2016/06/18 のログ
ご案内:「部屋」に陽実 凛さんが現れました。
■陽実 凛 > 何度も見直した紙を見て、机の引き出しにしまいこんで。
丸いクッションに座って自分の部屋を見回して。
少し落ち着かないそわそわとした動きと無表情がかみ合っていない、感情のブレをおさえこむように、膝を抑えて、溜息をついているのでした。
部屋の中はかなり殺風景で。
見回しても落ち着く要素があまりなくて効果は出そうにありませんでした。
ご案内:「部屋」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 > 「えっと、番号は…あ、ここであってるかな」
とある部屋の前で立ち止まる
手元の、自分宛てに届いた手紙と部屋の番号を見比べて、うんと頷く
手紙の主の部屋であることには間違いなさそう、いたずらでなければ
コン、コン と軽く2回ノックしてみる
■陽実 凛 > 「……。」
そわそわとしていた動きをノックを聞いて止めて。
クッションから立ち上がって、鍵を開けに行く。
尋ねてくる心当たりは今の所大体警戒はしない方がいい相手。
出会いがしらでと言う事も有るけれどその時はその時。
今回はお手紙を出したのだから、特にでした。
なのでそのまま扉を開けて、小さく頭を下げ。
「今回は応じて頂いてありがとうございます、でいいですか?」
無表情のまま、声の調子を抑えて弱めに問いかけてみました。
■伊都波 凛霞 > 出てきたのは、自分に比べて小柄な女の子
ちゃんと見覚えはあった
高峰司の退院の迎えにいった時に、病室で入れ違いになった少女である
「こんにちわ。伊都波凛霞って言います。お手紙見たのでやってきました!」
そう言って笑顔で自己紹介、ぺこんっと此方も頭を下げた
■陽実 凛 > 改めて見上げる。顔、それから、視線を下に下ろしまして。
武装している事も想定似いれていたけれど、そういう様子があまりありませんでした。
「こんにちは、陽実凛と言います。
まずはお上がり下さ…あ、他の所でですか?」
笑顔を見ても、表情が崩れず、一応少しだけ部屋の方へと戻りつつ首を傾げて聞きました。
ぱっとみ机と椅子と箪笥以外が真っ白なお部屋です。
よーく見れば部屋の角が粘土の様な物で埋められている事も見えるかも知れません。
■伊都波 凛霞 > 「私はお部屋でもお外でも。
何か、大事なお話ならお部屋のほうがいいかもしれないね」
殺風景とも言える部屋と、少女の表情を崩さない淡々とした物言いはマッチしている
そこまで注視したわけでもなかった故に、部屋の細かい部分には気づきませんでした
「それじゃ、お邪魔します」
誘われれば、丁寧に脱いだ靴を揃えて部屋の中へと入るでしょう
■陽実 凛 > 「……解りました。
内容、からすると室内の方がいいです。」
少し考えて、頷き。
彼女が部屋に入った所で扉を閉めに行って、鍵をかけて。
さっきまで座っていたクッションを示して。
この部屋には一つしかクッションがありませんでした。
「飲み物をお入れしますね。」
何があったかな、とキッチンへ。
ピンク色の炭酸飲物を二つコップに入れて。
テーブルに置きに戻ってきます。
■伊都波 凛霞 > 「おかまいなく~」
言いつつも親切を無碍にはしない
示されたクッションにかけて、テーブルに置かれたコップに口をつける
ふぅ、と一息ついて
「えっと、それでお話っていうのは…?」
ほとんど初対面に近い
向こうはこちらのことを知っているのかもしれないけど、
こちらは相手のことを名前くらいしか知らない状態だ
どんな話が飛び出してくるかは想像もついていない
■陽実 凛 > 一応今回用に用意していた、ピーチサイダーでした。
すんなり口をつけたなら水月さんからのあそこの目撃情報が流れてはなさそうです。
「そう、ですね。
どこから話すか考えましたけれど。
伊都波さんは、高峰さんの今おかれている状況と病院にいた原因を詳しく知っていますか?」
向かいに座って、少し詰まった物の、自分もコップに口をつけて。
意を決して真っ直ぐに視線を合わせてみました。
■伊都波 凛霞 > まるで疑うこともしなければ、サイコメトリーをするつもりもなく
ただただ美味しいピーチサイダーとして味わうのみでした
どこまでもまっすぐで誠実な振る舞いが身に沁みついているようです
「あ、司ちゃんの話?
