2017/01/10 のログ
ご案内:「浜辺」に黒龍さんが現れました。
■黒龍 > 昨日のちょっとした”騒動”から時間も経過し、何やかんやあったが取り敢えず落ち着いた。
流石に、また海底遺跡を訪れる気にはなれず…結局は、こうして夜の浜辺を一人歩いている訳であるが。
(……あの小娘、どうせあちこち飛んでるんだろうが大丈夫だろうな…?)
望んでそうなった訳でもないし、完全な成り行きだが。懐かれてる以上は捨て置けもしない。
とはいえ、ガッチガチに縛る趣味もないし、空の女王は自由気儘に飛んでこそだろう。
と、いう訳で最低限の注意だけしておいて後は彼女の好きにさせておいた。
で、こちらもこちらで何時も通りの生活だ。とはいえ、久々に歯応えのある戦いは出来たが。
葉巻を口の端に咥えつつ、一人気だるそうな足取りで海岸線を見ながら砂浜を歩く。
(…一応確認しておくか。術式展開…で、経路(パス)を開通(オープン)。…軽度の同調(リンク)…と)
……反応はあったが、ここからだとそれなりの距離だ。この方角は…何とか山があった筈だ。行った事がないし名前なんてうろ覚えだったが。
「…取り敢えず、領域に伝言だけ残しとくか。「面倒だが何かあったらこっち頼れ。以上」…と」
伝言だけあちらに送りつけてからリンクを解除する。パスが確立されているとこういうのは楽だ。
■黒龍 > 「……つぅか、空…ねぇ?」
葉巻を咥えたまま、何となく夜空を仰ぎつつの。流石にここで龍の翼を生やすのは面倒だ。
なので、術式を足元に展開しながら、まるで階段を上がるような動作で空中を「昇っていく」。
そのまま、高度にしてまぁせいぜい100メートルちょい程度の辺りまで到達すれば。
術式は足元に展開しながら島の様子を改めてグルリと見渡してみる。
「……若干似てる気はしねーでもねぇけど…やっぱ異世界は異世界ってか」
何ともいえぬ溜息を一つ零して葉巻を蒸かす。こちらの世界に来て多少時間は経つが…。
元の世界に戻るアテも何も無かった。それに、やっぱりかつてより力が落ちてる気がしないでもなく。
まぁ、そんな事より海岸上空で佇むチンピラぽい隻腕の男、というのはある意味凄い絵面であるが。
■黒龍 > フと思う。かつて己が龍として雄々しく飛び回っていたあの空は、まだ残っているだろうか?と。
「……残っていようがいまいが関係ねーか…今の俺には」
所詮負け犬で転落者だ。今の己にはあの世界を帰る術を何一つ知らない。
どれだけ強くなっても、どれだけ賢くなっても、どれだけ思いを馳せても。
戻れないものは戻れないのだ。その現実をひっそりと突き付けられたようで。
溜息と共に、フッと足元の術式を消して…上空100メートルから自由落下。
そのまま、派手に砂浜に着地…寸前に術式で落下を和らげて静かに着地したが。
■黒龍 > 「…まぁ、こっち来て胡散臭い情報屋の商会メンバーにされたり、変な記憶喪失女保護したり、猛禽娘に懐かれたり地味に色々あったがよ…」
まだまだ数は少ないとはいえ、それでも繋がりが出来てしまった以上は断ち切れない。
それは甘さで、それは優しさで、それは未練か。もし元の世界に戻れるなら全て断たれてしまうのに。
「……止め止めくだらねぇ。どうせ先なんて見えやしねーんだ。考えても埒が明かねぇ」
ごちゃごちゃ先を考えるより今を生きる。過去を思うより今を見ろ、と己に言い聞かせる。
何時の間にか短くなっていた葉巻を足元に落として靴底でグリグリと踏み消しておき。
■黒龍 > 後はそのまま、フラリと気だるそうな足取りはそのままに何処かへと歩み去っていくだろう。
後に残るのは、微かな葉巻の芳香と…静かな潮騒と風の音だけだった。
ご案内:「浜辺」から黒龍さんが去りました。