2015/07/23 のログ
ご案内:「大浴場」に自販機さんが現れました。
自販機 > (―――温泉!!!!!!!!!!!!!!
 女子風呂に何故か設置されているものがあった。
 そう、自販機だ。
 何か隣の湯でキャッキャウフフなピンクワールドが固有結界している気がするが、そんなことはどうでもいい。
 ピンク色に塗られたそれはまさに女の子だ。
 キャッハーとか言いながら写真撮影する系の女子だ。)

「ブーン」

(まあ普通に自販機なんですけどね。
 自販機は浴場の片隅で寂しくて震えていた。会いたくて震えていた。震えすぎだろほかに歌詞ねえのかよと言わんばかりだ)

自販機 > (いや待て。温泉とはすなわち温泉成分が~と語り始める薀蓄女子が通り過ぎた。)

「ブーン」

(せやな)

ご案内:「大浴場」に立花 響さんが現れました。
自販機 > (混浴風呂にいい湯と見せかけて熱湯風呂なトラップを仕掛けているカップルしねしね団という組織が居るらしい。
 全世界中に根を張る組織でありロストサインでさえあらがえない勢力を持っている。影響力――つまり戦闘力、8000以上だ!!しねしね団はもはや世界を席巻しており誰でアレあらがえないすさまじいカガク力を持って魑魅魍魎天下無双うんたらかんたら今一分で考えた)

「ブーン」

(営業中です)

立花 響 > お風呂。
それは一日の疲れを流す場。
お風呂。
それは身体を休ませる場。

「えーと…」
お風呂
それは自販機が……ある場所ではない
響は久しぶりに大浴場でお風呂に入ろうと思った矢先にこれである。
しかし今それは目の前にブーンという音を立てている。
しかも何故か謙虚に隅っこの方で起動している。
いや確かに真ん中に置いてあったら電源の問題があるだろうから理にかなった配置ではあるのだろうか…?

「…何があるんだろう」
一先ずはその奇抜な位置に配置してある其れの品目を確認するために接近する

自販機 > (チハタン系女子がやってきた。なんのことだって? うるせぇ榴弾砲食らわすぞ。)

「ブーン」

(電源は繋がっていない。それとなく頭の上でリボン結びされている。おんなのこだからね。
 感電しそう? おんなのこだからね。大丈夫。
 なんで自販機がここに? おんなのこだからね。よくあるよくある。
 品目あんの? ねぇよ。
 見るものによって姿を変えるというソレ。もしかすると見えるかも。見えないかも。見えそうで少し見えない魅惑のデルタ地帯並みの誘惑である。
 ようするに見る人による。
 とりあえず営業中であることはわかりそう)

立花 響 > 「動いてるみたいだし、何かお風呂に合うような飲み物とか出てくるのかな?」
まじまじと自販機の品目を見るが、湯気で曇っているのか良く見えない。
しかしここにおいてあるものだから大凡は冷たい物だろう、というアタリをつけると
響は一先ず更衣室に帰れば脇にタオルを挟んで大事な部分は隠しながらも財布を手に持って自販機の前に戻ってきて
まずは1000円札という徹甲弾を打ち込む。
正確には自販機の胸部辺りにある札専用口に入れるだけなのだが

このまま何か飲める物が出てくるならば更に札を打ち込む予定ではあるが…どうなるか

自販機 > (1000円札という鉄甲弾が放たれる。装甲板を貫通し、内部の乗員をズタズタに引き裂いた。火薬に接触。内側から鉄が引き裂かれ悲鳴を上げる。落伍した鉄の馬を前に敵兵が動揺を隠せず表情を引きつらせた。
 男は言った。戦争を教育してやろう。
 指揮官の言葉に無線員や操縦者はにやりと壮絶な笑みを浮かべた。黒塗りのそれは黒煙を踏みしめ、いままさに貧弱な鉄の馬どもを解体するべく嘶いた。
 パンツァーフォー! 戦車前へ! これから蹂躙を開始する!)