そういえば、司ちゃんにもお手紙届いてたもんね」
あの子も頑固だから顔を顰めていたけど、と笑って
「司ちゃんから聞ける話は全部聞いたつもり。
他に何が動いてるかどうかっていうのは、憶測くらいかな」
こちらに向けられる目線を真っ直ぐに受け止めて
■陽実 凛 > 水月さんとの深い繋がりはないか、水月さんが本当に何も見ていないのどちらかだと見ていいでしょう。
一つの不安要素が消えてくれました。
気は抜けませんですが。
「…はい。
と言っても、病院で怒らせてしまったので、話せるかどうかはもう解らないですけど。」
そこで、視線に力を込めました。
「……私も、どこが動いてこんな状況になったのかは解りません。
知らない間に動きが進んでいたって位です。
あなたの事も含めて。」
友達になってた事を指しているつもりですが、あえて話の流れに混ぜ込む事でカマをかけてみます。
■伊都波 凛霞 > 「あはは、でも司ちゃんは最初は誰にでも無愛想だから」
自分と会ったばかりのこともそうだったなぁ、なんて少し懐かしく思いながら
「私の事?」
なんのことだろう、と首を傾げる
いや、それよりもむしろ
「なんか、口ぶりだと私や司ちゃんのことをもっと前から知ってたみたいだね」
■陽実 凛 > 「……無愛想でも。
話してくれました。
召喚獣を手羽先にしようとした後だったのに。
自己紹介どころか、召喚できない条件がある事まで明かしちゃったんです。
弱みになってもおかしくない事だったのに。」
口をついて、ぼろぼろと出てくる言葉。
少し泣きそうな表情に変わって。
「前から知ってたのは、高峰さんが友達がいないみたいと言う事と、そう簡単に誰かを信用はしたりしない事です。
短期間で友達になれてる事そのものが予想外でした。
と言ったら悪いか、と言われましたけど。
伊都波さんの事は神道って聞いた事があった位で、つい最近巫女じゃないって突っ込まれた位です。」
カマには掛からなかった。
なら、とそのまま口にして。
■伊都波 凛霞 > 「愛想が悪いだけで不親切な子じゃないんだよ。ずっと斜に構えてきたから人とのつきあい方がわからなかっただけ」
根の部分はいい子なのだ
目の前の少女が言うように、言葉周りは親切な対応ととることが多い
言い換えれば、向き合う相手に誠実なのだ
「んー…」
くるくると手元でコップをまわして、思案
「弱み、って一言に言っても色々あるからね。強みに転じることだってある。
完全に不可逆的なことって案外この世の中少ないんだよー」
そう言って、なんだか泣きそうな表情を浮かべる少女へと微笑みかける
「うん、そうだね。私も最初みた時はうわ~すごい壁作ってくる子だなーって思ったけどね。
折角お知り合いになったんだし色々遊びにメンツが足りない時とかに連絡したら、ちゃんと来てくれたりしてさ。
なんだ、この子全然悪い子じゃないんだな、って。気がついたら心を許してもらえてた。
…しんどう…っていうのはまぁ、置いといて、私は巫女じゃないね、うん」
そう言って苦笑した
■陽実 凛 > 「それが、
聞きにいってもいいですか、と。
とある情報源から聞いた貴方と家族の事を口に出した途端に、変わりました。」
何故と泣きそうな顔から半分恨めしげに、半分何かを押さえ込むような目をして。
押さえ込むまでに時間をかけて。
「転じられれば、転じる機会を生かせればそれはそれでいいんです。
でも弱みは不可逆になり得ます。
人間関係にしろ、自分の札にしてもそうです。」
その微笑かけられている事が、今は引っかかる。
「……あの。
おかしく、ないですか?
まず何で遊びに誘えてるんですか?
