2017/01/08 のログ
ご案内:「食堂」に谷蜂檻葉さんが現れました。
ご案内:「食堂」にライラさんが現れました。
ライラ > 食堂の一角に優雅に腰掛けているのは吸血鬼。
すっかり日も落ちた時間帯なので重役出勤である。
まぁ、普通の食べ物はあまり食べないのだが。

腰掛けて、何やら読書の最中である。
手慰み程度なのか、やたらと高そうなカップにお茶が注がれている。
減っている様子はないし、すでに冷め切っているのだが。

谷蜂檻葉 > この時間にもなると、食堂で何かをする人は大半部屋に戻っている。
女子寮内で歩くとしたら、誰ぞの部屋に遊びに行くような寮生か、大浴場へ向かうもの。

それか若しくは―――

「―――部屋で読まないんですか?」

ガサリ、とライラの前にビニールの潰れる音がした。
視線をあげれば、買い出しに出ていたらしく気温差に少し頬を火照らせた、
わざわざ私室からでて読書をする貴女を不思議そうに見つめる妖精の少女が居た。

目で了承を取れば、ガラと椅子を引いて正面に腰掛け、ビニール袋をガサガサと漁りだす。

ライラ > 「何処で読もうと、本の中身は変わらぬからのぅ」

そう返事をしながら、栞を挟んで本を閉じる。
栞はとても薄い金属性のもので薔薇と蝙蝠をモチーフにした装飾が切り絵のように施されている。

「 こんびに とやらからの帰りかえ?
 日もとうに沈んでおるのに、勤勉な店よな」

そのまま本を机の片隅に置く。
どうやら洋書らしく日本語では書かれていない。

「なんと言うたか……確か、夜食じゃったか?
 わらわも今宵は食事がまだではあるがな。
 血を吸うのも難儀するわ」

谷蜂檻葉 > 「まぁ、雇用の捻出としては良いんじゃないかしら。
 それに『人』に拘る必要もないし。 売り手も、買い手もね。」

袋を漁りながら、言葉を返す。
日中にやっていない店だってあるのだ。

そうなると24時間営業というのも利点が薄れるものだがそこはそれ。
「コンビニ好き」というのはどこにでも居るもので、しっかりと営業できているそうな。

「流石に三食で満足できないような食生活はしてないですー。
 ……ああ、いや別に大して差はない……かな? ともあれ、じゃーん♪ セールのアイス、なんと30%OFF。」

取り出したるは、お高いのに小さい例のアレ。 小市民の贅沢、ハーゲンなダッツである。

「結構まとめ買いしちゃったけど、食べます? 血の味なんてないけど……チョコとか。」

鉄分ってチョコでいいんでしたっけ。と、ついつい貰ってしまった木べらのミニスプーンと一緒に差し出した。
自分はストロベリーである。

ライラ > 「わらわの知っておる時代は、夜は寝静まるものじゃったからのぅ。
 一部の酒場や娼館は騒いでおったらしいが」

年季の入った引きこもり。
しかも元領土持ちではあったので、その辺は伝聞である部分も多い。

「アイス……そういえば、以前に汀が食しておったな。
 冷たいものがすぐに食せるなぞ、王や貴族くらいなものであったが。
 ……オレンジ味はあるのかえ?」

木べらのミニスプーンを受け取って眺めつつ、どうせ食べるなら食べたい味がないか聞いてみる。
柑橘類が好みなのだ。

谷蜂檻葉 > 「歓楽街周りはそんな感じですね。 夜が静かと言えば学生地区全般そんな感じですけど。」

図書館の帰り、結構怖いんですよ?
と、ヘラヘラ笑って木べらを雪原に突き刺した。

折れた。

「うわ、最悪。 貰うだけ貰っといてよかった……。

 ……それで、オレンジですか?
 んー……無…… あ、レモンタルトっていうのありますけど。
 後はシナモンアップルとラズベリーですかねぇ、それっぽいのは……。」

どうします?とレモンタルトに手をかけて問い返す。

ライラ > 「そんなに怖いなら、使いかアミュレットでも寄越すかえ?
 幽霊などの類であるなら寄り付きもせぬようになるぞ」

比較的、力を保っている吸血鬼由来の品なのだから当然である。
魔、そのものなので弱い連中は寄り付かない。
それはそれとして、木べらが折れた様子をマジマジと見て。

「魔術で強化するべきかもしれぬな。貴金属以外はあまりやらぬが。
 ……では、レモンタルトを貰えるとうれしいのぅ」

ちょっと嬉しそうにそんな返事が。

谷蜂檻葉 > 「なんとなく、『暗闇がそうである』ってだけですよ。

 何かが居るとか居ないとかじゃない、今まで積み上げてきた【暗闇】さんの地位が、
 光に追いやられて廃れに廃れた【暗闇】が、今大復活に乗じて旗を振ってるだけですとも。

 ……はい、それじゃあ此方を。」

楽しげに笑って、チョコレート味を回収してレモンタルトを差し出した。

「本当はお風呂上がりに食べたかったんですけど、まあ買った帰りに食べるのも美味しいんですよね。」

それに、その為に買い溜めをしたのだ。
今度は折れないように、少しばかり溶けるのを待つように木べらでくるくると表面を撫でる。

ライラ > 「さりとて、今更【光】が衰退するわけでなし……といったところかのぅ。
 まぁそれも時代というものかもしれぬな。」

少々、憂鬱気味なため息が漏れただろうか。
そういう時は甘いものに限る、と気持ちを切り替えて受け取ったアイスを食べる……前に。
何か呟きと同時に、木べらに軽く模様を刻んでいく。
爪が長いって便利ね。
薄く模様が光れば、アイスにさくっと突き刺さり口に運んだ。

「……しかし、食文化に関しては 昔に戻っては欲しくないものじゃな」

実においしそうに口元がほころんでいる。

谷蜂檻葉 > 「進んだ針は戻ること無く。
 地に満ち満ちた人の手によって調律された世界は今日も明日も事も無し、と。」

事があっても、『どうにでもなる』のがこの世界ということなのだろう。
隣の芝は青いけれど、一件飛ばしに焼け野原があったりするような日常で磨かれた逞しい人々は、
世界の危機を泥臭く生き延びて今日を迎えたのだ。

「酒坏でもないけど、『練り上げられた食文化に乾杯』……ってね。”カップ”アイスだけに。」

よいしょ、と欲張るように差し込んだスプーンは今度は根元で折れた。

ライラ > 「進んだ針は戻らぬが、針を進められぬ者もおる。
 もしくは進み方が非常に緩慢じゃったりな。
 しかし、世界はただあるだけよ。観測者がおらんでもな」

さて、この言葉は誰をさしたものか。
乾杯と言われれば、「Prosit!」と、流暢なドイツ語で返してきました。

「……まだ使っておらんから、このティースプーン使うかえ?」

さすがに不憫に思ったようで。

谷蜂檻葉 > 「……借ります。」

甘い甘いアイスの味は、心持ちほろ苦かった。

ご案内:「食堂」から谷蜂檻葉さんが去りました。
ご案内:「食堂」からライラさんが去りました。