2017/05/03 のログ
飛鷹与一 > 「…明日の警邏は…ええと、昼の―…ハイ?…あ、どうも真白さん。えぇ構いませんよ」

明日の警邏の予定を頭の中で確認していれば、不意に掛けられる馴染みの声。
我に返りそちらに顔を向ければ、軽く会釈をしつつも見上げる形になるだろうか。
何時も見下ろしている感じだからか、この目線の違いが何だか新鮮に感じられる。

しかし、この少女相変わらずゴスロリチックな服装である。矢張り彼女の趣味なのだろうか?
いや、あの和服を見た事がある少年としては、外出用の服装なのだと思いたい。

柊 真白 >  
ありがと。

(礼を言って席に座り、頭だけを動かしてメニューを読む。
 常にこの格好である理由は、シルエットの大きい服装の方が色々隠し持つのに便利だからである。
 和服も隠すところは多いのだが、こちらの方が動きやすいと言うのも理由の一つだ。)

風紀の仕事、大変そうだね。

(先ほど彼が呟いていた言葉。
 風紀は人手不足と聞く。
 自身も入学初日に勧誘されたのだが、断っていた。
 その分給金もそれなりにあるのだろうが、金があれば疲労が無くなるわけでもない。)

飛鷹与一 > 「いえ、一人寂しく食事よりは馴染みの人が居る方がいいですからね」

小さく笑いつつ、彼女がメニューを検討している間に、こちらはちびりちびりとコーヒーを口元に運ぶ。
掛けられた言葉に、ゆっくりとコーヒーカップを置いてから頷く。

「えぇ、ゴールデンウィークだからか、本土に里帰りする風紀委員の人もそれなりに居ますしね。
必然、人手不足が加速すると言いますか…俺は帰省はせずに島に残る側なんで、まぁ結構扱き使われてます。」

肩を竦めてみせる。確かに給金はそれなりだが…ぶっちゃけ、あまり金銭を浪費しないので貯金がジワジワ溜まってきている。
生活費が大半で、遊興費とかそういうのは殆ど割り当てない、というのもあるが。
どんな才能や力があったとしても、少年は矢張り人間だ。だから疲労は普通に溜まる。

「…そういえば、真白さんは…あ、でも結構お金持ってるんでしたっけ」

バイトはしないんですか?と、尋ねようとして思い出す。あの中々に高級マンションの部屋を持っているのだからそれも納得だ。

柊 真白 >  
――しーふーどどりあとぴざとーすと。
飲み物は冷たい紅茶。
あと食後にちょこぱふぇ。

(店員に注文を通し、水を飲む。
 食事は大事な栄養補給だ。
 ここは結構美味しい食事が揃っていて、嬉しい。)

君は帰らないの。
家族に会わなくても平気?

(ゴールデンウィークと言う連休ならば、帰ってゆっくりする生徒は多いのだろう。
 彼が帰らないのは何か理由があるのか、と言うところまで踏み込むつもりは無いが、世間話のつもりで聞いてみる。)

――?
お金には困ってないけど。

(彼がそんな事を聞いてきた意図が掴めず、首を傾げて聞き返す。
 とりあえず聞かれたことには答えておいた。)

飛鷹与一 > (…真白さん、心なしか食べ物を注文する時とか少しウキウキしてる感じがするなぁ)

彼女がやって来た店員に注文をする様子を眺めつつ思う。あくまで少年の印象、ではあるが。
まぁ、実際このカフェテラスの食事は結構美味しいし学生達の間でも人気なのは間違いなく。

「…え?ああ、ハイ。俺、家族はもう居ないんで帰省するとしたらお世話になった養護施設と…後は体術の師匠の所、ですかね。
ただ、ついさっきその師匠の方から電話があって近況報告したんですが…帰ってこなくていいというお達しが。」

苦笑い。それに、ほぼ連日警邏に狩り出される事が既に決定事項なので帰省しようにも出来ない。

「だから、年末年始に養護施設の方にだけ顔を出そうかと。今回の連休は居残り組みですね俺は」

と、そう告げつつ。別に自身の背景を隠すつもりも無ければ、隠すことでもないので素直に語る。

柊 真白 >  
(食事は単なる補給と言う以上に楽しいものだ。
 結構エネルギーを使う身体なので、尚更。)

そう。
――師匠。
どんな人?