巫女は横においてまずそこ。
ルギウス先生に心当たりの無い呼びだしを受けて、付き添いいる?って感じでこの前のお詫びも兼ねて言ってみても断る位壁あるんですよ?」
魅了系の異能を警戒しだす。
理屈が、解らない。
■伊都波 凛霞 > 家族、という言葉に、そういうことかと理解が及ぶ
凛霞ですら、高峰司の家族についてはできるだけ触れないようにしている、いわゆるタブーであった
「多分、そのせいかな……。
全部を知ってるわけじゃないけど、司ちゃんは家族を心から憎んでる。
きっと、突然あなたがそこへ踏み込んできたものだから……」
より、厚い壁を作ってしまったのだろう
司の性格はよく知っている。頑固な手前、感情の起伏もそれなりに激しい
「んー…それはね、えっと。あ。
そうそう、司ちゃんは私を召還候補にしたいみたいな感じで声かけてきたんだ。
それで、私に付き合うことが契約への近道だろう、みたいに思ってたみたい、最初はね」
そこから、少しずつ高峰司の心の氷は融けていった
やがて今に至り、二人は無二の親友となりつつある
そこで、ぽんと手をたたく
「そういえばどうして司ちゃんのことそこまで気にするの?何かわけあり?
ここまで話しちゃった手前、できれば知りたいな~」
ジュースを口に運んで、返答を待つ
■陽実 凛 > 「……幾つかの勢力が動いている事を伝える為に、言ってみたのが間違いだったんですね。」
少し疑問は氷解した。でもそれならもう手遅れにも感じるけれど。
その為だけに手を使うのは、きっと禁忌だ。
必要な情報ではあるだろうから。
「……巫女さんが欲しかった、じゃなくて……えっと。
つまり見込まれてた。」
神童と言う単語が脳内で変換されてなくて。
どこで違ったのかと呟いて。
「…最初は、そこまで気にしている事を自覚してなかった。
今の自分でも大きく推測交じりになると思う。
……さっきの弱み、と言う言葉についてを覚えていますか?」
少し間を開けて、口にする。
どう話すか、話していいのか。
召喚候補と言う話は一応筋は通っているから、精神系異能と言う線は意識においたまま、呟く。
■伊都波 凛霞 > 間違いだった、という言葉には 仕方ないよ と言葉をかけて小さく笑う
相手の事情なんて、普通はわかるわけがない
特にタブーなんていうものは、覆い隠しているものだ
所謂、地雷を踏んでしまったというもの。こればかりは気をつけていてもどうしようもない部分はあるのだった
「そういうことになるのかな。
でも私は、契約したらもう友達みたいに遊んでくれないのかなっていうのが少し嫌で。
司ちゃんが心変わりしてくれないかな~なんて思ってたんだ。結果は大勝利、みたいな?」
くすくすと無邪気に笑う
結果として二人の心は溶け合い、唯一無二の契約を結ぶことになった
凛が、迷いながら話し始めたのを悟れば、少し表情を真面目に戻す
「…何か、事情があるんでしょ?」
でなければここまで固執することは考えられない、不透明ながらもそれは理解る
「話せる範囲で構わないから聞かせてほしいな。
もしかしたら、私で力になれることだってあるかもしれない」
折角こうやって縁もできたんだしね、と
■陽実 凛 > その言葉を反芻しても、戻る物はなく。
ただ、諦めに進んでいるようで、飲み込みたくは無かった。
「……勝算のある賭けだったんですか。」
なんとなく、そんな笑顔に見えた。
なんとも言えない感情のフィルターが掛かってないとも言えませんでしたが。
「……順序立てるか、悩みましたけど。
弱みに対して、戦う力があるのに無防備だったんです。
良く考えれば目の届かない所で私が狙っていたら仲間が食われるところだったにもかかわらず、話せば許す位の無愛想なお人よし。
強かろうが弱みに足を止めれば死ぬ所に居たわたしには、信じられない人でした。
それも無条件に人を信じるようなお人よしじゃなく。
それどころか他に人を寄せ付けないようでした。
