2015/06/30 のログ
ご案内:「浜辺」にさんが現れました。
> 「っしゃぁっ!」

ずどんっ、と。

浜辺の静けさをぶち破りながら
重い音を立てて砂浜に着地する人影がひとつ。

そのまま、砂まみれになるのもかまわず砂浜に横になる。

> 「うぇー……やっぱきっついなぁ……」

飛んできたのか、落ちてきたのか。
傍目に見るとそれは分からないのだが。

とにかく、落ちてきた少女は疲れて見えた。
呼吸を整えると、体のバネだけで起き上がる。

> 立ち上がると、潮風をいっぱいに吸い込んで水平線を眺める。

「海か……やばいなぁ、広いわ……」

口ぶりから察するに、あまり海を見たことがないらしい。
内陸か、あるいはそういったもののない異世界の出身だろう。

制服を着ているわけではないが、その容姿は学生らしい。
靴と靴下を脱ぐと、恐る恐る波に足を浸した。

> 冷たい。

もうそろそろ海開きとはいえ、まだ夜中である。
一瞬足を引きそうになったが、思いとどまって少し待つ。

だんだん海水の冷たさに足が慣れてきた。
少しずつ、海の中に足を踏み入れる。
デニムが濡れてしまっているが、あんまり気にしない。

> ひざ辺りまで水に浸かったところで、波にさらわれそうになる。
これ以上進むのは危険だろう。第一、泳げない。

砂浜まで引き返し、海の見える位置で座る。

なんということはない。テスト勉強に疲れて気分転換をしにきただけなのだから。

正直なところ、今回のテストで失敗する気はしない。
散々復習もしたし、参考書の問題もだいたい自力で解けた。
少しくらい休んでもバチは当たらないだろうと、
前々から見てみたいと思っていた夜の海を見に来たのであった。

> 「んしんし……。」

ヘッドホンで音楽を聴きながら海を眺める。
といっても、長居する予定はない。

この光景を目に焼き付けたら、あとはそのまま宿に直行である。
あまり大きい島ではないとはいえ、落第街は遠い。

しばし海を眺めてから、屈伸運動。
帰るべき方向に向き直った。

> 「位置について、よぉーい……」

本来は自分で言うものではないのかもしれないが、
走り始める前の号令を口にして気合を入れる。

クラウチングスタートの構え。
ヘッドホンの音量を最大にして、ゴーグルで目を保護する。
あとは、突っ走るのみ。

> 「……スタート!」

砂を蹴り、走り始める。
走り出しは順調。だが、ぱっと見るとそこまで速くは見えない。

否、そう見えなかっただけ。

一歩一歩、力強く踏み出す。
その一歩の間隔は徐々に広くなる。

初めは人並みの速度だった。

それは一歩足を踏み出すごとにどんどん速度を増していく。
浜辺を出る頃には、それはすでに自動車並みの速度になっていて。

あっというまに、砂埃を巻き上げながら姿を消した。

ご案内:「浜辺」からさんが去りました。
ご案内:「浜辺」に霜月 零さんが現れました。
霜月 零 > 正親町三条楓の見舞いの後、病院に預けていた刀と……釣り具を持って、そのまま浜辺に来ていた。

もう最初っからその予定だったのである。どーせメンタルを揺さぶられる羽目になるんだから、釣りでフラットにする気だったのだ。

「ま、想像ってのは外れるもんだよな」

結果としては、全く以て斜め上の展開になったわけであるが。

霜月 零 > 「そら、よっ」

それでもまあ、予定に変更はない。釣る気のない釣り針を適当に投げ入れて、胡坐をかいてかかるのを待つ。
正確には、ボーっとしているのが9割なのだが。

霜月 零 > 「しっかしまあ……あの正親町三条がなぁ」

ぼけーっと気のない顔で釣り糸を垂らしながら、そんなことを考える。

そりゃあもう、ストレス発散で思うさま弄り倒される未来を想定していたのだ。それを夜盛大に己の彼女に愚痴る予定まで立てていたのである。
ある意味では、大いに肩すかしだった。

霜月 零 > そりゃあもう気が狂いそうになるまでいじられる心積もりで行ったのだから、物足りないという事はなくても、逆に心配になるくらいだった。
実際、その反応の薄さに不安を覚えて心配する声を投げたくらいである。

が、それをするのは自分の仕事ではなかったようだ。

「なんつーか、上手くいくといいけどな」

正親町三条楓は、霜月零にとって苦手極まる様なタイプである。が、それは別に、彼女の恋路を応援しない理由にはならない。

それに……思う所があったのだろう。しっかりと、今からでも操を立てるつもりになっていたように見受けられた。

後は、あのちはやと言う少年が「正親町三条楓」と言う女性を正確に把握した上で、どう出るかだ。

霜月 零 > ついでに、ここでしっかり収まるところに収まってくれれば、今後余計な被害を受ける事もないであろうという打算もちょっとはある。
恋人が出来て、今まで以上に他の女性には気を付けなくてはならなくなった身だ。下手な被害を受けるのは避けておきたい。

