2015/07/22 のログ
ご案内:「部屋」に霜月 零さんが現れました。
霜月 零 > 自室。
ホクホク笑顔で帰ってきた零は、クーラーボックスを置きまずは炊飯器に向かう。
帰りながら決めたメニューは、鯛めし。
保温すれば明日の朝も美味しくいただけるというのが決め手になった。
本来は土鍋で作っておこげ付きで頂くのが一番なのだが、いかんせん土鍋は若干保温に手間がかかる。
故に炊飯器で妥協することにした。やむなしである。

「取り敢えずは、と」

米をボウルに入れ、ささっと研ぐ。ささっととは言え、手抜きではなくしっかりと。ここで手を抜いて雑味が米に残ってもつまらない。
鯛めしは鯛と米のマリアージュだ。しっかりと双方を最高の状態で出会わせてやらねばならない。

霜月 零 > まずは研いだ米を炊飯器に入れ、そのまま30分ほど水に浸しておく。
この間にチダイを処理してしまうのもよいのだが、チダイの処理には全行程をかけても30分はかからない。変に処理した後にラグを設けて鮮度が落ちるのが嫌だった。

……そのまま待って20分後、おもむろにクーラーボックスからチダイを取り出す。
10分ほどであれば問題なく時間が合うだろう。

「さて、と」

水を出しながら鱗取りを取り出す。
鱗を剥ぐ作業と言うのは大事だ。鱗が残ったままでは、いざ頂く時にチクチクして痛い。
水をかけながら鱗取りでチダイの鱗をこそぎ取っていく。が、ここで焦ってはならない。しっかりすると言っても、力を入れ過ぎて身を傷付けては本末転倒である。
優しく、丁寧に。しかし必要なら必要なだけの力を入れて。魚の処理は大変なのだ。
ちなみに水をかけながらやると鱗が飛ばないのでやりやすい。ちょっとしたコツである。

霜月 零 > あらかたこそぎ落とし終わったら、まな板に落ちた鱗を水で流しつつ、全体をもう一度軽く包丁でこそぐ。
これによって完全に鱗を取り切ってしまうのだ。
それが終わったら包丁を入れていく。
まずはえらの部分を切り込む。そしてその切り口から中にあるワタを取り出すのだ。
これもきっちり処理しなくては、いざ頂く時にワタの生臭い香りと味が残ってしまう。
包丁を使って丁寧に、中のワタを取り出していく。

ある程度取り出したら切り口から水を入れて内部を洗う。この時、プチアイテム登場だ。

「えーと、あったあった」

ピンセットである。
ピンセットの持つ方の部分で内部を軽くひっかいてやるのだ。これで残らず取り出してしまう。
洗いながら血も抜いてしまい、取り敢えず一息。最初の下処理は完了である。

霜月 零 > これまた身を傷付けないように水気を拭きとって、ぱっぱと塩を振る。
そしてそのままキッチングリルへチダイを送り出す。焦げ目が付く位まで焼いてやるのだ。

「そんじゃ、今のうちに」

放っておいた米の処理のターンである。

霜月 零 > 水に浸しておいた米に昆布茶・酒・醤油・生姜を適量混ぜて入れてやる。
これで下味をつけてやることで、チダイと合う素敵な米が出来上がるのだ。
軽くかき混ぜて、後はチダイが焼けるのを待つ。手早くグリルの前に戻って様子見。

「……そろそろ、か」

丁度焦げ目がいい感じについてきたところで取り出す。
後は、このチダイを炊飯器に入れて、一緒に炊いてやるのである。

「さて、どうかな……?」

手順は間違えていないはずだが、どうなるか……

霜月 零 > ……しばらくして。

鯛めしが炊き上がった。これで調理終了……と、言うわけではない。

「さて、最後の一仕事だな」

炊飯器を開けて、美味しそうな鯛めしの香りを少し楽しむ。そしてその後、チダイをそのまま取り出してしまった。
頭まで入れたので、何といってもまだ食べづらいところは残っているのだ。なので外に出してぱぱっと身だけにしてやるのである。
これも時間をかけると身が冷めてしまうので手早く。料理は時間との勝負だ。