他の誰かを深い所に寄せ付けず、それでいて自分の情報に割と無頓着。
多分一番の切っ掛けはルギウス先生に心当たりの無い私用で呼び出された時。
その時に放っておけなくなった……んだと思う。」
■伊都波 凛霞 > 「え?さ、さぁ…あんまり考えてなかったな…」
勝算があったのかと聞かれれば困惑する、
確かについ勢いで大勝利と言ってしまったけど、敗北してたらどうなんったんだろう、と
言われて初めてその可能性を意識したような顔でした
「優しいんだね」
凛の言葉を一通り聞いて、微笑む
「でもそれだと肝心なところが抜けちゃってるよ。
凛ちゃんは、司ちゃんの何になりたいの?っていうところ」
■陽実 凛 > 「……突っ込めないです。」
実際は遅延してただけで、敗北の可能性がどれ位あったのかもまったく解らないから、どうともいえない。
けれど、多分。
これは本当っぽい気はしました。
「……多分ちょっと違う。」
優しい、と言われると首を振る。
「あまり解らない。
いなくなった事に気付いて探し始めて、私とおな……。」
こほん、と首を振って咳き込みまして。
「弱みにならない友達になりたい、んだと思う。
……私自身、感情がどこまで自覚出来ているか、自信が持てない。」
思い出してみれば表情を作らずに不安を覚えたりしたのは間違いないと思う。
ただし、これが仲間が欲しいからなのか、ただ放っておけないだけなのか。
ほかの感情の代替か、それは感情がもう少し戻ってこないと、まだわからない。
■伊都波 凛霞 > 「だって、整理すると…。
一度会った時に司ちゃんのそーゆー部分に気づいて、
いなくなったから探し始めたっていうのは、心配して、でしょ?」
首を傾げる
それを人は優しい行動と判断すると思うのだが
「友達は弱みになんかならないよ」
完璧に断言しつつ、笑顔でそう応える
「だから遠慮無く友達になろう!
司ちゃんも頑固な子だから今すぐっていうのはいかない気がするけど、
怒らせたことをちゃんと謝れば、許してくれない子じゃないよ」
■陽実 凛 > 「多分、多分それであってる。」
隠している、事もある。
けれどそれは、自分の感情とは別の事。
それは置く。
「……私は、弱みになる事を知ってる。
弱みになって、生き延びられた筈の人が死んだ事を知ってる。」
だって、私は。
ワタシヲギセイニスレバタスカッタハズノ
「……うん、まず謝る。
なれるかどうかはそれから。」
大きく首を振って、自分の頬を大きく張った。
■伊都波 凛霞 > 「じゃあ、やっぱり優しいんだよ、それでよし!」
そう言って、笑う
けれど、続いた言葉には少し真剣な目をした
「"自分の弱さを他の何かのせいにするな"
…って、私の父様の受け売り。
弱さっていうのは、本人だけが持ちえる、それが友達という要素で露呈しただけに過ぎないんだよ。
それは友達が弱みになったんじゃない、もともと、弱かったんだ。厳しい言葉だけどね」
コツ、と空になったコップをテーブルに置いて
「それを認めるのが怖いから、人は孤独に強くなろうとするんだよ」
■陽実 凛 > 「……。
今は社交辞令で考えておきます。」
なんとなく、認められなかった。
自分が優しいとは、多分、違う。
「……弱さを持たない人間が、いるものでしょうか。
要素で露呈したって事は、解らなくはないです。
……皆、弱さを抱えている、それがどの要素で露呈するか。」
静かに、呟いて。
少し考える。
思い出す記憶と、持っている記憶を比べて。
「それは、高峰さんの事と、もしかして私の事も言ってますか?」
■伊都波 凛霞 > 社交辞令ととられたことには、そっか、と小さく笑って返して
「弱くない人間はいないけれど、何も持たない人間が私は一番弱いと思ってるよ。
何もない、守るものもない強さなんて強そうに見えても本当に薄っぺらい、
どんなに強靭な鋼だって、支えがなければちょっとした風で倒れてしまう。
弱いから強くなろうとするし、護りたいから強くなれる。