(家族がいないとあっさり告げたので、特にこちらも気にする事は無いだろうと、これまたあっさりした返事。
 むしろ師匠なる人の方に興味が沸いて、そちらの方に食いついた。)

実の親でも育ての親でも、親は大事にね。

(孝行したい時になんとやらと言う。
 実感の篭った言葉。)

飛鷹与一 > 「師匠ですか?…いい加減で女好き、猥談が好きで結構ロクでもない爺さんです…けれど…強いです」

途中までボロクソに言っているが、最後の一言は真剣にそう告げる。
実際、この島に来るまで彼以上にぶっ飛んだ人間というのを見た事が無かった訳で。

「師匠は異能も魔術も何も持ってない人なんですが、その分人の強さを純粋に突き詰めてるというか。
心技体が揃ってる…と、言えばいいんですかね…性格は兎も角、体術使いとしては超一流かと」

誇張し過ぎだとは思わない。少年にとって師匠はそれだけ「強い」存在なのだ。

「そうですね…養護施設の院長先生と、その師匠が俺にとって、第二、第三の父親みたいなものです」

ゆっくりと頷く。彼なりに少女の実感の篭った言葉に思う所があったのだろう。

柊 真白 >  
――お師匠さんの事は、好き?

(あまりにボロクソな物言いに、一瞬固まる。
 けれどそれがなんだか愛情の裏返しのような気がした。)

ふうん。
――君も、そうなる?

(なれるなれないと言う意味ではなく。
 そこを目指すかどうか、と言う意味の問い。)

それなら、良い。
――いただきます。

(そんな事を話しているうちに頼んだものが来た。
 静かに手を合わせ、一礼して黙々と食べ始める。)

飛鷹与一 > 「……嫌いだったらここまでハッキリ言いませんよ」

と、若干ながら照れ臭いのかそう告げる。彼女の思うとおり、愛情の裏返しなのだろう。

「……正直、体術使いとしては無理かな、と。そこは師匠にも断言されましたし、俺自身が実感してます。
けど、出来る限り近付こうとする努力は無駄にはならないかと」

そして、口を開きかけて…止めた。「射撃に関してなら超一流になれる」…これは師匠ではなく風紀の先輩の台詞だ。
そこで、丁度彼女の料理が来た。黙々と食べ始めた彼女に合わせ、こちらも静かにコーヒーを飲む。
既に軽食の方は食べ終えてしまったので、こうしてコーヒーを飲みながら寛ぐスタイル。

柊 真白 >  
だと思った。
――私はそう言う風には出来なかったから、ちょっと驚いたけど。

(第三の父親だと言ったのは、それだけ信頼していると言うことだし、愛情が深いからこそ軽口を叩けるのだろうと思う。
 自分とは違う形だが、良い師匠なのだろう。)

師と崇める人と違う道を行くのは嫌?

(自身も彼の射撃の腕を見ている。
 確かに一流どころではない可能性を秘めていると、自分も思う。
 だからこそそれに戸惑っているのでは無いか。
 そう思ったから、そう聞いてみた。)

飛鷹与一 > 「……そうなんですか?俺からすれば、真白さんはもう一人の師匠でもありますし、敬意も好意もありますけど」

首を傾げつつ。少なくとも、ある程度の指針を示してくれたり…まぁ「そっち方面」の事も手解きしてくれたりと世話になってるのは間違いない訳で。

「――『テメェの道はテメェで見出して歩け。最低限の事はしてやる。だが俺の後に付いてくんな。これは俺の道だ』。
…師匠の言葉です。だから、正直迷う事もありますが…俺は俺の道を行ければと」

家族のように慕ってはいても、歩く道を同じくする必要も無い。自分の道は自分で切り開け…己の足で踏破して見せろ。
師匠はそういう事を言いたかったのではないか?と、フと思い。

