2015/08/07 のログ
ご案内:「その他」に切野真智さんが現れました。
切野真智 > 知る人ぞ知る、男子寮3階、切野 真智の自室。
自室という区切りは、こと男子寮に置いて合ってないようなものだから、鍵はかかっていないし、例え見知らぬ誰かがうっかり間違えて入ってきても気には…するか。
まぁノックの一つ位あれば、誰でも歓迎するほど、オープンな空間だ。

最もの理由はこの部屋にいる時間が短いことからであろうが、床が見える程度には意外と片付いている。
ちゃんとゴミは捨てているようで、部屋に転がるのは、ベッドの上でボロ雑巾の様に横になる部屋の主だけであった。

切野真智 > 昨日の夕方に始まり、次の朝、交代人員が来るまでずぅっと本部正面の隠蔽を行っていた。
やっと緊張の糸がほぐれて、そのまま背骨も無くなったかのように倒れて、担架で運ばれ、保険医に「あら切野クン、また来たのね。」と言われていたらしい。

気休め程度の点滴を打たれて、12時間。
杖を突いて部屋まで帰ってきた訳だが、薬の副作用も乗っかってベッドから一歩も動けぬほどの疲労に見舞われていた。

切野真智 > とてつもなく身体が重い。
うつ伏せの背中に、お地蔵さんの小隊が乗っかっているかの様だ。

12時間の睡眠によって、何もできないのに目は冴えてしまっている。
現在の時刻は午後九時を過ぎた頃。
普段ですら、こんな早くには眠らないし。

「クソゥ…白崎め…誰だか知らんが許さんぞ…」

思い起こされるのは先日の悪夢。
非番に叩き起こされ、夜に約束されていた塚田家に置ける秘蔵ビデオ観賞会は自分だけのけ者にされてしまった。

涙が滲む。
あのマイスターと呼ばれる塚田が厳選に厳選を重ねた至高の一本。
余りの出来のよさにほぼ貸出状態という幻の一本であったというのに。

悔しくて悔しくて
「クソッ…」
ただ歯を食いしばることしかできなかった。

切野真智 > 突如響くノックの音。

もしかして…皆…俺のために延滞料金を…ッ!?

やはり、持つべきものは友達であった。
間違いない。大好き、みんな大好き。

「はぁいっ☆」
心のときめきだけで出来たような声を上げる。

『切野、入るぞ。』

「あれ・・・先輩・・?」
入ってきたのは、事後処理を専門に行う風紀委員。
直属の上司、と言うヤツだ。清潔感が溢れている。

『切野ォ、良かったなァ、元気になって。
 ぶっ倒れてる間に調べさせてもらったが、怪しいクスリを服用してたらしいじゃないか。』
玄関から書類を見せながら、つらつらと話していく、先輩。

だらだらと冷や汗を流す後輩。

『休み明けが楽しみだなァ。ゆっくりと話してもらうぞォ。じゃ。』
さわやかな笑顔で、そう告げると、切野のベッド目がけて缶コーヒーを投げる。

疲労のせいか、恐怖のせいか、受け取ることも出来ずに、顔面のすぐ傍に落ちる缶コーヒー。

切野のウッス、という返事と共に先輩は去って行った。

切野真智 > ああ、コレは、終わったな。
もう学校行きたくない。

一気に鬱の雲が心を支配していくのを感じる。

体調が治って登校したところを捕まえられて、怖い先輩方にこっぴどく絞られるのだろう。
忙しい時間を割いてまで、自分の身を心配してくれるのもありがたいとは思うが、怖いものは怖い。
凶悪犯を震え上がらせるベテランの先輩方が叱ってくるんだもの。
もうこのままお布団と一体化してしまいたい。
そう切に願うのであった。

切野真智 > お布団との一体化叶わず。

やはり眠くない。
眠くないと思うから眠くないのだろうか。
眠くないと思うから眠くないかもしれないが眠くない物は眠くないのだ。

自分が部屋で一人こんなことを思って過ごせるのも、全員がほぼ無傷であったからだろうか。

いや、無傷ではないか。
自分が目覚めたときには、そんなことをしても仕方がない、と知りつつも、「自分は問題ない」と喚く委員も少なくなかった。

それもそうだ。
実働部隊の委員達は、プライドを殺されたのだ。

一体本部に居たのは何人か。
それならば、何対2だったのか。
その上で、あの有様。殺さずに置く余裕まで見せられて、今日はマトモに業務が手につかない者も多かっただろう。

切野真智 > 自分にできることはやった。
とは言え、こんなにヘラヘラとしていいのだろうか。
いいわけが無い。

と思う。

周りと同じ気持ちになれない事を悔やんでいるだけなのだろうか。
自分と彼らでは立場が違うのだから、感じる事が違っても当たり前だというのに。
それでも無理矢理合わせて悔しがることは、彼らを侮辱することになるだけではないか。

