2015/09/23 のログ
ご案内:「浜辺」に霜月 零さんが現れました。
霜月 零 > ぼけーっと浜辺に座っている男一人。
その手にはいつぞやと同じく、抜身の刀が握られている。
が……特に稽古らしき事を始めるでもなく、寧ろぼけーっとしつつ周囲に目を配っている状態だ。
……傍目からすると、とても怪しい。

「だーいたい、こんなもんか」

刀を持つ角度を変えながら、そんなことを呟いている。

霜月 零 > 「……さて」

ぽつ、とまた呟くと、刀を手に何事かを念じ始める……すると、刀の刀身が段々と黒く変化していく。
ある程度黒くなったところで、その変化は止まった。

「うーん、どうかねぇ」

言いながら、その刀をまたいろんな角度からじろじろと見る。
掲げてみたり、軽く振ってみたり、軽くそれで突いてみたり。
……どう見ても単なる怪しい人だが、これでも一応、新技を開発しているのである。

霜月 零 > 零が開発……と言うか、なんとなく思いついて試しているのは、夜の闇に刀の刀身を紛れ込ませる術である。
五行において、水行の司る色は黒。水行の力を集めると、自然と黒色になる。
なので、それを刀身に纏わせれば、黒に黒が混じって保護色になり、刀身が見えづらくなるのではないか……と言う、何ともまあセコい発想である。
当人もセコい上に色々怪しいとわかってはいるのだが、それでもまあやってはみるかと思い、明かりのない浜辺でそんなことを試しているのであった。

「まだ、ちーとばかし浮いてるかね?」

色んな角度から確認しつつ、そんなことを口にする。
この場合、色の濃淡の違いでバレてしまっては本末転倒。これくらい水行を纏わせればこれくらい黒くなる、と言うのを把握しておかないと本当に使い物にならないのだ。

霜月 零 > ちなみに日中にやろうとも考えたが、即座に不可能と悟った。
日中では風景に多数の色があり過ぎて、的確に迷彩する事が出来ないのだ。
風術の使い手には、風を纏わせて光を屈折させることで正確な刀身を図らせない術者もいたが、それはそれで『あの歪んでるらへんが刀身』とあたりを付けられてもいた。
ただ、これは純粋に上塗りする保護色。故にしっかりと紛れ込ませてしまえばばれ辛い……はずだ。

「えーと、小さじ一杯分くらい力を増やして……」

刀身を確認しつつ色の濃淡を微調整していく様は、剣士と言うよりかは画家に近いのかもしれない。
その割に料理っぽいたとえが出ているのは、本人が料理好きで、料理基準でイメージした方がやりやすいからである。

霜月 零 > 「うん、これくらいか」

頷いて立ち上がる。大雑把にではあるが刀身は宵闇に紛れ、確かに見え辛くなっている。ぱっと見であれば、抜身でも気づかないかもしれない。
そのまま試し振り。
まずは、切っ先を小さく動かす『鶺鴒之尾』。
通常の唐竹割、特殊な手首の動きで切り返す『水燕』、間合いを悟らせない『真剣』。
色々な技を繰り返し、それによって黒の定着具合を確認する。

霜月 零 > おおよその技を繰り返し終わった後、ひゅっと一振り。それで黒は霧散し、元々の白銀の刀身が露わになった。

「巫刀術『黒水刀』……って、言ってもこりゃあ子供だましだな」

夜、明かりのほとんどない場所でしか使えないこの技は、まさしく子供だまし。
ちょっと刀身が見えづらくなる……その程度の効果しかない。
が、剣士である零は、相手の刀身が見えづらくなるだけで十分厄介であることも理解している。
この世界の超人達に立ち向かうのには聊か以上に矮小な武器だが、まあないよりはあった方がいいだろう。

霜月 零 > 「少なくとも、あいつらは守らねぇとな……」

未だに、自分の剣術が『何のための物なのだ』と言う疑問への答えも、『そもそも剣とはなんなのだ』と言う疑問への答えも、見出せてはいない。
ただ、この剣はある人を守った剣で、これからも守り続ける剣であることは間違いないだろう。
ならば、今見えている目標を完遂する……そのためには、場合によってはこの常世学園の『闇』の部分とも、剣を交えなくてはならないかもしれない。

「うだうだ細かい事は言ってられねぇ。とりあえず小手先でも力を、守るだけの力がねぇと始まらねぇ」

だから、こんなしょうもない技でも、臆面もなくすがる事にする。
少なくとも今は……それこそが、霜月零の大きなモチベーションとなっていた。

霜月 零 > 「さぁて、帰るか」

刀を納めて、ぐいーっと伸び。
極みは遠く、目標を達成しうる技量を身に着けた自信もない。
焦りはある、不安もある。が、とりあえず一歩ずつ、前に足を進めていこう。

ご案内:「浜辺」から霜月 零さんが去りました。
ご案内:「浜辺」にギルゲイオスさんが現れました。
ギルゲイオス > 夏も過ぎると、随分景色が違うように感じられるモノであるな。
(砂浜に足跡を残し、海を傍目に見ながら歩く魔王様。
夜となれば人の姿が殆どと見えないのは、夏でも同じ筈なのだが。
秋の侘しさ、とでもいうのだろうか。
身体に感じる気温の違いも含めて、何か別の光景に見えてしまう)

