2018/03/14 のログ
ご案内:「浜辺」に岡崎燐太郎さんが現れました。
岡崎燐太郎 > 夕暮れ、浜辺に建つ灯台のふもとで佇む人影。
それは灯台の外灯を背に鉄柵にもたれて、オレンジに染まる水平線を眺めていた。
たまに吹き付ける潮風は肌を刺すような冷たさではなく、春を感じさせる風へと変わっていた。

柵にもたれた手には飾りのついた包装紙。
その包みからクッキーを取り出し、見た目に関心を示すわけでもなく口に放り込む。
ホワイトデーということでお返しを調達したものの、慣れない買い物だったのでいくつか余ってしまった。
包みにはチョコやらクッキーやらが詰まっているが、まあ甘いものは嫌いではない。無駄になる事はないだろう。

岡崎燐太郎 > 口の中の水分を奪われるのも気にせず中身を消費していく。
そのうちの一枚を指で何等分かに砕き、海に向かって撒いてやる。
するとめざとくその欠片を見つけたカモメが潮風とともに掻っ攫っていった。

まだカモメが留まっているということは海は冬が過ぎていないようだ。
だが学園ではすでに卒業式の準備が始まろうとしている時期だ。
卒業式といってもこの世界の基準に倣った形式的なものにすぎないが。
いわゆる進路は自由だというし、希望によっては島に残ることもできるのだから本土の学校より情緒は薄い。
いずれにしても卒業生じゃない自分からすればあまり関心はない。