「…けど、まぁまさか射撃の才能が俺にあるとは多分師匠も予想してなかったでしょうけどね」

困ったように笑う。未だにこの才能は正直持て余している。と、いうより十全に活用したらそれはつまり人殺しに繋がるからだ。

柊 真白 >  
私の師匠は厳しい人だったから。
――私の道も、来ない方が良い。
私の事を師匠と思っているなら、師匠からの言葉として言っておく。

(こちらの道はそれこそ人殺しだ。
 ただこちらは、否定ではなく忠告に過ぎない。
 彼が自分の意思でその道を選ぶならば仕方の無いことだ。)

刀の道は人を殺すだけじゃない。
活人剣、聞いたことあるでしょう。
使い方次第。

(人を殺す道具は人を殺す用途にしか使えないわけではないのだ。
 人を殺すのは人なのだから、いくらでも使い道はある。
 それを間違えなければ良いだけだと、ドリアを頬張りながら。)

飛鷹与一 > 「…真白さんのお師匠様?ちょっと気になりますね。真白さんのあの凄い動きを知ってるだけに」

以前、射撃の腕前をこちらが演習場で披露した後に、彼女と模擬戦闘を行った事が一度だけある。
あの時の彼女の速度は、おそらく彼女も当然加減していたのだろうが凄い速度だった。
正直、自分ではどう足掻いてもまず勝てないとハッキリ悟りもした。
まぁ、そもそも年月的に少女から見ればこの少年なぞ赤ん坊かそれ以下なのだが。

「……殺さずに生かす―…と、なると狙撃の場合は対象の無力化、といった所ですかね…」

少年が扱うのは刀ではなく銃。勿論、やり方次第だろうがまだまだ迷いが大きい。
何せ人殺しの才能がある、と自覚したのがつい最近だ。無理も無いといえばそうなのだが。

その辺り、年相応というか矢張り自身の才能が重く圧し掛かっている。
自分で折り合いをつけるしかない、と分かっていても正直しんどいのだ。

「……やれるかどうかじゃなく…やるしかない、か」

柊 真白 >  
あの動きは我流。
師匠から教わったのは気配の殺し方とか影への潜み方とか、そう言った事。
そもそも普通の人間にはあの動きは出来ない。

(あれは自分が人では無いから出来る事だ。
 師匠は人間だし、異能や魔術的な力を持っているわけでもなかった。
 教わったのはただ一つ。
 人の殺し方だ。)

――銃は加減が効かないから難しいけれど。
非殺傷弾とか使うと良い。

(ゴム弾とか麻酔弾とか。
 銃には詳しく無いので、あまりアドバイスできる事も少ない。)

あまり深く考えないで。
使わないって言う選択肢もある。

飛鷹与一 > 「…あぁ、成る程…うん、俺みたいなのにはまず無理ですねそれ。
せいぜい、師匠から足音をなるべく出さない歩法とかを多少教わったくらいです。」

しかも、多少なので完全に足音を消せているかは怪しい。むしろ、基本遠距離射撃タイプだからそこまでして対象には近付かない。

「…あ、ハイ基本はそれ使ってます。ゴム弾と麻痺弾。あとスタンガンみたいな電流を流す弾丸とか。
…と、いうか実弾で人を撃つ度胸も覚悟も今の俺にはありませんし」

撃ちたくない、というのが正直な本音だ。人殺しになったら、自分の中の何かが壊れる気がする。
少なくとも、人の形をしたモノをまともに実弾で撃てる気がしない。

「…すいません、どうも色々とこの島に着てから考え込んでしまう癖が付いてしまってて」

うーん、と苦笑い。年相応な面も多々あるが、矢張り真面目、なのだろう。

柊 真白 >  
そう言うのはあまり頼りにしない方が良い。
相当に修練を積まないと実戦では使えない。

(少し齧った程度であれば、せいぜい寝ている人の横を通る時ぐらいだろう。
 遠距離射撃では確かに使わないし。)

動きを止める用途なら非殺傷の方が良いと聞いた。
すとっぴん、ぐ、ぱわー?がなんとかって。

(聞きかじった程度の知識だが、貫通しない方がエネルギーが伝わりやすいらしい。
 曖昧な発音で首を傾げつつ。)

