2015/08/05 のログ
東雲七生 > 「蘆……迅鯨。
 ん、よろしくなっ!」

(聞き慣れない発音の名前を復唱して、にこっと笑みを浮かべる。
 やたら揺れるけど痛くないんだろうか、とかそんな事を考えているのは笑顔で覆い隠したまま。)

「そっか、二人とも学生か。
 ……んじゃあ取ってる授業の域が違うだけかー……

 って迅鯨は二年生かっ、え、先輩じゃん……じゃないすか!」

(一年なのにタメ口聞いてすいません、とかわたわたしながら頭を下げていると、
 その横で少年がアサリを掘り当てたようだった。ちょっと悔しい。)

蘆 迅鯨 > 「マー、だいたいそんなモンだと思ってくれりゃいいかな」
取得している授業が違うということで納得してもらえれば、それでよいだろうと考え。
「やー、いいよいいよ。気にすンなって」
迅鯨が二年だと聞いて改まった様子になる七生には、笑顔でそう答える。
一方、織一が大きなアサリを掘り当てたのを見ると、そちらに若干近づいて覗きこむような仕草をとり。
「んおっ、でっかいなーそのアサリ。やっぱ食うの?つうか織一クンさっきカニ食ってたよなー、生で。色々と大丈夫なの?」
はっきりと聞き取れるであろう大きめの声と相変わらずの早口で、いろいろと尋ねてみる。

織一 > 「……生で食わないのか?」

(普通の人間は生でカニをバリッと食べない)

(普段から獣の内臓や筋肉をろくに処理せず食い、滅多に夕飯の時間に帰ってこないからか、聞かれるまでそのことを忘れていた、
事実確認と言わんばかりに、機械的に呟く)

「……そういえば、最近料理と呼べるものを食べていないな」

(捕ったアサリを見つめると、素手で貝殻をこじ開ける、
そのまま中身をほじくり口に放りこんだ)

「……あさりー」

(貝殻を放り投げ、むしゃむしゃしながら潮干狩りを続ける)

東雲七生 > 「いや、気にすんなって言われても……。」

(どうしても目上の相手と知ってしまうと固くなってしまう。
 気にしないようにしようとすれば尚更だ。
 それでなくても今、「異性の先輩」には軽くトラウマめいた思いもある。
 複雑そうな表情で少年へと質問を飛ばす迅鯨を見つつ)


「……随分豪快に食うよなあ。カニといい、アサリといい。」

(目の前でアサリをこじ開け口にする少年を見て目を瞠る。
 ……貝殻は食べないんだ、と密かに思ったり思わなかったり。

 まああんまり口出しするのも野暮だろう、としばらく止めていたクマデを再び動かし始める。)

蘆 迅鯨 > 「俺ちゃんカニは焼いたり蒸したりしたのしか食ったことねーなー(ってオイオイ、さすがに貝を生は……)」
アサリの中身を生で食した織一を見て、やや心配になる。
迅鯨の知り合いには保健課の生徒もいるので、何かあれば端末から連絡はできるだろうが。
「七生クンは真面目なんだなー。いいんだぜ?もっと肩の力抜いてサ。あ、いやそういう意味じゃなく。タハハー」
固くなっている七生に対しては、意味が分かる者にはわかるであろうジョークを飛ばし、笑ってみせた後。
「……しっかし、見てると俺ちゃんも潮干狩りしてみたくなっちまうナー。やっぱ脚治ってから来たほうがよかったかナー」
などと、ぼやく。

織一 > 「ん? どうした」

(こちらを心配そうに見てくる迅鯨に、なんてことない顔で言う、
実際生肉ばっか食ってるが食中毒など一度もない、「蛇」と「再生」のおかげだろうか、
貝殻は食べない、ラッコもシャコも貝殻は食べないし)

「……そういえば脚、怪我しているな」

(何かあったのか、と聞く、事故ではなく事件なら嫌だなぁと思いながら)

(一応「再生」を顕現すれば治療時間の短縮はできるが、
顕現するなら金なり肉なり迅鯨に捧げてもらう必要がある、
特に言い出すことではない、そう判断する)

東雲七生 > 「いや、真面目っつーか……まあ、クセみたいなもんで。」

(からかわれてるのかと思い頬赤らめて砂を掻く。
 まだまだ深い所にあるのだろうか、と少年の掘った穴を見て少しだけペースを上げる。)

「そういや、迅鯨先輩は足……」

(どうしたんすか、と尋ねかけて織一が先に尋ねたので口を閉じる。
 その代りに顔を上げて、松葉杖と、足を見る。
 やたら白い肌が眩しく、目を細めた後に目を逸らした。)

