声紋が一致する。
ただし、ヴァルトラウテには相手の正体を探るという選択肢を取る理由がない。

もしかしたら隠したいかもしれないのだ。
なので、知っているならそれでよし、知らないのならきっと知らなくていいことなんだろう。
ヴァルトラウテはそれほどに素直であった。

十六夜棗 > 「雪城さんにヴァルトラウテさんですね。私は十六夜棗と申します。」

ここは丁寧に挨拶して低姿勢。
続くヴァルの質問に、つり目を更につりあげて思案した。

「……雪城さんは学内ですれ違った位でしょうね。
ヴァルトラウテさんは、フルハウスと言う喫茶店に覚えは?」

"望月満月”を覚えていてくれてるだろうか。
リスクを承知で、賭けた。

雪城氷架 > その名前にもやはり覚えはない
邂逅があったとしても、言われたとおりすれ違った程度か

と、やっとこ注文が運ばれてくる
ヴァルトラウテの注文したケーキセットや紅茶と、
本日の曜日限定、本来パーティーメニューであるパンケーキタワー×3である

生クリームとか、メープルとか、粉砂糖とか
自由にぶっかけられるように容器ごと置かれ…
あっという間にテーブルの上が一杯になった

ヴァルトラウテ > 「はい、フルハウスなら友達に連れて行っていただきました。もしかして……?」

コレなら言いたいなら言ってくれるだろうし、言いたくないならそのまま流してくれるだろう。きっと。
どうしたいのかわからない時は向こうに任せるといい。父様がそう言ってた。

「……わぁ、すごいですね姉様。これからパーティですか?」

ヴァルトラウテはまだ、コレが一人前であることを知らない。

十六夜棗 > 良かった、ヴァルは覚えてくれていた。

「ええ。でもあそこは場所が場所なので。お久しぶりね、とだけ。」

笑って指を口元に当てて、しぃ。
あの名前はこちらで出されると困る。

まだ姉さま、思考でもそうとしか認識できないアンドロイドに手配を受けていてもおかしくないのだから。

それから運ばれるセットの山を見て思わず。

「え?大食いチャンプ?」

驚きの声を漏らしてもこの量だけに仕方ないのではなかろうか。

雪城氷架 > 「ん、なんだやっぱり知り合いなのか」

言いつつ、既にフォークにざっくりと刺したパンケーキをもぐもぐ頬張っている
割りと美少女が台無しの光景だが隣りにいるのは妹なので気にしない

「パーティー?いや別に…そもそも一人で来てたし…」

もぐもぐ、口を動かしながらメープルシロップをたぱーっとかける
一皿目のパンケーキタワーは既に半壊状態であった

大食いチャンプ、そういうシステムがある店なら問答無用で無敗の王者として君臨できたかもしれません

ヴァルトラウテ > 「ええ、まあそんなところです。十六夜さんはすごく善い方ですよ」

なにせ、なにも知らない自分に優しくしてくれた友達なのだ。
友達なら事情には慮るべきである。


「ああ、ではコレは姉様のために供された、さしずめ満漢全席というところですね」

満漢全席は一人で食べるものではないが。
それはそれとしてヴァルトラウテのAIは納得した。もともとどれくらい食べるかについてはあまり興味ない部分でもあるのだが。

十六夜棗 > 「ええ。ちょっと色々あって久しぶりなので、覚えて貰っているか、ちょっと不安だったのですよ」

ヴァルのお姉さまと言う事なら笑顔で接して大丈夫。
ヴァルは私が唯一安心できた、例外なのだから。

「甘さと量が凄い事になっていますね。」

それはそれ。
これはこれ。
量もシロップもおかしい。
そう言う異能でもなければ。

「ヴァルから見れば、大抵の人は良い方になるのではないかしら?」

私は良い人じゃないといた覚えはあるけれど。
変わってなくて、安心して滅多に見せない笑顔を浮かべた。

雪城氷架 > 「へぇー」

妹の友達、というなら無下にはできない
…むしろここは姉としての度量を見せなければいけないのでは!?

