2016/05/10 のログ
ご案内:「ロビー」に柴木 香さんが現れました。
柴木 香 > 夜が明け、ようやく人が起き始める時間帯。
小脇に丸めた紙と筆記具とを抱えて、廊下からひょこり、と覗く。

「……誰もいない?いない?――よし。」

ひょこひょこと。ロビーに陣取る。

柴木 香 > そそくさとテーブルの一つに陣取れば、テーブルの上を片付けて。

丸めた紙はかなりの大きさ。
ロビーにいくつか備えられているテーブル一つ分くらい。
それを広げて、四方は錘代わりにペンや定規で押さえておく。

描いてあるのは、この島の地図。大きな道路しか引かれてない地図を拡大コピーしたものに、色とりどりの線で追加で道が書き込まれている。

「えーと……昨日通ったのがここ、から――こうで。」

そこに、更にいくつかの線を引いていく。
通った道、注意点や留意点は注釈をつけて書き加える。

柴木 香 > 部屋でやってもいいけど、部屋だと広げるには狭いし、狭くて落ち着かない。
ロビーもちょっと狭いけど、部屋に比べれば幾分かは、まし。
人がいない、静かなロビーにペンの走る音を響かせて――

一番多く書き込まれているのは学生街と居住区。
異邦人街や研究区・実習地区もそれなりに埋まっている。
歓楽区や落第街は――近づくな、と言われていても仕事があれば行くし。と、少しだけ。
そういう所に行くのは、わるいこと。なので一応人のいない時間帯にこっそりまとめる。

「んー……よし。できたー。」

きゅっ、と最後の線を書き加えて。むふー、とご満悦。
こうしてできた地図は自分専用の地図。安全確実に荷物を届けるための日課。

「――あ、そうだ。」

ふと、思い出して。
更に少しだけ書き加える。昨日買い食いしてしまった肉まんがおいしかった、と。

柴木 香 > 「――わふぅ……v」

思い出して、ちょっとうっとり。
美味しいものは、幸せになれる特効薬だと思う。

柴木 香 > 「……はっ。」

正気に戻って、きょろきょろ。
見られてない、大丈夫。……見られてたらちょっと恥ずかしい。

でも。思い出したらおなかもすいたし。

「……わふ。」

ごそごそと、ジャージのポケットから取り出したのはジャーキーの袋。
ジッパー付きで保存しやすいし、おいしい。噛んでればそれだけで幸せになれる魔法の逸品。

開けて、中身を一切れ。
齧れば広がる肉の味。

「ぅー……v」

しあわせ。
耳もぴこぴこ、尻尾がぱたぱたしても仕方がない。
……仕方が、ない。

柴木 香 > 「……はっ。」

犬耳押さえて、もう一度。
――うん、やっぱり人はいない。大丈夫。
なので。

「わふー……」

思う存分、齧る。至福のひと時。
――もう少しもすれば早い人は起きてくるからほどほどに。

柴木 香 > 「……ぁ。」

時計を見れば、七時前。
そろそろ片付けないと他の人も起きてくる。

名残惜しいけど齧ってたジャーキーは食べてしまって。
地図をくるくると片付ける。

今日の走る道を考えようかとも思っていたけど。
大体覚えてるし、たぶん大丈夫。

柴木 香 > 「……んっ、今日も一日頑張る、と。」

ぐっ。
朝から部活動の予約も入っていることだし。
雨も止んだから走るにはちょうどいい日になりそう。

そんなことを思いつつ。
しっぽぱたぱた。いったん自室へ。準備をすれば、ようやく一日が始まる。

ご案内:「ロビー」から柴木 香さんが去りました。