2015/07/03 のログ
ご案内:「ロビー」に桐竹 琴乃さんが現れました。
桐竹 琴乃 > 夜、大浴場からペタペタと歩いてくる。
何時もの服装では無く、タンクトップに短パンと風呂上りの服装で。
ただ目は据わっており。
足取りは重く肩に力は入っていない。
もはやゾンビに近いのではと言わんばかりの歩き方。
それもこれも連日連夜の徹夜での一夜漬けを連続した末路であった。
「風呂入ったら……少しは取れると思ったけど全然取れないよね」
リフレッシュはしたものの、疲れが取れきったとは言い難かった。
ふらり、ふらりとおぼつかない足取りで自販機で適当なジュースを買い。
ロビーのソファにどっかと座る。
休んでいる暇などは無い。
が、戻ってすぐ、始めれる程彼女は真面目では無かった。
(ジュースを飲むだけ、これはジュースを飲んでいるだけ)
心で言い訳をしつつ、ソファで力を抜く。

桐竹 琴乃 > 無論、まだジュースの封は開けていない。
牛歩戦術である。
(これは湯冷まししてるだけ湯冷まししてるだけ)
心で言い訳その2。

人間、切り替えが必要なのだ。
ずっと息が詰まるような状況ではモチベーションも上がらない。
そう言い訳を更に重ねる。
そのせいでただでさえ有限な制限時間を無駄遣いしているし、そのせいで徹夜になっている。
当然の如く。
気づかない振りである。
自衛と言う奴である。

とはいえ、湯上りでほてっている身体で目の前に冷えたジュースがあると言うのに開けないと言うのも無駄なストレスを溜める事になるであろう。
無言で封を開け、ぐっと飲む。
「はあー……生き返る」
ぼやく。
ソファに身体を埋めたままだ。

桐竹 琴乃 > 「しばらく、しばらくゆっくりする……」
ぶつぶつと呟く。

このまま部屋に戻ってもわかっているのだ。
部屋の片づけとかし始めてしまうのは。
連日その欲求にすら耐えなければならないのは何かの罰ゲームなのか、など思う。
だから英気を養うのだ。
これは当然の事なのだ。
既に心の中で幾つの言い訳を重ねているのだろう。

「……はっ」
そして寝落ちしかけている事にも気付く。
慌てて目を開く、が。

どうした事だソファから動けない。

「……まさかこれが噂に聞く人をダメにするソファ……だったなんて……」
全くもって何の変哲もないソファなのだが。
そう、本気で思い込もうとするほどに。
彼女は追い詰められていた。

ご案内:「ロビー」に生ヶ易案子さんが現れました。
桐竹 琴乃 > このままでは寝落ちするという最大級の失態を犯す―――。
わかっているが。
動けないものは動けない。
「……あー……」
諦めつつあった。
ただただ欲望に身を任せそうになる。
もう数日頑張ったのだ。
一日ぐらいいいのではないか?
そう、悪魔が囁く。

生ヶ易案子 > 「うーん、変な時間に起きちゃったなあ」
一方。
目をこすりながらロビーへの階段を下りてくる影は、どうも眼が冴えてしまった、という様子である。
まあ、変な時間に起きるも何も、そもそも昨日は夕方から変な怪異に遭遇して、そのまま疲れ果てて寝ていたのであるが。

「――うん?」
自販機(今度は普通のやつ)に小銭を入れようとすると……、ちょうど、ジュースを買ってそのまま座れそうな位置に、見覚えのある顔がある。
「おーい。そんなところで寝ると風邪ひくよ」
時期的に夏風邪だよ、なんて言って覗き込んでみる。

桐竹 琴乃 > 「はっ」
声を掛けられ、また寝落ちしそうになった所。
聞き覚えのある声。
「あー……あんずサン」
ドーモ、と言いながらしゅた、と手を上げる。
本人はしゅた、っとしたつもりであったが。
どっちかっていうと授業中に恥ずかしそうにトイレに行きたいと先生に言う時のようなのろのろとした手の動きであった。

