2016/08/18 のログ
ご案内:「大浴場」に癒斗さんが現れました。
■癒斗 > 夜も更けて、比較的人気の無い男子寮の――大浴場。
そこに誰もいないのを確かめてから、癒斗は脱衣所の扉を閉めた。
癒斗は、見た目は女生徒そのものだが、性別はふたなりである。
生殖機能のない両性であれば良かったものの、そうあれなかった。
故に、万が一があったら困るからと、男子寮にひっそり身を置いている。
一番端っこの衣装入れに衣服や下着を置いて、浴室へいく。
「…よかった。やっぱりこの時間帯が人いなくてすむな~」
普段なら自室のお風呂で良いけれど、大きい湯船につかりたくなることもあるんです。
■癒斗 > 脱衣所から見て一番遠いところに陣取り、シャワーで軽く周囲を流す。
人がいないのをいいことに、隣の蛇口で洗面器に湯をはりながら、その間にシャワーで髪を濡らした。
うねうねくねくねした癖っ毛が水分を含み、その重みで直毛のようになる。
普段から癒斗がまとっているぶどうの匂いは薄れ、僅かに残り香を残す程度でなりをひそめた。
「んんんー、わわわー」
機嫌がいいのか、鼻歌交じりに洗髪である。
毛先までみっちりと泡で包むため、時間がかかる。
ご案内:「大浴場」に加賀智 成臣さんが現れました。
ご案内:「大浴場」にカミュ―さんが現れました。
ご案内:「大浴場」に沈目 言正さんが現れました。
■加賀智 成臣 > がらっ、と扉を開ける。
加賀智は、余り人の中にいるのが得意ではない。
故に、できるだけ人が居ない時間に入ることにしていた。
普段ならできるだけ早い時間に入るのだが、今日は早い時期から混んでいたため遅めの時間になった。
「………………………?」
なにか言う前にまず、首を傾げた。
ここは男子寮の大浴場のはずなのだが……。
なぜ女性がいるのだろうか。
■癒斗 > 蛇口を多めにひねり、シャワーでよく流す。
この時ばかりは周りの音が聞こえにくいけれども、まあ人などこないだろう。
「ふふふー…」
他人の気配に疎い癒斗は、加賀智にもまったく気づいていない。
首後ろをもう少し流しておこうかな、くらいの頭である。
■カミュ― > カガチくんが浴室にはいったころ。
入れ違いで学生服姿のカミューが脱衣所に入ってくる。
がらがらがららら!
土産帰りでこんな時間になってしまったが…
「いつでも大浴場が使えるというのは便利でござるな!」
ロッカーをがさごそ。
鎧の留め金を外して服を脱ぎかけていた。装甲を外したスカートに手をかけて。
わりとがちゃがちゃとうるさいようだ。
■沈目 言正 >
男子風呂。
男子寮の大浴場である。
長い髪を高い位置でまとめ上げ、義肢を外し服を脱いでから浴場に。
先に入っていく人も見えたし、後に来た人も見えた。
軽く這う様な形で安全にシャワー台まで辿り、
長い髪を一度解いてからゆっくりと洗い始める。
「~♪」
■癒斗 > よーし、じゃあ次は身体を洗って。
そう思ったのだが。
何やら古めかしい口調の声が聞こえ、人が来たのかと慌てて脱衣所を向く。
すると欠損した華奢な子は見えるわ加賀智が見えるわで、癒斗は思考が一瞬停止した。
脚を開いているわけでもないので、見た目は本当にただの女性だろう。
「……………っひええええええ?!!」
一番驚いたのはもちろん、顔を知っている加賀智の出現であるが。
■加賀智 成臣 > 「…………。」
まあいいや、できるだけ見ないようにしよう。そう思って、振り返った癒斗に軽く会釈をした。
何かどうにもならない事情があるのかもしれないし、何かあったら溺死して責任を取ろう。
そう考えて、特に何も言わず隅っこの蛇口へ歩き出し、座った。
「………。」
加賀智は髪をあまり切らない。
痛みまくった黒髪を、適当にシャンプーで洗う。何のケアもない。
体もヒョロくて骨と皮、筋肉など殆ど無かった。
■カミュ― > もう一人さらに浴室に向かっただろうか。
「…?」
着替え途中で背を向けていて、気づかなかったかもしれない。
振り返っても這いずっている足元には視線は向かないだろう。
中に着用していた巫女用の薄布ワンピースのひもを肩から外す。
すとん、と上質な作りの生地が軽い音を立てて床のすのこに落とされた。
