2016/10/17 のログ
ルベール > 「………えーっと、なんだっけ。ルールあるんだったよな。
 誰かと来ればよかったかなー。」

 ったくー、と不満げに漏らしながらメモを眺める。
 入浴の作法も自分の世界とは全くの別物だ。
 もともと作法とは無縁の野生の獣のような部隊所属ではあったけれど、
 かといってこの学園の生徒になったからには、無茶はできない。

「まず髪の毛を洗うのな。
 んで、身体を流してから湯に浸かる………なるほど。」

 よし、と確認終了して浴室に入るが、……おや、と声が出る。
 誰もいない。こういう水を使い続けることが、この世界では常識なのだろうか。

ご案内:「大浴場」に糸車 歩さんが現れました。
糸車 歩 > 洗面具とタオルを持って、黒髪の女性があらわれる。
自室にユニットバスあるじゃないかって?
たまには大きな風呂に入りたくもなる。種族がヒトでなくとも、生い年月の間に風呂好き民族に染まりつつある蜘蛛女が、そこにいた。
制服を脱いできれいに畳み、タオルを巻いて、さて、と進む。

「……あら」

ふと、棚を見れば、洗濯籠から見える衣服。どうやら先客がいるようで。
しかしこう、なんというか。なんだろう。
よほど急いでいたのか、それとも面倒なのか、無造作に突っ込まれた私服。

(ああっ……気になる、畳みたい、他人の服だってわかってはいるのだけれど)

しかし勝手に漁れば盗人と間違えられそうな気もしたので、ぐぬぬと下唇をかみ、口惜しそうに洗面場を後にした。
そしてやってくる、大浴場。解放感があって、実に好い。

んー、とニコニコ顔で伸びをして、洗面器を手に取り、洗い場へ向かった。

ルベール > 「もーえろ、もえろもーえろー。
 つーぶせ、つぶせつーぶせー。」

 鼻歌混じりに歌いながら、わっしゃわっしゃと髪を洗う。
 限度を知らぬ彼女は、大雑把なシャンプーの使い方をして、周辺を泡だらけにしつつ。
 歌は最近やっているアニメのテーマだ。
 格闘アニメの必殺技を再現しようとして一人バックドロップをしたが、私は元気です。

「……んー……?」
 泡だらけのまま、シャワーに手をかけてふい、と振り向く。
 ヒトの気配を感じて、眼をパチパチと。
 やってきた人が目に入れば、悪い悪い、と手を立て、唇に人差し指を当てる。

 静かにしろとも書いてあったわそういえば。

糸車 歩 > 何やら物騒な歌詞が聞こえてくる。最近はやりの歌だろうか。すっかり流行を追うのもしんどくなってしまった。

「あ、隣失礼するね。ん、なんでこんなにシャボン玉が……ひゃあっ!?」

ゴキゲンで頭を洗っている後ろ姿に声をかけ、隣へ向かう。
泡立ちすぎてその辺を浮かんでいるシャボン玉に気をとられたところで、つるーんと盛大に滑った。
一人バックドロップは首がイッてしまいますのでよい子はやめませう。

「ちょ、ちょっと。
それよりなんでここ、こんなに泡だらけなの」

ややブリッジに近いのけぞり気味に辛うじて踏みとどまったものの、やはり滑る滑る。
蜘蛛のバランス感覚を使い、手指足指を僅かな凹凸にひっかけて安定を試みた。あんまりいい姿勢とは言えない。
そのままサカサカと奇妙な足取りで椅子に座ると、股を閉じて一息ついた。正直にいって騒がしいとか、それどころではなかった。
おかしい、疲れを取りに来ただけなのに余計に疲れたような……?

