2016/11/06 のログ
ご案内:「浜辺」に黒龍さんが現れました。
■黒龍 > ――忌々しい次元の狭間から片腕を犠牲にして「門」を作り、それをぶち破ってから早数日。
流れ着いたこの世界が未だにどういう所かは分からない。分からないが、それなりの事は理解できた。
元々、魔力の扱いには長けている…その流れから色々と読み取れるものはあった。
どうやらここは島…らしい。言語も何もかもが未知数。龍からすれば異界に他ならぬ。
とはいえ、あの捻じ曲がった荒野に居ても目立つ。故に人の身に変化した。
「……しっかしまぁ、よく分からん島だぜ……つーかこの世界が、か」
浜辺と思しき場所で、真昼間から佇む黒いスーツにサングラスの男。
マフィア、ヤクザ、その筋に近い者と十中八九勘違いされかねぬ容貌。
特に、隻腕故に潮風にはためく左の袖が目立つだろうか。
■黒龍 > 言語や読み書きの問題はあるが、そこも魔力云々で何とかなるだろう。
楽観的、というよりもこの世界の魔力に馴染んできたのが大きい。
あの荒野付近でただずっと彷徨っていた訳ではない。
とはいえ、服装までは気を使っていない辺り抜けているといえなくも無い。
「さて、どうすっか…「門」が消えた以上、現状はこの島で自活するしかねー訳だが…」
アテが無い。無ければ自力で何とかするまでだが…さて、どうしたもんか。
ここら辺りは海に面しているせいか水の魔力が色濃い。
ついでに、考えを纏めながら直接魔力をこの身に吸い上げて還元している。
元々が強大な龍故に、自力で魔力を作り出せるのだがこれの方が手っ取り早い。
■黒龍 > 「……あーあれこれ考えて行動すんのもメンドくせぇな…行き当たりばったりでも別にいいか」
あれこれ一応は考えたものの、右も左も分からぬ見知らぬ土地、見知らぬ世界。
異世界に来た事は今更疑う余地も無いが、それに怖気付くのもアホらしい。
水の魔力を十分に吸い上げたので、それを中断しつつ余剰分の魔力は別に蓄えておく。
「あぁ…あと左腕の代わり調達しねぇとなぁ…義手とかこっちの世界あんのかねぇ」
見た感じ、文明レベルはそこそこ…にも見えるし、ある所にはあるだろう。
問題は、この島にそういうのを扱う場所があるのかという事だ。
そもそも土地勘が無いので、虱潰しに探し回るしかない…面倒な事だ。
「あんのクソ白龍、元の世界戻ったら絶対ぇにぶっ殺す…」
■黒龍 > 「さしあたっては――…まぁ、この島の地理の把握だわな」
土地勘が無いならば養えば良い。至極単純明快である。
踵を返せば、砂地を踏みしめ歩き出す。人の姿になると暫く龍には戻れないのが難点だ。
「下手に魔術使って目立つのも、それはそれでメンドくせぇ事になりそーだしよぉ」
治安機構くらいこの島にもあるだろうし、そいつらに目を付けられるのも…
「いや、まぁそれはそれでおもしろそーだな…クハッ!」
最後にそんな呟きと愉快げな笑みを漏らしつつ、一人その場を後にする。
ご案内:「浜辺」から黒龍さんが去りました。