2015/06/08 のログ
■シュリク > (妖気はない。だが、生気もない。――そういうのを魔物は察知する、と聞いていたのですが――)
私は、異能人形(アーツドール)です。簡単にいえば、アンドロイド、機械ですね。……鬼。やはり<<ゲート>>開放以降現れた存在でしょうか……いえ、申し訳ありませんが警戒させていただきます。<<ゲート>>の外から来た存在は、いるだけでこの世界のバランスを崩すので。
(臨戦態勢のまま、神社の説明を聞くというおかしな格好になっている。敵対心を出しているのか、教えを請うているのか、シュリクの態度はちぐはぐしていた)
ふむ、悪い気、ですか。では、貴女のような魔を帯びた存在が手を洗えば、貴女自身が消えてしまうのではないですか。
■久喜棗 > (生き物ですらなく人形と言われ、流石に目を丸くする)
機械仕掛けの人形は何度か見たことはあるが、お主のような人間そっくりのものは見たことがなかったな
人の技術の発展は速いとは聞いておったが、いつのまにかこんなものまで創りだすようになっておったのか…
む、いや。儂は歴とした日の本出身者じゃ。ゲートから来たわけではない…まぁそう思うのも無理は無いがな
はは、本当に水を流すだけで鬼が消えてしまうなら儂は相当難儀で不便な生活をせねばならぬじゃろうな
流石にそのようなことはないから心配は無用じゃ
お主はどうにも頭が硬いのう、そういう言い伝えがあるというだけじゃよ
■シュリク > いえ、私は6000年前に製造されたので、むしろ失われた技術というべきでしょう。私以外にもアンドロイドはいるらし――え?
(今度は此方が目を丸くした。感情らしい感情を見せるのは、久喜に出会ってからはそれが初めてだった)
<<ゲート>>からでは、ない……? ……そんな、まさか……この世界に、もともと貴女のような存在がいた、と……?
言い伝え……人間は、どうにもそういう、胡乱な行動を有難がる傾向にありますよね。非合理的です。
■久喜棗 > ろくせ、六千年前じゃと…!?そんな昔に文明などあったのか!?(予想外の返答にますます驚きひいふうみいと手で数えてみる)
それに他にもお主のような存在がおるのか。流石は常世島、儂の常識が狭く感じよるわ
ああ、そうじゃな。少なくとも儂の古くからの知り合いにも妖怪がおるし
人間が信じていないだけで、あやかしはそう珍しい存在ではないのじゃ(と何故か得意気に語ってみせる)
機械のお主には非合理に感じられるか。そうじゃなぁ、そうかもしれんがこういった非合理を大切にするのは人間らしさとも言えるからのう
■シュリク > ええ。当然、もう滅びましたけど……私は、未開発地区の遺跡群から目覚めてここにいるのです。……このような、日本、などという島の文明ではなかったと思うのですが……
(おかしなことを言った。まるで、遺跡群自体がもともとこの島のものではないかのような)
神もいる世界です、機械ぐらいそう珍しくはないでしょう……。
……そう、なのですか……
(それを聞いて、よろける。自らの価値観、知識、その全てが崩れて散ったかのような感覚を受けた。――急に頭を横に振り)
い、いえ、貴女が嘘をついていないという保証はどこにもありません。私は、信じませんよ。そんな、魔物がこの世界にいたなんて……
非合理を、大切にする……分かりませんね。そんなものを大切にする理由がどこにあるのでしょうか。
■久喜棗 > そうか…しかしお主のような存在を作ることのできた超文明が何故滅んでしまったのかのう
いや、うむ破壊神と創造神には既に出会っておるからな。驚くことはないといえばまぁそうなのじゃろうが…(と何か釈然としない感じの表情になる)
(二度も魔物と言われ少し表情をむっとさせ)
そう人を悪魔か何かのように言われるのは納得いかぬな。儂は鬼は鬼でも良い鬼じゃ……と、儂は思っておる
少なくとも元いた村では人とも仲良くやっておったのだからな
ふむ…ある劇で役者が言っていた言葉をお主に贈ろう「必要性だけで持つべきものを決めるな、乞食ですら何かしら不要なものを持っている」
とな、人間は無駄なものを好む生き物。儂も心は人間に近い、ゆえにその気持がよく分かるよ
■シュリク > ……それが、データにないのです。何故私がその時眠っていたのか、こんな知らない場所に飛ばされているのか、何一つとして……書籍にも何も残っていませんし。
(そう語る表情は無機質だが……ほんの少し不安そうに感じられたかもしれない)
既に……! ちなみに、どんなかんじでしたか。容姿は? 危険性はないのですか。破壊神に関しては、どうも不完全らしいのですが……。
(あからさまに不機嫌になった様子に首を傾げる)
良いも悪いも無いでしょう。人間は人間、機械は機械、魔を帯びた存在であるならば魔物。単なる俗称じゃないですか。
貴女がどんなに善性を持っていたとしても、人間とは呼びませんし。鬼とは、魔を帯びた存在なのでしょう?