ルベール > 「ん、ぁあ。………いやこれ初めて使うもんで、加減が分かんなくてさ。
 これは思ったより泡立つんだな。」

 あっさりと自首しながら、つるりと滑った相手におおっ!? と思わず声が出てしまい。
 仰け反りながらタイルにしがみついて完全に倒れることを防ぐという見事なテクニックに感心したように声が漏れる。

「いやー、申し訳ないね。
 こういう風呂初めてでさ。やっぱり使い過ぎかな。」

 長身の女は底抜けに明るい笑顔で、てへ、と笑ってごまかそうとする。
 わりーわりー、と軽い声で謝りながら、シャワーを自分にかけて泡を流す。
 艶やかな金色は、洗い終わればその輝きを増して。

糸車 歩 > 「そりゃもう、最近のはすごいからねー。
ちょっと出しただけで、クリームみたいに泡立つ。
お肌には優しいから、助かるのだけど」

でも、メーカーによってはそんなに泡立たなかったりするから、やっぱ一度はやってしまうものだとは考える。
それでも、……それでもこの量はさすがに、と思うけど。
蛇口の下に手を伸ばして温度を調整し、髪を濡らしていく。

「そーね、少なくとも、辺り一杯になるよりは両手に収まるか、少しはみ出る程度の泡でいいんじゃないかな。
しっかし、プラチナブロンドに近いような。綺麗な髪だよねー。
もしかして、異邦人のヒト?」

お風呂自体は初めてではなさそうだ。やはり環境ややり方が違ったのだろうか。
髪質、高身長から思い起こすのは北欧系だが……瞳を見る限りはそうでもないような気もする。
とすると、あとは出身世界が違ったか。
シャンプーの泡を髪になじませ、細い指で部分的な範囲ずつ洗っていく。

ルベール > 「なるほどねぇ。………いろいろあるってことを学んだ。
 あと、面白いから連打して出しちゃいけないってことも学んだわ。」

 肌に優しいってなんじゃろ、と思いながらも、とりあえずふんふん、とシャンプー講座を聞き入って、なるほど、と唸る。
 綺麗な髪、と褒められれば、へへぇ、と嬉しそうに笑って胸を張る。

「いーでしょ。そうそう、異邦人って奴。
 めっちゃ戦争中だったんだけど、おかげで随分平和を満喫させてもらってるさ。
 私、ルベールって言うんだ。1年だから後輩? 同級生?
 とりあえずよろしくってことで。

 ……髪はまあ、……手入れってのはあんましてないんだけど。
 自慢っちゃ自慢かな?」

 舌を見せながらウィンク一つ。
 明るく軽い挨拶を済ませつつ、どやぁ、と嬉しそうににやけながらふふん、と胸を張る。大きな胸が揺れて。

「……んで、身体洗ったらお風呂入っていいんだよね。」

 そのまま石鹸を手に、おらおらおら、と泡立て始める。気合一発。またもこもこと泡が生まれ始めて。

糸車 歩 > 「へー、もともと戦ってた人かぁ。それは大変だったねえ。

……そう、ルベールね、私はあるく。糸車 歩。
3年生だけど、年次はそこまで重要じゃないと思う。
だから、タメでいいよ。よろしくね」

なんてこと、天然ものですってよ奥さん。
こんな見事な金髪はなかなかお目にかかれないものだが、自前とは。

「私は東洋系だから、そういう髪色は時々うらやましく感じちゃうな。
しかも手入れなしの自前。それでいて長身美女でしょー、いいなー、いいなぁ」

歩は羨望のまなざしを向ける。
さぞかしモテるだろう。彼女の性格について詳しくはないのでその評価しかなかった。
頭一つ分抜け……とまではいかないが、それでも圧倒的な格差を感じた。
すくなくとも、外見の面では。

「そうね。泡だらけのままざっぷーんと飛び込まない限りは、それであってるはずよ」

まるでモコモコの羊のような盛大な泡を横目で見ると、そう答えた。
こちらは頭皮をぐりぐりと指で押すように洗い、お湯をかけて丁寧に流す。

ルベール > 「おっけーアルちゃん。ルビーでいいからね。」

 即座に砕けた会話にしていく天然娘。
 3年だろうが1年だろうが、相手がいいって言ってるならいいんだ。
 珍しく思い切り褒められ、てへへー、と照れまくりながらどや顔継続中。

「ま、こういうのは生まれとかもあるからさ。
 自分で自分のが気に入ってるから、恵まれてるとは思う、けど。

 ………へ、へへへー、で、でっしょー? いやー、恥ずかしいなー。
 お世辞言っても何にも出ないよー?
 
