2016/07/18 のログ
ご案内:「ロビー」に詩春さんが現れました。
ご案内:「ロビー」に白井 命さんが現れました。
白井 命 > 「………はんっ。」

夜間のロビーの出来事。
各々生徒たちが和気藹々と、今日の授業について、帰りに寄ったお店、
嫌いな教師への悪口や、浮いた話に花を咲かせている、

そんな中に、全身白づくめの、目付きの悪い少女がやってくる。
少女と言うにしては異質なところが多々あれ、ここでは便宜上少女とする。
見る者が見ればガンを飛ばしているかのような挙動で。
それと同時に、ある生徒は無言で頷き合ってから一階ロビーから出て行き、
ある生徒は物凄く俯き、またある生徒はそちらと目が合わないように携帯端末を弄り始めて息をひそめる。
それは、嵐が来たから避けるとでも言うかのような淡泊な出来事で。
夜間の楽しい話に咲かせた花が散るのは、そう長くないことだった。

目を三角に、気に入らんとばかり散っていった彼女等を睨むが、目が合う事もない。
心の中に不満が積もる中、
ロビーに置かれた学内のお知らせがかかれたボードを眺めに行った。

察しの通り彼女には学内のお知らせを携帯電話に送ってくれるような友達なんていない。
こんな彼女でも一応は学園の生徒として、一応は学内のお知らせには目を通すのである。
当然の如く、先程までお知らせを眺めていた生徒も風に吹かれた花びらのように慌てて散っていく。

詩春 > 望月詩春には友達が居ない。
………いや、人付き合いが苦手で壁を作る性格ではあるのだけれど、それが理由ではなく。

訳あって故あってこの世界に入り込んできたばっかりの彼女。
右も知らぬ左も知らぬ土地で生きていけるはずはなく。
泣く泣くさまよっていたところ、道端で出会ったやけに自分を卑下する少女に連れてこられた。
そんなこんなで、この学園に足を踏み入れた訳なのだが…。

「…どこでしょう。ここ。」

迷っていた。
それはもう迷っていた。
初めて踏み入れた土地なので仕方ないとはいえるけど。
この学園で過ごす以上、自分の住居がどんなところなのかを知るというのは当然の行動といえよう。

「あの…すいません。常世寮の…えっと、地図って何処でしょうかね?」

故に、聞く。
いくら人と距離をとる彼女でも、人に道を尋ねる事は出来る。
ただ詩春にとって不運だったのは、近くに居た「彼女」に話しかけたこと。
後ろを振り向けば「あーあ…」と言わんばかりの物憂いをする表情をしたような似たような顔が並んでいる。

白井 命 > 「…ああん?なんです?テメー。」

一瞥。
ギラリとつり上がった赤紫色の瞳は決して友好的なものではないし、初対面の人に向けるようなものではなかった。
しかし、問題はその後で、彼女を一瞥したきりお知らせボードを眺めてろくに彼女に目を向けようともしない。
こうして彼女が後ろを振り返れば何で皆あんな感じなのか後悔の念と共にひしひしと痛感するだろう。
見たところこれまたイロモノっぽい異界の…否、こいつは異界で出て来やがったのかもわからん。
ただ、迷い人らしく挙動不審なのは命にも分かった。
静まり返ってしまった生徒達が一瞬だけざわめきを取り戻しては、「やっちゃったよあの子」とばかり哀悼の視線を送れば、
彼女がその腫物の目を引いていてくれるうちに、残ってた生徒も大嵐に吹き飛ばされていったように去っていく。

「テメーはここが何処かも知らずに来たってのか?字ぃくらい読みやがれ…です。
まさか文盲ですか?テメーは。」

これでも、一応丸くなった方なのだ。本人にとっては。
不幸中の幸いとして、彼女の言葉は命の逆鱗に触れなかった。
なんでみんな避けてんの?とか、そんな事を言った暁には手が出たかもしれない。
言葉と共に窓辺の外の常世の女子寮だと書かれた看板にクイと顎を向けてやる。