ですから、その好む理由がわからないのです。合理性を欠いて、得るものとは? その不要なものを持つ、貴女がわかるという気持ちとは一体どういうものなのですか
■久喜棗 > なるほどのう…お主も苦労しておるのじゃな。何か手がかりの一つもあらぬのか?
(少女の境遇を案じて同情してしまう。一人ぼっちは寂しいだろう、たとえ機械といえども)
そうじゃな、創造神の方はなんというか……普通の女の子であったよ
破壊神はだいぶ不安定な性格のようじゃ。ぬしが言うように不完全だからかのう…危険性で言えばこちらのほうじゃろうな
ぐぬぬ…確かに、それはそうなのじゃが。結構痛いところをついてくるのうお主は…
(人間とは違う、自覚していることだがあまり進んで認めたくはない事実を指摘され言い返せなくなってしまう)
ううむこればかりは価値観の話じゃからなぁ…(といって頭を捻って理屈を考える)
何故人間がそのように無駄を好むかといえば
必要でない多様な行動を好む人間のほうがより生き残りやすかった、からじゃろうか
生物においては高等なほど無駄な行動が生じやすいようじゃしな
■シュリク > あれば、もう把握しています。図書館にも、わたしの文明に関する書物が「一冊」もなかったのです。禁書扱いにでもされているのでしょうか……
(6000年前といえば、日本で言えば縄文時代に相当する。その時代にそこまで高度な文明があったとすれば、書籍の一冊や二冊出ていてもおかしくはない)
普通の女の子……? 神、ですのに? ……そちらもやはり不完全なのでしょうか。それとも、セーブしている……?
ふむ、ではやはり破壊神の方は見つけ次第討伐する必要がありそうですね。完全体になる前に始末しなければ。
むしろ、どうしてそこまで魔物であることを拒むのですか。人間になりたいとか、そういうタイプなのでしょうか?
なるほど、自然淘汰の結果ですか。それならば、人工的に作られたわたしが理解できないのもうなずけます。
無駄な行動によってなぜ生き残りやすいのかは、分かりませんが。そればっかりは人間に聞いても納得できる答えは得られないかもしれませんね。
■久喜棗 > (ふむ、と指を顎に指し当て思案する)
ここの蔵書は一級品の資料が揃っておると聞いたがそうか…ふうむ、それは確かに不自然じゃのう
何億年も昔の話でもあるまいし実在したとなれば遺跡のひとつやふたつ残っていて不思議ではあるまい
それが無いとなると、誰かが隠蔽でもしておるのかのう…そんなことをして得する者がいるのかもわからんが
……お主意外と武闘派なのじゃな…未完成といえど破壊神じゃぞ、返り討ちにあわぬよう気をつけるのじゃな
(手をひらひらと振りそうではない、と断りながら)まさか、人間ではないものがどうしようと人間にはなれぬよ
だがのう、儂は人間のそばにありたい。魔物であることを否定するわけではないが、人のそばに居られる善き魔物でありたいものじゃ
お主にとってはどちらも変わらぬだろうが(と自分の言葉に苦笑する)
あとはそうじゃな…環境が変われば何が必要かも変わっていく
そういう時に無駄な行動が一転して必要なことに繋がることもあるじゃろうな
■シュリク > 私もそれを睨んであの学園に入学したのですが、見当違いでした。今度奥にあるという禁書棚の閲覧許可をとってみようと思います。そこでもないとなれば……遺跡周辺を調査するしか無いでしょう。
ええ、……確か、「蒼穹」という方にも同じように言われました。ですが、危険な存在と知って放置しておくわけには行きません。
(ぽろりと、件の破壊神の名を口にする)
私は人間によって作られた存在なので、人間を大事にしたいという気持ちはわかります。
ですが、貴女のようなまも――いえ、鬼がそこまで思う理由、とは?
(多少気遣ったのか、魔物呼びはやめた)
……成る程。そういう考えたかも、あるかもしれませんね。
何が必要になるかわからない。だから、無駄と思えるものも集めておく。……まあ、無駄な行動をしている人がそういう考え方をしているかと問われればそれは否、でしょうが。
■久喜棗 > 禁書棚なぞあるのだな、それは知らなかったの。しかしどのような本があるのじゃろうな?
危険な魔術に危険な思想、失われた歴史などといった辺りか。なかなかロマンがありそうじゃな…儂が申請しても読ませてもらえるのじゃろうか
蒼穹?同名かもしれぬが破壊神も蒼穹と名乗っておったが…もしかしてお主、破壊神がどのような顔をしてるか知らぬのか?
(何故か、と問われ腕を組みしばらく考える)……さてのう、こういうのはそれこそ理屈でなく気持ちの話じゃからな
あえて言えばそうじゃな、儂のような者も元を辿れば人と繋がっておるのかもしれぬな
人の信仰が神を産むように、淀んだ思いの残滓のようなものが儂らの種になっておるのかもしれん
ゆえに儂は人を求めるのかも…まぁ、勝手な思い込みじゃがな
■シュリク > さて、それではどうでしょうか……誰でも申請すれば閲覧できるものならば、禁書扱いになどしないとは思いますが……
ただ、価値のある書籍で満ちているだろうことは推察できます。ダメ元で申請してみては?