透き通るような肌に下布だけの姿で、木桶にお風呂セットを用意している。中から取り出した温泉タオルを腰にしっかりと巻いて。
「…!?」
お風呂から悲鳴が。
■沈目 言正 >
「え、ええと……?」
洗いながら声の方角へと振り向く
悲鳴に戸惑っている……一見すれば女の子。
男子寮であることは確認しているものの、
どうにも状況が読み込めない。いくつかは浮かぶが……。
■加賀智 成臣 > 「………。」
適当に髪をバシャバシャと流す。
髪の先から、泡混じりの白い水がポタポタと垂れ、それをおもむろに掴んで絞る。
タオルすら使っていない。
「…………あっ。」
しまった。
体を洗うための石鹸を忘れてしまった……。どうしたものか。
借りるなんて申し訳無いことをするしかないのだろうか。
そう思い、風呂場をきょろきょろ見回している。
ここは男子寮の風呂だよな?と改めて思った。
■カミュ― > 「何事にござるか!」
カミューはそばに置いていた剣帯を掴み、下布の上にタオルだけの姿で浴室の扉に飛び込んだ。
しかし悲鳴自体はやたらと声が高い、まるで女性のようだったような。
まさかゲートが男子寮の大浴場に…?なんて考えを抱きつつ。
中の様子を確かめた。湯気。
■癒斗 > 悲鳴を上げたまま驚いていたものの、
大浴場なのだから人が来るのは仕方がないと、やりどころのなかった手を洗面器へ向ける。
口をむぐりと結び、まだ湯船にも使っていないのに顔を赤くしつつ、身体を洗い始めた。
(どどどどどうしよう。今日に限って人が……人が……)
よほど動揺していたのだろう。
癒斗はシャンプーで身体を洗っている事に気づかなかった。
ガラッと勢いよく開いた扉と、湯気で良く見えない人影にさらに驚く。
「ひゃああい!!すいません!!!なんでもないです!!!!」
あるんですけども。
■沈目 言正 >
「う、うぅん、うん――」
何でもないと取り繕う辺り、追求する事は難しい。
見た目は確かに女性だが――事情があるような気がする。
自分だってそれに近い。
故に強気には出ず、様子を伺う。
丁度、あの――確か公安委員会で見た様な見なかったような、
少なくとも良く見ない顔の誰かが前に出た事もあるし、ぢっと様子を伺いながら髪を洗い終える。
■加賀智 成臣 > 「…………。」
はぁ、とため息を付いて、くるりと振り返る。
振り返ったというか、首だけで後ろを見ているような形。
「すみません、癒斗さん。石鹸持ってませんか?
ちょうど忘れてしまって……」
そっと耳打ちしてみる。癒斗の体について、特に気にしている様子はない。
何か、体に似合わないものが下の方にちらっと見えた気もするが、きっと気のせいだろう。
■癒斗 > そう、声もぱっと見た姿も女性だ。
ただ、下半身に男子と同じものが余分についているというだけで。
いやでも、しかし、恥ずかしがることは無いはず。
半分は同じ性別なのだから――と思ったけれど、やっぱり無理であった。
そんな肝のでかさは、備えていない。
「これ匂い的にシャンプーじゃ………」
濡れた形跡のない自分の石鹸を見て、それから加賀智の声かけにピクッと身体を揺らす。
肩越しに小さく振り返り、ああ、と頷く。
「こっ……こけ、固形のですけど、どうぞ」
そう言って、タオルで胸元を隠しながら加賀智に石鹸を差し出す。
■カミュ― > 「…なんでもないでござるか。…本当になんでもないでござるか?」
湯気が少し晴れて。
じー、と様子を見回す。
とりあえず脅威らしきものはないようなので、脱衣所に戻って下着も脱ぎ、大剣は置いてきた。
こんどはお風呂セットを片手に戻ってくる。
「…で、さっきの悲鳴は何だったのでござるか。」
癒斗ちゃんの反対側、カガチくんの隣に座りながら、カガチくんごしに聞いてみた。
あと這いずっている人は大丈夫なのだろうか…と視線をちらりと向ける。
■沈目 言正 >
そう言えばなんかほぼ毎朝お風呂で見るものが付いていたような気がする。
少なくとも普段は自分にもあるものだ。
既にシャワーの前まで辿り着いて髪の毛を洗い終えている。
這いずると言っても、片手片脚だけで四足の獣や雌豹らしく補うようなそれでもあり、良く見れば不安のないものだ。
公安委員であるならば、座って暢気に洗うその少女めいた少年には見覚えがあるかもしれない。
