2015/06/09 のログ
■遠峯生有子 > そんな蒼狗の様子はさして気にも留めず、
拝殿に入るとガラガラと鈴を鳴らし、
二礼…は半分ほど省略して二拍手、そして掌を合わせてしばらく瞑目する。
■狛江 蒼狗 > 蒼狗は人付き合いは非常に不得手だ。
かといって、『他人と馴れ合う事など時間の無駄に過ぎない』と切って捨てられる性格でもない。
常世島に住まう生徒同士、袖触れ合うだけで終わり名も知らぬ者ばかり、きっかけがなければ親しくもならぬものだ。
然しながら現在の状況はといえば、神社という環境でただ二人きり。
言葉も交わさずいて良いものか。
挨拶に無愛想な返事をし、交流を自ら妨げる無骨者で終わって良いものか。
狛江蒼狗は苦悶した。
ヘイトを集めやすい公安委員会においてさらにそこで日陰者扱いである自分が何らかのアプローチをかけて良いものか。
いやきっとそうしないほうが賢い選択であるに違いない。
悩むのなら、自らの都合を優先して積極的休養に励むべきではないか。
そのような尤もらしい考えに身を委ねてしまう始末。
「……………………」
ぐびり。口に含んだぬるいコーヒーは、固い感触をもって喉を下ってゆく。
ごろごろと胃壁を突っつかれるような感覚があった。
「……………………」
さて、特にアクションを起こさぬままに。また、遠峯にも気を留められぬままに。
彼女はなにかを願っている。
少し気になる。絵馬にでも書かれていれば覗き見もできるのだが。
■遠峯生有子 > ややあって顔を上げると、
「よしっ、がんばろっ」両の手を拳につくり、ぐっとにぎるとそれを解き、
振り返って境内に歩を…
「あっ」
小さい声だったが木々で雑踏と遮られた静かな環境のため、
それは蒼狗にも聞こえたかもしれない。
それよりもまだその瞳が彼女の背に向いていたのなら、
うっかり目があってしまったかもしれない。
人がいるのをついうっかり忘れていた。
いや、気がついていないわけではなかったが、
神様への報告(という名の自らとの会話)を終えた流れでついつい、
気合の声を上げてしまった。
■狛江 蒼狗 > 黙想の内の呟きなど、解るわけもなく。
少女の様子を伺うのはただただ無意味である。
年頃の女生徒の仕草を見守るという観点で考えるのであれば十分な成果を得たとは言える。
小さなガッツポーズはなかなか可愛らしいものがあった。
(よし、がんばれ)
心中で呟く。さながら神に黙って祈りを捧げ遠峯のように、声を出さず。
白髪の男は真面目ったらしい顔をして無音のエールを送った。
すると、少女が振り向いた。
ざあ、と、微風に樹々枝々がこすれて声を上げた。
鋭い蒼白の瞳が彼女の視線とかち合った。
狛江蒼狗は苦悶する。
さきほどの会釈は目を合わせてやったものではない。
“ただそこに人が居た”から何の気もなく挨拶をしたのであろう。
けれどいまは違う。
自分が少女を見ていて、少女は自分に見られていると認識した。
ここで黙っていては、沈黙がコーヒーよりも苦い。
「………………がんばれ?」
低くよく通る声が、神社の境内に響く。
蒼狗はうっすら微笑みを浮かべている。
彼としては、満面の笑みでエールを送った心算である。
■遠峯生有子 > その反応には少し驚いた。
若干の気まずさにまかせ、
何食わぬ顔で通り過ぎようかとも思った矢先。
なんと力づけられてしまったので。
一度は軽く目を見張ったが、
そこからは彼女の個性といえるのだろうか、
すぐににっこりと微笑んで、
「はいっ。」と元気に返事をした。
■狛江 蒼狗 > 祈りの内容も知らず応援するのは無責任だろうか。
だが帰ってきた少女の微笑みとはにかみは魅力的なものであり、喩えて言うなら輝いていた。
実体の伴わない応援など元来無責任なものである。
ならば言って損もなく言われて損もない。
笑顔はその証明であった。
「………………」
照れくさくて沈黙する。もっとも、特別な事がなくてもいつも沈黙しているのだが。
彼はコーヒーを飲み干すと、彼女を見送ることにした。
どこの誰だか知らないが、どこかの誰かさんが頑張るというのなら自分も頑張ろう。
狛江蒼狗には、頑張らなければならない目的がある。
見送ったあとは自分も帰ってちょっと頑張ってみようか。
そう思いつつ、微笑みを返した。またこれもぎこちないが。精一杯である。
■遠峯生有子 > 笑顔で返事をしたあとは、
足取りも軽く、
いや、若干軽すぎなくらいに、
僅かな砂利を踏む音をさせて、
彼の目の前を通り過ぎてゆく。
再度、ぺこりと会釈をして。
鳥居をくぐり、石段を降りて姿が見えなくなると、
軽い鼻歌が外から聞こえ、遠ざかっていった。
ご案内:「常世神社」から遠峯生有子さんが去りました。
■狛江 蒼狗 > 狛江蒼狗は人付き合いが非常に不得手である。
