2016/07/14 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に寄月 秋輝さんが現れました。
■寄月 秋輝 >
静かに入店し、席を一つ確保。
アイスコーヒーを一杯注文し、携帯端末を取り出す。
(……さて、こちらでも精査をしていかないとな)
先日コゼット先生に、自分の作った魔術資料を手渡し、その中身の調査を依頼した。
しかしそれをただ待つだけというのは性に合わない。
自分でも調査し、さらに精度を上げられるならば修正する。
その作業のために涼しい場所を選んでみた。
■寄月 秋輝 >
携帯端末の中の資料を睨む。
魔術という名ではあるが、結局のところ学問だ。
数学的、科学的知識をフル回転させての調査になる。
問題は、この資料は全て自分で作ったということだ。
自分が作ったという現実は、間違いを見落とす最大の原因となる。
自分は間違っているという前提のもと、思考を巡らせる。
一から計算、魔法陣を描画し直して、あら探しを進める。
(……わかってはいたけど、こういった見方をすると膨大な情報量だな)
魔術の制御、放出。すなわち発動。
魔法陣を展開することで、詠唱を廃しながらも制御を安定させ、
暴発を防ぐためのトリガーワードのみでの放出を可能とさせる魔術。
いくつかの魔法を扱ったものの、最もしっくりきたのがこれだった。
■寄月 秋輝 >
じっくり、しかしとんでもない速度での検算をしていく。
一からの計算し直しにはかなりの精神疲労が伴うが、始めてしまえば止まらない。
膨大なデータの三割ほどを終えた時点で、一度ため息を吐いた。
いつの間にか届いていたアイスコーヒーに浮かぶ氷が解け、少々薄くなっていた。
表面に水滴の付いたそのコップを手に、ストローで吸い上げた。
「概ね問題なしか……
あとはこれをこっちの人が使えるかどうかだな」
魔術は学問としての価値があり、自分が研究する要素は非常に深い。
だが教えるからには、ある程度使える人が居てほしいものだ。
そこは講義を初めてから考えるべきことだろうか。
■寄月 秋輝 >
数分ほど息抜きし、再び取り掛かる。
半分に差し掛かったあたりで、修正点が見つかってしまった。
(しまったな。コゼット先生の連絡先を聞いておけばよかった)
後の祭りである。
仕方が無いのでこのまま進めていく。
修正点と言っても、改善できる点の話だ。
次回会った時にでも伝えればいいだろう。
■寄月 秋輝 >
結局全てを読み直し、数か所の改善点を見つけてしまった。
もっとも、ミスが無かったのは誇るべきことであり、安心できることでもあった。
もうこれで完成させてもよいだろう。
「……あとは今年ちゃんと飛び級卒業するだけだな」
ぐっと大きく伸びをする。
長らく生徒という子供の立場に居ることが出来た。
こちらに飛ばされてきたことも悪いばかりではなかったと心から思う。
もう十分に楽をさせてもらったのだ。
あとはまた、かつて望んだように。
知識と未来を託す仕事を始めよう。
■寄月 秋輝 >
端末を手に、席を立つ。
コーヒー一杯で随分と長居してしまった。
店員に一言謝罪しながら、店を出て行った。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から寄月 秋輝さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に佐伯貴子さんが現れました。
■佐伯貴子 > (夏休みも間近な平日の放課後。
講義は休めても仕事は休めないスケジュールを確認しながら、
アイスティーを飲んでいる。
佐伯貴子は比較的楽な風紀委員だが、
毎日確実に仕事があるので、ヒマではない)
■佐伯貴子 > 久しぶりにショートケーキと紅茶でも行ってみるか…
(夏季限定スイーツばかり食べていたこの数週間。
基本に立ち返るのもいいかもしれない。
メニューを見ながらひとりごと)
■佐伯貴子 > なにっ!?ミックスベリータルト…!?
(新しい季節限定を見つけてしまった。
それはすなわち食うことを意味する。
夏は果物の季節。
当分ショートケーキには戻れそうにない)
ご案内:「カフェテラス「橘」」から佐伯貴子さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に松渓つばめさんが現れました。
■松渓つばめ > 少し慌てた様子で「おわわわわっ」と入店する娘。
かばんを頭から下ろすと、自慢のおぐしは爆発して見事なライオンヘアになった。湿気だ。
「うぬぅ、急に天気変わるんだもの。参るわね」
どばばという擬音語が相応しいほどの勢いで雨が降ってきていた。
■松渓つばめ > かばんからタオルを取り出す。用意が良い。
店員も大変だったねという感じで迎えてくれる。
「ね、流石に参ったわ」と返して、何も言わずにコインを数枚渡す。
偶然、誰もいない席があったようで、窓の外がよく見える。ドリンクを待つ間、そこに座っておこう。
■松渓つばめ > 頭にタオルをかけて、頬杖をついたままふう、と一息。
テラスは雨に打たれたパラソルが不規則な揺れを見せ、跳返りの雨水が窓を伝う。
道は本の数分で浅い流れを持つ。
頑張って歩くなり走るなりしている人々を見ていると、自分って根性無いのかな?などとも思えてくる。
しかし、今日は傘を持ってない。濡れて歩くにも流石に過ぎる。
■松渓つばめ > 「ありがとー。お言葉に甘えてゆっくりさせてもらうわ」
いつもの濃口ブラックアイスコーヒー。
頭からタオルをよけて、かばんに突っ込んだ。
まだ服は所々濡れている……ので、こっそりと異能で処理してしまおうと思った。
つばめの異能で生み出された粉塵はそれ自体が多少なり水を吸う効果がある。
異能の力を湛えた掌で夏服の袖をポンポンと叩くと、雨水はそちらに移り、袖がそこそこ乾く。
色々な所から水を取って、少しこし餡状になった異能を、テーブルの下にポイ。数分後には雨水だけが残っているだろう。
「全部こうできればタオルもいらないんだけど」流石に店の床が水浸しになってしまう。
しょうがないよね、とコーヒーを一口喉に落とした。
■松渓つばめ > 携帯を片手に、雨音を聞く。
学園はこの所事件が増えているというわけでもなく。
「濡れて張り付いた服の自撮りとかどうでもいいじゃん……と?」
SNSを見ていると、少しだけ気になる文が目についた。
■松渓つばめ > それから、視界の端に映ったペラ紙。
「――常世美術館で個展?」
知った顔の教師が開くという、個展のチラシだ。
「ここに置かせてもらう契約、ヨキセンセーが個人的に?」金持ちなんだなあと軽く嘆息した。
「まあ、夏休みだし……」行ってみるとするなら、と軽く考えてみるのだった。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から松渓つばめさんが去りました。