……いえ、知りませんが……あの、もしやとは思いますが、その破壊神は女性で……?
人の思いが貴女を生み出した、とでも言うのでしょうか。
しかし、淀んだ思いにしては、貴女は……善い者寄りな気が、しますよ。
少なくとも邪念はあまりかんじられません。……人外が皆貴女のようであれば……
■久喜棗 > やはりダメか…確かに興味本位で読めるようでは禁書にはならぬしの
そうじゃな、中には儂のようなものの存在のルーツが書かれた本もあるやもしれぬし
試しに一度頼んでみるかのう…この場合司書に頼めばよいのかのう、それとももっと上に掛け合わねばダメなのじゃろうか
ん?うむ、儂が出会った破壊神は髪の長い女性であったよ…お主、破壊神に遊ばれたのではないか?(とクスッと笑う)
(褒められたと感じ、恥ずかしいのか手をもじもじとさせながら)
そ、そうか?善い者を自称してはきたがそう言われるのは初めてのことじゃな
そういえば…まだ名前を聞いたなかったのう
ぬしの名はなんという?儂は久喜、久喜棗じゃ
■シュリク > セオリー通りに行くならば、司書に頼んで上に掛けあってもらう……でしょうね。図書委員に聞いてみてもいいとは思いますが。
……わ、私としたことが破壊神を見ておきながらみすみす逃がすような真似を……!
(わなわなと震え、すごく悔しそうだ)
……でも、あれなら当分は置いておいてもいいかもしれませんね。破壊神、と呼ばれるような邪気をそこまでかんじませんでしたし……随分人間臭かったですよ
貴女と話した相手は、言わずともきっとそう思っていると思いますよ。邪気を全くかんじない。本当に貴女のような方ばかりなら私も人外に対して警戒などしなくて済むのですが。
ああ、そうでしたね。私はシュリク。今は女子寮に住んでいます。――久喜、ですね。登録しました。やはり学園に?
■久喜棗 > おお、図書委員か。そういえばそのような委員会もあったな、すっかり失念しておったわ
しかし最近の委員会棟はピリピリしておって近づきたがいのじゃよな…何かあったのかのう
やはりか、あやつ破壊神と名乗りながら茶目っ気が多いからのう…まったく困ったやつじゃ
そうかそうか、そうだったら何も言うことはないのう(と満足気に微笑む
シュリクか、覚えておくぞ。…っとだいぶ長話してしもうたな、そろそろ帰るとするか
またなシュリクよ、そのうちお主の住む女子寮にでも遊びにゆこう
ご案内:「常世神社」から久喜棗さんが去りました。
■シュリク > ああ、そういえば……まあ、人間間の争いなど常ですよ。それよりも私は<<ゲート>>の向こう側の存在が気になりますし。
(周囲で起こっている事件は興味ないと言いっているかのようだ)
茶目っ気というか、なんというか……話していて不思議な感覚はありましたけど。
いえ、有意義な時間が過ごせたと思います。ええ、是非。その時は歓迎しますよ。また、お会いしましょう。
(去りゆく背に頭を下げて見送った)
(ある程度神社を回った後)
……さて、それでは私もそろそろ帰りますか。エネルギーも補給しないといけませんし。
(今日は何を食べましょうか、とるんるん気分で石階段を降りていった)
ご案内:「常世神社」からシュリクさんが去りました。
ご案内:「常世神社」に霜月 零さんが現れました。
■霜月 零 > 「…………」
ボーっとしている。
いや、何というか……神社って、落ち着くのだ。いろいろあって疲れてることだし、たまにはこういうのもいいだろう。
「……あー、めんどくせー」
ボーっとしつつも、色々なことを思い出す。そういえば、アレから残った連中はどうなったんだろうか。
■霜月 零 > 結局、自分は炎の巨人を倒した時に、吹き飛ばされてその場から消えた。
ただ、あの時点では勿論、あの事件単体にすら決着はついていない。
首魁であった西園寺は死亡、と言うニュースは見たが。そうか、死んだのか。
「……ほんっとーに、殺すような相手だったんかね」
なんとなく、疑問に思う。アイツ、本当にそこまでするべきだったかと言うと、なんか自信がないのだ。
■霜月 零 > 後、あの風紀委員…レイチェル・ラムレイが表彰されるらしい。ついでに、強硬捜査に関しては軽い処分で済むそうだ。
「あー、まあ、よかったんかねぇ」
……ついでに、一緒になって暴れまわった自分の処分も、無かったことになってくれると実に嬉しい。そこら辺、どうなってるんだろう。
■霜月 零 > 「そーなんだよなぁ……俺、なーにしてたんだろうなぁ」