「ハア?知るかんなもん。」

淡泊だった。
されども彼女を救ってくれるかもしれなかった他の生徒はもういない。皆逃げてしまった。
非常に険悪で気まずい雰囲気を、少なくとも命は放っているが、そのくせ本人はそれにお構いなしである。
もうちょっと言い方とかあるのだろうが、命にとってはこれがフォーマルである。

詩春 > 「あ、は、はい…すいません?」

え、え、えぇ…。
すっごい…棘棘してる…。
幸い、考えてる事があまり表情に出ないタイプだ。
その怪訝な顔は微塵にも浮かんでいない。

とはいえ、彼女の言う事にも一理ある。
部屋の番号もきちんと覚えているし、そこまでの道順は丁寧にロビーの一角に地図として示されている。

ただ、それは当然この女子寮の中での話。
一生をここで過ごすわけでもない。
増してや意外に行動力のある詩春。休日くらい外に出て遊びたい。
ではやはり、この島全体の地図を手に入れる必要があるだろう。

転移してきた遺跡群からこの学生居住区までの道すがら、連れてきてくれた少女にこの世界の事は一通り聞いた。

『こ、この島で何かあれば、はい。学園に行くのが一番の近道だと思います。』
『あ…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!私みたいな生きる価値の無いようなゴミクズが偉そうに人に上から目線で教えるなんて神に逆らうも同然の愚かな所業で』

…この辺で回想は切り上げるけれど。
その少女に学園まで連れてってもらえば、という発想は今思い至った。
あの時の私は連れて着てくれた少女をそのまま暢気に見送っていた。

よって、誰かに案内を頼む必要がある。

「……………。あの。」
のだけれど。
彼女の纏う剣呑な雰囲気が、どうしてもそれを歯止めをかけさせようとする。
…とはいえ、ここでオロオロビクビクしている理由はあるまい。連れて着てくれた少女じゃあるまいし。

こうこうこうなんですよー、と矢継ぎ早に説明して。
次に学園に行きたいという旨を彼女に伝えた。
………。向けられる視線を想像して怯えるのは、あの子でなくてもそうだろうか。

白井 命 > 「うるせえ!」

うるせえ!
文字にしてしまえば乱暴なものであるが、その声だけを聴いたなら恐らくそこまで怖くないだろう。
しかしながらそれを言っている真っ白な少女のつり上がって三角になった如何にも不機嫌そうな表情を見て同じことが言える人はどれほどいよう。
傲慢勝手で自分中心の彼女にとって、ぽっと出てきた赤の他人のことなど知った事ではない。
彼女が会った少女とは奇しくも対極に位置する極度に傲慢な性質であると言えるのかもしれない。

「チッ…」

テメーの事なんざ聞いてねぇんだけど。
そんな風をありありと横顔に浮かべながら、鬱陶しそうな様を隠しもせず…それでも最後まで話を聞いていたのは、
珍しいことなのかもしれない。
一通りボードを見た後、何かしら教師への悪口を二言ほど述べれば、ロビークルリと背を向けて。

「はん、畏まりやがんのは結構ですが、質問には答えやがれ………です。
なんなんです?テメーは。私に案内しろってのかぁ……?」

言外に「そんな面倒な事させるな」とか「何様のつもりだ」なんて言わんばかりの高圧的な態度。
だが不運な事にそれ以外ないのが彼女の辛い所なのだろう。
ここに人がいないのも険悪な雰囲気も、元を辿れば全部命のせいなのだが。

詩春 > 「ひぇっ」

そんな情けない悲鳴を上げるのも、まあ仕方ないといえる。
豪胆であれど感性は真っ当な少女である詩春。
睨み付けられ怒鳴られ舌打ちされれば、そりゃあビビる。

「…というわけなんです。」
やった。言い切れた。って喜んでる余裕は無い。
忌々しげな顔を浮かべる割には知るかもうって踵を返さない辺りは、存外優しい人なのかもしれない。