けれども他人との関わりを切って捨てられないのは、たまにこんな事があるためである。
普段は自分の寡黙な気質が憎く感じられることもある。
それでも根本的に、人というものが好きなのだ。常世学園に着てからは一部の人外の者も含まれる。
会釈されると、会釈を返す。今度はわりあい自然に。
「……………………」
黙って神社の風を受けている。今度こそ正真正銘一人だ。
暫く孤独のままに長椅子に座っていた。
「……………………気が紛れたな、少し」
呟くと立ち上がり、彼も彼女の後を追うようにして帰路についた。
ご案内:「常世神社」から狛江 蒼狗さんが去りました。
ご案内:「常世神社」に朝倉千蔭さんが現れました。
■朝倉千蔭 > 「……」
境内の真ん中、参道に立つ。
朝の澄みきった空気の中で、遠くに本殿を見遣る。
■朝倉千蔭 > 陽の当たる時間の神社は、実に穏やかな雰囲気を纏っている。
深夜の神聖な危うさとは全く逆の、全てを顕わにし護るかのような。
いつまでも、終わりなく、ここに居てしまいたくなるような。
「……」
息を吐く。
その音すらこの場に反響するかのような錯覚を覚える。
涼やかな風が、それを攫って行く。
■朝倉千蔭 > だけど。
物事には終わりがある。
アルファにはオメガがあるように。
陸には海があるように。
生には死があるように。
私はこの場所が好きだった。
暖かい護りも、吸いこまれそうな闇も。
愛していると言っても良かった。
「だから、お別れをしよう」
■朝倉千蔭 > ……次にこの場所に私が来るのなら、それは計画が殆ど成った時。
それまでは、この風景を見ることもないだろう。
あるいは私が倒れ、永遠にここに来れなくなる未来だってある。
今ここで終わって、そしてここから始めて、いつかここで終わる。
「じゃあね」
本殿に背を向け、歩き始める。
それは私が、昨日までの緩やかな時間を捨てた事に他ならない。
鳥居をくぐる。もう、戻らない。
ご案内:「常世神社」から朝倉千蔭さんが去りました。
ご案内:「常世神社」にキサラギL/Rさんが現れました。
■キサラギL/R > (カツン、とん、カツン、とん、カツン、とん…)
(左右で不揃いな足音が石段に響く)
(右半身は普通の人間に見えるが、左半身は鋼の装甲と武装を露わにした、アンバランスな異形の少女の足音)
(と、その足が止まり、不機嫌そうな表情で呟く)
キサラギR「…気に入らないわ」
(とんとん、と右脚を踏み鳴らす)
R「あなたの足裏、ゴムでも毛皮でもいいから貼り付けなさい。その音、耳触りよ」
(しかめっ面からフッと弛緩した表情へ変わり、今度は左脚で石段を蹴りつける。カツン、カシャン。)
(楽しそうに繰り返す。カツンカツン、カシン、カシャン、カツンガツン!)
(のんびりと口を開いて)
L「いやぁ、この脚を改造するよりそっちのブーツを買い替える方が早いし簡単でありますよ。登山用の長靴とかどうでありますか?ホラ、金属製のピンだかスパイクだかが付いたアレであります」
R「イヤよ、これ結構お気に入りなの。それに騒々しいのは控えるべきだわ」
L「隠密行動が必要な時は消音機能を働かせるだけでありますしなー」
(くるくると目まぐるしく変わる表情。同じ口が異なる調子で自分自身を罵るという、一種異様な光景。だが本人(?)たちはいたって真面目である)
■キサラギL/R > キサラギL「まあまあ、とりあえずは落ち着いて精神を同調させるでありますよ。この石段はまだまだ先が長い様子でありますしなー。こんな途中で足止めを食ってるわけにもいかんでありましょう」
R「まあ、そうね。ここ、登らないとね…」
(渋々と頷き、嘆息。石段の上を見上げる。機械は疲れない。恐れない。諦めない。…心を持たない機械ならば。だが彼女は不幸なことに心と呼ばれるべき何かを持っていた)
(つまり、まあ、なんというか要するに)
L/R「…めんどくさい、でございますねえ」
(心底イヤそうに曰うと、ゆっくりと歩みを再開する。カツン、とん、カツン、とん、カツン、とん…)
本日の派遣業務、神社の補修及び境内の清掃也。
■キサラギL/R > キサラギL/R「さてさて、木造文化財の修理補修、ですか。我々、焼き払うとか消し飛ばすとか、そっちの方が得意なのでございますが」
(石段を登ったところで全体を見渡すと、軽く伸びをして腰をひねる。イチ、ニ、イチ、ニ。)
「どなたかいらっしゃいませんでしょうかー?…どなたもいらっしゃらない場合は勝手に上がってよいらしいですけど。和風の建造物は防犯対策どうなっているのやら、他人事ながら心配になってしまいますねえ。これ、ここから入れますけど、入っていいんです?お邪魔しますよー?」
