2015/09/12 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に久我山千里さんが現れました。
■久我山千里 > からんからん
そろそろ日も昇ろうという時間だというのに
入り口のベルがあらたな客の来店を告げる
睡眠欲と食欲が公明正大且つ厳正な一騎打ちを執り行った結果
久我山千里-クガヤマセンリ-はニルヤカナヤへ足を運ぶことを選択した。
「お好きな席へどうぞー」
ウエイトレスの声を聞いてか聞かずか、のそりのそりと重い足取りで店のいちばん奥まった四人席へたどりつくと
ソファ席へへたりと座り込む。
「おなか、すいたー・・・・」
そのまま、水を持ってきたウエイトレスに
「ぺぺろんちいの・・・ひとつ、大盛り、あと粉チーズもおねがいします」
と、メニューも見ずに注文をする。
『ここでたべるのも久々だねえ』
「メタ発言かきわどいところね」
時間帯にそぐわない激重なオーダーに首をかしげつつ厨房へ戻っていくウエイトレスを横目で流し見つつ、
いつもの会話がはじまる。
「まー・・・」
『?』
「おなかすいたわけよ」
『うん』
■久我山千里 > 沈黙。
そうこうするうちに、オーダーが運ばれてくる。
傍から見ると、おもっくるしくて辛気臭い性別不詳な少年だか少女だかが独り言をいっているようにしかみえないので、
いくらこの「学園」の住人であるウエイトレスでもそうそう進んで関わり合いになろうとは思わないだろう
山盛りのペペロンチーノと粉チーズを置いてそそくさと下がっていく
「あ」
その後ろ姿に声をかける。
「?」
「タバスコも」
「・・・・かしこまりました」
接客に慣れた者でも、さすがに「うへえ」という感情が顔にでてしまい
あわててバックヤードへ駆けていく
センリはそれを気にせず、目の前の欲望の塊に取り掛かる
まず、粉チーズのふたを開け
山盛りのペペロンチーノの上に粉チーズの山を召喚した。
『・・・・う』
「何か問題でも?」
■久我山千里 > ことここに及んで
店の奥からほかの席まで漂う強烈なにんにくとオリーブオイルとチーズの混合臭気
・・・ほとんどテロである。
『てゆうかテロだよね』
「(もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ)」
味がボケないように、絶妙にタバスコを足したり、さらに粉チーズを足したり、なにもかかっていない箇所を掘り出したりして
順調に平らげていく。
皿いっぱいのペペロンチーノが半分になろうというころ、
うつむき加減で咀嚼を続けるセンリの頭上に影がかかる。
「・・・?」
ペペロンチーノをほおばりつつ視線をあげると、そこには苦虫を噛み潰したような顔のザ・落第街。
「このガキがッッ朝っぱらからくっっっっせーーーーーーーンだよ!!!」
そういうやいなやセンリの席のテーブルを蹴り上げた。
綺麗な放物線を描いて食べかけのペペロンチーノが床へダイブする。
「あう・・・」
それを呆然と眺めるだけのセンリ。
男はその頭をつかむや、床に散らばったスパゲティに押し付けようと体重をかける。
「てめーが注文したモンだろーが、ほれ、食べろよ」
もちろん、ごたごたは勘弁とばかりに居合わせた客も、ウエイトレスも遠くから此方を伺うのみだ
■久我山千里 > さすがにこの時間では風紀委員の立ち寄りもない。
傍観者の誰もがチーズとスパゲッティまみれになる姿を想像していた。
「・・・ああもうしかたないなぁ・・・」
そうつぶやき頭髪を掴む手に手を伸ばす
「てめェ抵抗なんかしてもむd」
ぽきり。
男の小指があらぬ方向へを曲がっていた。
「ぎっ・・・がっ・・・この!?」
予想外の事態にうろたえ、手を押さえ蹲る男
その顎を蹴り上げる。
「ごっ」
浮き上がった体に正拳。
とはいえ男の体格はセンリを優にひと回りは上回る。
咄嗟に腹部に力を入れその拳を受け止める。
「さすがに蹴りは効いたが、そんな細腕じゃ大した事ねえなぁ」
■久我山千里 > 「・・・・」
構わずさらに正拳。
相手は腹筋に力を入れる。
「効かねえっていtt」
ぱかん。
「?!」
「!?」
「?!」
その拳は腹部ではなく男の顎を捉えていた。
殴打の刹那、センリの正拳は軌道を変え縦に跳ね上がったのだ。
その一撃で意識を刈り取られた男はそのまま仰向けに倒れる。
それを一顧だにせず、床にちらばったスパゲッティを名残惜しそうに見やる。
「あーあーぺぺろんちーの・・・・・・」
『ちょっとセンリあんなのに魔弾つかってどうするの』
「だって姉さん、たべもののうらみはこわいんだよ」
『そりゃあたしかに・・・』
「あ、ウエイトレスさん、お勘定おねがいします☆」
後日、早朝の乱闘騒ぎが下宿先にばれて宮司にこってりしぼられたのはまた別の話
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から久我山千里さんが去りました。