「……にしても、マジに礼でも言っとくべきだったかね」

そこまで考えて、思い出したように。先程は「おかげさまで」と軽く流したが……一応、自分と氷架が急接近できたのは、あの場で無理矢理とは言えセッティングをした楓のおかげでもある。

……十中八九自分が面白いからやったのであろうが。

霜月 零 > 「つってもなぁ……」

妹に言われて行ったはいいものの、自分が行くよりは、あのちはやと言う少年を待つ方が彼女にとっても幸せな時間になるだろう。上手くいけば。

つまり、今後自分から見舞いに行くのは野暮になりかねないのだ。上手くいけば。

その場合は当然、彼女が退院するまで会う機会もなくなる。上手くいけば。

ご案内:「浜辺」にアリスさんが現れました。
霜月 零 > 「……ま、そんときゃ後で言えばいいかね」

確認手段がないので結局退院を待つことになりそうだが……その時にでも今一度礼を言えばいいだろう。上手くいっていれば。

流石に、上手くいっていない状況でそれを言っても、嫌味や煽りになりかねない。そこの判断は思ったより重要かもしれない。

「……めんどくせぇ」

極端な話、向こうも悪戯心99%でやったのだろうから、ほったらかしてもいいのではあろうが……そこで、基本的にはきっちり言う、と言うスタンスを崩そうとしないのが、霜月零の長所でもあり、短所でもあるのだろう。

アリス > のそ、のそ、のた、のた。おぼつかない足取りで海岸線をひた歩く少女一名。
海沿いでも暑いんだもん。

「ふ、ふははははー!……あーづーいーわー」

響き切らない声をあげて頭下げて砂浜のそのそ。誰かが釣りしてる事にも気付かない。汗もだらだらだし、人の声も聞けているか怪しい。なもんで、このまま行くと釣り人に衝突コースなのです。

霜月 零 > 「まあ……結局は後回しか」

結論はそうなる。現状で色々と考えたところで、あまり意味のある事案でもない。

そう考えて、のんびりと釣りに意識を向ける事にする。
……つまりは、海を見てぼーっとする事に集中し始めた。

……し始めたかった。

「勘弁してくれ……」

迫りくる気配に、面倒くさそうに振り返る。

アリス > 暑さで項垂れて前に注意を全く向けてない歩き方。
そのくせ暑さ対策を全くしてなさそうな服。日傘もなければ色合いもまるで注意していない。

加えて。

「デースートーローう?」
近くで声を聞いてやっと、声に気付いたのだった。

顔をあげれば、汗だく、重度の疲弊っぽい表情。
面倒くさそうな相手などお構いなしに、呟いた。

「海の家、どこですか……」

そして前向きに、ゆっくりと、倒れた。

霜月 零 > 「うわ、っとぉ」

止む無し。転んだ拍子に変な怪我でもされたら面倒だ。取り敢えず支えてやることにする。

その様子を見ると、とてもとても面倒くさそうな表情に。

「(熱中症かこりゃ?なんで暑さ対策もせずにんなトコのこのこ歩いてんだ……そもそも、海開きもしてねぇのに海の家なんざあるわけねぇだろうが)」

内心で思いっきり溜息を吐きながら、取り敢えず巫術で周囲の気温を調整してやる。
これで少しは涼しくなるだろう。

アリス > 気温が心なし下がったような気がする。下がってるけど長時間熱が籠っていた体に浸透するまではちょっと時間が掛かるから体感としてはそんなもの。
倒れたと思ったけれど、硬い感触や砂の感触がしない。

「た、すかりましたぁぁ……」

ぐぅぅぅ。
お腹からなんか音が鳴ったけど意識からポイ捨て。

出来ませんでした。

「うぅ、ご飯も頂ければお礼に好きな妄想を一つ叶えて差し上げましょう」

どこぞの怪しげなランプの魔人未満の怪しげなセリフを放って上目遣いで見上げてみました。

霜月 零 > 「要らねぇ」

即答する。こんな状況で妄想なんて叶えると言われても、信じられないどころか胡散臭い。

だがそれはそれとして、空腹の少女を放っておくわけにもいかない。
長引いた時のために持ってきておいた握り飯を取り出す。ちなみに、塩結びだ。

「ほれ、礼は要らんから食っとけ」

それを差し出してやる。塩結びと言ってもそれなりに拘って作っているので、加減としてはちょうどいいもののはずだ。

アリス > 「なんと無欲な!」

心底驚いた表情で見上げて、握り飯に直接口ではむつく。

「おいひい、おいひい…あのはいみょむゃなはなははへれなはったはらおいひい…はひはみょー」

食事語で塩結び食べながらお礼と感想。
伝わらなさそうだが食べるのに必死だ。

それはそれとして。無欲とは頂けない。こちとら生まれてあんまり経ってないけれど自分が妄想の塊だという事位は解っている。叶えたい妄想がないとは…食べながら悪い事ひらめいた顔をした。

