2016/08/09 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に烏丸秀さんが現れました。
烏丸秀 > 「――さて」

そろそろか。

時は満ちた。
姉妹の道は別れ、その心に皹が入った。

ならば。
もう一度、勝負といこう。

「ボクは諦めが悪いからねぇ」

烏丸秀 > 抹茶ラテを飲みながら、夏みかんのシャーベットに口をつける。
ひんやりとした感触と、程よい酸味。
相変わらずここのスイーツは美味しい。

『今日はご機嫌ですね』

などという店員に、今度一緒に海に行かない、と誘う。
軽く袖にされた。
そろそろ一人くらい靡いてくれてもいいのに。

烏丸秀 > そもそも、あの姉妹は狂っていたのだ。

姉妹はふたりでひとつ、ならまだいい。

ふたりでより多くを取り合うのも。
ふたりで仲良く分け合うのも。
お互いに譲り合うのも。
まだ、分かる。
だが。

「『何故かひとつしかないもの』を二人で押しつけあってれば、世話は無いよねぇ」

そう。
その天秤の欺瞞に、あの姉妹だけが気付いていない。
なるほど、平等とはよく言ったものだ。
あれは、天秤などではない。

烏丸秀 > おかしいのだ。
本当に天秤だというなら。
姉妹がお互いのものを相手に分け合う事が出来るのなら。

何故、二人で一緒に幸せになれないのだ。

「総量が狂ってる。あの姉妹が、二人で幸せになれない筈がない」

誰もそれに気付かない。
あの姉妹自身ですら気付かない。

本来なら、あの二人は。
お互いに幸せになれるくらいの幸福を持っている筈だ。
環境が、人柄が、両親が、すべてがそれを示しているのに。

何故、あの二人は、一緒に幸せになれないのか。

烏丸秀 > となれば、あの異能はおかしい。
総量が足りないというなら、残った幸福は何処へ行った。
何故、あんな少ない総量の幸福しか姉妹に与えない。

才能にしてもそうだ。
二人の努力に比例して、あまりにも総量が少ない。
研鑽と技術、天賦の才までひっくり返しても。

もし、あの努力が才能として一人に集中すれば。
凛霞はとっくに絶人の域に達している。

「なのに、達人が一人だけ生まれた。何故?」

烏丸秀 > そうだ。
おかしいのだ。
もしもそれが。

『二人の才能や幸運を片方に集中させる異能』

ならば。

だから烏丸は仮定した。
あの異能は……


「あ、お姉さん、このスイカたっぷりフルーツポンチもちょうだい」

ご案内:「カフェテラス「橘」」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ >  
「はー、あっづぃわねぇ……」

 片眉を顰めつつカフェへと入る少女。
 少々ゴシック(ロリータ)色の強い装いは、気候にしては少々暑そうに映る。

「んー……」

 そこそこの来客が伺える。
 暑い故の涼み客か。それとも別の何かか。
 何処に座ろうかと、思案を始めた。空席は無くもないが、気軽に選べる程でもなさそうだ。

烏丸秀 > ふっと思考の世界から浮上する。
と、見てみれば。
なかなかかわいい子、発見。

そして、見境の無いのがこの男だ。

「やぁ、よければ座らない?」

にこにこと笑いながら話しかける

水月エニィ >  
「ん――」

 声の方を向く。
 声の主は涼しげな和服の大人びた少年。
 上級生だろうか。

 一呼吸だけ置いて、頷く。
 言葉遣いも一旦整える。

「……ええ、お言葉に甘えさせて貰いましょう。いい?」
 
 ひょこひょこと近づき、椅子に手を掛けて座る。
 肉付きよし。胸よし。幼めに見えるのは装いが手伝っているせいか。
 

烏丸秀 > 「どうぞどうぞ」

嬉しそうに椅子をすすめる。
うんうん、なかなか可愛い。
顔も体つきも、実に好みだ。

そして、どこか……

非常に「そそる」。

まぁ、彼に見初められるというのは、ロクな事ではないのだが。

「本当、暑いよね。今日は夏みかんのシャーベットがおすすめだよ」

水月エニィ >  
 ――どのような理由か、自身を意識して見られている。
 少しだけ気に掛かったが、席に誘う程だ。性格由縁と判断した。
 
「本当、参っちゃうもの。……では、それにするわ。
 飲物はアイスティーのストレートにしておきましょう。」

 夏みかんのシャーベット。ストレートティー。
 メニューを閉じて、オーダーを通す。
 通し終えれば、何気はなしに口を開く。
 世間話のつもりなのかもしれない。

「夏みかんって、妙な名前よね。」
 

烏丸秀 > 「いやだよねぇ、暑すぎる。海にでも行くか、クーラーのきいた部屋に居たいね」

まぁ、みんなが薄着なのは良い事だけど、と頭の中で思考する。
さすがに口には出さない。

「うん、そうかな?」

みかんは冬の果物。夏みかんとは言い得て妙だとは思うが。

「あ、ボクは烏丸秀。見ての通り、ただの学生。キミは?」

水月エニィ >  
「川も良いかもしれないわ。
 ……いずれにせよ、涼しい所が恋しくなるわね。」

 不思議そうに問われれば、少しだけ思案してから言葉を返す。

「ええ。だってみかんが前提にある果物じゃない。
 夏に生える蜜柑だから夏蜜柑。でも、普通の蜜柑を冬蜜柑とは言わないもの。
 だから不思議よね。何かあるのかしら?」

 烏丸秀。ただの学生らしい。
 ……少し気に掛かるのか、見つめる。とは言えすぐに視線を切ってから向け直す。

「水月エニィ。一年生よ。
 ただのと付けるかは、少しだけ迷うわね。大したものではないけれど……。」
 

烏丸秀 > 「どうだったかなぁ。
確かにミカンありきの名前だけど。でも、ミカンの方が有名だしね」

うんうんと相槌を打ちながら頷く。
もっともな事だが、まぁ甘くて美味しいならば別にいいや、と考える。

「エニィ。なるほど、よろしくね。
常世島には慣れたかい?」

ちょっと上級生らしく振舞ってみる。
普段はこんな言動などしやしないのだが。

水月エニィ > 「有名な方が軸、ね。
 ……ま。そんなものかしら。」

 それ以上に思う所もないのか、話題を締める。
 丁度運ばてきたシャーベットをスプーンですくって一口。くどくない爽やかな甘さ。
 暑さで参った身体には涼しさを覚えるものだ。良い。

「ん、そうね。随分と慣れたわ。
 これで良いのか そう迷うこともあるけれど、自分でもびっくりするぐらい慣れたわね。」

 他意なく答える。
 続けた言葉は自然に発された言葉を確かめるような具合か。