2016/05/10 のログ
ご案内:「ロビー」に柴木 香さんが現れました。
■柴木 香 > 夜が明け、ようやく人が起き始める時間帯。
小脇に丸めた紙と筆記具とを抱えて、廊下からひょこり、と覗く。
「……誰もいない?いない?――よし。」
ひょこひょこと。ロビーに陣取る。
■柴木 香 > そそくさとテーブルの一つに陣取れば、テーブルの上を片付けて。
丸めた紙はかなりの大きさ。
ロビーにいくつか備えられているテーブル一つ分くらい。
それを広げて、四方は錘代わりにペンや定規で押さえておく。
描いてあるのは、この島の地図。大きな道路しか引かれてない地図を拡大コピーしたものに、色とりどりの線で追加で道が書き込まれている。
「えーと……昨日通ったのがここ、から――こうで。」
そこに、更にいくつかの線を引いていく。
通った道、注意点や留意点は注釈をつけて書き加える。
■柴木 香 > 部屋でやってもいいけど、部屋だと広げるには狭いし、狭くて落ち着かない。
ロビーもちょっと狭いけど、部屋に比べれば幾分かは、まし。
人がいない、静かなロビーにペンの走る音を響かせて――
一番多く書き込まれているのは学生街と居住区。
異邦人街や研究区・実習地区もそれなりに埋まっている。
歓楽区や落第街は――近づくな、と言われていても仕事があれば行くし。と、少しだけ。
そういう所に行くのは、わるいこと。なので一応人のいない時間帯にこっそりまとめる。
「んー……よし。できたー。」
きゅっ、と最後の線を書き加えて。むふー、とご満悦。
こうしてできた地図は自分専用の地図。安全確実に荷物を届けるための日課。
「――あ、そうだ。」
ふと、思い出して。
更に少しだけ書き加える。昨日買い食いしてしまった肉まんがおいしかった、と。
■柴木 香 > 「――わふぅ……v」
思い出して、ちょっとうっとり。
美味しいものは、幸せになれる特効薬だと思う。
■柴木 香 > 「……はっ。」
正気に戻って、きょろきょろ。
見られてない、大丈夫。……見られてたらちょっと恥ずかしい。
でも。思い出したらおなかもすいたし。
「……わふ。」
ごそごそと、ジャージのポケットから取り出したのはジャーキーの袋。
ジッパー付きで保存しやすいし、おいしい。噛んでればそれだけで幸せになれる魔法の逸品。
開けて、中身を一切れ。
齧れば広がる肉の味。
「ぅー……v」
しあわせ。
耳もぴこぴこ、尻尾がぱたぱたしても仕方がない。
……仕方が、ない。
■柴木 香 > 「……はっ。」
犬耳押さえて、もう一度。
――うん、やっぱり人はいない。大丈夫。
なので。
「わふー……」
思う存分、齧る。至福のひと時。
――もう少しもすれば早い人は起きてくるからほどほどに。
■柴木 香 > 「……ぁ。」
時計を見れば、七時前。
そろそろ片付けないと他の人も起きてくる。
名残惜しいけど齧ってたジャーキーは食べてしまって。
地図をくるくると片付ける。
今日の走る道を考えようかとも思っていたけど。
大体覚えてるし、たぶん大丈夫。
■柴木 香 > 「……んっ、今日も一日頑張る、と。」
ぐっ。
朝から部活動の予約も入っていることだし。
雨も止んだから走るにはちょうどいい日になりそう。
そんなことを思いつつ。
しっぽぱたぱた。いったん自室へ。準備をすれば、ようやく一日が始まる。
ご案内:「ロビー」から柴木 香さんが去りました。