蘆 迅鯨 > 二人に脚の怪我について尋ねられれば、
「あー、コレ?ちょっくら歓楽街のほうで不良っぽい奴らに絡まれちまってサー。そんでこのザマよ。俺ちゃんの異能がサ、考えてる事全部外に漏らしちまうから。どうもソレ聞かれてキレられちまったみたいなんだよね、タハハー」
こうなるに至った経緯を包み隠さず話し、自身の異能の特性についても簡潔に説明する。
「まあ知り合いが手当てしてくれて、あと何日かすれば治るっつーけどね」
知り合いの保健課生徒――嶋野陽子についても、名前こそ出さないものの触れる。
先日の迅鯨は腹にも打撲を負っていたが、陽子に貼ってもらったナノマシン入りの湿布により、かなり早い段階で治癒していたのだった。
七生が目を逸らしたのを見ると彼の方を向き、
「ンー?どうしたのかナ?」
と言いつつ、左手の人差し指を口元に当てつつ舌舐めずり。彼を誘惑するかのような仕草をとってみる。

織一 > 「そうか……あそこの人間はそんなに攻撃的なのか」

(自分も歓楽街に行ったことはあるが、染み付いた血腥さで避けられているのか喧嘩を売られたことはない、
人間相手に喧嘩はしたくない__人間は弱い、手加減するのに神経を使う、
これからは歓楽街に行くのを控えるべきか)

(怪我については数日で治るらしい、それなら放っておいて大丈夫か、
迅鯨が東雲にモーションかけるのを横目に、貝を探す)

「む」

(ハマグリ発見)

東雲七生 > 「迅鯨先輩の、異能が……?
 あー、なるほど精神感応とかそういう類の能力なんすね。」

(いわゆる“サトラレ”というものだろう。
 過去にそういった能力を持った者たちが居た、というのを何かの資料で見かけた気がする。
 手当のくだりなどは半分聞き流しながら、少女の能力について考察していたが、ふと顔を上げると丁度誘う様な仕草とかち合った。)

「……ぃ、いやっ、別に……何もっ!」

(耳まで赤くなりながら、ふるふると首を振る。
 ここ数か月で異性にもだいぶ慣れたと思ったが、こんな風に蠱惑的な仕草を取る相手は初めてだった。)

「そ、そっか、歓楽街で!
 へ、へー、気を付けねえとなー!!

 あ、ハマグリまで見つけたのかよ。 良いなあ。」

(無理やり大声を出して誤魔化すと、織一が見つけたハマグリを見て。
 わっせわっせと自分も貝を探し始める。あぶないあぶない。)

蘆 迅鯨 > 「(ふふっ、可愛いじゃん♥)」
顔を真っ赤にし、大声でそれを誤魔化そうとする七生の仕草を見て、そう考えながらにんまりと笑顔を浮かべる。
こうして故意に異性を誘惑するような仕草をとり、反応を窺うのが迅鯨の楽しみのひとつであった。
織一がハマグリを見つけたらしい様子を見て、再びそちらに注目し。
「へー、今度はハマグリか。織一クンよくそんなにホイホイ見つけられるよなー。なんかコツとかあるのかねー」
また問うてみた。

織一 > 「やらんぞ」

(東雲に牽制しながら貝殻をこじ開け、以下省略、
ハマグリを生でもりもりしながら次の獲物を探し、首尾良くアサリを発見、
非常に「狩り慣れてる」、そう感じさせる手際の良さだ)

「勘だな」

(コツと云われれば勘ぐらいしかないが、野生の勘というのは案外馬鹿に出来ない、
獲物の見つけかた、仕留めかた、本能としても経験としても知り尽くしているのだろう)

「……ルー、あんまりからかうのもほどほどにしたほうがいい」

(お前そんなんだから脚へし折られたんじゃないのか、目はそう語っている)

東雲七生 > 「……~っ!!」

(からかわれている事など百も承知だった。
 でもしょうがないじゃない、健全な男の子なんだもの。
 そりゃあ多少どころじゃなく狼狽えたりしますよ。)

「ふんっ!!」

(いかにも平常通り、といった態度の二人を他所に
 懸命に砂を掻いていく。そうしているうちに、なんとかアサリを一つ手に入れたのだった。)

蘆 迅鯨 > 「へいへーい」
忠告を受ければ、左腕を頭の後ろに回し、やや不満げにそれを聞き入れる。
七生のほうを見れば、彼もまたアサリを手に入れていた。
「おっ、そっちも出たみたいね。やるじゃん」
と、軽く褒めてみる。先程のような蠱惑的な口調ではない。

織一 > 「おお、おめでとう」

(どうやらアサリが見つかったらしい、これで少しは飢えも満たせるだろうか、
心境は初めて仔が獲物を自力で捕らえるのを見た獣のようだ、
砂を掘っていた手を止め、無表情で拍手する)