「よ、っと……」

箸を器用に使って身だけを取り出していく。ぱ、ぱ、ぱ。無駄に手際がいいのは、流石趣味欄に『料理』と堂々と書く男と言った所か。

霜月 零 > そして身だけになったチダイを炊飯器に入れ直し、かき混ぜてやる……おれで、鯛めしの完成。

「よし、出来た……」

小さな達成感。だが勿論ここで終わりではない。
茶碗を取り出し、一食分よそう。
そのままタタタ、と食卓に置き、椅子に座る。
即座にがっつきたくなるのを堪え、手を合わせる。

「……いただきます」

稀に『調理した人間がいただきますと言うのはおかしい』などと言う人がいるが、嘆かわしい事だ。
この『いただきます』は料理人への感謝もあるが、それ以前に命への感謝。
栄養として自分の中に入ってくれる尊い命に敬意を払うのだ。ならばその料理に手を合わせるのは至極当然と言えるだろう。

霜月 零 > そんな妙にかたっ苦しい事を考えながら手を合わせ、そして箸に手を伸ばす。

ほかほかの鯛めしに箸を入れ、摘まみ、そして口に運ぶ……!

「うめえ……!」

美味い。
チダイの味が、味付けした米と見事に調和している。
チダイが立ちすぎず、米が立ちすぎず。双方が完璧なバランスで調和している……まさしく、マリアージュ。

がっつく様に茶碗一杯分をかっ込んでしまう。ああ、これだけでは足りない……そう思えるほどに美味かった。

霜月 零 > 「……」

じっと炊飯器に目をやる。まだまだ中には鯛めしが残っている。もっとたくさんいただいてしまうのもいいが……

「駄目だな」

堪える。今は結構な時間だ。夜に食べ過ぎると太りやすいし、食生活のサイクルを崩してしまう。
夜食は本当に少しだけ、がいいのだ。

「御馳走様」

また手を合わせて一礼し、立ち上がって茶碗を洗う。調理器具は炊いている間に当然片付け終えている。

「んー……」

伸び。今日は珍しく釣った魚を料理したが、その判断は正解だったと言えるだろう。
今度は本気で釣りをして、氷架に魚料理を振る舞ってやろうかな……あ、そう言えばあのハラキリ侍……じゃなくて、湖城もよく腹を空かせていた。今度何か作ってやろうか。
そんな事を考えながら、ゆったりと椅子に腰かける。食べてすぐ寝るのは良くないのだ。

霜月 零 > 「んで、だ」

料理は美味しかったが、だからと言って目先にある問題は解決していない。
雪城涼子に雪城括流とのことをどこまで話すかも大事だし、芙蓉に話すべきかも問題として残っている。

霜月 零 > 「どーすっかなぁ……」

やはり悩みはそこに戻るのだ。この話をどれくらいの単位で捉えていいか分からないのである。
家族と言う単位で捉えるべきか。零&氷架と括流と言う単位で捉えるべきか。それとももっと細かく、零と括流と言う単位で捉えるべきか。
中々判断が付かない。

霜月 零 > 本当はもっと別の区分なのかもしれない。
例えば氷架のルームメイト全員+零、と言う区分になるかもしれないし、もしかしたら氷架と括流だけでそれ以上には広がらないのかもしれない。

現在は一応『零、氷架、括流』の三人の単位で処理をしようとしている。
三人、最小単位に近い当事者同士で話し合い、相互理解に努めようというプランだ。
が、このプランでいいのかは疑問が残る。
例えば氷架と芙蓉のルームメイトの鈴成静佳。
彼女はこの一件に関し非常に心配してくれていたようである。
それに、彼女は雪城括流のルームメイトでもある。最小単位の当事者でないからと言って話から弾いていいのかと聞かれると悩ましいところだ。