なんとなくこう、勢いで突っ走るレイチェルを放っておくとヤバい事になる気がしたので追いかけたが、何故それが一緒になって大暴れになったのか。
いや、状況的には時間が命だったから間違っちゃーいないはずなんだが。
「表彰、っつーとなあ」
自分らもされたりするんだろうか。いや、無いな。恐らく、事件解決の象徴としてレイチェルだけを表彰する流れだろう。ぶっちゃけ、その方が楽でいい。
表彰台の上なんて、ガラじゃないのだ。
■霜月 零 > そういう意味では、目下の興味は大体二つほど。
あの事件が、どのような決着を見たのか。
巨人の本体であったと思しき雪城氷架は無事だったのか、他の連中はどうなったのか、を含めての、あの事件の見た一応の終着点。
そして。
「……いやマジで、珍しく世のため人のためっぽく頑張ったんだから、処分とかナシで頼むぜ?」
自分らが、処分を受けたりしないか。それくらいである。
■霜月 零 > 「あー……」
色々なことを考える。が、結局、直近のあの事件の事で大体思考が埋め尽くされる。
それらを全部纏めて、ボヤくのだ。
「……面倒くせぇ」
と。
■霜月 零 > それ以外にすることもない。稽古は、流石に骨が折れたままでやるのは逆効果だ。
だから。
「…………」
ボーっとするしか、無かったりする。いや、本当にダルいんだって。
寧ろ誰かこう、せめて処分に関して聞いてきてくれねえ?アレだけ頑張って結果が処分ですとか、割に合わないってレベルじゃねーんだけど。
■霜月 零 > 話す相手もいないし、別にすることもない。
気が向いたら処分について確認するくらいだが、アレはどこに聞けばいいんだ?風紀?いや多分違う。いやマジでどこだ。
「……だーれかー。聞いてきてくれー」
ダメ人間丸出しの発言をしながら、しばらくボーっとし続ける事にした。
■霜月 零 > と言うわけで、まあ……しばらくボーっとして、何もなければ適当に立ち去っていくだろう。
それくらいしか、することがないのである。
ご案内:「常世神社」に四十万 静歌さんが現れました。
■四十万 静歌 > 授業もきっちり受けるくらい気分転換は出来たけれど、
結局の所、後は――
神頼みするくらいしかないので、
詣でにきたのだが――
「……」
ぼーっとしてる人を発見した。
こういう場合の選択肢は二つ。
見なかったことにするか、
それとも話しかけるかなのだが――
「……大丈夫ですか?」
結局の所話しかけてしまうのである。
■霜月 零 > 「んー……?」
ボケーっとしつつ、そちらを見る。
「あー……まあ、大丈夫、と言えば大丈夫、か?」
■四十万 静歌 > 物凄く頼りない答えが来て、
逆に心配になってくるわけで――
「それはまた……大丈夫じゃない人の発言ですよ……?」
つい、突っ込んできいてしまうのであった
■霜月 零 > 「んー……」
どうしよう。まあ、何か問題があるかと言えばない。気になることはあるが、流石に初対面の相手に聞く内容でもない。
せいぜいが……
「……暇、ってくらいか?」
そんなもんではある。
■四十万 静歌 > 「暇、ですか。
時間をもてあます時ってありますよね。
えーっと。」
暇、暇かーと軽く顎に人差し指を当てて考え――
「お話相手になりましょうか?
あ、
私2年の四十万 静歌(しじま しずか)っていいます。」
ぺこりと一礼。
まぁ、拒否されたらされたでそのままお参りして帰ろうとか思いつつ。
■霜月 零 > 「んー……」
暇に突き合わせるのも悪い気がする。
が、暇を全力でもてあましているのも確かだし、この善意を蹴っ飛ばすのもあんまりいい気がしない。
「霜月 零(しもつき れい)、一年。じゃあ、お願いしていいっすかね?」
なので、お言葉に甘える事にした。
■四十万 静歌 > 「ええ!
といっても……
私何か特に面白い事を話せるって訳でもないんですけどね。
眠気覚ましに……」
指を鳴らして不意な動作の違和感を強くし、
意識が集中している隙に缶ジュースを取り出し……
お汁粉を差し出した所で、
「わわっ!?」
違う、そうじゃない、
私が差し出したいのは汁粉ではなく甘い缶コーヒーだと、
思わず汁粉を落として缶コーヒーを差し出そうとするだろう。
■霜月 零 > 「おっと!?」
思わず落ちる汁粉に手を伸ばすが、届かない。
「あー……悪い」
ここでも反射神経が不足するのか、俺……と嘆きつつ、缶コーヒーを受け取る。
■四十万 静歌 > 「いえいえ。
間違えて汁粉なんて取り出したのが悪いので……」
苦笑しながら汁粉を拾い上げる。
「こう、いつも冬じゃないと中々見かけないのに、
こんな季節にあるの!?