「お前はやればできると思っていたんだ」

(とか上から目線なことを言いつつ、さっき捕ったアサリの貝殻を砕いてぱくり、
ぺっと口に残った貝殻を吐き出す、こじ開けてほじくり返すのが面倒臭くなったらしい)

東雲七生 > 「ひっひー、どうよ。今日一個目だぜこれ。
 やっぱこの辺結構あるのかな。だとしたらありがたいんだけどな~。」

(掘り当てたアサリを片手に迅鯨へと子供っぽく笑いかける。
 口調の戻ったことに対し、こちらも多少は赤さの残るものの概ね“いつも通り”の表情だ。感情の切り替えは早いらしい。
 アサリをバケツの中へと放り込んで、さらなる成果を求めてクマデを操り始めた。)

「へへっ、さーんきゅ!
 先に来て掘ってたのに成果なしじゃ格好付かないもんなあ。」

(上から目線の物言いも気にせず織一へも笑みを向ける。
 しかしまだ1つ。対して向こうは2つと1つ。負けられない。)

蘆 迅鯨 > 「うん、探せばまだ見つかるんじゃねーかな?俺ちゃんはよく知らないけどね」
こちらに笑顔を見せる七生にはそう言いつつ、仕舞っていた端末を取り出して現在の時刻を確認すると。
「……っと、こんな時間か。ほんじゃあ、俺ちゃんはそろそろ帰るわ。二人とも頑張ってなー」
そう言い残し、二人に別れを告げる。
怪我をした脚に負担をかけないようゆっくりと歩きつつ、黒いフードの少女はその場から去って行った。

ご案内:「浜辺(海開き状態)」から蘆 迅鯨さんが去りました。
織一 > 「そうか、さようなら、だな」

(去っていく迅鯨に別れを告げ、違和感とも照れくささともつかない何かが喉に突っかかる、
さようなら、という言葉を久し振りに使った気がする、マトモに人と会話したのも久し振りか)

「そうか、応援しているぞ」

(そう言うと砂を掘っていた手を止め、その場に体育座り、
潮干狩りの前からセミやカニを胃に納めていたし、満足したらしい)

東雲七生 > 「お、じゃーなー、迅鯨先輩!

 はぁ、……なんか何かとすげえ先輩だったな。」

(去っていく姿を見送って、その背が小さくなったころにぽつりと呟く。
 少なくとも、今までに会った事が無いタイプの異性だった。たぶん、苦手なタイプだ。
 ……嫌いって訳じゃないが。取っつき易そうだったし。)

「……おうっ、まあ見ててくれよ!」

(一度コツさえ分かれば簡単だ、と言わんばかりにクマデを操って砂を掻く。
 ものの5分もしないうちに新たな手ごたえ。またしてもアサリ。

 ほらな、と言わんばかりの表情で掘り出したそれをバケツへと放る。)

織一 > 「おお、やるな」

(更にアサリを見つけたのを見て、ぱちぱちと拍手、
嬉しそうな表情を見て、降って湧いた疑問を投げ掛ける)

「……そういえば、何故潮干狩りをしているんだ? 楽しいからか?」

(そういえば何故この少年は潮干狩りをしているのだろうか、
見たところ痩せていて栄養失調気味には見えないし、わざわざ狩らなくても食べ物にありつけるのだろう、
ならば何故狩るか)

(狩り、という行為が娯楽になることは知っているが、理解は出来ない、
狩りは必要だからする、そこに余計な感情を挟む余地は無い、
織一はそう考えているが、目の前の少年は違うのだろうか)

東雲七生 > 「ん? 何でって……

 バイト。」

(─というと多少の語弊がある。
 正確にはこうして掘り出した貝類を近所の魚屋に売りに行って小遣い稼ぎをしている、といったところだ。
 補習が多い苦学生には一般的なバイトは時間の工面の点から中々に厳しい。)

「まあ、そんなに大した額にはならねえんだけどさ!」

(実際二束三文、といったところだが、まあ一銭も入らないよりはマシである。
 たまに気が向いた時に運動も兼ねて出来る内職、といったところだろう。)

織一 > 「なるほど、仕事か」

(納得)

(実際、趣味よりは理解できる理由である)

「……なら、少しは手伝おうか」

(そう言ったのはただの気紛れ、理由はなんとなくというあやふやなもの、
しかし神なんてものはどうしようもなく気紛れだし、自分もそんな気紛れで産まれたのだろう、
がり、と手首を深く噛みちぎり、だらだらと溢れる鮮血を砂浜に垂らす)

「            」

(祝詞の朗読にも似た調子で詠われる日本語のようなナニカ、
内容は聞き取れないし言葉も短いが、捧げものがないならこれだけで十分だ)