「…よ、よろしければつまんでいただいても構いません、よ?」

なんかすごく無理した口調で、パンケーキタワーの乗ったお皿を指差す
ちなみに一皿目は既に更地と化していた

大食いなだけでなく、その早さもさるもの
これが異能なのではと検査もされたぐらいである
…単に持って生まれた素質だったけれど

ヴァルトラウテ > 「ん……でも、友達は大事なものです。それだけで充分だと思うので」

それなりに事情があるようだ
それならそれで。

人は見た目だけで判断するものではない
何かあるというのならそうなのだろう、友達ともなればなおさらである。

「姉様が美味しそうに食べるさまは絵になりますね」

特に食べる気はない
量もケーキセットで十分ではある
ただ、ひとくちとっかえっこするぐらいは許されるのではなかろうか。

「もしよければ、ひとくちだけいただけるとお互い味見になっていいかと思います」

十六夜棗 > 「よ、良ろしいのですか?」

どうみてもタワーだ。
いやでも流石に勧められて無碍に断れないのではないだろうか。

タワーの高さを見て覚悟を決め。
その間に注文していた届けられたココアセットを手に。
席を移動する。

「ありがとうございます。」

これは、あの速さで食べる事も求められているに違いない。
それ位の速度でパンケーキタワーが消えている。
やれる、私はやれるやるんだやろうやらなきゃやってやらぁ!
いざ尋常に勝負!上の方から3枚一気にフォークで刺して切り分けて大口で頬張り、3口で3枚を食べきる。詰まる。

そこでココアで流し込む。甘ったるさに甘ったるさが足された。

「ぷはっ。そう、ね。私も大事な友達だから会えなくて心配していたのよ。
お部屋の場所と携帯、教えておこうかしら?」

甘くくどくなった後味を残したままで、制服のポケットから携帯を取り出して。
ヴァルに番号を表示した画面を見せる。
前は教えられなかったけれど、今なら。

雪城氷架 > 「お…いいぞー! ふふ、なんだかこういうのっていいな」

提案されれば嬉しそうに、小さく切り分けたパンケーキに生クリームとラズベリーを乗せ、
パーティーメニューなので当然ついてた小皿に乗せて、ヴァルトラウテにすすめる

ずっと一人娘だったのもあって、こういう姉妹のようなやり取りに内心憧れていたのかもしれない
とてもうれしそうである

そして、同様に切り分けた小皿をそちらにも…と視線を移すと

「…お、おぉ…なかなかの食べっぷりだな…」

なんか喉詰まらせてたけど、大丈夫だろうか

ヴァルトラウテ > 「わぁ、ありがとうございます。姉様とこういうの、すごくいいですね!」

アップルシナモンパイにクリームを返して寄越す
パイの熱で溶けたクリームがいい感じである

そんなひとくち交換、味わって食べる姉様のおすそわけ。

それだけのことですごく喜ぶ。
だいたい、ヴァルトラウテはコミュニケーションが足りないのだ
だからどんな出会いも等しく嬉しい。
それが姉様から得られるとあればそれだけで喜ばしいものである。

「十六夜さんもすごく嬉しそうに食べますね! ふふ、こういうの楽しいです」

初めて出来た友達との会食に姉様と交換となれば嫌でも喜ぶしか無いというものだ

「ありがとうございます、わたしはコレで」

友達との番号の交換。
初体験である

十六夜棗 > そう言うの、一つずつ取替えっこで良かったのでは。
でももう言える空気じゃない、なんとなく解る。

「い、いえ。ちょっと豪快に行き過ぎました。
私のもどうぞ。」

お姉さまに今ので食べきれなくなったココアクッキーを一皿差し出し。
パンケーキ2枚分の量だけれど食べられなくなった物は仕方ない。

「ふふ、そうね、私も楽しいわ。」

お腹が重いのは些細な事。

「ええ、何かあったら連絡して頂戴。」

交換できた。
教えただけなら初めてではなくても交換は初。
内心ガッツポーズを決めた。

雪城氷架 > ものすごく喜んでもらえて、なんだかこちらも穏やかな心持ちになってゆく
…本当は、あの何を考えてるかよくわからない父親が突然養子にした、と連絡してきた娘
不安はたくさんあったのだけれど
なんてことはない、こうやって自分を慕ってくれるし、
素直で、純粋で、笑顔を向けてくれる。そえが自分も嬉しくて