その支えを守り切ってこそ、真の強さで、一番強い、そう思うかな」
言葉の終わりに、理想だけどね、と付け加える
それが簡単なことでないことくらいは、承知しているのだった
「思い当たるなら、そうかもしれない」
■陽実 凛 > それを認めちゃ、きっといけない。
無表情に戻し、律して。
「何も持たなければ意志もなく。
何も護る物がなければ、足を踏み止める基盤なく。
……成程。悠薇さんの言っていた事がわかった気はします。」
その理想を持ちえるなら、あの時話した悠薇さんが信じきっているような、信念や信仰のようなものの基盤があった事は、理解できた。
「……すぐに変わるのって難しいですけれどね。」
そっと目を逸らし、ピーチサイダーを飲み込んで
■伊都波 凛霞 > 「言うほど簡単じゃないことはわかってるよ。
きっとそれは、孤独に強くなることの何百倍も険しい道。
友達が、家族が、大事な人間が自分の弱さを露呈するなんてことが我慢できないから、
そんなのを振り切るぐらいに強くならないといけない。
その為には…多少自分の弱さが目立ったって、貪欲に強くなりにいくしかないんだよね」
凛の言う通り、大事な人間が出来ることは自分の弱さを引き出す
けれど同時に、強く在れる要素も持ちえている
本当に強く在りたければ、弱さという毒も飲み込む度量こそが必要なのだと
幼いころから父に言い聞かされてきた
「私もまだまだ、弱いところばっかり。
焦る必要なんてどこにもないよ。自分のペースが一番大事なんじゃないかな」
そう締めくくって、微笑んだ
■陽実 凛 > 「……険しすぎて、遠回りかも知れない道。
…………。
それで生きていけるんだ。
貪欲に、手を伸ばして。」
人間を外れずに強くなる道は、孤独に。
それか、護るものを極力減らした道だと思っていた。
だから、それを言える事は、今の自分とは一種の壁があるように思えた。
「……色々、話が予定からずれちゃった気はするけれど。
ありがとう、ございました。」
聞きたかった予定の内一つは、既に答えを言って貰っていたから。
だから、これで、いい。
■伊都波 凛霞 > 「もちろん、辿りつけないかもしれないしね。
でも一人で短い道を歩くよりも、大勢で長い道を歩くほうが私は好きだから」
あくまでも持論だよー?と、付け加えて笑って
「いえいえ、ジュースまでいただいちゃって恐縮です」
そう言ってにこりと微笑みを送ったあとに、小さく頭を下げた
「あ、最後に一つだけ聞いていい?
私は否定しちゃってけど、凛ちゃんの言った『弱みにならない友達』っていうのが、
どんな友達なのか少しだけ気になるなあ」
■陽実 凛 > 「……そう。」
無表情に戻って、サイダーを飲み干して。
「ん。それは……。
いざという時、大事な人を背中から撃ってでも二人で生き延びる。
最善と解っていて殺してしまうかも知れなくても、ためらわずに巻き込んで生き延びる事が出来る友達。
大事な人を自分の犠牲で守っておいていく、と言う事の無い友達。」
少し悩んで、口にする。
これが受け入れられるかは、解らないけれど。
■伊都波 凛霞 > 黙って、最後まで言葉を聞いて 一つ 確信めいたものを感じる
先ほどの言葉も合わせて、目の前のこの少女が経験したであろうことの深さと、重さが伝わった
「…そっか、だから司ちゃんだったんだね」
出会ったばかりの高峰司は、きっとそれが出来る数少ない人間、であった
けれど今はもう、違う。高峰司は友人を得たし、他人を信頼する別の強さを手に入れた
弱さにもなる、それをあえて受け入れたのは、支えの強さを知っているからに他ならない
「フツーのお友達だったら、仲立ちできたかなって思ったんだけどな」
言って、苦笑する
そしてやっと、あの手紙の意味もわかったのだった
「私は邪魔なわけだ」
■陽実 凛 > 目を伏せて。反応を、聞く。
「……はい。」
だけど、それはきっと望んでない。