悩むのは青春だけど、思いつめるのはあまりよくない。
――ごちゃごちゃしたら発散するのも良い。

(いみしんなことば。)

飛鷹与一 > 「ですね、そもそも俺は真白さんとは多分ほぼ真逆の戦い方ですし」

彼女は超高速の近接戦闘がおそらく主体だろうし、自分は遠距離からの精密狙撃がメインだ。
実際、模擬戦闘でも彼女がこちらに刃を突きつけるか、こちらが先に彼女を撃ち抜くかという勝負だった訳で。
…まぁ、多少彼女を驚かせた程度であっさりとこちらが負けたが。
そもそも経験豊富な彼女に現時点では何をやっても適わない。
そのくらいは分かる。師匠も言っていた。『相手の力量を見極める事も強くなる秘訣だ』と。

「ああ、マン・ストッピングパワーですね。まぁ、実弾でなければ硬質のゴム弾が衝撃がダイレクトに伝わるのでベストかと思います」

頷く。貫通力は、むしろ相手が防弾チョッキなどをつけている場合に有効と聞く。

「……ですね…って、真白さん!」

慌てて指摘するが、既に「いみしん」な事を少女と数回行っているので今更である。

柊 真白 >  
(投げナイフなどは使うが、基本的に近距離戦闘がメインだ。
 銃などの飛び道具を持つ相手に対し、どう距離を詰めるかと言うのは散々考えてきた事で。
 いくら才能があるとは言え、あっさり撃ち抜かれる訳にはいかないのだ。)

――それ。
貫通したら周りに被害も出るし。

(基本的に横文字は苦手だ。
 彼の言葉に肯定の言葉を返し、ピザトーストを齧る。
 チーズが予想外に伸び、それをモフモフと口の中に収めていく。)

――なに。
君は走ったりしても頭すっきりしないタイプ?

(渾身のドヤ顔。
 こちらは「発散」としか言っていないのだ。
 ナニをするとまでは言っていないのだから、大声を出すようなことでも無い。
 そう言いたげなドヤ顔。
 ドヤァ。)

飛鷹与一 > (…そして、俺の課題は…やっぱり近接戦闘に持ち込まれた場合、そして持ち込ませない為の「状況設定」だよなぁ)

彼女のアドバイスもあり、最近は近接火器として散弾銃を装備するようにもなった。
後は電磁警棒だが、これも毎日握ったり振ったりして近々習う予定のナイフ格闘への前準備に余念が無い。

まぁ、少年にとって近接武器格闘は彼女の投げナイフのようなポジションではあるが。
ただ、体術を齧っているので、実はある程度の体の土台は出来上がってはいる。

「…ですね、風紀委員が周りに…特に一般人や無関係な人を巻き込んだら始末書じゃ済まないでしょうし」

ハハ、と苦笑を浮かべつつも次いで彼女のドヤ顔にピクリ、と笑顔が引き攣った。
殴りたい、このドヤァ顔…!だが殴れないし、そういう事は絶対しないと彼女だって把握しているだろう。
何だかんだで仲が良いのは間違いないが。何か遠くで店員さんが微笑ましそうに見ているが、正直今は見ないで欲しいものである。

「……あぁ、もう。けど真白さん、結構表情変えてくれるようになりましたね」

一息ついてからそう口にする。それなりに信頼してくれている証だと思うと、正直ちょっと嬉しい。

柊 真白 >  
――ナイフ術。
もうそろそろ、教える?

(言った通りに刃物や警棒などに触れているのなら、もうかなり慣れてきた頃だろう。
 彼の準備が出来ているのなら、こちらもそれなりの用意をしておこうと。)

君をからかうのは、面白い。

(ドヤ顔と言っても僅かなものだけれど、彼ならば判別はたやすいだろう。
 薄く笑って、シロップとミルクをたっぷり入れた冷たい紅茶を一口。
 最近暑いので、これがちょうど良い。)

