2018/08/10 のログ
鈴木竜一 > 「そう願い続けて19年……そろそろ来ねーかなー,俺のモテ期。」

初対面の女の子にこういうコト言ってる間は駄目かもしれないね。
……差し出されたサンドイッチを見て,貴女を見て,

「いやいや,えっと……誰ちゃんだか分からないんだけど,
 そんな名前も聞いてねーよーな初対面の女の子からサンドイッ…」

発言の途中ですが,良い音でお腹が鳴りました。

「……一個貰ってもいい?後でお礼すっからさ。」

古城 桜虎 > 「ええ。もちろん。
 私としても目覚めが悪いですし──。」

 腹の音を聞き、冷え切った珈琲へと視線を移して戻す。
 受け取るのならばそのまま手渡したことだろう。

「折角ですし、お名前を伺っても?」

鈴木竜一 > 「さんきゅー。」

ハラヘリには勝てないお年頃。素直に受け取って,ひょいと頬張ります。
そう大きくないサンドイッチなら,すぐに食べきってしまうでしょう。
冷えた珈琲も一気飲みしてしまって,

「お礼の前に自己紹介だった。
 俺は鈴木竜一……それにしても,恥ずかしい所見られっぱなしだ。」

仕方ないこととはいえ,ここまで良い所が一つもない。

「どう挽回するべきか,それが問題だなー。」

古城 桜虎 > 「鈴木 竜一さんと。
 ……私は古城 桜虎と申します。よろしくお願いしますね?」

 空腹あるいは健啖家ならばあっという間に平らげられるような、
 普通の大きさのサンドイッチだ。

 残りのサンドイッチを一つ掴んでつまみ、一口齧る。

(……順当に鍛えていらっしゃる方、に見えますが……ふぅむ。)

「困った時はお互い様ですし、気にならずとも。
 …………はて、挽回、ですか?」

鈴木竜一 > 「古城…さん,って呼ぶべきかな。こちらこそ,よろしくどーぞー。」

思考を読むようなことはできない青年は,
貴女をどう呼ぶべきかすこし悩んだ様子を見せつつ,そう言った。
外見は正しく一般的な高校生男子だが,
貴女の見立て通り,筋肉質な身体はアスリートのそれと言っても過言ではない。
もっとも,常人の域を脱しているほどではないから,この島においてはありふれたレベルかもしれないが。

「ほら,ぐでってて,しかもハラヘリとか今んとこ最悪じゃん?
 今からでもカッコいい所見せないと,古城さんに残念な男子って思われちゃうかなーってね。」

そう言ってしまうあたりが正直というか,ツワモノというか,馬鹿というか。
いずれにせよ,青年はそう言って笑った。

古城 桜虎 > 「何と言うか、正直というか……
 うーん、急いでも事を仕損じちゃいますし、今からやって失敗したらそれこそ本当にそう思っちゃいますよ?」

 正直というか,ツワモノというか,馬鹿(すなお)というか。
 ……この少女もそう思ったのだろう。今度はあざとさのない苦笑を浮かべだ。

鈴木竜一 > 「う…確かにそりゃー取返しがつかねーな。」

貴女の言葉に,納得したという様子で頷く竜一。
どこまで本気でどこから冗談なのかはよく分からないが,
なに,自分でもきっとよく分かっていない。
男子たるもの,常に女の子にはカッコよく見られたい。
しかし,悲しいかな,常にカッコよく在れるとは限らないのだ。

「とゆーわけで,挽回はまた今度ってことでー。
 挽回とは別でさ,ホント,何かお礼はしたいんだけど……んー,どうすっかな…。」

普通ならお金を払う,というのが最も簡単な選択肢のはずだ。
だが,それをしないというのはこの男がそれこそ“お礼でカッコいいところを見せたい”のか…
…もしくは“金がない”のかのどちらかであろう。
きっと後者だと,すぐに想像がつくに違いない。

