2016/10/06 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にオーギュストさんが現れました。
■オーギュスト > この世界でいくつめかもう覚えていないが、オーギュストにとって常識を覆す事があった。
彼が借りている異邦人街のアパート。その大家さんに言われたのだ。
『オーギュストさん、お風呂はちゃんと毎日入ってますか?』
当たり前だが、マグメール王国で水は貴重品である。
普段は井戸水の水浴びや、濡らした布で体を拭く事が多い。
行軍中などは2,3日入らない事もザラだ。
『この世界では、きちんと毎日お風呂に入ってもらいます』
そう言われて、風呂屋に行ってきた。
貴重な水がこれでもかと垂れ流すように使われていた。なんて贅沢だ。
そうしてサッパリとした帰り。この世界に来た日にヨキという男から教えられたこの店に寄ってみる事にしたのだ。
■オーギュスト > 彼の事だ、手ごろな値段で美味い物が楽しめるのだろう。
オーギュストは席に通された後も、店にはひっきりなしに客が来ている。
幸い、オーギュストはすんなり座れたが、並びはじめたようだ。
メニューを見て、唸る。
「……どんな料理なんだこりゃ」
知ってるものが、ひとつもなかった。
■オーギュスト > (とんかつ……とんかつ? なんの事だこりゃ、豚肉料理、なのか?)
(テンシンハン……転進半? 随分と後ろ向きな名前だな。それとも美味くて兵士も転進して食べに来るとかそういう意味か?)
(デミグラスオロシハンバーグ……呪文か。なんかの呪文か? 魔術師専用の食い物かこりゃ?)
メニューを見て唸る、大柄な男。
ハタからみれば滑稽な事この上ない。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に蓋盛さんが現れました。
■蓋盛 > 「ようおっさん。何か食べたいものでもあるの?」
悩むオーギュストに声がかかる。
その方向を見れば、軽薄そうな笑いを浮かべる白衣を羽織った女性が
近くのテーブルに座ってそちらを見ていた。
何か面白そうなものでも眺める視線。
「あたしでよけりゃ、代わりに注文してあげようか?
多分ここに来て間もないんだろ」
■オーギュスト > 「おぉ」
渡りに船だ。
何せ、隅から隅まで見渡しても、わかりそうな料理がなかった。
この女性に頼るとしよう。
「なんか肉で、腹に溜まる奴を頼む。
あとおっさんじゃねぇ、俺はそこまで年食ってねぇよ」
にぃっと笑いながら楽しそうに。
■蓋盛 > 「じゃあお兄さん、って呼びゃあいいの?
あたし若者だからね。年上はみんなおっさんに見えちゃうんだ」
悪びれた様子もない返答。
「食べ盛りってわけか。まあ、任せ給えよ。
えーと、じゃあこの、目玉焼きハンバーグをライスのセットで……」
店員を呼びつけ、慣れた調子で注文する。
「……それとこの季節のフルーツ特盛りダイナマイトパフェをひとつ」
明らかに男のオーダーとはかけ離れたものもついでに。
■オーギュスト > 「……おい、ゲテモノじゃねぇだろうな。
目玉って何の目玉だ」
変な魔物の目玉でも食わされてはたまらない。
一応、確認しておく。
「ったく、俺はオーギュスト、『異邦人』だ。
あんた、名前は?」
一応聞いておこう。
おっさんおっさん連呼されてはたまったものじゃない。
元の世界だったら鉄拳制裁モノだ。
■蓋盛 > 「あれ。目玉焼き知らないんだ。そういうパターンもあるか……。
目玉焼きっていうのは卵をかき混ぜずに焼いたやつだよ」
一瞬思わず神妙な顔になる女。
「はいはい、よろしくねオーギュストさん。
あたしは蓋盛(フタモリ)。
常世学園の教員やってて……
あ、教員の説明いる? それとも学園のほうから?」
そうこうしているうちに、まずセットのサラダがオーギュストの席に届くだろう。
ちなみに蓋盛の席にはコーヒーしかない。もう食事は済ませていたようだ。