霜月 零 > 「何言ってんのかわかんねぇよ……」

溜息。実際は無欲と言うより、面倒くさいだとか胡散臭いだとかさっさと彼女との時間を作りたいだとか、そう言った感情が渦巻いているのである。

そう思いつつも取り敢えず座っていたが、何かひらめいたような顔を見ると慌てて立ち上がる。

「俺は、帰る。帰るから、別に礼は要らねぇからな」

この顔は見覚えがある。そう……なんかこう、悪意はないのに非常にロクでもない事を思いついた人間の顔だ。
そういう時は逃げるに限る。そう判断し逃げの一手を打とうとする。

アリス > 「ほふへふは。へははへふはへはへふのひゅはんへ」

食事語続行である。食べなきゃ生きていけないからしょうがない。

でも、立ち上がる様子をみて、おぉ、とご飯粒ついた手をペロッと舐める。

「へは、ふよくさを(お結び残りごくり)解消して進ぜましょう。可愛い人や好きな人を思い浮かべて下さいなー」

適当な妄想を浮かべて――そうそう、可愛らしい服と、えっちなお誘いの言葉。
誰かの口から発せられて誘われる。そんな妄想をぽいっと視線からかーるく投げつけてみました。[妄想割り込み]
適当に思い浮かべた人に当てはまるといいですね、ヒャッハー。

霜月 零 > 「あ……?」

可愛い人や好きな人。そう言われて、今の彼が思いつくのは一人だけだ。

恋人である雪城氷架。氷架の事を無意識に思い浮かべ……

「!?」

妄想が、割り込まれた。

一気に顔が赤くなる。そりゃあまあ、言われたいさ!誘われたいさ!でもそれをガチで妄想しちゃったら、もう色々アウトだろう!

そこまで考えて気付く。おかしい、自分はそんなに大胆じゃない。

「お前、何かしたな……!」

顔を赤くしながら、うめく様に問い掛ける。

アリス > 「ふふ、それが人の欲という物です。健全なのです。」

赤くなった顔を見れば無事無欲が解消できたと笑って見せました。
健全になったと労わるような目で見つめていましょう。

「無欲さを解消したまでなのです。さぁ、次はお風呂場で…ばすタオルを巻いたさっきの方が…」

ふふふ、ともう少し解消してあげれば、程よい位になるでしょう。お風呂場で一緒に入る洗いっこする妄想をさっきみたいにかるーく視線から投げつけちゃいましょう。

「本当に、叶えたくありませんか?…ふふふ」

最後に、そんな声を誘うように笑って付け足しましょう。

霜月 零 > 「や、やめろ、やめろぉ!」

ブンブンと顔を横に振る。違う、そうじゃないんだ。
確かに惚れた女の子にこんなことをされたら死ぬほど嬉しいし、されたいという願望はないわけじゃない。

でもそれは、二人でしっかり時間をかけて自然に発生すべきもので、他人に引っ掻き回されて物じゃないはずなんだ!

「それは、人の手を借りて叶えるもんじゃねぇだろうが……頼むから勘弁してくれ……!」

アリス > 「ふむ、…過激な物は抑えたはずなのですよー…?」

元が無欲な方みたいなので仕方ありませんね、と納得顔。
送るだけで読み取れないから勝手に想像する位しか出来ませんけれど。まぁ、多分その通りでしょう、うんそうそう。

「知っていますか?妄想とは…今自分で叶えられそうにないから、妄想って言うんですよ?
少々やり過ぎてしまった様ですのでこの位です。」

えへへ、と微笑んで。
苦しめるのは流石に本意ではありませんからね。
あ、でも今思い浮かべている人とベッドで一緒に寝る妄想は…投げつけたい投げつけたい…

霜月 零 > 「ついでに、この妄想も消してくれると助かるんだがな……!」

うめく様に言う。そもそもまだまだ耐性がないのだ。恋人の色仕掛けなど、大体何を想像しても参ってしまう。

顔は真っ赤で、深呼吸しようとして失敗している有様。必死に己の中の不純な妄想と戦っていた。

アリス > 「残念ながら、一つ割り込ませるだけで、一方通行ですがー。
持続しているのはあなたの意思なのですよー…?」

一方通行なのは本当。持続は嘘か本当かはともかく、妄想を軽く投げた程度の感覚なので、それっぽいくすくす笑顔を浮かべて。

「一度知れば、健全に。…読み取れる訳でも、ないですからねー…」
あ、やっぱ面白そうだから妄想投げちゃえ。
ちょっと控えめにしてはだけたパジャマでベッドに添い寝妄想、っぽい。

霜月 零 > 「そんな能力を雑に使うなってうわああああ!!!」

脳内に現れる過激(零基準)な妄想。意識を切ろうとしてもどうしても意識してしまう。

「なんで、なんで今追加したあああ!!」

顔を真っ赤にしながら、心の奥底から抗議の叫びをあげる。

アリス > 「はて、雑とは、失敬な。もとより、妄想がない人がいると私も困るのです。」

妄想の塊なだけに、妄想しない人がいるのは生命にちょっと関わるかもしれないですからね。自分の事でもわかってない部分もありますから、生命維持、保険って大事。 と言う建前。