「さんきゅ、ほんと、楽しいな──」

不安は忘れよう
家族が増えた、それだけでいいじゃないか

連絡先の交換をする二人を見て微笑ましく笑みを浮かべて


「いいよいいよ、遠慮せずどんどん食べて」

相手の満腹事情など知るべくもなく、差し出されたクッキーをさんきゅー、と言って摘むのだった

ヴァルトラウテ > 「あ、こちらもどうぞどうぞ」

言って、十六夜に手元のアップルパイを一切れ差し出す。
みんなが美味しければ自分も美味しいのだ。

「ええ、ぜひ連絡させていただきますね!」

友達と連作先の交換。
素敵なことなのだ、すごく。
だってその本人が、言葉を伝えてもいいと。そういうことなのだから。
それはすごくいいことなのだ。

「はい、わたしもすごく楽しいです」

だが。
このヴァルトラウテの性格が「てきとう」であるがゆえの産物であると誰が予想しただろうか。

なぜこうしたAIデザインなのか。
一言でいうなら


【どうでもいい】


からである。

従順で逆らわず面倒もない。
誰かと触れ合ってもトラブルを起こさず、好まれやすい。
なによりダリウスが何をしても、問題を起こさない。

それだけのAIだった。

十六夜棗 > 遠慮せず。二度目はむ、無理。

「あ、いいえ。今日は久しぶりの友達を見かけてつい突入してしまいましたけれど、どんどんと言う程には。」

それに、ヴァルからもアップルパイのお誘いがある。
ヴァルにココアアイスを半分差し出して。

あむ。リンゴの甘さとパイのぼりゅーむが。
ぼりゅーむが。

でも美味しいのには変わりないし、大抵外から見るだけだった光景に自分がいる事がとても幸せだ。

「楽しみに待ってるわね。」

笑顔のまま、思う。

こう言う小さな幸せこそが大事で。
大きな物に飲み込まれたくない。

獅南先生に言った『小さな世界』はやっぱりヴァルと、その身内とで作り出したい。

このお姉さまの周囲はどこかのデータをハッキングして調べてみても良さそうだ。

その考えを悟られないように、笑う。

雪城氷架 > 「なんだ、遠慮しなくていいのに、じゃあ食べちゃうぞ」

数瞬後
きっと両者が目を離した一瞬でパンケーキタワーはすべて消失していた
何が怒ったのか把握するも前に、満足気にお腹を擦る氷架が目に入ることだろう

「いやー前から満足するまで食べたかったんだこれ。
 友達誘ったんだけど太るからーって断られちゃってさ、
 二人がいたから楽しく食べられたよ、有難うな!」

言って、店員がフックにかけた明細をピッ!と格好良く手にとって
同様に棗のテーブルの明細も、その手にとる

「よし!今日はお姉さんが奢ってやろう!!」

可愛い妹の手前、見栄も貼りたくなるというものである

ヴァルトラウテ > ココアアイスの冷たさも心地よい。
なにより、厚意で差し出されたものはだいたいそう。

「わたしも、姉様と十六夜さんと一緒に食事ができてすごく嬉しかったです!」

友達と一緒の会食というだけで充分すぎるほどだ。
姉様の嬉しそうな様子までついてくればなおさらである。

「え、いいんですか、姉様?」

会計は割とアバウトなところがあるというか、そもそも余り物を欲しがるタイプでもない上に
闘技場でのファイトマネーで懐にはだいぶ余裕があるのだが。
でも、姉様におごってもらえると言うのはそれだけでなんかみとめてもらえた気がして嬉しいのである。