私だって笑うことぐらいある。
――ただ、君といると落ち着くのは、確か。

飛鷹与一 > 「そうですね…一応、警邏の予定は殆ど昼間の担当になってるので、夜ならこのゴールデンウィーク中でも時間は取れますけど」

こういうのは、なるべく早い方がいいだろう。焦る事ではない。が、間延びするのも良くない。
まぁ、そこは彼女の都合次第ではあるが。取り合えず、夜ならこの黄金週間の間でも可能だと彼女に伝え。

「……俺、真白さんのオモチャじゃないんだけどなぁ」

ハァ、とわざとらしく溜息を零すが軽口に近い。何だかんだ楽しんでいるのかもしれない。
そして、最近は彼女の僅かな表情の変化も気付ける様になってきた。
交流が色んな意味でちょくちょくあるので、自然と感じ取れるようになったのだ。

(…まぁ、こっちの考えとかも大概読まれてるけどね!)

単にこの少年が分かりやすいだけかもしれないが。コーヒーを飲みつつ。
ちなみに、少年はホットのコーヒーだ。眠気覚ましにと注文していた。

「…まぁ、真白さんがリラックス出来てるならいいですけどね。
俺もなんだかんだで結構肩の力を抜けますし」

そこは互いに良い事なのだろうと思う。人であってもそうでなくても憩いの一時は大切だ。

柊 真白 >  
休めるなら、良いけど。

(昼に風紀の仕事をし、夜にナイフの訓練となると結構疲れそうだ。
 彼がそれで良いのなら構わないが。)

悔しかったら出し抜いてみれば良い。

(いつかの夜のように。
 基本的に色々と攻める方が好きだが、受けに回るのも嫌いではなかったりする。)

君は、毒気が無いから。

(パフェが来た。
 もそっとクリームを掬って、口へ。
 甘い。)

飛鷹与一 > 「大丈夫です……多分、いえ、きっと……うん」

歯切れがめっちゃ悪い。自分でも体力が持つか自信が無いのだろう。
とはいえ、あまり先延ばしにするのも良くはない気がするのだ。
ちなみに、現時点でも実は結構お疲れモードだったりする。流石に食事や睡眠はしっかり取っているが。

「……出し抜くといっても…」

戦闘面ではまず難しい。何時かの夜を思い出す…アレは、不意打ちだから効果があったのだし二度は通じないだろう。
どうしたものか…いや、待て何で夜の勝負的な感じで考えているのだ自分は。
ちなみに、少年は多分基本は受けだが一度攻めに回ると割と激しい…と、いうか前科がある。

「……毒気が無い?」

はて?と首を傾げて。あまり裏表が無いという意味合いだろうか?
実際、腹黒でも打算的という訳でもないのだが。

柊 真白 >  
――無理はしないように。

(体力を回復する魔術は流石に使えない。
 と言うか疲れを取るような術があるのかどうかすらわからない。)

じゃあ、一つアドバイス。
不意を付くと言うのは、裏から回るだけじゃない。
裏を警戒している相手には、正面から仕掛けるのも手。

(あの夜以外に不覚を取った事はもう一度あった。
 その時のように弱点を付いたり、そこを警戒させて別のところから行ったり。
 そう言うのも「殺す技術」の一つだ。)

変に出し抜こうとしない。
打算的じゃない。
だから、警戒しなくて良い。

(裏の世界にいるとそう言うことばかりだ。
 それが続けば、いくら慣れていたって疲れる。
 そうじゃないものの側にいるのは楽で良い。)

飛鷹与一 > 「…分かりました。でも近々教えて貰うつもりではいます」

そこはハッキリと。少なくとも、警棒には慣れてきたのでナイフ術の取っ掛かりは掴めそうなのだ。

「…つまり、何か策を用いると見せかけてむしろ堂々と正面突破と」

うーん、と唸る。少年的にはもう片方の不覚がピンと来ないのか言及はしない。
忘れているというか、あまりそこを少年自身が意識していなかったのかもしれない。

「ああ…と、いうかそういう駆け引きは俺は苦手ですしね。
それに、真白さんと話したりする時はそういうの必要無いですしそもそも」

信頼している少女に打算や変に出し抜く意識をそもそも持つ理由が無い。
少年自身も上手く言葉に出来ないが、そういう面倒なの抜きで彼女とは交流していきたいのだ。

柊 真白 >  
忙しくなくなったら、言って。

(何よりも彼の体調が優先だ。
 無理をさせたせいで風邪でも引かれては後味が悪い。)