とか思って衝動買いしちゃったんですよね。
ついこの間も衝動買いしちゃって……」
はわわ、と恥ずかしそうにそんな事をいう。
■霜月 零 > くつくつと笑う。確かに、この季節に汁粉は珍しい。
「あー、そりゃ確かに珍しい。俺でも気になってつい手に取るかも」
まあ、多分一度買ったら二度目はねーけど、と笑う。
「で、この時期の汁粉、旨いの?」
■四十万 静歌 > 「……」
美味いのかって聞かれて硬直する。
甘いものは好きである。
大好きである。だが……
「美味しい事は美味しいでしょうけど、
多分普通に冷たいジュースとかの方が美味しいと思いますっ……!」
失敗したぁぁぁっと愕然とした表情で零をみる。
表情が面白いくらいころころかわる。
顔立ちはいたって平凡で特徴をみつけるのが困難な癖に
■霜月 零 > 「……は、あっはっは!そりゃそーだ!冷えた炭酸飲料とかの方がこの時期に合うよなやっぱ!」
はっはっは、と彼にしては珍しく快活に笑う。
ああ、なんだかこう、うだうだ考えてたのが馬鹿らしくなる。
こういう日常が、一番いい。
「で、なんでそれ二回目買っちゃったの?」
意地悪半分で聞いてみる。さあ、どんな表情を見せてくれる?
■四十万 静歌 > 「えー、えーっとそれは……」
面白いくらいに視線が泳ぎ、
なんでなのか考えるが、
理由を問われるとそう、
特にはない、しいていうなら――
「せ、脊椎反射……?」
そんな事を相手の出した問題に、
自信のない答えを答えるかのように言った
■霜月 零 > 「あっはっはっはっはっは!!!」
ダメだ、これは卑怯だろう。
悪いとは思うが、笑いが止まらない。まあ、分かるけど!わからなくはないけど!
「せ、脊髄反射なら仕方ねーな!ああ、確かに仕方ない!」
■四十万 静歌 > 「ううー、そんなに笑わないで下さいよ、
恥ずかしいです。」
顔を真っ赤にしてちょっと膨れる。
別に本気で起こっているわけではないが。
「そーです、仕方ないんです、
仕方ないんです。
思わず有名なマジシャンの使ったってあおりで売られてた
トランプをかったりするのもぜーんぶ仕方ないんですっ!」
そして、自爆を重ねる。
つくづく迂闊な子である。
■霜月 零 > 「おいおいおいおい……」
そこまで来ると面白いを通り越してこう、心配になってくる。大丈夫かこの人。
「……お宅、割と詐欺とかに引っかかり易かったりしない?なんか知らない内に貧乏くじ押し付けられてない?」
取り敢えず聞いてみる。妙な確信を持ちながら。
■四十万 静歌 > 「ええーっと……」
再び目を逸らした。
詐欺られた事はない。
詐欺られた事はないが――
「詐欺に引っかかった事はないですけど、
今日も、その……
教室の掃除を押し付けられましたね……」
貧乏くじを引く事はやっぱりあるようだ。
完全に目が泳いでいる
■霜月 零 > 「あー……」
多分、いや間違いなくいい人なのだろう。
そして、それ故に、苦労を押し付けられるタイプと見た。
「苦労、してそうだなぁ……」
そっと目の前の女性に同情した。ああ、この心優しい女性に幸あれ。
■四十万 静歌 > 「いえいえ、そんな苦労なんてしてないですよ。」
苦労してそうだなという呟きを聞いて微笑みを浮かべて、
いえいえと手を振ってジェスチャーする。
「私の苦労なんて他の皆さんの苦労と比べると、
大したものではないですし。
異能も魔術もなければ、
特に成績がいいわけでもないですから。」
そんな人たちの苦労からすると、
これくらいどうって事はないのだ。
異能も魔術も本当は使える。
だけど、使えると知られてない自分は、
本来あるべき苦労を背負っていないのだから。
それは、一番苦労してないに等しい。
少なくとも自分はそう考えている
■霜月 零 > 「あー…」
しばし考える。持っていないからこそ、責任を負うことはない。だからこそ苦労とは評価しがたい、と言う事か。
「でもまあ、それとはまた別の苦労もあるだろ。そうやって掃除とか押し付けられるのも、また一つの苦労じゃねーの?」
そもそも苦労とか苦痛ってのは基本絶対的なもの、他者のそれと比較することにあまり意味はねーんだから。と繋ぐ。
「異能がどうこう、魔術がどうこうの苦労はなくても、単純に人としての苦労を背負ってる分には、頑張ってるって思っていいんじゃねーの?それ言ったらほら、俺ら揃いも揃って、この世のどこかで今すぐ飢え死にしそうになってる人らよりは苦労してないだろ?でも、んな仮定比較しても意味ねーじゃんか」
だから、今の幸せを放棄してその水準に合わせるべきだ、となるのか、だから、今ある苦痛を全てマシと考えて需要しろというのか。
そんなものに意味はない。せいぜい、その人たちを救うためにどうすべきか考える以外は、誰かを幸せに出来る考察にならないのだから。
■四十万 静歌 > 「……霜月さんは優しいですね。」
ふ、とそんな事を静かな微笑みを浮かべいった。
こちらの事を思ってくれているいい人だと。
「確かに……それはそうかもしれません。
比較なんてしてたらきりがないです。
ほんと、そうです。
でも、そうですね。
うーん……」
少し考える。相対的なものではなく、
絶対的なものとして苦労と考えるならそれは――
「これくらいの苦労なら喜んで背負いたいですね。
情けは人の為ならず。
そうして背負い込んだ苦労は、
いつかきっとかえってきますから。」
そういう、事なのだろう。
晴れやかな笑顔で答えた
■霜月 零 > 「……成程、なぁ」
微笑む。
眩しさすら覚える。そうやって信じて進める人が、どれだけいるだろうか。
苦労は往々にして報われない。人は、思った以上に受けた恩に対し冷たいものだ。
自分が優しいというのなら、そうやって微笑むこの人はなんなのだろう。
「……報われるといいな」
ありきたりな言葉しか口に出来ないが。
心の底から、そう願った。
■四十万 静歌 > 「報われてますよ?