今日は連絡先も交換できたしいうことなしである

十六夜棗 > 「ええ、どうぞどう……ぞ?」

タワー消えた。
何があった。
理解が追いついたら突っ込み切れないお言葉。

異能仮認定しても罰はあたらないと思う。

「い、いえ。お役に立てて何よりでしたわ。」

理解が及ばない。
総カロリー殆ど変わってない。

口から魂を吐きそうな唖然とした顔で流され。

「う、いえありがたいのですけれど。
いえ、ありがとうございます。
このお礼はまた今度。
少し残っておりますけど、宜しければ……」

そして時計を見る。あ、と表情が変わり。

「私もよ、ヴァル。
でも今日はちょっと急がないといけない所があったのよ。
だから、途中になっちゃったけど、また、ね?」

すまなさそうに笑って両手を合わせて席を立ち。
じゃあ、と手を振って出て行きます。
今度会ったらお返ししなくては。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から十六夜棗さんが去りました。
雪城氷架 > 「ふふん、任せとけ。妹とその友達と食事して割り勘なんてカッコ悪い真似はしないぞ」

渾身のドヤ顔を披露
決して財布が豊かなわけでもないが、ここは格好をつけたいのだ
…結局一番食べてるのは自分なのだけど

「うん、またなー」

会計を済ませつつ、少し早足で去る十六夜棗の背に小さく手を振る

「うしっ、それじゃ私も帰るかな。
 ヴァルは研究区だっけ?途中まで一緒するかぁ」

ヴァルトラウテ > 「はい、十六夜さんもまた。楽しい時間をありがとうございました!」

こちらも手を振って見送る。

連絡先があるのだ。
その気になればいつでも連絡できるのである。
はなれていてもつながっているのだから。

なお、タワーについてはそういうものだという解釈なのであっさりと受け入れる。
素直だいじ(だいじ

「はい、姉様にぜひご一緒させていただければと!」

一緒と言われれば一も二もなく同意する。
姉様と一緒にいられるというのは、それだけでこの世の幸福であるのだ。

雪城氷架 > にっこり笑みを向けて、素直で可愛い、新たな家族と共に店を出る

その後少しばかりの共通の帰り道を、他愛もない話をして歩くだろう
やがて道が分かたれれば名残惜しみつつ互いに手を振り───

今しばらく続く、幸せな姉妹ごっこを満足気に噛みしめて、氷架は女子寮へと帰路をとる

ご案内:「カフェテラス「橘」」から雪城氷架さんが去りました。
ヴァルトラウテ > ヴァルトラウテは何も知らない。
幸せも不幸も未来も。
必要なものだと設定されてないからだ。
何もない人形であるがゆえに、何をされてもいいし何でも受け入れてしまう。

だから、どんな出会いも喜ぶし、この世の全てだと設定された姉様に従うことは本当に心地が良い。
そんな姉妹であり、姉妹ごっこであり、実験である。

それすらも受け入れる少女は一体どこへ帰るのか。
とりあえずは研究区、父様の用意したメンテナンスベッドに。

それが今の彼女の帰る場所であった。

ご案内:「カフェテラス「橘」」からヴァルトラウテさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に白泉椿丸さんが現れました。
白泉椿丸 > 「や~んもー、ひっさしぶりぃ~。
 ここのパフェ食べたかったのよねェ。今の季節だと、何のフルーツおいてんの?」

テラス席にて、黄色いルージュをうるめかせる一人の……

一人の…………

オカマ。そう、オカマ。男でありながら、女を持ち合わせる存在。
男店員を捕まえてご機嫌らしく、あれやこれやとメニューの詳細を聞く。
5分程度の拘束だというのに、エプロンの眩しい彼の微笑みはどこかやつれていた。

「じゃあ、季節のフルーツのパフェとアイスティーおねがいねん」

うふっと笑い、ばちんとウィンクが飛んだ。

白泉椿丸 > オカマ、もとい椿丸は優しい緑色をした眼をしている。
その眼は魔女薬を作成するには鋭く真剣なものとなり、材料に対する適切な処置や計量にも妥協を許さない。
彼、いや、彼女曰く、それは作製するものとしての義務であり、美しくあるための一つのステップだそうだが――