「はて、…漏れた?いや、裸でベッドインしたら面白そうだなーって妄想してましたよ?」

叫びにそ知らぬ顔で嘘ついた。
自分の妄想だと誤認してもらおうふふふ。

霜月 零 > 「読み取れるわけじゃないんじゃねぇのかよ……!」

頭を抱える。今の言葉で余計意識してしまった、でも自分らにはきっとまだ早い。寧ろここでがっついて失望されるなんて耐えられない。

「おま、え、妄想を元にする、思念体系、の、妖怪か何かか……!」

自分の知識の中から必死に推察する。推察することで、少しでも紛らわせようとしながら。

アリス > 「さっき、叶えたい妄想はないと仰ったじゃないですかー
礼はいらないなんて無欲だなーと思っていたのですよー」

手ふりふりにこにこ。あ、この人弄るの楽しい。
生まれて初めてクラスの幸福感が身を包んでる。

「…おぉー。だいたい合ってるのではないでしょーかー。
私も正確には解んないですよ?最近生えたばかりなのです。
あ、名前はアリスって言います。生まれた時に認識してました。妄想に目覚めたおにーさんは?」

おぉーと拍手。そして首かしげーの自己紹介。

霜月 零 > 「胡散臭すぎんだよ……!」

うめく様に応える。そして、その胡散臭さは見事ビンゴだった。

……分かってても回避できてないのだからお笑いである。

「そのひどい呼称を止めろ、俺は霜月零っつー名前があるんだ……!」

頭を抱えながらうめく。心が変な方向に折れそうだ。

ご案内:「浜辺」に生ヶ易案子さんが現れました。
アリス > 「はて、胡散臭くない何かを叶える存在とは一体。」

考えてみた。思いつかなかった。

はて、横置きしよう。後で思いつくかも知んない。

「霜月零…おぉー、覚えました零おにーさん。因みに、妄想していた方のお名前はー。」

ふふ、くすくす。そうだ、お名前解ればもっと弄れる筈。わくわくしながら聞いてみましょう。

霜月 零 > 「誰が言うか!」

ここは死守するべきラインだ。ここで恋人の名前を出そうものなら、どんな妄想をブッ込まれるかわかったものではない。

生ヶ易案子 > ……もうすぐ海開き!
といっても、早めの海開きといえば、梅雨の終わりとも重なる季節。
年中ヒマなあんずさんは、海の荒れ模様は大丈夫かなーなんてあてもなく海岸に散歩に来ていたのだが。

『や、やめろ、やめろぉ!』

とかなんとか、なんとなく聞いたことのある悲鳴が聞こえたので、その方向に来てみたら、思った通りの声の主である友人の姿と、
「お、可愛い子だ」
0.5秒でそっちに目移りした。女の子はとりあえず可愛いものに視線誘導されるのだ。

アリス > 「因みに言わないと初めて知ったお名前が零さんだけですから…」

にこり。にこやか。くっくっく。
笑顔三段活用。

「そうだ。名前呼びしてさっきのおぉ?」
どなたか来られたみたいですね。
くるーり振り向いて。

「こーんばーんはー。」

人懐っこいあどけない笑みを浮かべたつもりになってにやり。
ちっこく手ぶんぶん。そうだ、閃いた。

霜月 零 > とてもとても嫌な笑みを見て、とてもとても辛そうな顔をする。

そして、アリスが振り向いた先には……

「げぇっ……」

知り合いが、いた。

生ヶ易案子 > 「こんばんはー!」
挨拶されれば無邪気に手を振りかえして近付いていく。
この常世学園で正体不明の相手に対しているに、しかしまるで無警戒だ。

「かわいいなー! 最近の子? 一年生仲間? いいなあその服。あ、はじめまして」
なんてひととおりの挨拶を済ませたあと、改めて零くんに向き直る。
ちょっと眉をひそめて、
「……っていうか、大丈夫? 零くん最近、なんか会うたびに苦しんでない?」
ふつうに心配そうだ。残念なことに、あんずさんの脳にはギャグとシリアスの区別がつかない。

霜月 零 > 「行き倒れかけてたから握り飯くれてやったら、恩を全力で仇で返されてるとこだ」

絶望的な表情で今の状況を告げる。そして多分、何一つ間違っていない。

「要するに、大丈夫じゃねぇ……」

その顔は赤くなっており、自分の内側と必死に戦っていた。

アリス > 「わーい、こーんばーんはー、初めましてー。一年生?」

生まれて時間も経ってないため、常世学園の存在を知らない。
なので思いっきり首をかしげた。

「アリスって言います。えーっと、好きな人との妄想に目覚めた零おにーさんが、妄想に苦悩している最中の様子です。その人、なんてお名前でしょー。」

本人に聞けないなら、他人に聞こう。上目遣いでお伺いだ。

アリス > 「いいえ、私はきちんと零おにーさんへ恩を恩で返してるのです。
いざ妄想している状況になったとき、心構えが出来ていないと大変ってエロイ人が言ってたらしいです。」

