2015/09/25 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にリビドーさんが現れました。
リビドー >  
 ――賑やかさの絶えないファミレスの一角。
 緑色の髪を持つ幼い姿の女性と、黒髪のオッドアイの年若い風貌の男が張り詰めた空気の中、話し込んでいる。
 と言うよりも、年若い風貌の男――リビドーが一方的に怒気を孕ませている。
 少女の方は、まるで子供の駄々を聞く母親のような、温和――やさしそうな雰囲気をたたえている。

「――市民を増強《エンハンスメント》によってパッケージングされた超人に作り変え、
 管理するようなディストピアなどは完璧に幸福な社会とボクと呼ばん。
 ああ、やっぱりお前は機械よりも機械だよ。
 お前だって間違えなければ恋に憧れ英雄に恋するコンピニのパートでもしている少女だっただろうに。
 どうして、お前が産まれてしまったんだ。……まあいい。今日は気分が悪いから帰ってくれ。」

 碧色の髪の少女は不思議そうに小首を傾げ、席を立つ。
 "わかったなの。"緑色の髪の少女は怒気にも怯む様子はなく、平然とした素振りで店を後にした。
 その立ち居振る舞いは洗練された優雅さを備え、もしかすればある種の完全さすら彷彿とさせる。

「……ふん。」

 ――リビドーは鼻を鳴らし、メニューに手を付ける。
 食い直して気分でも変えるか。そんな調子て雑に注文を通し、料理が届けば食事を始める。

リビドー >  
「ふん。偽物、いや、《滅びの手》め。
 ――一体誰がアイツを"願った"んだ。二千より五十五も前に芽吹き、四十五が過ぎて闇に葬られたばかりのお前を。
 ……いや、引き寄せられたのか。」

 既に去った彼女を睨み、呟く。
 ……フィッシュアンドチップスを雑に貪り、溜息を付く。

「まあ、いい。お前が何も果たせぬ事は歴史が証明している。
 お前の欲望はボクが喰らう。ボクが居る限りお前の遊び相手はこのボクだ。
 ……そうでなくとも、させるものか。ボクが無事な限り、お前にこの庭を遊ばせるかよ。偽物の亡霊め。」

リビドー > 「……まあ、ボクがやらなくとも、誰かがやるんだろうが。
 ボクが消えてアイツがやらかかした所で、十九日も持たぬ――とは分かって居ても気に食わない。
 結局、元よりアイツの性格が気に食わないんだろうな。アイツの理想を抜きにしても。」

 忌々しげに一つ呟く。
 結局、気に入らない。気に入らないから見過ごせない。だから突っかかって潜り込んで、渡り合っているようなものだ。
 ……いずれは決着を付けねばなるまいとは、思っている。

「ふん……。」

リビドー >   
 あの偽物との確執は何れ人知れず付ける事になるのだろう。
 誰かに寄越すつもりはないし、荒立てるつもりもない。

 ……それこそボクが志半ばで果てれば別の話だが、きっとそうはなるまい。
 決別を付けるその日まで、ただの主任として居て貰おう。

 最後のフィッシュアンドチップスやポテトフライを食し負え、息を吐く。
 ハンバーグステーキやらポテトフライやらが残っているが、ちょっと苦しい。

「……頼みすぎた。」

 感情に任せて頼むものではないなと、内心で苦い顔を見せた。

リビドー >  
 ……大凡一時間の格闘の後、頑張って完食してから帰りました。 
 

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からリビドーさんが去りました。