相当、お疲れの御様子であった。

生ヶ易案子 > くた、と手をあげた琴乃ちゃんを心配そうに見ながら、自販機のボタンを確認もせずに適当に押す。

「大丈夫? なんか最近、ゾンビっぽくなってる子多くない?
あれか、今度はウイルスとか流行るのかな、この島」
いたって真顔である。この自由人に、試験期間という概念はあんまり存在しない。

「――よくわかんないけど、休んだ方がいいんじゃ」
悪魔のささやきその2でしかなかった。

桐竹 琴乃 > 「ぬおおおおお」
声に出して言われると更に抗いがたくなる感覚。
だが。
それ以上行けない。
聞こえない聞こえないと言うジェスチャー。

「今学園内は前代未聞の試験ウィルスにやられていらっしゃる」
こいつは非常に強力でと続き。
「特に余り勉強をしていない者に容赦なく襲掛かっては睡眠時間を削り、更には精神を蝕んでいく非常に危険なウィルスなんです」
そう言いながらもずるずるとソファに身体が埋もれていく―――。

「……あんずサンは大丈夫そうですけど」
その真顔を見る限り。
余裕というか全く気にしていないのか。
多分後者だろう、などと思いつつ。

生ヶ易案子 > 「――なるほど試験か!」
そのレベルだった。
この小娘がどれだけ試験を気にしていなかったかといえば、試験期間の存在を忘れるあまりに一人で先に海開きをしていたくらい気にしていなかったのだ。

自販機の商品を手に取って、向かいのソファに座り込む。
「試験かあ。もう5、6年は受けてないけど、最近のはウイルスとかでハイテクノロジーなんだね……」
確かにそれは大変そうだ……と、目の前の琴乃ちゃんの惨状を見ながらしみじみと頷く。

「でも、無理はよくないよ。真面目にやるにしてもさ。サボっちゃえサボっちゃえ」
あんずさんほどサボらなくてもいいけど、なんて言ってプルタブを開けようとして……ちょっと眉をしかめる。ブラックコーヒーだこれ。

桐竹 琴乃 > 本当に気にしてなかった―――。
その豪気さというか何というかに思わずあんぐりと口を開ける。
そしてまたも囁かれるサボりへの道。

流されそうになる。
「あー……まあホントサボり……」
そして思い浮かんでしまうヤツの顔。
苦労を色々考え。
アレな事も思い出し少し顔を赤らめつつも。
「……たいのは山々なんですけどどーしても点数はとっときたいのでー……」
そう言いながらもソファにだらけたままジュースを飲んではいるが。
寝落ちするという状況だけは避けたようである。
「もはや一人だけの点数ではなくなったのですよあんずサン」
全くよく分からない自己完結を語りつつブラックコーヒーに顔をしかめている彼女を眺めている。

生ヶ易案子 > 「――――」
ほんの少し。
見定めるような目で、その表情を見返して。

「頑張る理由があるなら、頑張れるだろうさ」
それが何かはわからないけど、と、そう言ってふにゃっと顔筋を崩す。
「あんずさんは頑張るよい子の味方だよー、
といっても、本番はあんまり『手伝え』ないんだけど」
力になれなくてすまん、と苦笑する。異能の制約上、試験という形式とは相性が悪い。
「それこそ『本当にズル』をするんだったら別だけど……、
あ、そーだ。カフェイン摂る?」

未開封のブラックコーヒーを差し出してみる。
飲めないわけじゃないが、気分じゃないというか、そもそも試験期間の学生以外にとってはカフェインを摂る時間ではない。

桐竹 琴乃 > 「でも本心はクッソサボりたいです」
真顔だった。
「うっす、大丈夫です。頑張るんで」
釣られるようにへら、っと笑う。
そもそも彼女の異能も筆記テストには全く意味が無い。
実技はまあ、大体何とでもなる。