色々ありましたけど、
こうして楽しく毎日学校に通ってる訳ですし。」
そう、風紀や校内紙号外の事を考えて、
憂鬱な気分になったり、
衝動買いで予算が一気に吹っ飛んだり、
悩ましい事はあれど、
総合的に見て楽しいし、
――報われていない訳がない。
「楽しい日常が一番の報酬です、なーんて。」
ね?とウィンクした。
■霜月 零 > 「……そうか」
微笑む。本当に眩しい人だ。地味な印象とは対照的に、その精神性は尊敬に値する。
「確かに、楽しい日常は一番の報酬だな」
そうだ、斬った張ったより、やっぱり平穏に楽しく過ごすのが一番だ。
そう思って、笑顔でウィンクを返した。
■四十万 静歌 > 「そうですよ。
あ、霜月さんのほうはちゃんと報われてますか?」
自信をもって頷いた後、
おずおずとそんな事を。
報われてないってかえってきたらどうしようとか少し思ってしまったのは仕方ない事だと思う
■霜月 零 > 「んー、どうだろうなぁ」
正直、微妙に怪しい。
悲しいかな、剣の技術はやはりそこまで成長がみられない。
特段いいことがあるわけではないし、先日も面倒に首を突っ込んでしまった。
大概苦労してる気がするが……
「でもまあ、割と報われてるんじゃねーかな」
でも、ここで愉快な連中と「友達」になれた。いくつかの出会いがあり、それだけで十分楽しかった。
総合的にみると……
「うん、報われてるな。思った以上に、今の生活は楽しいや」
■四十万 静歌 > 「良かった!
それは何よりですね。
報われてないってかえってきたらどうしようかと……
あっ。」
思わず失言してしまったと口を押さえたのち、
照れ隠しに頭をかいて笑う。
「あはは、ごめんなさい、つい。
じゃあ、ちゃーんと私も霜月さんも、
楽しい日常が送れるようちゃんとお祈りしますね!」
誤魔化すように力強くそういう。
丁度お祈りに来てたんだし、
1つくらい願いが増えても神様も許してくれるだろうと思いながら。
■霜月 零 > 「おお、そりゃありがてぇや」
くつくつと笑う。
この人は、他人のために何かをして、日常の些細な幸せに満足できる人なのだろう。
「じゃあ俺も、お宅がもっと楽しい日常を送れるように祈らせてもらうかね」
それくらいのお返しは、しても罰は当たるまい。
■四十万 静歌 > 「それじゃ、一緒にお参りしましょうか。
こんな事もあろうかと、
5円玉は結構もってるんですよ。」
はい。と一枚差し出した
ちなみにこんな事もあろうかもなにも、
手品に使う為にいろんな硬貨をそろえてるだけである。
■霜月 零 > 「いやいや、流石にそれは悪いんじゃ……」
流石に躊躇する、5円とはいえ、お祈り用の硬貨を貰うのはいかがなものか。
■四十万 静歌 > 「良いんですよ。
ほら、せっかく霜月さんとのご縁があったわけですから。
先輩としてこれくらいはさせてください」
ウィンクで返す
■霜月 零 > 「あー……」
少し逡巡するが、せっかくだし、この好意は受け取った方がいいだろう。
「そんじゃ、ありがたく」
お金くれた本人の事を祈るなんて、なんだかちぐはぐな感じがするけどな。と笑う。
■四十万 静歌 > 「それじゃ、一緒にお祈りしまょうか。」
そういって賽銭箱の前まで移動するだろう。
しかし、今回は願い事が多い。
本当に5円でいいのだろうか?