古城 桜虎 > 「思いついたらで構いませんよ。
 ……色々と苦労しているのは見てわかりますし。」

 先ほどの状況から資金難であることは想像に難くない。
 とは言え、"カッコ良いところを見せたい"性格も見える。

 (ううん、珍しいぐらい健全な男の子ですねえ……)

「あるいは、そうですねえ……
 なんか滑らないような面白い話でもいいですよ?」

 にぱっと微笑む。
 おどけている辺り、冗句半分の提案だろう。
 

鈴木竜一 > 「マジかー……不幸オーラとか出てたらそれこそ彼女なんかできねーよなー。」

この実に健全な高校生男子は,相変わらずそんな風に呟いて笑う。
だが,どこまでも素直に内面を吐露するその青年の姿からは,
どんな不幸も冗談で笑い飛ばしそうな,どこか歪な部分が見えるかもしれない。

「ちょっとターイム,マジでそーいうのやめにしようぜ!
 絶対アレじゃん,ウケなくて俺が恥ずかしい思いするヤツじゃん!
 取返しつかないヤツじゃん!」

冗談だと分かっているからか,大袈裟に返して笑った。

「というわけで却下ー。」

古城 桜虎 > (本当、素直ですねえ……)
 
 思うところはあるものの、ひとまず保留とする。
 故に"それ"への追及はなく、次の話へと進む。
 
「あはっ、ほら、それはそれで面白いですし?
 ……それじゃあやっぱり今度ですねえ。ええ。」

 うんうんと頷きつつ、残りのサンドイッチと飲物を完食。
 そのまま席を立てば、大きく背伸び。

「と、私はそろそろ行きましょう。
 ……最近は"パンデミック"みたいな不穏な噂もちらほらあります。
 いくら懐が寂しくなっても、危なっかしい仕事や依頼を受ける時は気を付けてくださいね?」

鈴木竜一 > 「俺的にぜーんぜん面白くねーからやっぱり却下!」

青年はからかわれても楽しげに笑った。
それから,貴女が席を立てば少し考えて……

「…んー,とりあえず,これからなんか困ったら言ってな。
 俺にできる事だったら力になっからさー。」

滑らないハナシもカッコいい姿も,未来の自分に全てを全力投球。
挽回する日が来るのか,それとも永遠に来ないのか,それは誰にも分からない。

「……そーだな。 ほんと,ただでさえこの島は危険だってのによー。
 古城さんも,気を付けて。」

軽く手を振って,貴女を見送りましょう。

古城 桜虎 > 「ええ。それではまた会いましょうね、鈴木さん。」

 そのままトレイを持って席を立ち、カフェテラスを離れた。
 

ご案内:「カフェテラス「橘」」から古城 桜虎さんが去りました。
鈴木竜一 > 貴女が立ち去っていくのを見送り…その背が見えなくなる頃。

「……あ,やべ!」

青年は小さく呟いた。大失態だ。
困ったら言ってくれと伝えたのに,そのための連絡先を伝え忘れた。
なんだかいつもこんなことをしている気がする。

「ほんっと,良いトコねーなー。」

ぐだーり。

鈴木竜一 > そして,古城さんの言葉にあった,助言。
金が無いということもあっさり見抜かれているし,心配されてもいる。
穴があったら入りたいどころか,掘り下げたいレベルである。

「なんか良いバイトとかねーかなー…。」

背凭れに身体を預けて,ぐだーっと身体を伸ばす。
お金は重要である。万が一にでも彼女を作るチャンスに恵まれたとしても,
今の自分では食事に誘うことも…ちょっと躊躇われる。

鈴木竜一 > しばらくグダグダした後,青年は静かに立ち上がった。
生活を成り立たせるため,いつか来る日に備えるため,
バイトを探そうと心に決めて。

「……走るバイトとかありゃいーのによー。」

ご案内:「カフェテラス「橘」」から鈴木竜一さんが去りました。