不思議なモノであるな。
(小さく笑い声、波の音にまぎれる)

ギルゲイオス > (波打ち際の濡れた砂、靴のつま先で蹴るように掘り。
ザクザクと、無為に穴が広がってゆく)

特に何も意味は無い、のだがな。
不意にこういう事がしたくなるのは、子供心か何かなのであろうか。
(喉を鳴らすと、膝を曲げてしゃがみ込み。
掘り返した砂を両手にとって、丸めていく)

ギルゲイオス > いやはや、両手が見事に汚れてしまったな。
だが、ふむ……新鮮な感覚、でもある。
思い返せば、砂遊びなんぞしたこ事が無いからのぅ。
(特に小さい頃を思い返せば、城の中にいた記憶ばかり。
外にでるのも、視察やら、顔見せやら、行事としてのモノが殆どだった。
もちろん、それが不幸、という訳ではないのだが)

中々、楽しいものである、が……
(口元へ自然に緩い笑みが浮かぶのだ、が。
幾ら濡れているとはいえ、砂は砂)

ぬぅ……
(丸い形とならず、ボロボロと崩れていく)

ギルゲイオス > やはり、幾らか粘土質を含む土でないと上手くはいかぬか。
(魔王様がっかり。
両手から零れ落ちていく砂の塊を暫しと眺めた、後)

そいやー!
(海に向かって勢いよくブン投げた。
当然、砂の塊は空中で爆発――はしないが、四散して。
バラバラに海へと墜ちれば、小さな音だけ残して消えてゆく)

ご案内:「浜辺」に蒼穹さんが現れました。
蒼穹 > (暇潰し。
久方ぶりに浜辺に出てきて、遊歩気分で波打ち際を歩く。
特に目的はなかった。)

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し。
猛き人もついには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
―――お困りの様だね。ギル。

(秋空の元。澄んだ黒色の夜空と、それを映して尚澄んだ透明色の水。
昼であろうと、夜であろうと、絶えずざざん、と繰り返される波音。
そして、それに飲まれた土の球に、ようやっと鉢合わせた人影、
夜でもまぁ目立つ目立つ魔王の文字。

国語の趣味はないけれど、一つ、波に飲まるる無常観を詠んでみた。
因みに、特に意味はない。)

ギルゲイオス > うーむ、次にやる時は公園にでも行くべき、かもしれぬが。
日中だと不審者扱いされる可能性が高そうであるな。
いや、夜だとそれはそれで怪しいのだが。
(大人が子供の遊びをするというのも、ままならないモノである。
砂で汚れた手を、打ち寄せる波で洗い落とし――)

不思議な呪文を唱えながら、突然に破壊神様登場のお知らせであるか!?
『滅び』とか言ってるし、何コレ超怖いのである。
(声が聞こえた方向に、視線を向けると。
なんだか冗談じみたような感じに「ひぃ」と小さな悲鳴が。
なお、流石に古典は分からないらしい)

うぅむ、まぁお困り、と言うほどでもないのだが。
砂浜で団子を作るのは、難しいモノだなと、な。
(もう一度、試にかき集めてみる)

蒼穹 > あっははははは、気にしてはいけない。
因みに私は滅多に呪文が要る魔法は使わないから、大丈夫だよ。
無常観、良い言葉でしょ。私はこう言うの、好きだなぁ。
もっとも私は壊す側だけどね。

(因みに怖がられるだろうと言う事は十中八九予想出来ていたらしい。
悪びれない様な笑顔を向けながら、ウンウンと彼にとっては分からないだろう事を語らい続けて。)

んで、何してたの?
砂の御城―――じゃなくて、砂浜で団子ぉ?

(ちょっと聞いて耳を疑う素振り。
砂浜には砂しかない。残念ながら砂は砂。
幾等やっても凝り固まる事はなく、
サラサラと、風前の前の塵に同じくして崩れてしまうのだろう。)

ギルゲイオス > 呪文を使わずにあの破壊性を持った術を使う、って時点で普通に考えて十分恐ろしいのであるがな。
……日本の古い言葉、というのは分かるのだがな。
内容は、正直いって分からぬ。
まぁ、また今度図書館に行った時、知れべてみるのも良いかも、知れぬがな。
(視線を向けて頷いた後、再度砂団子作成に移行。
かき集めた砂を両手で握り、丸めてみる、が)

……うぅむ。
(広げた次の瞬間、またと崩れていく)

上手くいかぬモノであるな。
砂の性質上、仕方がないと言えば、仕方がないのだがな。
(大きくと振りかぶって、もう一度と海にむかってぶん投げた)