とも思う。

切野真智 > いや、そのどちらでもあっても、2度と繰り返さないためにどうするか、か。
それならば、やる事は一つ、まずは身体の調子を治すところからか。

さっさと寝て、元気になって、学校に行って、大人しく怒られなくては。

…そんな切野の眠れない夜は続いた。

ご案内:「その他」から切野真智さんが去りました。
ご案内:「ロビー」に頸城 陸さんが現れました。
頸城 陸 > 昼下がりのロビーの椅子に座り込み、本を読む少年が一人。
『特撮ヒーロー大図鑑 現代編』と表紙に書かれたそれのページをぺらり、ぺらりとめくっている。
近くのテーブルには似たようなタイトルの本が四冊ほど適当に積まれている。

子供の頃は、変身ヒーローが大好きだった。
毎週欠かさず見ていたし、玩具だって両親にねだった事もある。
まぁ、それも昔の話。
今は変身ヒーローの出てくるような特撮番組は見ていない。少し前、好きだった作品の続編がやっていたという話は聞いたが結局見る気はおきなかった。
その程度でしかない。
そんな自分がなぜこんな本を読んでいるのか。
己の異能の制御のためになると思ったからである。いやほんとに。

頸城 陸 > 世間は夏季休暇、皆友達や彼女と遊びに行ってるんだろうなぁ、等と考えると少し寂しい。
が、今は遊ぶよりも優先してやるべきことがある。
学生の本分は勉強。勉強なんです。
決してコレも遊んでるわけじゃないんです。本人は極めて真面目にやっているんです。
己の異能はよく変身ヒーローみたいだ、と言われるから参考にしてみよう、とか思っただけなんです。

「……んー、あ、やっぱり色、変えるのがいいのかな」
ページをめくる手を止める。
そこに写っていたのは真っ赤なヒーローの写真。
その隣へと視線を移せば、青、緑、黒と色の違う同じヒーローの写真。
すぐ近くには、『状況に応じて様々な形態に姿を変える』との一文。
いわゆる、フォームチェンジというやつだ。
これ、いいんじゃないだろうか。
色で出力の強弱をつける。
これならいつもの奴と区別もしっかりできるはずだから、きっと普段の物より抑えた性能の鎧も作れるはずだ。
イメージしやすいし。
とはいえ。
「色、変えれるんだろうか」
本を閉じ、自らの手のひらを見て、呟く。
まぁ、なにはともあれやってみよう。

頸城 陸 > 息を吸って、吐く。
異能の力を発動。吹き出すのは、漆黒の霧。
目を閉じて、意識を集中。
いつもの、暴れまわるだけの黒色じゃない。もっと優しく、弱そうな……そうだ、白がいい。
黒を、白く染め上げるイメージ。
敵意や暴力で真っ黒に染まった鎧を流すような、感じで。

黒かった霧の色が、ゆっくりと変わっていく。
くすんだ灰色に、そして、白に。
それを確認すると、すかさず鎧へと硬質化。異能の装甲を身に纏う。

頸城 陸 > 「……よし、できた」
白い装甲に包まれた手のひらを見て、呟く。
とりあえず、色を変える事はできたみたいだ。
問題は能力をちゃんと抑えられているか、なのだが。
周囲を見回す。何か、殴れそうなものはないだろうか。
「んー、でも、ここの奴は流石に殴っちゃマズイよね」
演習場ではなく、男子寮だし。
と、いうか、誰かに見られるとちょっとめんどくさそうだな、と思って、兜の中で苦笑を一つ。

頸城 陸 > 息を小さく吐いて、異能を解除。
鎧は白い霧となって、空気に溶けて消えていく。

「……とりあえず演習場で試してみようかな。あ、折角だし名前も考えなきゃ……」
等と独り言を言いながら、椅子から立ち上がり、ロビーを後にする。

ご案内:「ロビー」から頸城 陸さんが去りました。
ご案内:「大浴場」に神宮司 ちはやさんが現れました。
神宮司 ちはや > 実家である斎島神社からビアトリクスとともに再び常世学園の寮へと戻ってきた。
彼といった帰省は実に楽しかったし、気分転換も出来た。
ただ、なんとなく少し離れただけでも常世学園のことが懐かしく感じられて、辿り着いた頃には戻ってきたという感覚が強かった。

部屋で荷解きをして片付けた後、旅路で疲れた汗を流そうと久々に男子寮の大浴場へと赴いた。
実家の風呂は多人数で使うものだから一般のお風呂よりも大きいしひのき作りだし、この間リフォームしたとか何とかで
結構なハイテクシステムバスになっていたけれどやっぱり昔ながらのこういう銭湯みたいなお風呂も嫌いではない。

脱衣所で服を脱ぎ、備え付けのカゴに入れて髪を解く。

神宮司 ちはや > 頭を軽く振ると、さらさらと癖のない長い髪が揺れる。
先をちょっと摘んでまた伸びてきたことをみとめると
そろそろ美容院へ行って切りそろえてもらうぐらいはしたほうがいいかなと思う。