「~~♪」
身体を順調に洗っている。
一応洗うものは用意されていなければ用意している。
……たまに忘れるものの。
■加賀智 成臣 > 「ああ、どうもありがとうございます。」
有難そうに石鹸を受け取って、体を洗うタオルで泡を立てる。
そのまま石鹸を返してがしがしと体を洗っていたが、ふと気付いた。
「そういえば、さっきは何であんなに勢い良く入ってきたんですか?」
カミューに顔を向けて、ふと聞いてみる。
「……ああ、すみません。初対面の方にそんな馴れ馴れしく……
申し訳ありません、言いたくなければ聞かないので……」
が、すぐに謝りながら泡を立て始めた。
手遊びのようだ。どんどん泡が出る。
■癒斗 > 「いえいえ…………」
加賀智から石鹸を返してもらうと、身体のシャンプーを流してもう一度洗い直す。
既に洗った部分は軽く撫でる程度に、首筋や背中も髪をどけながら終わらせる。
足の先を丹念にあらいながら、ござる口調の人からの問いに少々返答が詰まった。
ああ、んー、と小さく唸った後、
「いえ、単純に油断してたっていうか…いつもは、人がそう入ってこない時間だったので……」
あんまり気にしないでくださいと結ぶ。
■カミュ― > 「いやいや、問題ないでござる。
せっかくの大浴場、裸の付き合いにそんな遠慮も不要にござろう!」
ばんばん、とカガチくんの背中を叩いてみせて。
「なんでかっていうと、悲鳴が聞こえたからでござるよ。
ほら、彼もこう…なるほど、もう時間としては遅いでござるしな。
拙者は帰ってくるのがこの時間になってしまったのでござるが、何故おぬしはこんな時間に?」
癒斗ちゃんの答えに納得して、洗い始める。
髪をシャワーで軽く流すと、旅行土産の炭シャンプーを手に取った。
どろりとした濃厚そうな液体が手のひらに乗る。
泡立ちはあまりよくなさそうだが…まあそれもまた土産物なのかもしれない。
髪にねっとりとした液体が絡みついていた。
■沈目 言正 >
三人の一団に割って入ることはなく――
――さっくりと洗い終えて髪をまとめ直す。
そのまま湯船に直行し、肩まで浸かる。
「あふぅ……」
男子寮は今日も平和です。
■加賀智 成臣 > 「………あ、はい。」
背中をバンバン叩かれ、長身が前後にぐらぐら揺れる。
「悲鳴……ああ、そういえばさっき癒斗さんが上げてましたね。
あ、僕はこう……人と一緒に入るのが苦手で……
人が居なくなるタイミングを伺っていたら、こんな時間に……」
体の泡を流そうと、浴槽のお湯を洗面器で汲もうとする。じじ臭い。
「あっ。」
が、手が滑って沈目の方へ流れていってしまった。
「(……どうしよう、取ってもらおうかな……
いや、自分で、でもお風呂に泡が落ちたらきっとみんな不快な思いするだろうし……)」
なにか悩んでいるようだ……。
■癒斗 > 後ろの二人組にお湯が跳ねないよう、洗面器で何度も身体を流す。
まだ体に泡は残っているが、どうも緩く感じた髪を束ね直しながら
「私は~~…単純に、その、恥ずかしいのと~…何より――」
あ、加賀智さんの洗面器がとびましたね。
「……半分女で、半分男なので、あんまり周りを混乱させないようにってことです」
ざばーっと、残りの泡を流す。
全身さっぱりしたので、タオルを洗ったら自分も湯船にいこう。
もともと頭は大浴場でのびのびとお風呂!だったので、
ここで部屋に戻るのもなんだか不完全燃焼である。
■沈目 言正 > ……目の前に迫る洗面器。
お風呂の床は良く滑ることはよくわかる。
誰も居ない時は横着するので良く分かる。
ああ、滑らせちゃったのかなぁ。
悩んでいる顔と目の前の洗面器からそう察せば、指で弾いて加賀智君のもとへそっと滑らせ返した。
よほどの変な事をしなければ身体に当たる事はなく、足元で止まるだろうか。
「ん♪」
これかな?って顔で加賀智君へと微笑んだ。
■カミュ― > 何事もなかったというのなら何より。平和が一番。
「…こんな島にござる。多少程度で驚かないとは思うでござるが。
確かに大きいか…。」
洗い終えた癒斗ちゃんをじー、とまじまじみつめる。
「まあ、平然としていればわりとなんとかなるものでござるよ。
おっと…?」
なだれた洗面器につい視線が流れる。