霜月 零 > 「涼子さんも、そうだよなあ」

ルームメイトではないが、雪城氷架、括流両名と関係の深い雪城涼子。彼女もまた弾いていいのかと聞かれると悩むラインである。
と言うか本来はかなり深い関わり合いにある以上、弾いてはいけない存在だ。
ただ、直接的な当事者ではないというだけである。
ルームメイトも関係性として考慮するならば芙蓉も入るし、もう一人いるというルームメイトも入ってくるだろう。
だが、今回の話はいささか血生臭い。なんせ死ぬ死なないの話である。
そんなヘヴィな話を、関係性があるからと言って広めていいのかと言うと、これもまた難しいところだ。

「あー、なぁ……」

何とも、判断が難しい。

霜月 零 > 「ややこしいなあ、マジで……」

溜息が漏れる。ここら辺も、氷架とまた相談する必要があるだろう。
そんな事を考えていたら、段々瞼が重くなってきた。

「……寝るかぁ」

再度溜息。眠い状態でウダウダ考えてもまともな結論は出ないだろう。
取り敢えず思考を切り上げ、布団に潜り込む。
……出来れば夏本番までには、解決してるといいなぁ。

ご案内:「部屋」から霜月 零さんが去りました。
ご案内:「大浴場」に鈴成静佳さんが現れました。
鈴成静佳 > (夏の夕暮れ。空も赤らみ始めた頃。風呂にはまだ早い時間と言えなくもないか)

(カララッ)
(……と、大浴場の引き戸を開ける少年。タオルで腰を隠したその肌は、全身くまなくこんがり日焼けしていた)

(……少年だろうか? たしかに胸はない。しかし、筋肉もない。この歳頃の男子であればホルモンの影響で多少は筋肉がついているものだ)
(そしてお尻が大きく、ショートヘアではあるが髪も長いといえる)
(とはいえ、このような容姿の男子も男子寮に居なくはないのだ。女装っ子を最低2人は見ている。何も不自然ではない、何も……)

(くんくん、と少年の鼻が動く。これは更衣室にいたころから気になっていたことであるが……)
……むぅ、カビ臭いッスね。やっぱり手入れがなってない……。
(と独り言を言う。その声は女声に聞こえるが、変声期前の声とも聞こえなくもない)

(まぁそんなわけで、浴場にふくよか系男子の登場である。卑猥は一切ない、いいね?)

鈴成静佳 > (女人禁制のはずの男子寮の大浴場に躊躇もなく足を踏み入れた静佳。掛け湯をするでもシャワーを浴びるでもなく、まずは浴室全体をウロウロと歩きまわる)
(そして、壁のタイルや天井、洗い場、洗面器などを見分するようにゆっくりと見ていく)

……ふーむ、電球もいくつか切れてるし、隅っこのカビも放っておかれてるッスね。
こりゃ女子寮以上に利用者が少ないのか、それとも単に手入れが生ぬるいのか……可哀想に。

(床のタイルを指で撫でながら、苦笑を浮かべる)
(寮を管理しているのは生活委員会。静佳は保健委員であり、一応は生活委員会の一員だ。責任の所在は別の課にあるだろうが……設備課だろうか?)
(ことインフラについては、このように実際に見て回らないとわからない問題というものは多い。だから男子風呂に潜入したのだ)

(まあ当然、破廉恥な行為であることには変わらないが。点検なら裸で入る必要はない)

鈴成静佳 > (ついで、タオルを腰に巻いたまま洗い場の椅子に腰掛ける。ぬるっとした水垢のぬめりをタオル越しに感じ、顔をしかめる)
(でもそれは我慢して、鏡の前に置かれたシャンプーとボディソープのボトルを眺める)

こっちも露骨に安物の徳用品ッスね。まぁ男子ならこのへんは気にしないかぁー。

(水垢でやや曇り気味の鏡に目をやると、そこには胸のない少年の姿が。ハハッ、と思わず笑い声が漏れる)
(悲しいほどに胸がない。これでもう少し肩幅が広くて筋肉が見えていたら、上半身だけみれば100%男子であろう)