「ガコン」

(という風景はない。
 普通に飲み物が出てきた。
 『なぜ、常世学園しないのか』
 という飲み物。『しねしね団』なる組織が製造したことになっている。つめたぁぁぁぁぁぁぁッッああんッい! 飲料である。のんだらおいしそうですね。
 ちなみに缶です。)

立花 響 > 「あ、出てきた」
自販機の中の起きたであろう惨事を気にする事も気付く事も出来ずに現れた飲み物を見る。

「常世学園しないのか…?」
あまりの名前に響の顔は真顔になる。
それはそうだ。自分が通っている名前が動詞になっている飲み物なんてものがあれば誰だって真顔になる。

製造先は気にする事なく、とりあえず飲んでみてから考えよう。
タブを起こして開け……
深呼吸し、気合を入れて開け……ッ!
起きない。

右手で起こそうとしないで左手で起こしたら空いた。
これを飲んだら常世学園出来るのだろうか。勉強出来るのだろうか
そんな学生らしいようなそんな願いを込めて一口飲んでみる

自販機 > 「はいカットー! おーい立花ちゃーんいい絵取れたよー!」

(唐突にカチンと音がした。
 椅子に座った監督がニコニコ顔で立花を褒めている。
 そう、ここは映画スタジオ。
 いろいろなカメラが向けられており、浴室のはずの天井には無数の照明器具がぶら下がっていた。
 常世学園を舞台に、異能と魔術と科学が交差する物語を描く「     」という作品のワンシーンの撮影であった。
 もちろん全裸やタオル一枚というわけにはいかない。
 きっと水着か何かを着ていることだろう。
 立花が裸ではつらかろうと女性のスタッフがタオルをかけてくれるだろう。)

「ブーン」

(なにもかもおかしかった。
 いやもしかすると立花の方がおかしいのかもしれない。
 常世学園は実はドラマだったのだ。


 唯一変化が無いのは自販機と、『なぜ。常世学園しないのか』の缶だった。それはセットの一部にまぎれて放置されている。
 どうやら休憩時間が始まるらしい。監督が助監督らを引き連れて出て行く。)

立花 響 > 「…えっ?」
まずその声にまともな反応が出来なかった。
(立花ちゃん?カット?…カット?あれ?
慣れ親しんた言葉ではあるものの、ここは常世学園の大浴場で水着を着て…あれ?)

「あ、ありがとうございます…」
一先ずその場の流れと女性スタッフからタオルをかけられるといつものように営業スマイルで微笑んでお礼を言う。

ただ、目に映る景色に違和感を感じるが、唯一違和感を感じないのは目の前で起動音をたてている自販機。

「私…まだ歌手やってたんだっけ?」
やはり頭がついていかず、特に椅子とかに座る訳でもないまま、呆然とその場で立ち尽くしている

自販機 > (休憩用の机にはあたたかいお茶が置かれているであろう。
 机の上に乗ったテレビには立花が舞台で歌っている姿がある。女優か、歌手として活躍しているのである。フレッシュさを武器にその美声で人々を魅了し続けている。
 実力派として。
 風景は何もかもが現実染みている。違和感など無いだろう。
 もし声を失っていてもきっと出すことが出来よう。
 だって常世学園はただのドラマだったのだから。
 立花という役割を演じている少女は異能なんて持ってないし、魔術とも関わりが無い。ごく普通の女の子だ。歌うという特技を持っていることで世間に認められつつあるのだから。
 セットが次々と撤収されていく。
 次の場面は一人湖の傍でレッスンする場面らしい。
 流石に風景まで作れないので緑色の幕が張られている。あとで合成するのだ。最近の合成技術はすさまじい進歩を遂げたのだ。)


【自販機はひたすら立っていた。
 スタッフたちは誰も自販機に気が付かない。存在自体ないような扱いだった。立花には、見えるし触ることだってできるだろう】

立花 響 > 休憩用の机の上を見ればあたたかいお茶がそのまま放置されている。
響はそれを自分宛ての飲み物なのだろうと判断し、一先ず落ち着く為に温かいお茶を飲む
温かい、温かいが、テレビに映る自分が歌っている姿を見るとどうしても胸がざわめく。
今さっきの自分なら歌えないが、もしもそれが劇ならば……
テレビの場面に合わせて歌声を合わせていく。
それは本土中が知っている立花響の歌声で、常世島の立花響の歌声ではない。
少し、複雑のような嬉しいような、そんな気持ち