「あ、ブラックコーヒーはノーサンキューで」
普通のなら飲めない事も無いかも知れないが苦手であるし。
以前のバカみたいに苦いブラックコーヒーのトラウマは未だ、彼女から抜けていなかった。

生ヶ易案子 > 「でも頑張るってそういうことじゃないかな。
やりたくないことやって、サボりたいこと頑張って――」
そこまで言って、いちど考え込むように頬骨のあたりを掻く。
「うん、あんずさんが言っても説得力ないな!」
まったくその通りだ。

話を切り上げるように、ソファからぱっと立ち上がる。
「ま、なんだ。そうやってやりたくないこと頑張って……
それでも、褒めてほしい人に褒めてもらえたらいいってやつだ」
たぶんそういうことだろ、と、にへりと笑う。

渡す代わりに、冷たいコーヒー缶でほっぺをぺたっとやろうとしたりする。
ちょっとは目が冴えたのをおすそ分けできるだろうか。

桐竹 琴乃 > 「褒めて欲しい……」
考える。
考えて。
「いやいや、別にそういうんじゃ……きゃっ」
何か言い訳をしようとしてぴとりと当てられた缶コーヒーの冷たさに声を上げる。
「ちょ……もうあんずサンいきなりは止めてほしいなー」
驚いたお蔭で更に目は冴えたが。
手に持っていたジュースを最後まで飲み干し、同じくソファを立つ。
「あー……ま、頑張るかなー」
んんーと伸び。
戦いはこれからである。

生ヶ易案子 > 「でも適度にサボりなよ。ヘバっちゃ意味ないよ」
アイスコーヒーをごろごろと手で転がして、こちらも部屋に帰る姿勢だ。特に頑張る予定はないが。
コーヒーを飲むのはたぶん次の朝、すっかり温んでしまっているだろう。

「それにほら、一人だけの身体じゃないんだからさ。お腹の中の点数にも障るよお」
あんずさんの脳内では謎の情報錯綜が起きているようだが、それはそれ。
ひらひらと手を振って、階段を昇って行く。

桐竹 琴乃 > 「お腹の中の……?」
頭を傾げ。
瞬間。
「えっ」
彼女は何か大きな勘違いをしていないか。
「いやあんずサン?そう言うのではなくてですね」
言い返そうとするが。
既に彼女は階段を昇って行ったのであった。

ご案内:「ロビー」から生ヶ易案子さんが去りました。
ご案内:「ロビー」から桐竹 琴乃さんが去りました。
ご案内:「大浴場」に悦=フレイザーさんが現れました。
悦=フレイザー > (寝てはならぬ寝てはならぬ寝てはならぬ……。
 念仏のように自分に言い聞かせたところで眠気がとれるわけもなかった。当たり前だ。朝から晩を通り越し早朝まで勉強に励み続けてきて眠気に負けない人間などいない。
 眠気を覚ますためにやってきた大浴場。
 がらりと扉を開くと、ふらつく足元にさえ意識を配れないほどに憔悴している己に気が付く。定規ではかったように直線的な髪もいまはむかし。目の下にはくまがこびりついていた)

「お風呂……」

(言葉は続かない。ふらふらと進んでいくと、シャワーのある地点へ到達する。お湯を頭から浴びる。浴びながら)

「すぅ~」

(寝息を立てている。肢体は投げ出され、まるで死体そのものだ。
 ハッと頭を振って起きると、のろのろと体にソープをつけて洗い始め、)

「………」

(鏡に額を押し付けてすやすやと寝息を立てる始末だった)

悦=フレイザー > (負けるわけにはいかないのだ。父親に約束したのだ。
 と頭では思っていても寝息はノンストップだった。はっと気が付き、これまたのろのろと全身を洗い終える。水気を切って、タオルを体にきっちり巻きつけようとして、)

「誰もいませんし……いいでしょう」

(誰も見ていないのだ。恥ずかしがる必要があろうか。タオルを肩に引っ掛ける男らしいスタイルで湯船へと近づいていく。足で温度をチェック。)