――どうやら、静歌は50円を使うらしい。
■霜月 零 > 「んじゃ、そーすっか」
そのまま賽銭箱の前に移動する。
二礼、二拍手、一礼。
隣で50円玉を使っているのが見えるが、この場は自分は、ありがたくいただいた分だけで願うのがいいだろう。
しっかりと作法通りにお祈りする。
「(……この人の日常が、今以上に彩りに満ち溢れますように)」
真摯に、祈りをささげた。
■四十万 静歌 > 「……。」
慣れたしぐさをちらちら見ながら真似をして作法通りに。
よくこんな複雑な手順覚えれるなと歓心しつつも、
いざ祈るとなると真剣に祈りをささげる。
(願わくば、出会った人達に幸せを。
出来れば私の日常が続きますように――)
切実な、願いを。
自分の事が後回しになっているのは――
言わぬが華、か。
「願いかなうといいな。」
祈りを終えると
そう呟いて瞳を開けた。
■霜月 零 > 「ま、なんとかなるだろ」
気楽そうに笑う。
この人の願いなら、神ってのがいるなら聞き届けてくれるだろう。
なんだか、そんな気がしたのだ。
■四十万 静歌 > 「そうですね。ふふ。」
柔らかに笑い返す。
神様は聞き届けてくれるだろうか?
とちょっと不安だったけど、なんだか大丈夫だと不安は吹き払われたように感じた
■霜月 零 > 「それにまあ…今まで通りやってりゃ、これ以上悪くはならんさ」
なら、ある程度叶う方向に行くだろうさ。と笑う。
■四十万 静歌 > 「いい事いいますね。霜月さんは。
今までどおり今までどおり、気合いれなきゃ!」
パァンと頬を叩いて気合をいれる。
「痛い……」
ちょっと強すぎた。
■霜月 零 > 「おいおい、力みすぎると今までどおりが出来なくなるぜ?」
くすくすと笑う。
精一杯、と言った感じは好感が持てるのだが、なんだか空回りしそうでちょっと心配だ。
■四十万 静歌 > 「うう……
いつもの事なので気にしないでください。」
恥ずかしいけど、空回りするのはいつもの事なのだ。
寧ろ空回りしなかった事のほうが少ない。
「先輩なのに恥ずかしい所ばかりみられてる気がします。」
■霜月 零 > 「それ言ったら、俺はだらしないところを思いっきり見せつけてる気がするぜ」
だから気にすんな、と笑う。
まあ、本当に俺は雑でだらしないんだが。
「ま、気楽にいこうぜ。雑なくらいでいいのかもしれねーしな」
■四十万 静歌 > 「え?そうですか?」
首をかしげて、
あ、でも最初ぼーっとしてたのを思い出し、
そういう事なのかと得心がいったのか1つ頷いて。
「自分らしくが一番って奴ですね。」
そう、笑った。
「それで、暇は潰せましたか?」
■霜月 零 > 「そうそう、自分らしく自分らしく」
リラックスリラックス、と笑って。
「おう、いい感じに潰れた潰れた」
ありがとう、と礼を言う。
■四十万 静歌 > 「それは何よりでした。」
良かったと笑って返して。
「それじゃ、あんまり遅くなると、
また昨夜みたいに、
女の子が1人で歩いていると危険だって怒られちゃいますからかえりますね。
昨日の今日でとか洒落にならないですし……。」
うん、本当に洒落にならない。
まぁ、どうせ2,3日もすればまたやらかしそうだが、
それもいつもの事かと気分を切り替え気にしないようにしつつ、一礼して――
「また会いましょう。
どうせ同じ学校に通ってるから会えるでしょうし。
それでは、また。」
踵を返すだろうか。
■霜月 零 > 「あー……」
少し考える。流石に出しゃばりすぎかもしれないが、まあ言ってみる分には別にいいだろう。
「んじゃ、送っていくか?」
危険だというなら、一応護衛はいてもいいだろう。
■四十万 静歌 > 「わ、本当ですか!
ありがとうございま……あ。」
振り返ってお礼をいうが、思い出す。
私みたいな平凡な子が、
かっこいい男の子と2人きりで女子寮の近くまで。
死ねる。
確実に死ねる。
何がって、確実に誤解されるし迷惑をかける。
それでも毅然とした態度は……
無理。無理無理。
本当につきあってたらともかく無理……!
「うああああ、女子寮まで送って貰うと、
後で大変な事になるので、
気にしないで下さい。
大丈夫です、いざという時の為に護身スプレーが!」
とりあえず心配しないように伝える事にした。
実際の所、絡まれる心配はないというのもあるのだが。
■霜月 零 > 「いや、この異能ワールドで護身スプレーは……」
考えるも、なんだか嫌そうだ。ふうむ。
「じゃあ、アレだ。式でもつけるか?」
なので、無難択を提案することにする。
■四十万 静歌 > 「式、ですか?
あ、式神って奴ですね。
凄い……!
お願いしちゃってもいいんですか?」
おずおずとお願いするだろう。
■霜月 零 > 「まあ、あぶねーのは事実だしな。せっかくだしこれくらいはさせてくれや」
笑う。さらさらと札に印を書き、軽く念じる。
すると、札が鳥のような式に変身した。
「ま、鳥型だけどよかったか?」
■四十万 静歌 > 「はい!
鳥型かわいいですね」
えへへ、と鳥をなでようとしながら。
「こんな事が出来るなんて凄いです!