――君の場合は、何も考えない方が良いかもしれない。

(下手に策を弄するより直球で来られた方が多分困る事は多いと思う。
 あまりアドバイスしすぎるとこちらが困る事が増えるので、多くは語らず。)

それが私にとって心地良い。
是非そのまま真っ直ぐ育って欲しい。

(パフェを平らげ、紅茶を飲む。
 自分の子供を見るような目で彼を見る。)

飛鷹与一 > 「う、うーんそうなると黄金週間が終わってからになりそうな…」

風紀の里帰り組が戻ってくれば負担も減るから時間も余裕が出来るだろう。
後は、まぁまたメールで彼女と打ち合わせする感じになるかもしれない。

「……ああ、俺、考えすぎて煮詰まる事が多いのでそれがいいのかもですね」

自覚があるのか、思わず遠い目をして頷いてみせた。自身の性格はちゃんと把握はしている。
この際、小細工なしで後は臨機応変が一番ベストなのかもしれないと思う。

「……真白さん?何か物凄く母親的な目線になってるんですけど」

まぁ、可愛がられているという事ではあるのか。彼女にとって自分は息抜きポジションなのかもしれない。
けど、母親目線されるのは流石にちょっと複雑なのでそこは物申しておこう。

柊 真白 >  
いいよ、それで。
それに疲れてるみたいだし、ご飯ぐらいは作ってあげる。
それとも膝枕とかの方が良い?

(僅かだが、からかうようなにんまり顔。
 とは言え申し出自体は冗談と言うわけではない。
 こちらが癒されているのだから、彼の事も癒すのが筋というものだ。)

考えなしは困るけど。
――気にしないで。

(注文した料理は全て平らげた。
 伝票を取り――当然のように彼の分も――、席から立ち上がる。)

私はそろそろ帰るけど。
君は、どうする?

(あのマンションに来ても良いし、帰っても良い。
 やることがあるなら残るも良し。
 そんな感じの意図を含んだ問いかけ。)

飛鷹与一 > 「……真白さんのご飯、美味しいですからね……って、膝枕……では両方でお願いします」

彼女には下手に遠慮する事は無いと思ったのか、堂々と両方注文していくスタイル。
まぁ、彼女ならそのくらい許容してくれるという確信がある。これも信頼!
からかうような顔をされても、実際疲れてはいるのでちょっと癒し空間が欲しいのは事実なのである。

「そりゃ、少しは考えますよ……いや、気にするなといわれても…」

まぁ、いいかと溜息。友人なのか弟子なのか子供なのかよく分からないポジションだ。
…まぁ、そんな事に深くこだわる事も無い。互いに信頼している、それだけでも十分すぎる。

「……って、真白さん?」

自身の分の伝票を取られて「え?」という顔。これくらい自分で払えるのだが…あちらの動きが自然すぎた。

「え?あ、ハイそろそろ俺も帰ります……あーこっからだと男子寮より真白さんの部屋の方が確か近かった筈なので。
じゃあお邪魔します。ちょっと今は少しでも速めに休みたいので」

と、いう訳で彼女の部屋のベッドを貸して貰おうと決めた。勿論睡眠的な意味で。
まぁ、結局支払いは彼女にしてもらう事になってしまったのだが。

柊 真白 >  
よくばりめ。
わかったよ。
――今日はお姉さんが奢ってあげよう。

(そう言ってさっさとレジへと歩き出す。
 支払いを済ませたらテーブルへ戻って来た。)

部屋に着くまでに寝ないでね。
流石に君を運ぶのは厳しいから。

(速さはあるが力はそこまで強くないし、体格差もある。
 彼の荷物を持ち、先を促した。
 そうしてマンションまでともに歩こう。
 相変わらず殺風景な部屋だが、以前よりはほんの少しだけモノが増えている。
 約束通りベッドの上で彼に膝枕をしてあげよう。)

ご案内:「カフェテラス「橘」」から柊 真白さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に飛鷹与一さんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から飛鷹与一さんが去りました。