■加賀智 成臣 > 「………ああ、そういう。」
半分女で、半分男。
そういう人物は、今や常世ではさして珍しい存在ではない。
そもそも男か女かはっきりしない人もいっぱいいるし。
「あっすみません、ありがとうございます……ほんとに申し訳ない……」
ぺこぺこと頭を下げる。今度こそお湯を掬って、泡を流す。
……どうにも謝り癖があるようだ。
■癒斗 > タオルを丁寧に手洗いしながら、肩越しに振り返る。
何が大きいの?くらいの顔をしていたが、自分の胸を見てむぐむぐと口を動かすのみであった。
自分の肉体で男なのは、下半身についてるもののみだ。
「そうなんです、けど~~……。どーも慣れなくて」
ここ3年弱はこうやって過ごしてきたんですよ。
そう返して、加賀智の方を向き
「戻る時に滑らないようにしてくださいね、加賀智さん」
タオルを持って立ち上がる。湯船の方へいくつもりだ。
■沈目 言正 >
「んー、気にしなくて良いのに……よくあるよ?」
もう一段力を抜きつつ、へにゃりと口元を緩める。
どうにもネガティブらしいもの、だけど揺れも少ないような何か を 印象に抱いた。
■カミュ― > 「中性向けの寮が必要なのだろうでござるか。
それだけ立派であれば女子寮でも通用しそうなものでござるが。」
髪を流し終えて、イルカのスポンジでボディソープを泡立てる。
泡でなでるように全身を撫でていって、その様子は柔らかそうだった。
なお、股間にはしっかりタオルのガードがついている。
■加賀智 成臣 > 「大丈夫ですよ、戻るときに滑るなんてそんな。」
そう言って、自分も湯船に浸かろうと立ち上がる。
足元に、忘れたと思っていた…実際は床に落とした小さな石鹸が転がっていた。
踏んづけた。
滑った。
「 あ。 」
がづっ、と、蛇口に頭が当たって嫌な音を立てた。
赤いシミが、風呂場の床に広がっていく。
結果としては、戻る前に滑った、ということとなった。
死んでは居ない。まだ、時折痙攣するようにびくびくと手足が動いている。
逆に嫌だ。
■癒斗 > 「あっ………ヒッ、動いてるぅぅ!」
言わなきゃ良かった、と顔を真っ青にする。
よちよち歩きながら近づき、加賀智の肩を叩く。
「加賀智さん?かがちさん?」
■沈目 言正 > ざば、とあがる。
彼の異能などは知らないし、どのみち事故は事故である。
放っておく訳には――とは言え、癒斗が安否を確認した事を確認すれば。
湯船から咄嗟に身体が浮く。そのまま壁を滑って方向性だけ付けてふわりと降りる。
重力の類を反転したとかなんとか、その手の類の異能ではあるが別の話。
「委員と救急車呼んでくる――ッ」
餅は餅屋。
早急にすべきことをしようと、湯船を出て通報。内容は転倒事故。
程なくすれば、男性の委員達が駆け付ける――だろうか。
ご案内:「大浴場」から沈目 言正さんが去りました。
■カミュ― > 振り返る。 死んでる…。
その光景になにやら怪訝そうな様子を見せた。
違和感を覚える。異能の力の質次第では それが等価な法に基づくものであれば。カミューにはそれが異質なものに見える。
そして。
「…今思い出したでござるが。たしか公安の資料にあった気がする…。」
保健課でも割と有名人だったようなきがしなくもない。
とりあえず腰のタオルを結びなおして、慌てる癒斗ちゃんの近くにゆっくりと歩み寄った。
・・・肩ぽん。首ふるふる。
■加賀智 成臣 > 「………………。」
びくん、びくん、と跳ねる動きも小さくなり、拍動に合わせた流血も止まり……
加賀智 成臣の人生は、ここでひとつの終末を迎えた。
しかし。
今回の外傷は小さい。
せいぜい、蛇口が頭に突き刺さって脳味噌の一部がシェイクされただけだ。
この程度なら……
「…………。…あいて、てて。」
頭を抑えて、立ち上がる。既に外傷は治っている。
せっかく洗った髪に血が付いたので、また洗いなおしになってしまった。
カミューの目には……異質なもの、とだけ写るだろう。
どう異質なのか、どのような能力なのか。それは一切分からないが……
例えるなら、『頑丈そうな金庫が道の真ん中に落ちていた時』のような違和感。
『何か分からないが妙だ』という感覚はあるだろう。