今その眼は、通りを歩く学生たちに注がれていた。
慈愛に満ちた目で、男子生徒の尻を眺めている。

白泉椿丸 > 「若いって…………イイ……」

アタシはもうすぐ三十路だから、ウフフッ。
あら、あの子身震いしたわね。風邪の初期症状かしらん?
ダメよ~、学業と体調管理は大事にしなくちゃン!
隣にいる子が心配してるじゃなぁ~い、気になるもの同士って感じかしら?あらァ~!青春~!
どんどん!どんどん愛を育むのよ!友情でもいいわ!大人になったら、時間が無くなるんだから…。

ンまぁ~!あの女学生ちゃんったら、ずいぶんと短いスカートをはいてるわね…。
まだ冷えやすくもある季節だっていうのに、これだから学園デビューを済ませちゃったコは!
もうっ、だめだめ、そんなんじゃ!女の子の身体はデリケートなの…大事に扱われるために、自分の扱いこそお姫様でいなきゃ……。

椿丸の脳内チェッカーがビンビンに働いているところに、アイスティーが先出しで置かれていった。
運んできてくれた店員は女性に切り替わっていたが、にっこりと笑ってお礼を言う。
オカマたるもの、全ての性を持つ存在に愛を持つべきなのだ…。

ご案内:「カフェテラス「橘」」にヨキさんが現れました。
白泉椿丸 > アイスティーのグラスは薄らと冷気を漂わせ、琥珀色の渋味に氷を抱き込んでいる。
椿丸は雫で指が濡れるのも気にせず、それを手前へ引き寄せた。
紙包みから細いストローを抜き(ヤダ、抜きですって)、グラスへさし――吸う。

「…っあ゛ぁ゛~、生き返っちゃう……」

大分低い音程が喉から響いたものの、椿丸はウキウキしながら学生ウォッチングを続ける。

ヨキ > 「おや」

独り入店し、ウェイトレスに座席へ案内されていたところで、知った顔を見つける。

「――失敬。ちょっとこちらで相席させてもらうよ」

顔馴染みらしいウェイトレスに断りを入れて、椿丸の居るテラスへ向かう。

「やあ白泉、じゃない……ジュディではないか。久しいな」

現れたのは長身の獣人、美術教師ヨキである。
椿丸の返事も待たぬうち、さっさと彼女――ヨキは椿丸をそう呼んでいる――の向かいに座ってしまう。
同じく背の高い椿丸と向かい合うと、やたらと画が大きい。

「材料探しの旅に出ていたと聞いたが。
 帰って来たということは、何か良い成果でもあったかね?」

水を運んできたウェイトレスに礼を告げると、間髪入れずに注文する。

「季節のパンケーキとキャラメルパフェを一つずつ。あとそれから紅茶を」

白泉椿丸 > あれは今年度中に来た子のグループかしら?
買い食いのメロンパンに眼を輝かせちゃってンまぁ~~っ、きゃンわいいッ!
男女混合というのもきゃわいいポイント倍よ!倍々でドンッ、よ!
甘酸っぱいわぁ、アタシにもあんな学生の頃があったと思うと……時って残酷ね……。
そう、学生と言えばアタシがまだジュニアスクールでやんちゃボウズしてた時のこと………。


「あらっ、あらアラあら、ヨキ先生~~~~!」

青春時代というラブメモリーの掘り返しは中断された。
ヨキが向かいに座ると、さっそくその腕を触りに手を伸ばす。
嬉しそうにきゃぴきゃぴした笑顔を向け、頷く。

「ええ、そりゃあもう!もちのろん、よ。
 生徒たちに刺激をたぁっぷり与えられるような材料を見つけてきちゃったンだからン。
 …まだ職員室に寄って無かったんだけどォ、帰って来て早々にヨキ先生の顔が見れるなんて~!」

