2016/08/11 のログ
■谷蜂 檻葉 > ミステリアスな紫の瞳を光を受けて真白に輝く砂の城に向けて、口元を愉快げに歪める。
スコップを地に突き刺し、再び素手で砂に手を付ける。
それは生娘に手を伸ばすように優しく、しかし望みを持って荒々しく。
ただ手を当てるだけでは出来ない繊細な魔力操作で砂に息吹を当てる。
粒子が空に飛び、残るのは砂の支柱。
数センチほどの長さ、数ミリの太さで支える造形だけの楔。
足りない砂は男が集め、また継ぎ足して城は城へ近づいていく。
ただ形を作るだけではないその作業はソレまでと同じ程に時間を使い――――
日も高い夕方。
16時を過ぎて、此処に砂の楼閣が生まれた。
堀、"砂"垣をもった、櫓のない天守。
常夏の浜辺の隅。
人目の向かないそこに、自己満足の塊で出来た「砂のお城」が完成した。
「………っふ……… ……… 私は檻葉。貴方は?」
檻葉は満足がいったソレを少しばかり離れて眺めて満足気に笑うと、今気づいたとばかりにそう問うた。
■真乃 真 > 魔力による砂の操作に感嘆の声を上げるも砂を集める手を止めない。
この城を完成させるために、少しでも早くこれの完成形を見る為に。
男の首に巻かれていた白く長いタオルは砂にまみれてしまっていた。
完成した。
それが完成したと気づいたのはその満足げな顔を見たからだった。
ああ、望んだものが作れたんだな。
「僕は真乃真。うん、良い城だね!ああ、良い城だ!」
立ち上がりタオルについた砂を軽く払い満足げな顔で砂の城を見ながらそう言うと
もう一度ひとしきり城を眺めて伸びをした。
「さてと、またどこかで会う事もあるだろう、それじゃあね檻葉さん!」
最後に一言そういうと男にしては珍しくゆっくり歩いて去っていくのだった。
ご案内:「浜辺」から真乃 真さんが去りました。
■谷蜂 檻葉 > 「真乃 真 ……ええ、また。 また、何処かで!」
砂で汚れた手を広げて、ゆっくりと去っていく真の背を見送る。
■谷蜂 檻葉 > 「………たまには、外に出て見るものね。」
やがて、真の姿見えなくなった所で手を降ろすともう一度だけ城を振り返り。
携帯を忘れたことに気付いて、ジッと見つめてからやがて檻葉も女子寮へと帰ることに決めた。
ご案内:「浜辺」から谷蜂 檻葉さんが去りました。