■癒斗 > 素早く対応をしにいった子の姿を見送り、また視線を戻す。
動く回数が少なくなって来た。死んでしまうのでは。
いやでも、前に死んだときはすぐに生き返っていた、けれど。
しかし、肩ポンをされた。ござる口調の子が冷静に首を振っている。
ああああどうしよう、というところで―――
「ん゛っっっ」
彼は生き返った。
2度目とはいえ、やはり慣れない。血もべったりとついているし。
「……こ、こう聞いて良いのかわかんないですけど。
だいじょ、大丈夫でしか」
動揺は癒斗の滑舌を殺した。
■カミュ― > 「…因果な業にござるな。」
何かが働いていることはわかる、が担当でもない。
それが不遇であるのなら、騎士道としては見逃すことでもないが…。
彼女が無事を訪ねる様子を、脱衣所のほうをみながら聞いていた。
そして頃合いをみて、声をかける。
「そういえばさきほどの。
人を呼んでくる、といっていたでござるが…このままで大丈夫でござるか。」
癒斗ちゃんにそう尋ねて。
■加賀智 成臣 > 「ああ、大丈夫です……ああ、床を汚して……
しまった、蛇口に肉が詰まっちゃってる……取らなきゃ、あぁ……」
自分の心配を全くせず、風呂場の環境の心配をしている。
そして二人に向き直り、頭を下げた。
「あー、その、すみません……お風呂の時間を台無しに……
それなのに心配までしてくださるなんて……」
ひたすら卑屈に、そう謝った。
ご案内:「大浴場」に滝川 浩一さんが現れました。
■癒斗 > 「どうなんでしょう…?
加賀智さんのことなら、多分大丈夫です。前も、そうでしたし………」
謝る加賀智に対しては小さく首を振って、胸元のタオルを正す。
委員会の誰かが来る事に対して大丈夫かと聞かれているなら、彼は大丈夫でも自分が大丈夫ではない。
この状態で男性に囲まれると、恥ずかしさで叫びそうになる。
「大丈夫ですよ。不可抗力ですから謝らないで、加賀智さん」
先に広がっちゃってる血を流しておきましょうよと風呂桶を拾う。
■滝川 浩一 > 「おっふっろ~おっふっろ~今日~のし~めはおっふっろ~」
小声でそう口ずさみながら浴場へ続く戸を開く。
湯気が一瞬視界を覆い、その後大浴場の風景が広がる。
「おっふ……お…あ、赤い…?」
大浴場にすでに何人か人がいるのを確認した後、床のタイルに散らばってる赤い液体を見て、そう首をかしげる。
赤い液体をよーく目を凝らしてみる。…よく見たらそれは人の血液だということに気付き、顔を青ざめさせ戸をすさまじい勢いで閉める。
(何あれ!?何あれ!?どうなってんの!?)
戸に手を掛けたまま、心臓が高鳴り目を見開く。
■カミュ― > 「…痕跡は残るのでござるな。
こちらは拙者がどうにかしようでござるよ。」
カガチくんは癒斗ちゃんに任せ、カミューが蛇口の肉に手を当てて集中する。
繊細な作業で数分しばらくじっとしていると、手をかざした先の肉片が光を放ち消滅していった。
そういう 力 を使ったようだ。
掃除を終えたころ、入ってくる音に気付いて。
「…遅かったようだ。
掃除は待ったほうがいいかもしれないな。」
片目をつむり片目で脱衣所のほうを見た。誰かが説明する必要がありそうだ…。
■加賀智 成臣 > 「すみません……ああ、人が……早く流さないと……」
シャワーを手に取り、血と多少の脳漿をしゃぱしゃぱと排水口に流し込む。
見た目が恐ろしくシュール。
「……すみません。ありがとうございます、癒斗さん……。
そうだ、僕…先に出て、委員の人に説明してきましょうか。」
のそりと立ち上がり……ふんっ、と鼻を鳴らした。
気合十分。……というわけではなく、鼻血を飛ばしただけのようだ。
■癒斗 > 肉は少年が消してくれた。
ダメだったら外からビニール袋でも取ってこようかなと思っていたので、有難い。
シャワーで流される血液に混じるよう、周りからもそれを流す。
少しばかり鉄臭い匂いがするが、仕方ない。
「あー……そうですね、委員会の人かもしれないですね。
お願いしても良いですか」
でも鼻血も流した方が良いと思いますよと、お湯の入った洗面器を見せる。
ちらっと、脱衣所の方へ視線を流す。
■滝川 浩一 > (血ィ!?あれ、血だったの!?なんで流血事件が起きてんの!?喧嘩でも起こってるの!?)
