2018/11/14 のログ
■比良坂 冥 >
「……? 別に言葉を選ばなくてもいいよ。変な人間なのは自覚してるから」
そもそも、テーブルを見れば何一つ注文すらしていないのがわかる
店員も不気味がって何も言いに来ないのかもしれない
「……幸せってどういうもの?
…カタチがないものってよくわかんないよね」
どこか感情に乏しさを感じさせる受け答え
──何かが欠落している、そう感じさせる
■國宏一実 > 「すまないな...。アンタみたいなのとまともに話すのは初めてでな。」
彼女はいつもこうなのだろうか。何も注文せず、一人でこの場所で。
自分も何か気の利いた言葉でも掛けられればいいものを。
そう思い声を出そうとするが、口を紡ぐ。言葉が思い浮かばなかった。
「幸せ...俺もよく分からなねぇが...。満たされてるってのはなんとなく分からねぇかな?」
自分は幸せを捨てた。しかしどんなものかは理解はできる。
ただ、この目の前のそれはそれすらも分からないようにも見える。
その違和感、理由は分からない。目の前の少女は人なのだろうか?
■比良坂 冥 >
「……それでいいと思う。特殊な人に、慣れる必要はないから」
相手が反応に困っているのが手に取るように理解る
理解らないのは、要件が済んだにも関わらず自分に構っていること…
いや、彼もまた特殊な人、なのかもしれない。色は違えど……
気にして、くれているのだろう
「……理解らないことを他人に問うなんて、君も変わった人。
そうだね……心も体も飢えていないのならそれで幸せなのかも。
……今日はお客さんにすっぽかされたから、幸せじゃない…かな」
晩ごはん代を逃してしまった
一食くらい、抜いても何ともないけれど──
食事についての言葉を話す少女は、歪ながらも人のように見えた
■國宏一実 > 「駄目だな...俺も...。」
小声でポツリと呟く。
例え自分が悪人を全て潰したとしても、彼女のような人間は...。
自分はヒーローなんかじゃない...目を細め、髪の毛をくしゃくしゃと握る。
「アンタに変わった人なんて言われると思わなかった。
お客さん?あぁ...。」
そうやって彼女は生計を立てているのか?
だからと言って彼女に手を差し伸べることはできない。だけど。
「飯...か。だったら...干しブドウってのは喰えるか?」
ポケットから袋詰めされたドライフルーツを取り出す。夜のおやつにするつもりだったが、これくらいなら許されるだろう。
「しょうもないけど礼だ。.....少し喰っちまってるけど...。」
■比良坂 冥 >
「……」
小声で呟かれたそれは、自責の念に満ちていた
こうやって自らの力と、異能と…自分自身に苦悩を持ち続ける人が、手を伸ばすのだろう
"制御薬"のような、甘い毒に
「……お礼はいいって言ったのに。 ……じゃあ、もらう」
突っ返すようなことはせず、受け取ると自らのバッグを開けて中へと仕舞う
淡々とした様子は変わらず、ちらりと横に置いた自分のスマホへと視線を送って
「……それじゃ、そろそろ行くから。例の場所、潰すようなことはやめてね。私が困るから…」
緩慢な動きで、席から立ち上がる
ゆらりと揺れる柳のような立ち姿もやはり生気の薄さを感じさせた
■國宏一実 > 「こんなの礼とは言えねぇさ...。アンタに与えてもらっただけだ。」
ともあれ、制御薬へのルートは確保できた...あとは。
やっと気兼ねなく戦うことができる。そう思うと笑みを浮かべる。
「あぁ、ありがとう。お陰でやっと進むことができる。」
だが潰すな釘を刺される。その言葉を聞けば眉間に皺を寄せるが。
彼女には借りがある、今は抑えよう、機会は今だけじゃない。
「約束はできないが...努力する。」
立ち上がり、去っていく彼女を横目に、大きく息を吐いた。
全てを捨てて人として生きるか、それとも屑に成り下がるか。
答えはもう出ている。
■比良坂 冥 >
「……うん、じゃあ、それで」
約束はいらない
きっとあっても意味がない、どうせ彼の道は既に1本しかないのだろうから
「──…じゃあね」
最後にもう一度視線だけを向け、その顔を見る
その顔を、覚えておく
次にあった時…どう変わっているのか…
それは、凄く見ものだろうから
背を向けたまま再び歪な笑みを口元へと僅かに浮かべ、そのまま少女は店を後にした
ご案内:「カフェテラス「橘」」から比良坂 冥さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から國宏一実さんが去りました。