2016/08/10 のログ
■烏丸秀 > 「それは良かった。まぁ、変な島だからねぇ」
くくっと笑いつつ。
変な島である。
変な人間だらけの島、とも言うが。
「まぁ、でもキミみたいに可愛い子が増えるのは大歓迎。
ぜひ常世島を楽しんでね」
■水月エニィ >
「それは否定しないわ。
本当、変な島。」
頬杖を突きながら溜息を付く。
紛らわすようにストレートティーに刺さるストローを咥えて飲む。
喉が波打つ。
「……あら、お世辞かしら。
他の可愛い子と比較すれば可愛い範疇に入らないでしょうに。
楽しむ、ねぇ……貴方はどうなのか、聞いてもいいかしら。」
■烏丸秀 > 「あ、ボク女の子にお世辞は言わないよ。
カワイイ子は無条件にカワイイって言うし、そうでないなら別の所褒めるから」
笑顔は崩さない。
女の子の前ではいつもそうなのだが。
「ボクの楽しみかい?
んー、ボクは人生を満喫してるからねぇ。
美味しいモノを食べて、好きなモノを愛でて、かわいい子と喋って一緒にいて。
時間がいくらあっても足りないよ」
■水月エニィ > 「……そう。」
笑顔も崩さないし、迷う素振りもなく断言していた。
嘘は言っていないのだろう。当たり前のように言ってのけていた。
……少しだけ落ち着かない。
とは言え、次の話題に移る頃には気を取り戻す。
「本当に満喫しているのね……。
何というか、羨ましいわ。」
■烏丸秀 > さて。
この少女の奥底には何があるのだろう。
何故だかは分からないが、実にそそられる。
「羨ましい?」
微笑みながら、一歩踏み込む。
相手の中へ。
「まるで、キミが人生を楽しんでいないように聞こえるけど?」
■水月エニィ >
「羨ましいわよ。」
表情から柔らかさが弱まった。
僅かながら、表情に険しさが混じる。
「それでも含めて、これでいいのかとも思うもの。
貴方が能天気とか、そういうつもりじゃないわよ。純粋に羨ましいわ。」
ストレートティーに口を付ける。
空になってからもストローで吸うような気の紛らし方だ。
■烏丸秀 > 「なるほど」
こちらは柔らかな笑みを崩さない。
そう、貼り付けたように。
「その物言い、キミは何かを探しているのかな?」
よく、何か当ても無く探す人間がそういう物言いをする。
己の今を肯定しながらも、どこか足りないものを必死に探そうとする。
そういう人間たちを、思い出す。
「ボクの誤解かもしれないけどね。
でも、現状を好ましく思えるけど満足できないのは、そういう事なのかな?」
■水月エニィ >
「ええ。でも。
探すまでもないわ。」
笑みを絶やしていない。
話題の転調にも動じる様子もないし、そのままの笑顔で会話を続けている。
動じていない・引かれていない事だけは理解した。
とは言え、探しているものは決まっている。
「……そうね。当たらずとも遠からず。
あまりにも心地良すぎて妥協してしまいそう。
だから負けてもいいや。そう思いかけているのは確かね。」
言葉を探しながら答える。
隠すものではないが、そのまま話せば負担や刺激を掛けるものだ。
■烏丸秀 > 「それは大変だねぇ。
何せボク、そういう時にはすぐ放り出して妥協しちゃうから」
けらけらと笑う。
快楽に弱い。というよりも。
快楽を追求する事のみで生きているような存在だからこそ。
その自制心には敬意を表する。
「ボクはそこまでできないなぁ。
あるとすれば――んー、誰かに恋してる時くらいかなぁ?」
■水月エニィ >
「放り投げられたら楽かもしれないわね。
……いっそ放り投げてみようかしら?」
その選択肢を改めて意識すれば、
冗句のつもりで返しつつ誤魔化すように笑う。
投げたらどうなるだろうか。そんな思いが脳裏を過った。
でも、それでいいのか。この欲望と怨嗟はその程度のものなのか。
そう思えば、自分の言葉に眉を顰める。逃げるようにシャーベットを平らげた。
飲み物もシャーベットも空っぽだ。
「恋、ねぇ。
……ちょっと良く分からないわね。」
単語を反芻する。かつてこの島の友人と見た恋愛映画を思い出す。
それでも今一しっくり来ないし、目の前の男の言うものの恋もイマイチ理解できない。
聞く限り、可愛い子と喋る事は多いみたいだが――。
■烏丸秀 > 「はは、そう言ってるうちはきっと無理だよ。
本当に投げる時は、無言で、己すら騙さないと、人間は何も捨てられないから」
笑ったまま。
軽い口調のまま。
彼女の言葉を否定する。
何もかも拾い、そして捨ててきた男の、ある種の悟りのようなものだろうか。
「いいよ、恋は。
ある日突然、相手のすべてが欲しくなる。
全てを求め、全てを欲し、恋焦がれ――その為ならば、あらゆる事ができるようになる」
■水月エニィ >
「――そう。なら当面は平気そうね。安心したわ。」
否定されれば苦笑いで応える。
軽い口調ながらも、自分に向けて"断言"された言葉だ。
相槌より先、質問より先、推察より先。
どうにも適当なものには思えない。適当だとすれば、髄まで染みついたものだ。
「そんな情熱的な恋をしてみたいわね。
あらゆることが出来るようになる、と言うのは負け犬の私には実感がわかないけれど――」
席を立つ。
食事を終えて、ゆっくりと伸びをしてみせ。
「――さて、休憩も出来たしそろそろ行くわ。また会いましょう。烏丸さん。」
■烏丸秀 > 「ふふ、またね」
烏丸もゆっくりと手を振り、相手を見送る。
またね。
そう、再会を匂わせて。
だって彼女はきっと。
また、自分の前に現れるだろうから。
確信のようなものが、烏丸にはあった。
■水月エニィ >
自分の伝票を手に取って、会計まで進む。
……一瞬、妙なものを覚えた。振り返ってみるが変わった事はない。
誤魔化すように軽く手を振って、その場を後にした。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から水月エニィさんが去りました。
■烏丸秀 > しばらくして烏丸も立ち上がり、去って行く。
今日はいい日だ
ご案内:「カフェテラス「橘」」から烏丸秀さんが去りました。