髪を切ることも改めて祖父に相談したが、髪は呪力のこもるもので切らずに置くことで守られることもあるのだそうだ。
というわけで切ろうかと思ったこともきっとそのうち無かったことになるだろう。
特に不自由はしていないしまぁいいか。

おふろセットをプラスチックのカゴに入れて浴室への引き戸を開く。
湯けむりと熱気がこちらへ向かってきた。幸いまだ誰も入っていなかったようだ。

早めにお湯をいただく贅沢を堪能しながら洗い場へ移動、椅子に座る。

神宮司 ちはや > シャワーで軽く髪と身体をすすぐと備え付けのシャンプーを手のひらに取り出す。
そういえば実家に戻った時にビアトリクスと風呂の後で石鹸とかシャンプーの話とかもした気がする。
中身は他愛のない、何使っているとかそういうのだったけれど特にこだわりがないというか家族と共用なのだからブランドを決めるのも買ってくるのも家族だし
常世学園での生活でも備え付けのシャンプーか自分で用意するときはスーパーやドラッグストアで一番お値段が手頃な物しか使わないちはやにとって
シャンプーでも何かしらのこだわりがありそうなビアトリクスとの会話はおしゃれの目覚めを感じた。

(年頃になったならやっぱりそういうの気にするべきかなぁ……)

清潔感や身だしなみさえきちんと整えておけば大丈夫かなと思っていたが
例えば……楓先輩はやっぱりおしゃれなほうがいいのかなとか、そういうシャンプー一つでも拘っていい匂いのするもののほうが好きかなとか
そういうことを考えないわけでは無いけれど……。

(女の人が気に入ってくれる身だしなみとかおしゃれってなんだろ……全然わかんない)

ごしごしと髪を洗って泡でシャワーをすすぎ落とし、リンスを付けてなじませてまたすすぎ落とす。

ご案内:「大浴場」に帯刀わたいれさんが現れました。
帯刀わたいれ > (たまには大浴場も、とお風呂セット持参で大浴場へとやってきた、
裸の付き合いに抵抗は無いし、せっかく寮暮らしだしと脱衣場へと参上、
部屋着の浴衣を手際よく脱ぎ、ぽいと篭へと投げる、
華奢ながら引き締まった体つき、そして身体中に巻かれた包帯「断絶の檻」が露になる、
篭は自分以外に一つだけ埋まっている、どうやら先客がいるらしい)

(髪留め、石鹸、泡立て用タオルを手に、いざ行かん大浴場、
がらがらと扉を開け、とりあえずシャワーを探しながら先客の姿も探す、
先客の姿はすぐに見つかり__吹き出した)

「ふぶっ」

(細く小さな体躯、癖のない綺麗な長髪、湯気で不明瞭な視界のせいでうっかり女の子と間違えたのだ、
一応フォローすると湯気がなければ男の骨格だと見抜けていた、全てはほかほかの湯気が悪い)

神宮司 ちはや > がらりと浴室への引き戸が開かれ、思わず振り向く。
見れば自分以外の学生らしい白く長い髪の男子が何故か吹き出していた。

一瞬その姿を目にした時、何か、普通の人とは違うような感じを受けて目をこする。
いうなれば”よくないもの”に近しい、がこちらへ悪意がないのはわかる。
妖気?とでも言うのだろうか鋭く固い、何かが相手の身体にちらついているような……。

湯気のせいで見間違えたのかな、と思って強く目をつぶって開けば普通の視界が戻ってくる。
気のせいだったらしい、相手と視線が合えば軽く頭を下げる。

まぁ誤解もされても無理は無いほどちはやの体躯は男らしいとはいえない。
まだ未成熟な、子供のあいまいな体つきだし長い髪だし遠目から見れば女の子でも通る気はする。

帯刀わたいれ > (一瞬噂の男子寮大浴場に現れる痴女かと思ったが、
よく見れば先客は少女ではなく少年だったようだ)

「……ああ、見間違えただけです、見間違えただけ」

(目の前の少年にか、それともここぞとばかりに煽るクソポン刀にか、
弁解するように笑顔を作ると、動揺を隠す、クソポン刀には「折れろ」と念じておいた)

「……ええと、隣、いいですか?」

(すたすたと近寄り、少年に目線を合わせながら聞いてみる)

神宮司 ちはや > 「? 見間違え?ですか?……はぁ」

帯刀の言葉に曖昧な返事で首を傾げたが、隣へ腰掛ける様子ならばどうぞと快く承諾した。
風呂場で相手の身体をあまりじろじろみては良くないだろうしすぐに自分の身体を洗う作業へ戻る。
スポンジにボディソープを泡立てながら足先から洗っていく。

なんと声をかければいいのか考えあぐねている様子で暫く身体を洗いながら必死で頭を回し続ける。