(なお、ここ最近は連日水着で海に行っている静佳だが、その裸体に日焼け跡は見えず、くまなくキツネ色だ)
(男子寮の風呂に潜入するに先立ち、歓楽街の日焼けサロンに行って水着の跡を消したのだ。手の込んだことである)

(蛇口をひねり、やや熱めに設定されたお湯を髪に被る)
(そして、先ほど安物と罵ったシャンプーを手に取り、髪に塗りたくる。実際静佳もシャンプーにこだわりは無い方なのだ)

ご案内:「大浴場」に日恵野ビアトリクスさんが現れました。
鈴成静佳 > ♪~~
(手を振動させて泡立て、頭皮を刺激しつつ短い髪を洗う)

(とりあえず、浴室はところどころ汚くはあるものの、全く使えないというほどではない)
(しかし女子寮のそれと比べたら、居心地はやはり天地の差だ)
(そういえば、個室のほうにユニットバスは備わっているのだろうか? 静佳はそこまでは知らないが、さすがにそれを潜入調査するのは難易度が高過ぎる)

ふぅ……。
(ひとしきり泡を弄ぶと、それを熱いシャワーで流す)
(体も洗おうか? でも腰に巻いたこのタオルを外すのは少し躊躇われる)
(恥ずかしいからではない、誰か来た時にむやみに恥ずかしがらせる可能性があるのが心苦しいのだ)
(なら裸で入るなよ、という話でもあるが)

日恵野ビアトリクス > 腰にタオルを巻いた少年が浴場へと足を踏み入れる。
そう、少年。普段性別の判然としない服装の彼であるが、
こうして裸となれば男性であることは疑うべくもない。

脱衣所の様子から、どうやら一人先客がいたことはわかったが
大して気にするべきことでもないと判断。
大浴場は狭くない。距離を置いて位置を取れば問題はないだろう。
同性の裸が気になる男性はそんなにいないはずだ。

浴場に入ると、先客の少年の姿が目に入る。
蒸気漂う中、ぼんやりとシルエットぐらいしかわからない。
が。
(………… あれ?)
何か無視できない違和感を覚える。
確かめるべきだろうか、数秒の間立ち尽くす。

鈴成静佳 > …………!

(新たに浴室に入ってきた気配を感じ、びくっと肩が張る。覚悟していなかったわけではないが、やはり緊張はする)
(なんせ、これは捉えようによっては犯罪行為なのだから)

(シャワーを出しっぱなしのまま、入口の方を振り向く。そこにいるのは自分と同じかそれ以上に髪を伸ばした、金髪の少年)
(見覚えはある。顔が引きつる。いままで男子寮で会った中で、できればここでこのようにして出会いたくはなかった人物)

…………。

(押し黙ったまま、ニコリと固い笑みを返す。きっとビアトリクスさんの方も見覚えはあるであろう。肌は焼けているが)

日恵野ビアトリクス > 妙にひっかかることがあるから、と言って
ジロジロと眺めるのはやはり失礼だ――そう思い、離れた流し台に
向かおうと考えた時、その人物が振り向く。

「………………」

湯気の向こうにいた人物。
それは紛れもなく見覚えのある人物だった。

「…………ええと」

思考と記憶に混乱が生じているのを感じる。

「…………男だったの?」

ありえない状況に激突されて、記憶のほうがねじ曲がった。

鈴成静佳 > え、ええと……。
(その声は以前話していた時と同じ女声)
(いきなり罵られるか、あるいは踵を返されて人を呼ばれるかと思ったが、予想外の反応が帰ってきて、これはこれで戸惑う)

(腰にタオルを巻いていれば、一応は男子に見えなくもないか。悲しいことだが)
(そして、太ももの間に感じる違和感。そうだ、アタシは……)

……そ、そう! アタシ男だったんスよ! あ、いや、ちょっとまえに男になった……? アハハ、アハハハ……。

(一応嘘は言っていない。そう自分に言い聞かせる)