「あつっ」

(熱いが、かまうものか。少女は思い切り湯船に飛び込んだ。
 熱さのあまり声を上げたくなる自分を制御する。タオルは直前で外に放り投げていたので大丈夫だった。タオルをまとめて頭の上に乗せる。
 乗せて、湯船の中で体を丸めた)

「すぅ………」

(同じポーズで本格的に寝始める。素直に睡眠をとれと忠告する人間がいないかなしさ)

悦=フレイザー > (眠気には勝てなかったのだった。
 湯船での睡眠は曰く気絶の原理に近いという。気絶するほど疲れていたのだろうか。白い素肌を無防備に晒したまま寝る。ひたすら寝ている。時間が経てば経つほど頬の赤みが増していく。行き着く先は決まりきっていた。
 眦がぴくりと震えた。肩に上から落ちてきた冷たい水滴がぶつかったのだ)

「誰ですか………」

(邪魔をするなと言わんばかりに手を振る。タオルが湯船の外に滑り落ちた)

悦=フレイザー > (――――――目を覚ました。とてもいい気分だった。眠気は消えていて頭がぼんやりする。
 ぼんやりする? 少女は重たい瞳を持ち上げた。かの魔眼は召使が総出でこじ開けなければならなかったというが、労力は山を持ち上げるに等しい程だった。
 吐き気。倦怠感。思わず立ち上がろうとして硬質な地面に這い蹲る。
 湯船に浸かりすぎた罰が下ったのだ。体温の過剰な上昇による症状である。)

「なんてこと……私はばかです。うかつでした」

(後の祭り。やむを得ず地面の上で自然治癒を待つ。セメントを飲まされたような顔にて)

悦=フレイザー > (体温が下がってきたようで平衡感覚が戻ってきた。平衡感覚は言った。お前はバカだなと。平衡感覚に頭があがらない。
 陸の上のカメよりもなお遅く腰を上げて、水に落ちたウサギのように足を使って出口に直行する。
 のんびりはできたが保健室送りは免れ無そうだ。
 『教室』の試験に合格するまでは死ねないぞとかたく誓う。
 誓いは守られるのか。答えは誰も知らない)

ご案内:「大浴場」から悦=フレイザーさんが去りました。
ご案内:「その他」に惨月白露さんが現れました。
惨月白露 > 女子寮のとある部屋の前、
さほど多くはないダンボールが運送業のおにいさんの手で
部屋に運ばれているのを眺めながら、自分の『偽造学生証』をゆっくりと眺め、
口元を心底めんどくさそうに歪めた。

惨月白露 > 銀髪に黒のメッシュが入った特徴的な髪は当然のように目立つが、
それ以上に目立つのは頭上に伸びる二色の耳だろう。
かわりに人間の耳は無くスカートからは、
これまた銀と黒の毛の尻尾が地面に向けて垂れ下がっている。

『じゃ、荷物はこれで全部ですね。』
と爽やかに声をかける運送のお兄さんに、「お疲れ様でーす♥」と笑顔で声をかけ、
その頬が微妙に染まったのに満足気に瞳を細め、
彼の背が階段に消えていくまで手を振って笑顔で見送ると、

はぁ、とため息をついた。

「……ったく、間抜け面晒しやがって。」

先ほどまでの愛想のよさは何処へやら、
めんどくさそうに頭をかくと、ゆっくりと部屋へと踏み込んだ。
一応は相部屋ではなく、空き部屋を選んだ。
……今後相部屋になる事は勿論あるだろうが、しばらくは一人だ。

白露小百合、16歳、女と名前欄に書かれた『偽造学生証』をもう一度確認する。

「ま、せっかくだから楽しませて貰おうかな。」

にやりと悪い顔。
『惨月白露、22歳、男』、
彼の『女子高生生活』がゆっくりと幕をあけた。

ご案内:「その他」から惨月白露さんが去りました。