2017/09/16 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に和元月香さんが現れました。
■和元月香 > 何だかんだ言って、ファミレスを訪れるのは本土以降初めてか。
少し肌寒くなってきたので、月香は念のため制服の上にパーカーを羽織って店の扉を開いた。
「...ふむ...」
帰宅ラッシュの最後あたりの時間帯。
まだまだ人が多いが、空席は幸い見つけられた。
月香は興味深けに少し珍しい内装を見渡しながら席に着く。
メニューを開き、真剣な顔で思案する。
予算は低い。
しかし、これも彼に言われた「贅沢」のひとつだから妥協はしない。
(.....今月は我慢するか、漫画...)
何となく本末転倒な気もするが、仕方ない。
シーフードパスタとサイドメニューのサラダに決定し、
店員に呼び鈴で呼びかけて笑顔で注文する。
■和元月香 > 注文を待っている間、
月香はスクバをごそごそと漁り、
何枚かのプリントをテーブルの上に広げた。
そのうちの1枚を手に取る。
...一学期の成績、及びテストの結果が書かれている。
「まずまずか、な?
あーでも、ちょっと落ちたか...」
一般教養の座学は学年でもトップクラスに入る程には優秀な成績で、
他の教科も軒並みまずまず優秀な成績を収めている。
しかし、学校で話題になるほど高いレベルでは無い。
せいぜい、優秀な生徒と言った枠組み。
このレベルの生徒は常世学園には沢山いる。
■和元月香 > 学校には何度も通っているし、頭が良くて損は無い。
こつこつと勉強を重ねた結果だ。
地頭は悪くは無いが、所詮は凡人。
勉強しないとここまでの成績は難しかった。
「...一番悪いのは...やっぱり異能研究学ですよねー...。
曖昧に過ぎるからこれはしゃあないか」
テストと成績の結果を見比べると、テストを丸めて鞄に突っ込む。雑。
親の勧め(強制)で一応は取っておいたが、気難しそうな教師にはいい顔をされていない。
自分の異能を発展させるのが目的だからだ。
曖昧に過ぎる月香がこの授業に参加する意味を、問い質したくもなるだろう。
親に言ってね☆と月香は言うしかない。
そもそも転生を発展させるってなんやねん。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に宵町 彼岸さんが現れました。
■和元月香 > 「まぁテストはどうでもいっか、これぐらいはどうこう言われんし」
くしゃりと丸めたテスト用紙と成績表を鞄に突っ込む。
そして、ベストタイミングで現れたトレーを持った店員に満面の笑顔を向けた。
「シーフードパスタとサラダになります。ご注文は以上でしょうか?」
「はーい!」
弾んだ声で返事をして、直接受け取る。
テーブルに並んだ豪華(当社比)な夕食に目を輝かせる月香。
■宵町 彼岸 > 「グラタン食べたい」
それはもう唐突に研究室内で思い浮かんだ欲求だった。
チーズのカリカリになったとろーり濃厚な奴。
マカロニも熱々なくらいのやつ!
気分で行動する事の多い彼女の事
いつも通りの謎のアグレッシブさで
数分後にはファミレスのドア前へとたどり着いた。
「んしょ」
気圧差で少し重いドアを
おなじみのカランコロンと言う音と共に押し開け、
幾分か眠そうなとろんとした表情のまま
店内を緩やかに見渡す。
此方を見ていた数人が慌てて目線を外していく様に
まるで頭の上に疑問符が見えるような表情で首を傾げた。
重心が定まらないようなふらふらとした様子、
本人は完全に気が付いてもいないが
適当に着たせいでシャツのボタンも掛け違えており色々危うい。
そもそもファミレスに白衣は完全にミスマッチ。
色んな意味で隙だらけに見えるのだから視線を集めるのも当たり前かもしれない。
とりあえず係の人も忙しそうだし席も……空いてない?これ?