「…むぅ。お願いします…。貴女しか頼る人居ないんですよ。」
蜘蛛の子散らすように周りの人居なくなっちゃった的な意味で。
ここで連れてって貰えなければ、私は一生を女子寮で過ごさなくてはいけなくなる。
私にそんな気はない。好きな人もちゃんと男だし。
兎に角、ここで置いていかれるわけには行かない。

…しがみつけば怒りそうなので、ごめんなさいといいながら頭を下げるしかないのだけれど。

白井 命 > 「はあ…うるせえなあクソアマ…ちょっとだまりやがれです。」

一昔前なら殴りかかってたろうが、この辺は抑え込む。
どうしてやろうか。
考えてやる必要なんてない筈なんだが。
こんなヤツ相手にしてやる道理なんてないんだが。

たった今、学園の職員室に用事が出来た。
癪だが、まぁいいか。
うるさいし。
ほってったら飛びついてきそうだし。

「面倒くせぇ、話は終わりだ。名前も知らんテメーの事情なんて知らねぇんですよ、こっちゃあ。
ドアホ。そのしみったれた顔殴んぞ、です。」

やけにボリュームのあるカーテンみたいな白銀色の長い髪の毛を翻せば、女子寮の出口へと歩いていく。
悪態をつくのにも一切の遠慮がない。
ですって付ければ良いってもんじゃないのは今更であろう。
ただやっぱり手はあげない。
こうも弱弱しい反応するやるはやけに虐めてやりたいが…
罵詈雑言と睨みを送ってやるに留めた。

「はんっ………教室棟の入り口までなら。後はしらん。先公にでも聞きやがれ、です。」

頭を下げるその様も見ず、
或いは彼女が命についてくるかどうかの確認もせず。
それだけ言ってロビーから出口へと向かった。

ご案内:「ロビー」から詩春さんが去りました。
ご案内:「ロビー」から白井 命さんが去りました。
ご案内:「部屋」に陽実 凛さんが現れました。
陽実 凛 > 昨日の事の調査をされる前に先に学園の方に異能の別の条件がありそうだと報告だけして調査中扱いにして時間稼ぎしてました。

そんな事をしていたら事情も聞かれて応対したりしているうちに時間が経って晩御飯が食べられてません。
こういう時こそ出前を頼めば良いと気付きました。
そこで携帯を弄ってメールで蕎麦の出前を頼んで、残りの調査結果レポートをテーブルに向かって纏めていました。