ありがとうございます」
ぺこりを頭を下げた後、
少し小さな声で、
「はぁ……私がもっと美人だったら、
霜月さん本人に送って貰うのに……」
鳥さんはかわいいけどちょっともったいなかったかなと、
口をついて出てしまうのだが。
■霜月 零 > 「あー?」
そんなことを気にしてるのか、と。
「いや、関係ないだろ。別に美人だからどーとかで送るわけでもねーし。別に俺も、そんなにキリっとしてるわけでもねーしな」
気にするこたぁーなかろうよ、と少し呆れ気味に言う。
「まあ、どーしても気になるってんなら式に任せるけどな」
■四十万 静歌 > 「駄目です、駄目なんです、
霜月さんみたいにかっこいい人と一緒にかえると、
冷やかされる上に霜月さんが誤解されますッ……!」
実は非常に切実なのである。
女の子にしては。
「なので鳥さんで大丈夫です。
うう。すみません。ついぽろっと本音がこぼれてしまい……」
真っ赤になってうつむいた
■霜月 零 > 俺は別にいいけどなぁ…とボヤくも、まあ女子の噂ってのは男子のそれより酷いと聞く。
思ったより酷いことになるのかもしれない。
「まあ、気になるならそいつ(鳥)に任せるさ。何かあったらそいつが迎撃する」
そんな引け目感じる容姿でもないと思うけどなぁ、とボヤいた。
■四十万 静歌 > 「はい、頼りにしてますね。」
きっと霜月さんは強い人なんだろうと思って、
安心して任せる。
きっとこの好意を受け取らないほうが失礼だと思いつつ。
「何から何までありがとうございます。
それじゃ、おやすみなさい。」
にっこり笑って再び頭を下げて帰るだろう。
式神の鳥を可愛がろうとしつつ。
ご案内:「常世神社」から四十万 静歌さんが去りました。
■霜月 零 > 「おお、可愛がってやってくれや」
小さく笑って、それを見送った。
……自分も、そろそろ帰るとしよう。
■霜月 零 > そういって、そのままその場を後にした。
ご案内:「常世神社」から霜月 零さんが去りました。
ご案内:「常世神社」に狛江 蒼狗さんが現れました。
■狛江 蒼狗 > 神社の居住まいに見惚れながら、境内でぼっとしている。
「………………」
(流れ造は美しい)
■狛江 蒼狗 > 左右対称を良しとする狛江神社とはまた違う趣きがある。
横から樋を見ると前方へむやみに張り出ていて、不安定な印象を懐いてしまうのだが、それがかえって屋根の拡がりを意識させてくれ、なんとなく気持ちが良い。
「………………」
■狛江 蒼狗 > 祭神については深く知らぬ。
神社の産れ、神社の育ちであるが狛江神社はそうメジャーなものでもなく、教えもまたマイナーなものだ。
“常”が頭につく神といえば“常根津日子伊呂泥命”という男神が記憶にあるのみである。それについても安寧天皇の皇子という事しから知らぬ。
記憶にないのは離島の神であるためかもしれぬ。
それでも、ここに流れている暖かな気は自分を落ち着かせる。
なんとなく、別の神社の息子として間借りをしているというか、アウェイの雰囲気を感じてしまうが、それでも落ち着いてしまう。
■狛江 蒼狗 > 「……………………ふぅ」
長椅子に腰掛け、仕事の後で気疲れした身体を休める。
ポケットからコーヒーの缶を取り出した。ホットである。無糖である。
彼は猫舌であるにも関らず、ホットしか飲まない。
■狛江 蒼狗 > 「………………!」
ふと、思う。普段から休憩場代わりに利用させて貰っている“常世神社”だが、さてここで“コーヒー”というのはいかがなものかと今更ながらに。
(…………抹茶オレにしておくべきだったか……?)
しかし彼は甘党ではない。無糖の抹茶オレは自分の知る限り常世島の自販機に存在していなかったはずだ。
ご案内:「常世神社」に遠峯生有子さんが現れました。
■狛江 蒼狗 > 手の中で缶を転がす。
「………………」
誰が視ている訳でもなし。人の視線には訳あって過剰に敏感だ。
そもそも、外国からの留学生然り異邦人然り、この常世島にあって神社でコーヒー云々と思考するほうがどうかしている。
プルトップを起こし、飲み始めた。
■遠峯生有子 > 「こんにちはー」
鳥居をくぐり、現れた少女が、彼の目の前にさしかかると、
なにげなくそんな風に会釈して通り過ぎ、
社殿に向かう。
■狛江 蒼狗 > 「…………………!!」
油断しきっていた彼は、意識の外から現れた遠峯に驚き、眉間に皺を寄せた。
最近この神社で他の生徒を遠目に確認した事はあるが会話を交わした事はない。
訳あって暫く神社で休憩する暇もなかったからだ。
「………………………ああ」
笑顔で会釈できる愛嬌が狛江蒼狗にはない。小さな頷きとその返答が精一杯だった。
巫女のようではない。参拝に来たのだろうか。蒼白の瞳が少女の背を追う。