ある胸を張ってワンブレス。

「辛いのは最初だけです、慣れてくれば楽しくなります。楽しみにもなりますよ?」

くっくっく。おっと笑みが違ったふふ。

霜月 零 > 「ぜってぇ面白がってんだろてめぇ…!」

表情が絶望に染まっている。こんな妄想から逃れられない自分も情けなく、そしてその妄想が叶う事を望みかけている自分も本当に情けなかった。

生ヶ易案子 > 「そうそう、一年生。一年生は楽しいぞお」
7年分の重みがある解説である。
しかし、学年というシステムを知らないということは……、この島では、深く突っ込まないほうがいい事案だ。笑って流す。

「……零くんの好きな人?」
残念ながらアリス嬢のご期待には添えず、この小娘は件の彼女とは面識がない。
ゆえに、真面目に考え込んで、記憶を掘り起し、ひっくり返す。心当たりは……心当たり。

手をポンと打つ。
「ウィリー姫だ!」
間違っている以前の問題だが、とりあえずネタが古すぎる。

霜月 零 > 「冗談でもやめろ」

目がマジである。ついでに言えば、右手が腰の刀に伸びかかっている。

そっちのケはないのだ。立派に彼女を持つ健全な男子なのである。

アリス > 「一年生ー……学生生活って面白そうかも。生まれたばかり出し何でも試さないとね。
ウィリー姫!なるほど!」

おぉ、と手ぽんぽん。そして、覚えた。
残念ながら、冗談と思わなかったらしい。だって腰の刀に手って本気だもんきっと。

「つまり、ウィリー姫と零おにーさんはこんな感じ!」

そして、甘いパフェを二人で一つ。いちゃラブして食べている妄想を零おにーさんに送ってみる。
多分激しく間違った方向に行きそうである。

霜月 零 > 「…………」

一気に冷めた。絶対零度まで冷めた。

「……さて」

そっと、刀を抜く。

「いい加減に、しような?」

そっとそれを突き付けて、壮絶な笑みで告げた。
なお、目はまるで笑っていない。

生ヶ易案子 > 「だ、だってそれしか心当たりがあ」
一応足りない頭で一生懸命考えたのに! と、あからさまにショックを受けた顔。
もちろん、自分が彼の脳髄に引き起こした惨事に気付くはずもなく。

「よ、よくわからんが落ち着こう。落ち着こう零くん。しゃらーっぷ」
微妙に英語(あんずさんにとっては横文字は全て英語である)がおかしいが、それはともあれ手のひらを広げてどうどうとやる。
こちらは非戦闘員だ。本気の剣劇をくらってはたまったものではない。たぶん。こなみじんだ。
「そんなこと言ったって、教えてもらわなきゃわからないもん。なになに、あんずさんの知らない間になにかあったの?」
邪気がないぶん、たちは悪い。

アリス > 「……あっ。」

あ、これやばい、命がピンチ。
死んだら生えそうな気がするけれど、激しくやばい。

「…ななな何の事でせう。はっ、う、嘘を教えましたね!
心当たりがないからと言って…!」

そしてウィリー姫を教えた人に責任を分投げました。
ついでにこっそり、場を納められそうな、異能の場を設置しよう。尚、初めて使うので一時間かかるなんて知らなかったんです。[区域設置まで1時間]

霜月 零 > 「ああ、大丈夫だお前を斬る気はない」

あんずに向かってにこりと微笑む。本当に、目が一切笑っていない。

「ただちょっと、コイツには躾が必要だと思うんだ」

アリスを剣で指し示し、微笑みを深くする。目は、笑っていない。

生ヶ易案子 > 「い、いやいや零くん! ほんとちょっと待ってほら!」

壮絶な目の青年剣士が、見た目可愛らしい幼い少女に斬りかかろうとしている。
対抗する力はないとはいえ、その光景をさすがに黙って見てはいられない。さすがに前に出る度胸はないが、アリス嬢を支えるように後ろに立って、

「服もったいないよ!」

ワンピースが好みだった。

アリス > 「し、しつけ…過激なしつけだなんて…」

顔を赤らめました。笑ったけれどきっと誤魔化せない。

剣はやばいですね、剣は、区域設置するまで時間稼ぎをしないと…いつ設置できるのでせう。

「え、あ、あう。ワンピースだけっ?」
がーん。庇ってくれる訳じゃないんだっ!
責任押し付けたからね、しょうがないね。時間稼げないよ!?
やっと慌てた顔を浮かべ始めた。

霜月 零 > 「……そこかよ」

顔が一気に呆れ顔になる。ツッコまずにはいられなかった。

「ちなみに、服の代金が弁償されるとなったら?」

生ヶ易案子 > 「服……弁償……」
言われて、真剣な顔で考え込む。いくらぐらいだろう。
シンプルなデザインではあるが、えてしてこういううるさすぎないデザインの子ども服というものは高価なものだ。

生地次第かな……と呟いて、後ろからちょいちょいと服を引っ張ろうとしたりする。
気を取られてはいるようだが、反面アリス嬢から離れようとはしない。

霜月 零 > 「……」

斬れない。いや、流石に子供に向かって本気で斬りかかる気はないが、こう、この怒りをどこにやればいいのだろう。

「……どーすっかな」

取り敢えず刀を納め、腕組みをして考え始めた。

アリス > 「あ、あのー…生まれた時には着ていたので、非売品ですよー。」

弁償できませんって味方につけようと説得。あんずさん、説得お願いー!って必死。

ちなみに、妄想生地なので、かなり丈夫そう。素材は化学繊維っぽいけど化学で説明できない素材の模様。

アリス > お、収まった。けど方向性はどこへ向かうか解らないし、妄想投げたらピンチ復帰の予感がする!

