2017/12/02 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
鈴ヶ森 綾 > 常世祭も終わり、その後始末も昨日の内に片付き、
街はいつもと変わらぬ、
いや、いつもよりほんの少しばかり静かな週末だった。

しかし夕方に訪れたこのカフェは例外だったようで、店内はほぼ満席。
幸い今しがた帰っていたグループが使っていた4人がけのテーブル席につけたが、
案内した店員から相席になる可能性がある事を伝えられ、それを承諾してから椅子に腰掛ける。

鈴ヶ森 綾 > 脱いだコートを隣の席に引っ掛け、メニューをパラパラとめくってそこに載っている色とりどりのデザートの写真に一通り目を通し、暫し逡巡。
2分から3分程の長考を経て、ようやく注文を決めたのか、忙しく立ち回る店員を呼び止めると写真の一つを指差す。

「ブレンドコーヒーと、この苺のパルフェをお願いします。」

店員は注文を復唱すると足早に去っていった。
メニューを元の場所に戻して軽く店内を見回してみると、当然というべきか、お客は殆どが若者で、それにふさわしく店内も賑やかだ。
先日の活気がここにだけそのままに残されたような錯覚すら覚える程に。

鈴ヶ森 綾 > 暫くの間目を閉じて、その喧騒をBGM代わりにぼんやりと時が過ぎるのを待つ
耳に入ってくるのは常世祭の感想、試験への不安、気の早いクリスマスの予定等、
日常という言葉が相応しいものばかりだ。

『お待たせいたしました』
「あぁ、どうもありがとう。」

注文を運んできた店員に一言返し、テーブルに置かれたパルフェ用のスプーンを手にする。
長いスプーンでたっぷりと盛られた生クリームをひとすくいし口へ運ぶ。
その滑らかな舌触りと味わいに表情を緩ませ、もう一口、さらに一口と続ける。

クリームの次は、その名前を冠するにふさわしい量が盛り付けられた苺を一つ齧ってみる。
甘酸っぱく、瑞々しい味わいにこの上ない至福を感じる。

「あぁ、やっぱり良いわねぇ…。」

ご案内:「カフェテラス「橘」」に岡崎燐太郎さんが現れました。
岡崎燐太郎 > 常世祭を終えて気分も日常に戻りつつある週末。
いつものように休日でも欠かさない鍛錬をこなし、
その帰り際学生街にあるこのカフェへと寄った。

「時間、間違えた……」

扉の鈴を鳴らし店内に足を踏み入れる。
そして一瞥しただけで分かる混雑具合に思わず顔をしかめた。
空席はほとんどなく諦めるしかないか、と踵を返そうとした時、
店内を右往左往していた店員が入口に突っ立っていたこちらに気付く。
何やら説明を聞くと満席状態であるがゆえに相席になるらしく。
せっかく立ち寄ったことだしそれでも問題はないだろうと相席を承諾する。

やがて案内を受け、通されたのは四人掛けのテーブル席。
席までたどり着けばメニューにざっと目を通し、その場で注文してしまう。

「えっと、席いいかな?」

おそらく言われたであろう店員からの確認に重ね、自らも相手に意思の確認をする。
許可が取れ次第対面する状態で椅子に腰をかけるだろう。

鈴ヶ森 綾 > 上層に盛り付けられたクリームを掘り進め、今度はその下に敷き詰められた苺とバニラ、二色のアイスクリームに手をつける。
店外は寒風吹きすさぶ12月の寒空だが、店内は暖房が効いていて暖かい。
アイスの冷たさはむしろ冬場にこれを美味しく食べられるという付加価値を与えている。

そんな風に、周囲の者にそうと知られる事無く人外の怪物が弛緩しきった表情でパルフェを貪っている。
余程その甘美な味の世界に入り込んでいたのか、
テーブルの向かいに立っている彼が自分へと向けた言葉を、頭が理解するのに数秒の間を要した。

「………あぁっ、ごめんなさい。勿論、どうぞ。」

事態をようやく飲み込んだのか、慌てて向かいに置かれた二脚の椅子を手で指し示す。
パルフェに夢中になりすぎていた事のが少々気恥ずかしく、コーヒーを一口飲んでその気持をごまかした。

岡崎燐太郎 > どうも、と至ってにこやかに返し指し示された椅子に腰を下ろす。
数時間ぶりの落ち着ける空間で身体をリラックスさせたことで自然と口から息が漏れる。
それに呼応するように額から一筋の汗が滴る。よく見ればうっすらと照明で顔が照っているのがわかる。

「こっちも悪いな。それ楽しんでるとこ邪魔しちゃって」

よほど夢中になって舌鼓を打っていたのか、若干反応の遅れた少女に謝る仕草を。
指を揃えて立てられた右手は人のものではなく鈍い銀色をしていた。

「まさかこんなに混んでいると思わなかったよ……
 あぁ、あまり長居する気はないから、うん」

周囲を見回してやれやれと言いたげに首を振る。
仕方がないとはいえ少女がスイーツを嗜む空間に男が割って入るのも些か申し訳ないと感じ、
すぐに邪魔をするつもりはないと伝える。