「……あの自販機、何なんだろう」
セットが片付けられて行く様子の中、響は今から行われる場面なんて気にせずにジッと放置されている自販機を凝視し続ける

自販機 > 【誰も気に留めない。存在しない存在があるかのようだ。
 自販機があれば誰か一人くらい飲み物を買いそうなものだが、誰一人見向きもしない。スタッフの中には買ってくるといいつつスタジオの外に駆けていく者までいた。
 自販機は、「ブーン」と鳴り続けていた。】

(テレビの中の立花を演じる少女は実に生き生きとしている。
 どちらかといえば歌うほうが本業で、劇はおまけなのかもしれない。人気の足がかりとして演じていただけかもしれない。一ついえるのは、歌の才能がある、ということだ。
 常世学園に出演する俳優や女優陣が通りかかった。
 パンクな格好をした細目の男性や、高身長が目立つ鋭利な印象をしている黒髪の女性が居た。女性は妙に腰が低くスタッフを気遣っている。普段はクール系を演じる女優であるが、その実、とても優しい人だったりするのだ。
 次のシーンが始まるまで時間がある。
 お昼休憩が始まっていた。
 
 もしかすると、別の女優や俳優がくるかもしれない。)

立花 響 > 「なんなんだろう…ほんと…」
おそらく先程の不可思議な現象を見せた原因であるだろう自販機。
それは本当に私が常世島にいる響がこの体験をしているのか、
それとも今までが響が不思議な体験をしていたのか。今となってはもう分からない

そんな自販機を尻目にテレビの方へ視線を戻すと自分が生き生きと演じている様子を見ていると懐かしさを感じてしまう。
そんな時に共演者として歩いてきた女性と男性が来たのに気づいて立ち上がり、いつもの、響にとっていつもの挨拶をする
「お疲れ様です!今日の私の演技どんな感じでした?」
見ていたかは分からないが、折角なので自分がどういう風に見えているのか気になったが為に問いを投げかけてみる

自販機 > 【夢と現実を別つものはなにもない。
 あるとすればどちらを選択するかである。
 自販機は何も言わず低音を響かせている。】

(男性のほうは、普段はロストサインの幹部として演技をしている。和装を好んで身にまとっているのだが、現実では正反対でタキシードを着こなして女性向け雑誌を飾ることもある売れっ子俳優である。
 女性のほうはロストサインとはあまり縁が無いが、特徴的な声と度派手な戦闘シーンで人気がある。性格がいわゆる優しいためギャップに惹かれる人も多いのだ。)

「    ちゃん。超いかしてた。歌も出来て演技もできるんじゃ俺も引退だな」

(男性が肩をすかせる。柔和な笑みが浮かんでおり、引退するつもりは無いことを示しているだろうか。演じるものとしての情熱は瞳が無言で語っている。立花というキャラの演技を素直に賞賛しているのだ。
 女性のほうは外見のクールさとは裏腹におっとりとしていた。頬に手を当てて赤らむ。)

「やぁん   さん、いい演技だったわー。
 バーンバーンって殴る演技は得意なんだけどねぇー」

(言うなりボクシングスタイルをとり舌を覗かせる。
 平素はおっとり。演技が始まると泣く子も失神させる雰囲気を纏うのである。)


【自販機は、ひたすら立っている。
 天井からスポットライトが当てられた。
 スタッフは誰も操作していなかった】

立花 響 > (どこか見たことあるような…いや、私ら今回俳優としてお仕事なんだし、舞台の撮影なんだから会ってて当然だよね?)
何かどこかで見たことがある二人の面影。
それは指名手配犯なのか、それとも派手な戦闘狂なのか、あくまで舞台上の残った記憶なのだが