「…せ、せんせー。生まれたばかりなので、この辺の事とか教えて下さーい。」

決して倫理や物事ではない。
話を逸らす作戦に出た。   



区域設置中なのを忘れたまま。

霜月 零 > 「…………」

少し考える。この場にはあんずもいるし、自分がわざわざリスクを負う必要、ないんじゃないか?

「…………俺、帰っていいか?」

心の底からそう漏らした。

生ヶ易案子 > 「なるほど。ベビー用品か」
そういう解釈だった。
いつも買っている手芸雑誌は、ベビー用品方面はカバーしていない。道理で見たことがないはずだ。
丈夫で実用的だが、手触りもよい。この生地の売り場が得られないのは惜しいが……、

「せ、せんせい?」
自分のことだろうか。零くんのことだろうか。首を傾げ、
「とりあえず、先生じゃなくて。あんずさんはあんずさんだよ」
と、いつもの自己紹介をしてみる。

アリス > 「しつけと聞いたので先生って呼ぶべきかなーって。」

零おにーさんの方をみました。
帰るのー?って顔もした。

「多分きっと違うです。」

ベビー用品違う違うとぶんぶん首振り。
自己紹介そういえばーと和やかに笑って。笑おう。

「私はアリスー、よーろーしーくー」
えへへ、と笑ってあどけないっぽい笑顔。こんどはにやりもない。

霜月 零 > 「いやな。冷静に考えて俺がこの場に残る理由がねぇ」

基本的に「やる理由があってやらない理由がないのならばやる」と言うスタンスの零だが、この状況、「やらない理由はたっぷりあるのにやる理由がない」のだ。

「つーわけで、帰りてぇ。つーか帰るぞ。いいな?」

こんな状況でありながら、取り敢えず真面目に確認を取る辺りは零である。

生ヶ易案子 > 「アリスちゃんかー、よしよし」
子供っぽい笑顔にこちらもにへへとなって、完全にじゃれ合いモードに入る。
今まさに異能の標的にされたり、何かを押しつけて帰られようとしているが、もちろん気付いてもいない。

「というわけで零くん、先生のようだよ?」
と言って、同じように帰るのー? という顔をする。邪気がないぶん以下略だ。
「でもま、零くん、いろいろ忙しそうだったもんね。また訓練かな?」
しかし、強く引き止めはしない。

霜月 零 > 「まあ、あれだ……そろそろ、用事が増えるかもしれねぇ、ってのもある」

ぽりぽりと頭を掻く。そろそろ、電話がかかってくるかもしれないのだ。

後……直感が叫んでいたりする。このままここにいるのは、なんだかよくないと。

アリス > 「う、はーい。」

帰るぞっと言われて引きとめる理由も思いつかない。
仕方ないと首ふってばいばーいって手を零せんせーに振った。

「よーろーしーくーねー」
そしてあんずおねーちゃんに甘える事にしてみました。うん、何か忘れてる。

霜月 零 > 「じゃあな。取り敢えず、お前はその能力使うんじゃねーぞ!」

言い置いて去って行った。

……その背中は、とてもとても疲れ切っていた。

ご案内:「浜辺」から霜月 零さんが去りました。
アリス > 「え、えー?」

なんでー?って顔した。使ってから発動するまでに忘れる位に長い時間の掛かる能力とは違って一番使い勝手のいい…ん?何か思い出しそうな気がするです。

去り行く零おにーさんは何かを思い出させてくれそうでした。思い出しきれませんでした。

生ヶ易案子 > 「無理するなよー?」
疲れ切ったその背中に、ふわふわと手を振る。
……なんだか、大変そうだったしなあ。疲れているんだろうなあ、と思う。
目の前の可愛い子と自分の言動が原因だとは思い当りもしていない。

「おー。学園でわからないことがあったらなんでもあんずさんに聞くんだぞー」
結構長いことここにいるからねえ、なんてにへにへ笑う。
基本的に、なんであれ人に頼られるのが好きな小娘だ。小さい子供に甘えられるというシチュエーションは、なかなかのストライクである。
「といってもあんずさん普通の生徒だから、落第街とかの危ない話はわからんけどなあ」

アリス > 「まず学園ってなんですかー…?どこですかー?」

生まれた場所や知ってる場所(スラムの廃墟の事と、通ってきた道異邦人街)についてかくかくしかじかと説明しようとして、上手くできない事に気付く。放置!

