2016/07/03 のログ
蔵田 怡与 > ……。
(軽く頭を下げて紙飛行機を受け取り、それを鞄の中にしまい込むと)

……
以前、特訓していただいたときに……持久力が足りないと……そう仰って頂きました。
体力ならば……体を鍛えればついてきそうですが……
異能を長く正確に使い続けるには……まずは、気力を鍛えないと、と、思いました。

……スタミナは、あの時よりは身についてきたと思います。
お腹も減りますが……だいぶマシになりました。

(考え考え、言葉を選ぶようにしながら、そう答える。)

リビドー >  
「ふむ。それは好い事だ。結局気を張る為の体力でもあったからな。
 体力ではなく気力が必要と思うならば迷う事なくそっちの修練に切り替えるべきだ。
 故に、それは好い判断だよ。好ましい。」

 目を細めて口元を緩め、
 好ましいものを見るように笑みを浮かべる。

「そうだな。さっきの話も聞くに、ある程度の下地が付いたのだろう。
 肉体的な疲労よりも精神的な疲労を意識してしまうなら、そうすべきだ。
 かの英霊たちが戦功を挙げた事だって、一定のフィジカルはあれど最終的にはメンタルあってのものだからな。」

蔵田 怡与 > (相手の言葉に、ほっとしたように表情を緩め)

……よかったです。
あまり……こういう特訓は、したことありませんでしたから……。

……あの。
先生は……「暗夜に霜が降るように引き金を引く」…という言葉を、ご存知ですか。
……かつての、英雄たちが……引き金を引くときは……そのようにしたそうです。
わたしは……まだ、よく、わからなくて……。
英霊たちの魂に……自分の力が余りにも及ばないのを……感じます。

リビドー >  
「ふむ。覚えはないが――」

 思案する。
 少し考え込んで、説明と句から内容を落とし込む。

「寒ければ霜は出来る。昏ければ何時霜が降りたのかだって分からない。当時ならではの言葉だな。
 今でこそ夜だって明るいものだし、電気や石油、合成燃料、果てには異能や魔法、未知のエネルギーが巡るこのご時世だ。
 暗夜も霜も中々覚えのないものだろう。」

「とは言え、その当時は今ほどそれらが発達していた訳でもない。
 今ほど贅沢にそれらを使えぬのだから夜は先の見えぬ昏さでもあり、
 戦場に身を置いている状況では下手に明かりをつける事も出来ん。」

 今より昏く、今より寒い。
 当時に於いてはそれらは知らぬうちに生じる当たり前の現象だったのだろう。
 故に、意識するものではなく自然に成るものだ。――リビドーはそのように捉える。

「前提が長くなってしまったな。
 故に暗くて寒い。冬は特にそうだろうな。
 寒いのならば葉や土に霜が降りる――水分が凍結する事だって当たり前の事でもあるし、
 明かりがなければ夜は何も見えぬ程昏い。故に、気付かぬ内に自然に生じている。となるだろう。
 さて、今風に言うなら、どうなるのだろうな。」

蔵田 怡与 > ……
先の見えぬ…昏さ。
当たり前に……気づかぬうちに……自然に生じること……。

……。
少し………わかりかけてきた気がします。
自然に、ごく当たり前に……引き金を引くこと……。
気負わず……特別な構えもなく……あるがままに……現象のように……。
そういう……ことなのでしょうか。
……わたしには、まだまだ遠い境地のよう……ですね。

……ありがとうございます。
今日は……先生にお会いできて……よかった。
もしよろしければ……また、特訓をお願いします。
(改めて相手に向き直ると、折り目正しく頭を下げた。)

リビドー > 「何、それ自体は大したことはない。
 ただちょっと、組み込む事が難しいだけだ。それだけ……」

 そこまで言って、言葉を止める。
 言うべきか言わざるべきか。少々の逡巡を見せ――。

「……人を撃つ事に躊躇が無かったとも言える。
 それほど過酷な世界だったのも忘れてはいけないよ。
 少なくとも常世島では、当たり前に人を撃つようなことを必要とするのは落第街ぐらいだ。
 後は、転移荒野位だな。あっちは無法と云うよりは事故の類になるが……」


「ああ。ボクも久しぶりにキミの事が見れて好かった。
 勿論、ボクで好ければ何時でも特訓には付き合おう。」

 折り目正しく礼をする彼女へは快い笑みを向ける。
 ひたむきに努力をするものは好ましいし、その上で自分で考えて答えを出せる彼女は更に好ましい。
 故に、特訓の句にも好い反応を見せるだろう。 
 

蔵田 怡与 > (過酷な世界、という言葉に顔を少し引き締め)
……はい。
それは……何度も聞きました……。
わたしは……わたしの能力を……人を傷つけるものにしたくない、です。
人を……守れる能力に……したい。


(島内にある剣呑な場所…自分が一度も踏み入ったことのない場所、そこに暮らさざるを得ない人々のことを思う。)
(無論、自分の理想が、甘いものであることも、わかっているつもりだった。)

(だがそれでも、争い事はない方がいいに決まっている。)
(女生徒は頑ななほど、そう信じている。)

……ありがとうございます。嬉しいです。
……それまでに、もう少し鍛錬を積んでおきます。
みっともないところは……見せたくありませんので……。

(そういうと微かに微笑み)

あ……もうこんな時間……。
引き留めてしまって……すみません。
では……わたしはこれで……失礼します……。

(再び頭を下げると、その場を後にした)

ご案内:「浜辺」から蔵田 怡与さんが去りました。
リビドー >  
「だろうな。だが、何度でも言うべき意味もある。
 人を守るなら、尚更な。――ああ、また会おう。」

 ――彼女を見送り、少しの間立ち尽くす。
 反芻するように余韻に浸った後、ゆっくりと歩き出す。

「さて、ボクもそろそろ行くか……」
 

ご案内:「浜辺」からリビドーさんが去りました。