「あはは、でも私に男役は出来ませんから、貴方いないとこの舞台は出来上がりませんからね」
苦笑いを浮かべながらも男性のフォローを欠かさず行う。
いつもの、本土いたの頃のいつもの自分なのだが、やはりどこか違和感を拭えないでいる自分がいる。
もちろん、水着を男の目の前で着ているとかそういうものではない

「私は、落ち着いた演技はできますけど、派手な演技はどうしてもですから…」
人を殴るというものは演技としてもどうしても出来なくて、どうしても大人しいキャラしか出来ない。
立花響は、大人しいキャラであるのだ


ふと、スポットライトが自販機に当たると、吸い込まれるように響の視線が自販機に注がれる
何か、また私を違和感に飲み込もうというのだろうか

自販機 > (なにせ常世学園は演劇なのだ。
 いかなるキャラクターでさえ演じるものが居る。
 ラスボスが居たとしてもである。ラスボスと主人公が冗談を語らい肩を叩き合う姿など劇ではよくある。クランクアップの集合写真などまさにその典型である。
 たとえそうであっても、    という少女は立花響のようにおとなしいキャラクターしか出来なかった。派手な演技ができないのに無理に強行させる映画会社などあるはずが無い。あるとしても無理が出てくるだけだ。
 男性ははっはっはと声を立てて朗らかに笑った。
 演技ではニヤリと血を見て嗤うキャラだけにギャップの破壊力は隕石衝突に匹敵する。)

「まあ、俺かっこいいからな」
「んもうやめてくださいよ~」

(腰の辺りをド突かれて男性が仰け反る。弄られ属性だろうか。
 女性は    の問いを聞くと若干おばさん臭い動作で手招きしてみせた)

「簡単簡単。まず空手と柔道を習うでしょ? 次に殺陣を習うでしょ? 組み合わせれば簡単よ」

(この女性、有段者である。流石である)


【自販機は徐々に接近してくる。
 誰も気が付かない。缶が転がっていったが、スタッフの足をすり抜けていった】

立花 響 > 「空手と柔道って…私そんな習ってないですよ。それに殺陣って…
 私、一応歌手なんですから、そんな力技なくても喉があれば生きて行けますよ」
なんて、そんな強がりを口にする。
もしもその歌う喉もなくなればまるで、先程演じていた立花響のようになってしまうだろう、と考えるとゾッとしてしまう

「でも…機会があれば習ってもいいかもしれませんね」
もしものことを考えるとやはりまず先にその先に活きる術のことを考えてしまうのは職業病みたいなものだろうか。
喉なくなっても人伝に生きていく、この業界らしい生き方だろうか

    は、そんな都合悪い事を考えてはいけない、と思いため息をつく。
そしてふと視界に入る自販機

心なしか、こっちに動いてる?自販機が?

自販機 > (【自販機の正面がパカリと開いた。
  ふっと風景が暗くなり、実はスタジオ自体がセットであることが分かるであろう。精巧に作り上げられたスタジオという舞台である。裏方達がスタジオを動かすべく走り回っている。効果音担当が作り上げた音がスピーカーから放たれていた。
 パァン。台本を丸めたメガホンで腿を叩く人物が居た。
 黒い髪を無造作に腰まで垂らした小柄な女性。
 『監督』という腕章をつけている。)

「カーットカット。駄目駄目。そんなんじゃ駄目。
 もっと面白くなきゃ!」

(【監督らしき人物は帽子を被っていた。
 帽子を取る。
 それは、紛れも無い―――あなたである。
 立花を演じる女性か? 立花か? あるいは、違う人か?
 いやそもそも女性なのか? 男性か? とにかく、そこに居たのだ。)】

「どちらがよかった? どっちが本物に近いと思った?」

【(監督はあなたに尋ねてくるのだ。
  どちらがよかった?)】
 

立花 響 > 「ほわっ!?」
舞台の休憩していると思ったら更に舞台の上に立っていたらしい。
どうも、新鮮な姿を見たいという名前の打ち合わせ無しというものが多いようだ。
出来れば打ち合わせはしっかりしたいものだが、今回は免れなかったようだ

「………え?私?」
その私というものは尋ねられてきた事なのか、それとも目の前で尋ねてきている監督についてなのか
(そもそも目の前にいるのは立花であって私は――あれ?)
なんだか良く分からないが、尋ねられた事には素直に、
「女性の方の方が似ているかなって…」
立花響は女なのだから、女である方を選ぶのは妥当である、と判断したのだ

しかし、知っている立花響は確か、空手や殺陣をしていなかったような―――

自販機 > 《 ほんとうに?