(一応、声をかけながら歩いてみるロボである。むしろ誰もいない方が面倒がなくていいナ、などと考えつつ)
■キサラギL/R > キサラギL/R「はて、さて、ふうむ…。まさか本当に、無人の神域に勝手に侵入するわけにもいかないでしょうしね?ここはひとつ、境内のお掃除でもしながら待つといたしましょうか。」
(パン、と手を叩いて意識を切り替える。と同時に転送申請。第1種基本清掃用具『竹箒』召喚、申請受理、転送開始、完了、ここまで6秒)
「はいはい、屋外は掃除のし甲斐がありますねーコンチクショウでございます。一通りサッサカ掃いても誰も来なければ、そのときこそ仕方ありません。神様には申し訳ありませんが勝手にやらせていただいて、とっとと帰りましょうそうしましょう(脳内)「「異議なし!」」ハイ了承。それではそういうことで、ハイ解散!」
(猛烈な勢いで掃除を済ませたって話だ)
(では、今宵はここまで)
ご案内:「常世神社」からキサラギL/Rさんが去りました。
ご案内:「常世神社」に神薙 結弦さんが現れました。
■神薙 結弦 > 少女が一人。
夕暮れの神社で構えをとる。
構えは刀を握る時のもの。
しかし、その手には一切の刃物を握らずにただ境内の
端、森の奥で目の前で気配を研ぎ澄ます。
「……スゥー…。」
息を吸い、吐く。
その動作で自らの精神を落ち着かせ、集中力を高めていく
■神薙 結弦 > 「……フッ、ハッ!!」
ヒュッと鋭く息を吐くと、小さく威圧の声を放つ。
腕を振るう動作は無く。
しかし、もしそこに誰かが居たのなら。
今まさに刀を振りぬき、見えぬ敵を切り殺したかの様な錯覚を得るかもしれない。
「………。はぁ…ダメだぁ…」
しかし、それでもしょんぼりと少女はうなだれた
■神薙 結弦 > 「うぅ…。幾ら鍛錬しても、きっと壊してしまうのだろうなぁ…はぁ…。」
生まれ付きの怪力で。
今まで壊してきた武器やものは数知れず。
あまりに使いこなせない特殊能力に溜息をもらす。
此処に来てできた友人の演習を見て、コツをつかんできた
とはいえ、あまり進歩は無い様だ
■神薙 結弦 > 「…はぁ‥。」
毎日の鍛錬。毎朝の走り込み。
昔からやっていた鍛錬は何一つ欠かしていない。
それどころか、此処にきて更に意欲があがった為か。
鍛錬の量は更に増えている。
それでも力が使いこなせないのは
強すぎる力か。それとも
「……私が弱いから、か。
いや。あまり気にしているとダメだ。
考えるならば出来る事をするべきだ。
…そうだ。私は落ち込まない。」
ご案内:「常世神社」に日乃杜 梢さんが現れました。
■日乃杜 梢 > たしか、こっちのほうから聞こえてきたような…。
(久しぶりに訪れた境内の端の方から、あまり聞き慣れない音が聞こえた気がした)
(木々を掻き分け、向かった先には、人の姿)
あっ…すみません。お邪魔、でした?
■神薙 結弦 > 「…?ん。」
立ったまま、神社の本殿を見たまま小さく息を吐いていた所
ふと聞こえた音と気配にゆるりと振り返る。
つりあがった瞳と少し冷たい印象を受ける顔立ちからのぞくのは色違いの瞳で
「‥いや。邪魔だ、などと。此方こそ参拝の邪魔をしてしまったか?」
■日乃杜 梢 > いえ、そんなことはないですよ。
境内の奥まったところですし、わざわざ近寄ってきた私のほうがお邪魔なのでは、と、思うところで…。
(なるほど、こんな場所があったのかと思いつつ、少し開けているその場へと踏み入る)
(改まって相手を見やれば、その異彩を放つ双眸が、強く印象に残った)
(少し、睨まれているような気がして、困った顔で首を傾げる)
何をしていたか、とか…聞いてみても大丈夫でしょうか?
■神薙 結弦 > 「それならば良かった。…此処は、鍛錬の途中でみつけてな。
もし貴殿の気にいった場所であったら、踏み入れてしまって申し訳ないと思ってな。」
ふと、先ほど目があった時は無表情ではあったが
貴方の声にふと目元を緩めて微笑みを浮かべる。
「…あぁ、今は自らの力の鍛錬を行っていた。
私は未熟者故、いまだに使いこなせなんだ。」
何処か、鬼の気配を感じさせるかもしれない。
しかし少女はもちろん人間である。
■日乃杜 梢 > いえいえ、私もここは今、初めて知りました。
確かに落ち着いて集中できそうですし…逆に、気づかせてくれてありがとうございます、と感謝したほうがいいかもしれませんね?
(相手の雰囲気が和らいだことを感じとり、ほう、と安堵の吐息を零しつつ、屈託なく笑ってみせた)
(が、その直後)
(陰陽に精通する少女の感覚が、人ならぬもの、逢魔が時に連なる気配を敏感に感じ取る)
…鍛錬、ですか。でも、今感じたのは…。
すみません、もしかしたら…何か、召喚術のようなものを鍛錬していました?