戸に手を触れたまま俯き静止する。
頭の中によからぬ想像がぐるぐると渦巻き、脱衣所にも関わらず嫌な汗が噴き出る。
そして様々なことを思案した結果、彼は一つの回答に至る。
(俺、疲れてるんだ…)
最近、トレーニングや勉強をやり過ぎたせいで良からぬ幻覚を見たのだろう。
そう自身に言い聞かせ呼吸を整える。
■加賀智 成臣 > 「…おふたりとも、ありがとうございます。
……それじゃ、僕はこれで失礼しますね……」
ありがたく洗面器の中のお湯で顔を洗い、鼻血を綺麗に流す。
そして、のそりと体を動かして、脱衣所へゆっくり顔を出す。
滝川から見ると、自分より大きいのに肉が少ない相手がぬっと扉を開けて、出てきたように見える。
怖い。
「……死んだのは僕なので、気にしなくていいですよ……
あの血も、もう流しましたから。」
その男はそう言って、着替えて出て行った。
脱衣所の外からちょっとした悶着の声が聞こえてきたが、気にしなくても良いだろう。たぶん。
ご案内:「大浴場」から加賀智 成臣さんが去りました。
■カミュ― > 「どういう説明をするのか…任せる。信じているから…
…説明になってねえでござる!?!?」
なんて端折った説明をしていったのか。
こっちの二人についても何とかうまくいってくれると思ったのに。
「…ここは流れで何事もないような顔ででていったほうがいいかもしれないでござるな。
拙者の後ろについて一緒に出るか?」
カミューは紳士。癒斗ちゃんに一緒に脱衣所に出るか聞いてみた。
■癒斗 > (絶対に外の人混乱してますよね、あれ……)
口に出してつっこみは入れなかったが、気持ちは少年と一緒であった。
タオルをずるずると胸に寄せ直し、一緒に出るかと言う申し出に
「…………まあ、外に居たのが委員会の人なら、大丈夫でしょうから」
私は湯船で落ち着いてから出ますと微笑む。
倒れたのが他の誰かだったら、こんな言葉も出なかった気がするが。
■滝川 浩一 > 「えっ…?」
戸が開き、自身の横を通り抜ける男の言葉に目を見開き。
(死んだのは僕?ちょ、ちょっと待て、死んだら…いや、待てよ。なんで"死んでんのに生きてたんだ"!?)
混乱状態で頭を抱え何とか頭の中を整理しようとする。
いやしかし、でも、だって、そのような言葉が頭の中を埋める。
そして数秒後、なんとか落ち着きを取り戻し
(多分、異能だな!)
この一言で片づけることにした。
■カミュ― > 「…そうでござるか。
とりあえず拙者も適当にいっておくでござるよ。」
癒斗ちゃんの答えを聞いて一つ頷くと
カミューもなんてことない涼しい顔で脱衣所に。
委員…ではなさそうだ。最初にうろたえた時点で、慣れた保健課 ではないとは思ったけど。
「やあ、大丈夫でござるか。
さっきのは…あの、彼なりのジョークだったみたいでござるよ。
なんだか鼻血を派手に吹くような異能か体質らしくて。掃除は終わっているでござるが…できれば入るか、いったん出直すか決めてほしいでござるが。」>滝川くん
鼻血も吹いていたし拭いていたのであながち嘘でもない…はずだ。
苦笑しながらそんな説明を並べてみせる。
そして入るか出るか促して。
「拙者異邦人にござるから、あまり見られるのにはなれないでござる。」
と、胸元を押さえて恥ずかしそうに付け加えた。