 立花はあんな女性だったかしら

(【監督は尋ねてくるのだ。
  立花って誰だっけと。
  立花を演じているものが居るのか。立花は立花なのか。
  立花響はそう、空手や殺陣をやっていなかった。
  歌がすきというキャラだった。けれど、歌をどうしたのだったか。
  歌は、失われたのではなかったか?  )】

  あなたは誰だったのかしら。

  あなたは、何者なのかしら。

  そろそろ選ぶ時間が迫っているわ。

  【(パッと道がライトアップされる。
    あなたはどちらを選ぼうか。
    常世学園を演じるのか。常世学園で生きているのか。
    夢を現実と別つものはなにもない。
    強いて言うならば選択することだ。)】

     監督は、無言で待っている。》

立花 響 > 「私は…」

私は、私である。気をしっかり持とう

「立花響は、暴力を好まない為、空手に憧れる事はあってもやることはしない。
 それに歌はもう、音痴だから歌いたくても歌えない」
しっかりと、監督である自分を見据えて一つ一つ頭に浮かんでくる言葉を答えていく。
自分は自分。立花響は…

「私は、立花響は今、常世学園で生きています。
 カフェテラスで甘いもの食べたり、歓楽街でロードライブとかしたりして、一生懸命生きてます」
自分で自分に言い聞かせるように、今の自分を受け入れさせるようにそう答える

自販機 > 《 監督はにっこり笑って台本を投げた。
  受けとってもいいし、受け取らなくてもいい。
  台本は白紙で無意味なものだ。
  白紙だからこそ何でも描けるといえる。

  監督は最後に畏まって古風なお辞儀をした。
  胸に手を当てて一礼を。



  「それなら、がんばりなさい」   》

自販機 > 「ブーン」

(カポーン。
 ここはお風呂である。
 ピンク色の自販機があった。
 営業中であると主張するかのごとく、低音を鳴らしている。
 少女が居た。名前は立花響。彼女はお風呂で飲料を買って、一瞬気を失いかけていたのだ。飲料があまりにも冷たかったからだ。1000円分の価値はないだろう。)

立花 響 > 「…あれ?」
ここ数分の記憶が飛んだかのようなそんな錯覚に陥る。
(今さっき何か、貰ったような…?)
でもここはお風呂場、台本のようなものがあればすぐに皺くちゃになり使い物にならなくなるからそんなものはまず持ってこない。

(というか、この自販機ってピンク色だったんだ。)
今更ながらそんな事に気付く。
これまでの響の人生経験上、ピンク色の自販機は見たことないが、ここは常世島。普通では起きないような事が起こる常世の島。

「でも、まぁ、ちょっと美味しかったかも」
今しかた受けた体験はほとんど覚えていないが、貴重な体験であったと感じるが、その先は飲まずにそっと『なぜ、常世学園をしないのか』自販機の前に置く。

「私は、常世学園で生きているしね?ごめんなさい、自販機さん。それ以上その缶を飲む事は出来ない」
少し申し訳無さそうな顔をしながらも、響らしく自販機にも誠実に謝る。
そもそも通じるかも怪しいが

自販機 > (「飲まない方が身のためよ」)

(そんなセリフがどこからか聞こえるかもしれないし、聞こえてくるかもしれない。
 もし瞬きをしたのであれば、自販機は既に消えている。
 缶も綺麗さっぱりなくなっている。
 紙くずの塊が湯気に晒されてしわくちゃになって転がっていたが、湯船からの溢れ水に流されてどこかに消えていった)

ご案内:「大浴場」から自販機さんが去りました。
ご案内:「大浴場」から立花 響さんが去りました。