すがって甘えてお話を聞いて見る事にしましょう。

「落第街?なぁにそれ」

解ってないけれどそこのスラム生まれでした。

生ヶ易案子 > 「んーとだなあ」
アリス嬢の前に座り込む。完全に居座って話し込む姿勢だ。

なでなでしながらも、ちょっと考え込む。
この島にいて、まず学園を知らないか。
行っていないわけではなく、知らない。しかして落第街も知らない。ヤバい入島者とかじゃなくて、迷い子のたぐいかもしれない。
……大丈夫そうだ。むしろ、ちゃんと道案内してあげないと。

「学園っていうのは、えーと、真ん中? のへんにあって。
カフェとか食べ物屋があって、いっぱい美味しいものが食べられるんだ」
悲しいかな、授業全欠席のサボり魔の「学園」への認識はこんなもんだったが。

アリス > 「ふんふん。」
三角座り。したら砂ちょっと熱いっ。零おにーさんがさましてくれたけど我慢我慢。

撫でられるとごろごろ喉を鳴らして甘えて。ほんのり猫化。

「真ん中…真ん中?」
どこから見てなのかがさっぱりでした。

「カフェに食べ物屋。おぉ、喰いぱぐれしなくて済むー。廃墟に済まなくて住むー、かもー?」

なんか住む気になってきた。食事に困らないっていいね!尚代金の事は考えていない。

生ヶ易案子 > 「真ん中は島の……えーと、アレだ。あのへん!」
大時計塔なら遠くからでも見えるだろう。学園街の方向を指し示す。
「そう。ちゃんと住むところもあって、そこにも食堂がちゃんとあるよ」
学園というかもはや学園周辺のグルメ知識だが、普段ヒマなぶんそのあたりの情報には詳しい。
オムライスとか、ケーキとか、子供の好きそうなメニューの店をいくつかあげたりして。

「……でも、校舎に入って先生に見つかると捕まって怒られるんだ。気を付けるんだぞ」
怒られるのはこいつだからである。
とにかく口からどんどん間違った学園知識が出てくる。大丈夫か。

アリス > 「ここ、島だったんだ!……」
あの辺?と島だった事すら初めて知ったと言う事実。そこから…示された方向を目にしてみた。
あっちかーと覚えたと言う顔をして。大丈夫だろうか。大丈夫じゃない。

「おぉー。それなら、きっと今よりいい暮らしが出来るー。」
おいしそうなメニューのあるお店も聞けてお目目キラキラ。
行く気は満々である。

「あー、そっか。先生に怒られると危ないんだ。広さってどの位?」
そうだ、そういえば私にはあれがあった。そして現在準備中の異能を思い出す。
「…あれ?…そういえば発動させたのに発動しない?」
そしてやっと1時間弱前に発動させようとした能力について触れる。そろそろ発動だと気付かないまま。

生ヶ易案子 > 「広さか。難しいな。たぶんこの島全部が学園っちゃあ学園、なんだけど」
他の居住区や歓楽街と区別しての「学園」の範囲は、そういえばどのくらいだろう。
アルラウネの子がいる正門あたりまでだろうか。道の舗装の雰囲気が変わるあのあたりだろうか。
そんなことを考えて、

「そういえば、正門の近くに最近すごく美味しい――」

美味しい、何かのお店の名前を言おうとして。そこで「時間」がきたようで。

アリス > 「広っ!?それはー、それは凄く広い…。」

スケール大きすぎた。狭い範囲での学園の範囲まで思考は届かない。それに、1時間前に発動させた異能が発動する感覚がして。

周囲の生物がビデオテープを巻き戻すように若返り、或いはちょっと成長して性別も変化していく。擬人化するわけではないから、近くの貝が貝殻少女になったりはしないし通りがかった人がいたとしても服も変わっていない。非常に残念である。一部の人にはごほうびかもしれない。

そして、甘えていた先のあんずさんをちらりと見て――

生ヶ易案子 > 「――う?」

元から小柄だったためか、『それ』はむしろアリス嬢を見上げるような格好になっていた。
とんび座りで熱い砂の上に座り込み、小首を傾げる。
先ほどまでとは何か、視界が違うような。

「うー……?」
頭をこつこつとやって、
「おいしい……なんだっけ?」

元とそんなに雰囲気は変わっていないが、……明らかに縮んでいる。
短くなった手足を不思議そうに動かす。こころなしか、袖が余っているような。

アリス > 「…あっ。」

ちらり。袖の余ってる服。ぶかぶかの服を少女が着ている光景、氏かも見上げる視線にああもうなんか我慢できない!

「ううん、あんずちゃん可愛いいぃぃぃぃ!欲しいぃぃ!」
感極まって、抱き上げようと。
出来ずに抱きしめる事になりそうだけど。
お、お持ち帰り。お持ち帰り。初発動だけど上手く行ったよ!あんずちゃんをげっとだ!