相変わらず食べるわネと、彼の注文に微笑む。
ヨキの注文を受けたウェイトレスと入れ違いで、椿丸のパフェが届いた。

ヨキ > 伸べられた手をキャッチして揺らす様子は、女子生徒とのスキンシップで培われたものだ。
はっはっは、と愉快そうに笑いながら、指を絡めて再開を祝す。

「相変わらず子らを見る目が優しいな、君は。
 常世島の外を回ってきた後も、熱意冷めやらず、と見た。安心したよ」

一しきり熱い握手を交わしたのち、テーブルに肘を載せてコップの水を飲む。
女性と相対するヨキがいつもそうしているように、身を少し前に寄せてリラックスした姿勢。

「人から聞くだけでも、君の授業の評判はすごく良かったからな。
 今も新しい生徒がたくさん入ってきているから、どしどし教えてやってくれよ」

供された椿丸のパフェに、うまそう、と呟きが漏れる。

「ヨキの方は相変わらずだ。人数は少ないけど、途切れず人が入ってくる。
 異能を使った作品の表現もユニークな作品が増えてきているしな。

 ……で?で?
 どうやら、君の収穫はとびきりらしいではないか。ヨキにもちょっとだけ教えてくれよ」

白泉椿丸 > ヨキとの触れ合いに大満足したらしく、今の椿丸には届いたパフェすら10割増しで輝いて見える。
スプーンをその手に取りながら、ふと、ヨキの右手に増えた指輪に数秒視線を落した。

そうそう、ヨキ先生は末端にオシャレが少し欲しかったのよねアタシ…。
見ないうちに指輪が増えてるなんて、理由はどうあれ良し!GooDよ!似合ってるじゃなァ~い!
自分で作ったのかしら?お話が途切れたら聞いてみたいかも…?

「あら、評判が残るなら嬉しい限りねえン。
 腕がもりもり鳴っちゃうわ~……だァって~、アナタはセンスが良いもの、ヨキ先生!
 それに美術が好きっていうハートがね…もう…ビシビシに感じられるって言うか…カンジちゃうっていうか…。

 あ、そうよそうなのよ、ナイショにしたいけどもう、教えちゃうっ!ヨキ先生には言っちゃうわ…。
 魔女薬の中でも材料が難しい掘れ…じゃなかった、惚れ薬!
 アレの肝心かなめであるお花が…手に入ったのよ!
 流石に生徒へ教えるのは"ドキドキさせちゃう薬"として、効能を落すけどン…。
 活力剤と精神薬の工程を一緒に学べるステキレシピよ!」

初夏の果物と生クリーム、甘酸っぱくもさっぱりとしたジェラートの乗った部分をすくう。
こんもりとパフェが削り盛られたスプーンをヨキの方へ向けて、先に一口どうぞ?と。

ヨキ > 私服がチャラいという評判には慣れたものだったが、まさか指輪がひとつ増えたことまで気付かれているとは思いもしていない。

「ふふふ。ヨキは何しろ人のハートを鷲掴みにするのが仕事であり、誇りだからな。
 ヨキに掛かれば、見る者すべて骨抜きの腰砕けよ」

ふふんと鼻を鳴らす。

「それでいて同じく仕事に熱心で、真面目な君のことだ。そりゃあヨキの心にも残るさ。
 何より君の薬は、素朴でいて効果も堅実だからな。
 医薬品のように広く大衆へ、とは行かなくとも、応援したいと思っているよ」

運ばれてくる紅茶やデザートを横目に、へえ、と感心して目を細める。

「惚れ薬?凄いではないか。強心剤にも使えそうだな。
 ふふ、魔女の惚れ薬だなんていかにも霊験あらたかだ。
 くれぐれも“悪用”はするでないぞ」

冗談めかしつつ、差し出されたスプーンのパフェを頬張る。
食むときに若干ヤラしい表情を浮かべてみせたのは、ヨキなりの返礼なのだろう。

「おお、うまいな。このサッパリとした甘み……さすがは橘」

言いながらパンケーキを切り分け、フルーツとはまた趣の異なったキャラメルソースのパフェを掬い取る。

「ほれ、君も好きなだけ食べたまえ。
 こっちのキャラメルのやつは、ヨキがよく食べる気に入りだ」

白泉椿丸 > この椿丸というオカマの眼は、常に街角服装チェックを行っているようなもの。
興味のあるすべてに敏感でありたいオカマの心は、ヨキの耳の先にまで前と変わりがないかを調べる。
そうして大きな問題が見えなければ、健やかでいたのねン!と安心するものなのだ。