「……「豊穣」祈願とやらをしてみた、効果は気休め程度だが、採れる量が増えるかもな」

(流れた血が波に混ざったのを見て、淡々と語る、
これだけの流血では気休めかおまじない程度の効果しかないが、
貝が普通より大きくなったり、わらわら増えたりするかもしれない、
手首は何事もなかったように綺麗さっぱり治っていた)

東雲七生 > 「そ、仕事……って呼べるほど大したもんでもないけど。」

(苦笑交じりに頷きながら、新たな収穫を求め砂を掻く。
 その動きはどんどん無駄が無くなっていっているような気すらするかもしれない。)

「え?手伝う──って、何を!?」

(急に流血したのを見るや慌ててクマデを取り落しそうになる。
 辛うじて落としはしなかったものの、何が起きたのか分からないといった顔で砂浜と織一の顔を交互に見た。
 
 怪我の方は何事も無かったかのように、出血が止まっているどころか傷口すらなくなっている。
 ……今のが彼の能力の一端なのだろうか、と思い至るまで暫しかかった。)

織一 > 「……なに、ちょっとした祝福だ」

(実際織一にとっては新しく開店した店に花束のモニュメントを贈るのと同じようなものだ、
所詮は気紛れで所詮は半神、捧げものを貰わなければ気休め程度の出力にしかならない、
立ち上がり、彼の顔を見下げるかたちになりながら語る)

「……新しい狩人に祝福を、お前が自然の節度を見誤らない限り、自然はお前を受け入れる」

(表情はどこまでも真剣に、声はどこまでも真面目に、
自身の血筋に恥じないように、堂々と歓迎しよう)


「……疲れた」

(神性を行使したからか、伸びをしながら呟く、さっさと帰って寝たい)

「……普段は青垣山か開拓村にいる、追加で神威を奮ってほしいなら聞くぞ」

(ただし場合によっては色々貰う、そう付け足すと、
やるべきことは成したとばかりに帰るのだった)

ご案内:「浜辺(海開き状態)」から織一さんが去りました。
東雲七生 > 「祝福。」

(聞き慣れない類の言葉だな、なんて場違いな事を考えた。
 それでもあまり信心深い方では無い七生にとって、祝福、とはゲームやアニメの世界の言葉だ。
 しかし、こちらを見下ろす少年が落したその単語に、悪い意味がない事は知っている。)

「おう、サンキューなっ!
 大丈夫大丈夫、獲り過ぎない様にするって!」

(あくまでそれは大前提。
 そもそも目先の利益に興味は無い。損得勘定というものは、頭の良い奴に任せておけばいい。
 そんな事を思いながら、新たに掘り当てた貝をバケツへ。)

「お、おう?
 ……よく分かんねえけど、青垣山か開拓村な!
 機会があったら遊びに行くよ! ホント、サンキューな!」

(去っていく後ろ姿に声を掛けて。
 最初の時よりも幾らか軽い気持ちで砂浜と対峙した。)

東雲七生 > (少し、考え事。

 それは自分の能力について。
 異能だけじゃない、魔術の素養も含めた能力。

 先日、魔術の発動を手伝った際に現れた異変。
 “水を出す”という簡単な魔術だったにも関わらず、氷を出現させたこと。
 その時に異能との関係性を指摘されたのだが、そんな事は考えた事も無かった。
 そこから更に考えた結果が、

 自分が魔術を使えない事にこそ、異能が関係しているのではないか

 という仮説。
 あまりにも突飛だ、と失笑してアサリを掘り当てる。)

東雲七生 > (仮に。
 自分の異能が原因で魔術を扱えないとして。

 その因果関係がさっぱり解らない。
 自分の異能は血液を操る事で、それは馴染の研究所でも再三確認している。

 友人は異能が“どこに宿っているのか”を気にしていたようだった。
 七生の中を流れる血液が普通とは異なる性質故に異能たり得てる可能性がある、ということだろう。
 ……それも、一応自分でも確認できるはずだ。

 ほんの一年前発現してからずっと煩わしいこの異能に、
 明確な疑念を抱き始めている自分に気が付いた。)

「あ~、やだやだ。 やっぱこんな能力どっか行っちゃえって。」

(沈みかけた気分を上げるためにわざと声に出してみる。
 だからと言って異能が消える訳では、ない。)

東雲七生 > 「……ああもう!
 やっぱ真面目な考え事とか向いてねえよ!」

(ここからは潮干狩りに専念しよう。

 そう心に決めた後は、有言実行、黙々とアサリを掻き集めて。
 それでも大漁とは呼べないバケツを手に家路についた。)

ご案内:「浜辺(海開き状態)」から東雲七生さんが去りました。