彼女は間違いなく。あの時起こった高峰さんも、もう望んでいない。
「……私自身が普通じゃない事は解ってましたから。」
普通の道を勧められていた、押し戻そうとしてくれていた事は解る。
だから。
「正確に言えば、邪魔でした。」
■伊都波 凛霞 > 「だよね」
引き続き、苦笑することしかできない
自分が高峰司と過ごしていた、穏やかな日々が目の前の少女の"仲間"を打ち砕く行為だったのだから
「邪魔"でした"。過去形、今は違う?」
真っ直ぐに少女を見据え治して
「もし、君がさっき言ったような友達に、今の司ちゃんを落とし込もうとするなら、
きっと私は司ちゃんの友達として、それは許さないと思うんだ」
優しい表情ではあるが、眼だけは真剣に、強い想いを込めて
■陽実 凛 > 「……。」
最悪、弱みになっているなら、二人からお互いの”記憶”を奪い去ってやり直すつもりでさえもいた。
苦笑に、作ったような苦笑を浮かべて。
「最低でも、今は私が邪魔だと思いますよ?」
沈黙と作ったような苦笑で迎えて。
「……すぐに私自身が変わる事まではできません。
けど、それで強さを保てているうちは、少なくともそう落とし込もうとする事はしません。
……私をどうしますか?」
両手を挙げて、目を見開く。
■伊都波 凛霞 > その言葉を否定はできない
そんなことないよ、と口にしたところでその想いを払拭できる気もしなかった
「変わるつもりがあるなら、さっきも言ったようにせっかくの縁。協力はするけれど」
こればかりは本人が望まなければならないこと
だからそれ以上を言うことはせずに
「どうするって言われても、どうもしないよ?
司ちゃんが変われた…とはまだ言いづらいけど、私に対しては変われたように…。
凛ちゃんだって、他の道を自分で見つけるかもしれない。…すっかり長居しちゃったね」
ジュースごちそうさまでした、と言いながら、クッションから立ち上がる
■陽実 凛 > 「……。」
曖昧な笑顔を作って浮かべる。
変わる気も変わらない気もどちらもあるような、笑顔。
「……他の道……ん、長いお話、お付き合いしてもらってありがとうございました。
……今抱えてる事がややこしい事、だとは聞いたから。
今のような私でも借りたい手なら、連絡して。
いらなさそうなら」
その先は言わずに、座って見送る姿勢。
■伊都波 凛霞 > 「あ、じゃあ連絡先交換しよう!!はい!携帯持ってるよね?」
連絡して、と言われればぱぁと顔を明るくして、ポケットからスマホを取り出した
そういえば司ちゃんと最初に連絡先を交換した時もこういうテンションの差があったきがする、
なんだか懐かしげに思いつつも
■陽実 凛 > 「携帯……ほぼ使ってなかった。」
何せ、携帯で連絡する相手がほぼいない。
小さな携帯を取り出して。
連絡先を交換する。
最初の連絡先に携帯の機能では本来表示される筈のないバグった文字が書かれているが、それが見られたかどうかは、解らない。
■伊都波 凛霞 > 「ん、ありがと!」
連絡先の交換が終わり、満足気に微笑み凛霞
相手の携帯を覗くような趣味もなく、細かいことには気づかない
靴を履いて、トントンと爪先で床を叩いて
「それじゃあまた。
もうしばらくは女子寮にいるから、良かったらまたお話しよ。それじゃね」
笑顔でひらひらと手を振って、彼女は部屋を後にした
───その後しょっちゅう凛の携帯に遊びへの誘いが着信することになるのだが、それはまた別の話
ご案内:「部屋」から伊都波 凛霞さんが去りました。
■陽実 凛 > 「…………おせっかい。」
見送った後。一人になった部屋で呟いた。
「なんでかなー。
これ、報告……。」
はぁ、と溜息をついて。
とりあえず扉に鍵をかけに行った。
起きた事を整理するのはこれからの話。
遊びへのお誘いに四苦八苦したり、ある山奥の小屋でとある召喚術師を候補からはずした連絡をしたのは、もっと後のお話。
ご案内:「部屋」から陽実 凛さんが去りました。