生ヶ易案子 > 「お? ひゃ?」

無抵抗で抱き上げられ……というより、脇の下に手を突っ込まれた妙な格好になりつつ。
状況がよく掴めていない。が、……なんだかいきなりアリスちゃんが大きくなった気がする。
「そ、そだった?」
実際は逆だが。

しかし基本じゃれられると悪い気はしないようで、普通にすりすりとやったりする。
「そうかそうかー、あんずさんのちからがひつようかー」
『欲しい』の意味合いもよくわかっていない。ダメだ。

アリス > 「そうそう、可愛い、欲しい!連れかえ…ると遠いから、おうち案内して!」

わーいと抱きしめて、持ち上がらない。頬擦り頬擦り。もっちもちのほっぺ感触を喰らえー。お互いきっとすべすべである。

「うむ、必要なのじゃー。そんなわけで案内せよー。」

効果範囲の事をすっかりと忘れている。浜辺から出たら多分元に戻るのだが――そんな事は遠い忘却の彼方。
ダメとダメがかけ合わさって突っ込みもいなかった。

生ヶ易案子 > 「おうちー?」

おうちというと……、頬をもちもちとされながら、もう一度、頭をこんこんとやる。
縮んだせいで記憶が混乱しているが、今住んでいるのは女子寮。一人部屋だ。ともだちと遊んでも叱られたり叩かれたりしないはずだ。
「おうちね! よしきた!」
顔をぱっと輝かせて、勢いよく立ち上がる。砂の柔らかさに小さい足とサイズの合わないミュールが沈んで一回転ぶ。

アリス > 「そうそう、おうちおうちー。」

じゃれてほっぺスリスリして。おぉ、この状態で住めれば天国ではなかろーかー。

「やったぁ!ありがとー! だ、いじょーぶ?」

勢いよくすっころんだあんずちゃんに巻き込まれかけて転ぶ。砂も払わず、肩を支えて先に起こそうとしてみて。

立てれば支えて歩き出すつもりだけれど、ミュールをかたっぽシューズで踏んじゃってる。

生ヶ易案子 > 「だ、いじょーぶ」
うーんと……、と、唸って、今度はちゃんと立ち上がる。
でも、踏まれたままのミュールはすっぽり抜けて脱げてしまった。海岸の感触が足の裏に馴染んで、さほど違和感はない。
いっか、と思う。

「じゃ、あんずさんのおうちにいこう! あんずさん、おやつつくれるよ!」
嬉しそうに笑って、お手てをつないでさっきの時計塔の方向へ歩き出そうとする。
「タルトとかー、クレープとかー、パンとか。……あ、パンはだめだ。じかんかかっちゃう」

アリス > 「おっとわーすれーものー。」

足の裏の感触に気付いてミュールは拾いました。こけると危ないから拾ったまま履かせません。

「おぉ、それは楽しみだー!まともな甘い物を食べられる…生まれて初めて…」

ちょっと感涙して、笑って幸せそうな顔しておてて繋いで一緒に歩き出して…
「さっき、おにぎりを零おにーさんから貰ったから、時間ちょっと位かかってもいいよー?」

生ヶ易案子 > 履かせてもらえないミュールがぷらぷら揺れるのを目で追いながら。
「パンははっこうさせなきゃだから、いまからじゃあしたになっちゃうんだよ」
結構本格的なことを言って、繋いでいない方の手指を折ったり戻したり。脳内で、ちゃんと冷蔵庫の在庫を数えているのだ。

「よろこんでもらえるとうれしいなー。あんずさんのおうちなら、いつでもあそびにきていいよ!」

アリス > 「発酵ー…。明日は遠いねー。それはしょうがないよー。」

ミュールをプラプラとお手手握ってない手でプラつかせて。
じゃあパンはまた今度ーと素直に他を楽しみにしました。

「え、本当?わーい!じゃあ、…路頭に迷わなければ行くねー!」

住処が廃墟なので仕方ありませんでした。割と学園に住むって色んな意味で取りたい選択肢。

生ヶ易案子 > 「あ、でも、おとまりならつくれるかも!」
きゃいきゃいとはしゃぎながら、並んで砂浜を歩いていこう。
……コンクリートの道を素足で歩くのはちとつらいだろうが、その頃には異能の範囲外に出ているだろう。たぶん。

「ろとー? あんずさんもよくまいごになるよ。いっしょだ」
そういう迷うではない。

アリス > 「おぉーとまってもいいのー?」
お泊りできそうで大喜び。柔らかい寝心地を堪能できるかもー。

尚、きっとコンクリまで来たら範囲外です。うん。浜辺は暫く影響内だけど、夜が明けるまでには解けてる、筈。

「一緒一緒ー。じゃあレッツゴー。」
一緒違う。だがスルーだ。
暫くすれば範囲外から出て。その後どうなるかは、元にもどった、あんずさん、次第。

生ヶ易案子 > 「まくらなげだ!」
一人部屋なので枕はひとつしかないが。
そんなかみ合わないけど、楽しい会話をしながら、少女たちは海岸を去っていく。

その後、身体が元にもどってもしばらくひらがな発音が直らなかったのは、また別のお話である。

ご案内:「浜辺」から生ヶ易案子さんが去りました。
ご案内:「浜辺」からアリスさんが去りました。