■和元月香 > 新たな来客の訪れを知らせる鐘の音が鳴り、
月香はふと扉に目を向け、少し目を見開いた。
(アッ、彼方さんや)
少し懐かしい気持ちがこみ上げてくる。
一時期彼女に興味を持ち、経歴やら何やらを調べていた時期があった。
収穫は曖昧な異能と、虫食いだらけの経歴ぐらいのもの。
それから、あるひとつの不気味な単語。
後ろめたい気分にはさしてならずに、
月香は目が合えば少し笑みを浮かべて小さく手を振るだろう。
相手は覚えていないかもしれないが。
■宵町 彼岸 >
あれこれ帰ろっかなぁ……人多いし。
なんて内心アホ毛がへにゃっと倒れそうな思いで店内を見渡すと
……その中でこちらを見て小さく手を振る一人に目が留まる。
誰だっけ?知り合いだったかなぁ……知り合いでもどうせ判んないんだけど。
そんな事を思いながら小動物めいた動きで小首を傾げていると
「お連れ様ですか?」
視線を読んだのか穏やかな営業スマイルを浮かべた店員さんに声をかけられる。
忙しい最中客の視線まで読むなんて中々手慣れてらっしゃる。
それともこういったお店はまずそういう風に聞くようになってるのだろうか。
実は“実際”にファミレスに入るのは初めての経験なので
細かい所はドッキドキだったりする。
とりあえず……
「あ、えと、その、はぃ?
あ、でも待ち合わせとかはしてなかったようなぁ……
してたかもです……けどぉ……」
若干わたわたとしながら視線を泳がせる。
それを見て何かを察したような表情になった店員さんが
その視線の先へと誘導してくれた。
すなわち……手を振っていた彼女の相席へ。
■和元月香 > 戸惑った相手の挙動にやっぱりなーと苦笑して、
同時に心の中で店員さんに土下座する勢いで感謝する。
こんなラッシュ時に気を使わせてしまったのだから。
そして、誘導された相手にまた「やっほ」とかるーく手を振って。
「和元月香。
覚えてないかなー」
自分の名前を教えて、右手に握ったフォークを立てた。
前にはかなりあった彼女への警戒心というか拒絶心が、大分和らいだ気がする。
彼女が変わったのか、はたまた月香が変わったのか。
そのどちらか、どちらもか。
お互い変わっていなくて気のせいか。それは分からなかった。
■宵町 彼岸 >
「つきか……つきか?」
マイペースに首を傾げ、一つだけ瞬きをする。
名前、該当在り。
ああ、あのちょっと変わった趣味のヒトだ。
以前に比べて……なんだか少し柔らかい?
少なくとも顔を見た瞬間に面倒なのに会った!というような
リアクションは今回はされていないのだから
何か心証に変化でもあったのかもしれない。
「メモ、ちゃんと、もってる、よぉ?
だから、名前わかったら、だいじぶ」
少々たどたどしい口調とも取れる様な様子でゆっくりと口にする。
確か美術部仲間でもあったはずだ。
最も彼女の場合他部員がいないような時間にしか部室に行かず
描いた絵だけ残して去っていくため文字通り“幽霊部員”な訳で……
彼女は愚か他の美術部員とも数えるほどしか顔を合わせた事は無い。
「いつも、ここでご飯、たべるのぉ?」
だからこそ、記録上以上の事はあまり知らない。
記録上のデータならそれこそ島の監視データを
総ざらえすればいいのだろうけれど。
……熱心なファンか何かだろう。そんな事をするのは。
■和元月香 > 「んー」
せやでと軽く頷く。
...まぁ、色々あったのだ。
本当の意味で余裕が生まれたし、心境にも色々と。
「.....?
なんか、どうした君」
口調がたどたどしいことに気づいて、首を傾げる。
元々こんな感じだったかもしれないが、もっとはっきり喋っていたような。
...それから、月香は平部員に美術部に誘われはしたが丁重にお断りしておいた。
ヨキの授業を受講しているだけで、特別な趣味ではない。
絵を描くのは好きだが。
「いや?今日が初めて。
いつもはそんな金無いし」
ひらひらと否定するように手を左右に振ってから、
椅子をさりげなく引いて「座れ」とアピールする。
立ち話もあれだし、正式に相席してしまおう。