ご案内:「部屋」に蕎麦屋さんが現れました。
蕎麦屋 > ほどなくして。
がらり。
さも当然と言わんばかりに窓から配達する蕎麦屋の姿がそこに。

「毎度―、蕎麦の出前でーす。」

片手におかもち持ったまま登ってきたようです。

陽実 凛 > 「あっ。」

しまった外から窓が開けられてました。
窓枠の角を埋めておいた粘土の様な物がひしゃげて落ちて。

「うん、ちょっと手が離しにくいから上がってくれると。」

言ってなかったから仕方ないか、と諦めて手招き。
真っ白な部屋の中央のテーブルを示します。
書きかけのレポートに向かいなおしました。

蕎麦屋 > 「――あら?
 もしかして私、何か壊しました?」

とは言いつつ、おかもちだけ室内に。

「出前ですので、出前したら帰りますけれど。
 はい、それとも何かついでに御用でもあります?」

上がれ、というのはいったん固辞。
いやなんせ土足だし。見つかるとまた蛇のに文句たらたら言われますし。

陽実 凛 > 「ちょっとした備えが落ちただけ。」

小さく頷いて、レポートを仕上げていく。
岡持ちを受け取ろうと手を伸ばして。届かない。
レポートを封筒に入れてから立ち上がって。

「……他に用事がなければ。
ちょっとお話と聞きたい事がある。
窓から入ると、また何かありそうだから。」

女子寮入り口から、とジェスチャー。

蕎麦屋 > 「はぁ、聞きたいこと。
 私でお話しできる事でしたら何でもどうぞ?」

仕方ないのでおかもちだけ先に部屋の中へ。
片手で器用に壁にしがみついたまま、あっさりと靴を脱いで。

「では、お邪魔します、と。
 ――あ、表はまだ駄目ですね。」

普通には入れるなら入りますけどアレはちょっと厳しいですねー。などと。
女子寮はセキュリティ固すぎでした。
そういうわけで、くるりと窓からお邪魔します。

陽実 凛 > 「ん。」
おかもちだけキャッチしてテーブルにおいて。
後お代をお財布取り出して払っておいて。

「表まだなんだ。
聞きたい事にも繋がるけど問題は終わってない?」

まぁその辺はオフレコにしておいて、冷蔵庫の方に向かってピンク色の泡の立ってる飲み物を2つのコップに入れて。

蕎麦屋 > 「はい。」

おかもちのかけ蕎麦はあれだけふざけた配達してるのに汁の一滴も零れていない。
そのまま窓の蕎麦で正座。190cm超える人間がちょこんと正座しているのはなかなか見慣れぬ光景かもしれない。

「さぁ、連絡寄越しませんし知りませんよ?
 よろしくやってるのではないですかね、多分ですけど。」

そろそろ妹も退院しているだろうし、動きもあるはずだが。
連絡もなし、そうならこちらに情報を寄越す気がないか、必要なくなったか。

「――人の飲み物です?それ。」

どうみてもなんかの実験の副産物なんですけど。

陽実 凛 > 座高的に見下ろされてる感じになりそうですけどその辺は気にしません。
あと汁零れてないどころか多分出来たてと予想。

「……そっちも放置状態って一体。
よろしくやってるの意味について。
深刻そうな雰囲気とかは。」

眉間に指。
とりあえずどうぞとコップを置いて。

「私が飲んでる以上、人の飲み物でいいはず。」

ピーチサイダーか肉の臭みと野菜の苦味等色々ミックスした栄養ドリンクの二択です。
一口先に飲んでみて。
一回頷きました。

蕎麦屋 > きっと作って五分も経ってない。蕎麦の出前は神速を尊びます。

「さぁ?
 最近は顔も合わせてませんからね?
 この辺に住んでるはずですし、調べた方がきっと早いと思います。」

      カチコ
あ、ついでに殴り込むのもありですか、などと。
冗談です。

「はぁ――では頂戴いたしますけど。
 お話はそれだけですか?最近の話は本人か周辺に聞くのが良いかと。」

泡立つピンク色の液体って結構キワモノだと思います。
受け取ったコップをながめつすがめつ。世の中は広い、未知の飲み物である。

陽実 凛 > あつあつ、どんぶり取り出してお箸用意して。

「……大問題っぽいややこしい感じだからこそ原因がわからないと調べる取っ掛かりの問題が。
後仲直りとか以前にとりつくしまもない」

カチコミでやれるならと乗りかけて、引っ込みました。

「そもそもの問題の根源がわかればと言うのが一つ。
後、前に言われた友達と思えば友達ってまた別の人にも言われたんだけれど。
演習施設で殴りあったらと言うのとか。
満足行ってそうな終わり方でもなかったりして。
何をしたら友達だと思う?って問いが生まれた。
この問いは、どう思う?」

ぶつ切りの問いかけをして。
もう一杯。一応桃の香りがするようです。

蕎麦屋 > 「あ、蕎麦は冷めないうちにどうぞ。
 ――流石にこれとは合いそうにないですけど。」

一口。
あ、見た目以外はマトモだった。

「根源が何処か、というとどこなのですかねぇ?
 いやもう個人的には馬鹿な人間が居ました。みたいな話が大体根源になると思うのですけれど。」

 ――それはともかく。

「二つか三つの流れ纏めた結果なので、どの結果の根源かにもよりますね。

 で、ああ、友達。友達だと思えば友達だと思いますが。
 そもそも、遠慮や疑問なんて感情の動き見せてる人間が感情在りませんとか方腹捩れるレベルの笑えないジョークだと思うのですよ。
 いや、個人的な感想ですけれどね?」

友達とはどういう状態か、とか、それこそ何かを聞かれる以上に決まった答えのないもので。
ならば、少々捻れた答えになるのは仕方がなし。