 でもさ、あるちゃんみたいな黒髪も可愛いっていうか、綺麗だよね。
 私にゃあ、淑やかって言葉がミリ単位で無いらしいから、そういうのは憧れるんだよねぇ。」

 美女とまで言われると、デレデレになって頬を押さえてしまう。
 性格的には杜撰で大雑把。荒くれものなのだからなかなか相手もいないのだけれど。
 
「それは流石にしないしない。昔元の世界でそれやってさ、掃除が大変だってめちゃくちゃ怒られたから。」

 あはは、と笑ってお湯で身体をざばりと流せば、艶々になった肌に満足げ。

糸車 歩 > 「あ、アルちゃん……?!
じゃ、じゃあこっちもルビーって呼ぶね……」

さらにフランクになりおった…!!
予想以上の返事に、反応がやや遅れた。
でも、そっちの方がよびやすそうだし、それでいいかと考えてしまう。

「さらに性格も気さくで話しかけやすい。
これは嫉妬の対象だよ」

別にお世辞を言っているわけではない。そうでなければ、「嫉妬」などと口にはしないだろう。

「う、まあ、そうかな。そうでもないよ。
一応、手入れはそれなりにしたり、紫外線になるべく当たらないようにしてるけど。
あと、お淑やかかどうかに黒髪は関係なくない…?東洋系ロングストレートだってやんちゃしてる子はいるし、
金髪だって、テラスでティータイムでもしておけば、男子勢は勝手に思い込むでしょうよ」

最近はあまり髪を褒められたことはないので、焦ってよくわからない答えになってしまう。
しかし、努力して維持してる黒髪と、天然プラチナブロンド。
手間の差を考えれば後者だろうが、第三者がぱっと見だけで評価すれば、どちらも魅力的に見えるのだろうか。

「なーんだ、経験者か。
そうなのよ、かけ流しだったらリカバリー効くのだけど。
普通の大浴場でやっちゃったら」

てか、やったのね……。流石というか、何というか。
石鹼を泡だて、細かい泡で体全体を洗っていく。

ルベール > 「性格が明るいのは美徳美徳。
 難しい顔してても面白くないってもんよ。
 話しかけやすいって言ってもらえるならありがたいね。無礼にもなるからさ。」
 
 にひひ、と笑顔を向けて。
 自分が無礼であることを自覚しつつ直さない。
 
「そう? ……んー、なんだろ、イメージかな?
 艶やかっていうか落ち着いた感じっていうか。
 
 テラスでティータイム、ね。
 地下でストリートファイトはしたけどさ。」
 
 またもやにひ、と舌を出して笑う女。
 こちらは小難しいことは相変わらず考えることもなく。
 きれーだと思うよー? なんて手を伸ばしてぺたぺた触れてしまう。無遠慮。
 
「普通の大浴場でやったやった。
 そのまま掃除当番までやらされて大変だったよ。
 
 んじゃあ、先に入ってるね。………だいじょぶだいじょぶ、流石にしないって。」
 
 立ち上がって片目でウィンク。お先にぃー、なんて手を振りながら。
 
 どぼーん、っという音が響き渡るのだろう。

ご案内:「大浴場」からルベールさんが去りました。
糸車 歩 > 「ま、一理あるけど。
そっか、気安く話しかけるなって人も、たまにいるもんねー。その辺は見極めないと、難しいかぁ」

あでやかさ、あるいは落ち着き。
黒色自体に落ち着いた印象があるから、黒髪が落ち着くっていうも、あながち間違いではないのかもしれない。

「地下で、ストリートファイト…??」

あの、ちょっと何言ってるかわかりませんが…もしや、この子もやんちゃ組であったか。
というか、よく痛まないなって思ったりもする。
ペタペタと触れれば、枝毛が引っかかることもなく、しっとりとした洗いたての髪の毛に手が沈み込むのが判るだろうか。
特に嫌な感じはなし。警戒もする必要はなさそうだ。
シャワーを右手で掴み、体の泡をきれいさっぱり洗い流す。ルビーが片目をつぶり、いそいそと遠ざかってゆく。
が、しばらくすると大きな音が浴場全体に響き渡った。

「あっちゃー……」

ああ、これは盛大にダイヴした音だ。歩はため息をつくと、蛇口と洗面器、椅子をササッと洗って、
髪をまとめてタオルで留め、立ち上る湯気の中へ入っていった。

ご案内:「大浴場」から糸車 歩さんが去りました。