「ウフフ……その応援だけでアタシ、10年はお薬作ってられちゃう]

ヨキがパフェを口にした折の表情には、椿丸のハートはキャッチマイハート(再びよ!)であった。
ヤダもう、そんな眼しちゃダメダメッ!アナタにお薬悪用しちゃうわ!と、冗談めかして軽く上半身をくねらせる。

「旅行先、陽ざしテリテリの暑い日は橘のパフェが何度恋しかったか。
 ……ンン、おいし~い!そう、このジェラートと生クリームの組み合わせがたまンないわ」

ヨキのキャラメルパフェを貰えば、キャラメルの暴力的ながらもどこか優しい香りと甘さに悶える。

「美味しい!どっちも食べたくなるヨキ先生の気持ちが分かるわァ……。
 そういえば、ヨキ先生。その右手指輪はどうしたのん?」

ヨキ > 「ならば君がいつまでも若々しく現役で居られるように、応援し続けてやらねばならんな」

軽く舌なめずりしてクリームを味わい、肩を竦める。

「ふふ。君の惚れ薬など使われたら、ヨキは覿面にイチコロだ。
 学園ではなく、まんまと君の犬になってしまうよ」

椿丸がパフェを食べたあと、同じくフルーツや生クリームを載せたパンケーキも差し出す。
そうしてシェアが済むと、紅茶を供にデザートを順繰りに口へ運ぶ。
常日頃から土気色をしているヨキの顔が、何だかツヤツヤとして見える。

「だろ?どれもこれも美味しくて手当たり次第に味わってるが、決まってこのパフェに戻ってくる。

 ……うむ、指輪?ああ。これのことか」

尋ねられて、右手を見下ろす。
蔦が絡むような、アラベスクの意匠の黒い指輪。

「貰い物でな。ヨキが指輪の形にしたのさ」

指輪をすぽんと外して、手のひらに載せる。
ヨキの異能で指輪がふにゃりと形を蕩けさせ、やがて元の形状に戻ってゆく。
金属質の艶めきを持つ石が、ころりとヨキの手のひらに転がった。

「魔術学部で、魔力の触媒に使われてる魔石さ。
 これより小さなサイズでも、借り受けるには随分と書類を書かされたほどの代物だがね……。
 作品の足しにしてくれと、バレンタインの礼に貰った」

バレンタインの礼が魔石。どうにもミスマッチな話ではある。
石は魔力との途方もない親和性を感じさせるが、元来ヨキが魔力を持たないこともあって、今は空っぽの石ころだ。

白泉椿丸 > 甘い物を口へ運ぶ楽しさは、懐かしい同僚の存在もあってこそか。
ヨキの返答に笑いを隠すでもなく、ニコニコしている。

「ウッフッフ、そうなったら可愛い首輪をこしらえなきゃいけないわねン!」

季節のパフェの残量も半分を切って、あとはアイスティーと交互に消えていく。
ヨキの手のひらで崩れ蕩ける指輪の素をじっくりと数秒眺めた。
ふぅん…と興味深そうに緑をした眼を細めては、魔石のポテンシャルを視界の遠くに確認して。
何かの作品に組み込むでも無く、身に着ける作品として魔石を花咲かせたヨキに、椿丸は優しさを感じたようだ。

「バレンタインで?ンまッ、妬けちゃうわァ。
 お返しというには、ラブの詰まった品物に見えるわねン。この大きさでも、十分良いものだものネ。

 ステキなデザインだな~って見てたんだけどン、ラブの詰まったお返しをヨキ先生が触れば、そうもなるわねえ!」

友情でも愛情でも、この際どちらでもイイわ。
贈り物にお返しをした誰かさん…。
ちゃんと目に見える形として、プレゼントを昇華させるヨキ先生の姿勢……。
それがサイコーなラヴの流れよ…。

椿丸はそう微笑ましそうに表情を崩しながら、パフェの最後の一口を食べ終えた。