2015/06/23 のログ
ご案内:「常世神社」にエリカさんが現れました。
エリカ > 【境内に向かう石段に腰掛けて潮騒の音を聞く。】

「……いい音」

【そして目を細めれば、そこには天上の輝きを移す海の鏡。】

「綺麗な光」

【黎明にはまだ遠く、されど夜は終わりに近く。
 そんな時間をエリカは今は一人、楽しんでいた。】

「街の方だと明るすぎるけど、ここまでくると良く星が見えるねぇ」

【視線は空へ。指先で星座をなぞるように。】

エリカ > 「こっちの世界の星々は、あっちの地平の輝きと殆どかわらないのかな」

【記憶を頼りに想いを馳せて。
 異郷の友が大好きと語っていた数多の宇の話を頭に浮かべる。】

「天の光は神秘を語る……それもきっと、同じこと」

【今度はそれを調べてみるのも良いだろう。
 数日前に図書館で会った金糸の美貌を思い出し、
 彼女の言っていた本屋には、それに関する書が
 きっと数多くあるのだろうな、なんて。】

エリカ > 【神の杜へはもう少し。
 けれど今はここの景色が心地よい。
 手にしたペットボトルの水を一口、
 息を吐いて、仄かに湿る夜の風に
 ゆるりとその身を委ねるままに。】

「今夜の眠りはどうにも遠いや。
 夜明けまでここにいるのも悪くはないけれども。
 さてはて、如何いたしましょうか……」

【嗚呼、と。
 再び眼に映るのは静かな、青い夜の貌。】

「今、とっても贅沢な時間の使い方をしてるかもね、わたし」

【腰掛けている石段に手をやればひやりと冷たい。
 それが不思議と、いつも以上に目を冴えさせる。】

エリカ > 【歌う風に自らの声を幾つか載せて。
 嘗てどこかで聞いた神楽歌の文字紡ぎ。
 夜が少しだけ降りてくるような気がして。
 そっと静かに、再びその目を閉じる。】

エリカ > 【次いで自身の音を止め、潮の声に耳を傾ける。
 それはどんな時計よりも確実に誠実に正確に彼女に時を告げてくれる。】

「……いっけない、だいぶ長居しちゃったかな」

【ゆるり立ち上がり砂埃を払う。
 何時までもここにいたい。
 それは願いであるけれど望みではない。
 それでもここの景色は好きだ。
 砂浜より海から遠く、そして空には近い場所。
 どちらも時間を忘れさせてくれるけれども、
 本当にそれを彼方へ放つのは、決して宜しい事ではなかろう。】

エリカ > 「今晩は頃合かな」

【良い夜の音を楽しめた。今宵はこれにて十分満足。
 海に背を向け石段の、上へと一つ礼をして。】

「今度はもう少し、ほんのちょっと早い時間に」

【できれば日のあるうちにこそ、上まで登ってみようかと。
 今宵は静寂を破らぬように、静かに石段を下ってゆき、
 市中の自宅への帰路に就いた。】

ご案内:「常世神社」からエリカさんが去りました。
ご案内:「常世神社」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > ふいー、やっぱこっちの方は空気が良いなあ。

(日の入りも近い夕暮時。
 学校帰りの寄り道で訪れた神社で東雲は大きく深呼吸をしていた。)

東雲七生 > ……。

(石段の上から遠く水平線に沈んで行く夕日を眺めつつ、先日の学校での出来事を思い出していた。
 襲われたのに出来た事と言えば、牽制を掛けて逃げるだけ、という何とも格好悪い結果。
 授業以外の実戦経験が無い身としては、それでも怪我一つなく脅威から逃げ切ったというのは、卑下する様な結果じゃない事も理解していたが。)

……やっぱ何て言うか、格好悪かったよな、あれは……。

東雲七生 > んー……。

(自分の掌を見る。
 自分の体には確かに異能の力が備わっていて、それは自分で言うのは何だか自意識過剰に思われるかもしれないが、そこそこ使い勝手は良い方だと思う。
 ただし、いついかなる時でも扱えるわけではなかった。)

やっぱ、この異能あんまり好きじゃねえなあ。

(石段に腰掛けて、ぼんやりとそんな事を呟く)

東雲七生 > 好きじゃないからってどうこう出来るもんでもねーけどさー。

(誰か取り替えてくんねえかな、と呟いて天を仰ぐ。
 橙と濃紺のグラデーションが広がっていた。)

東雲七生 > 空とか飛べりゃ良かったのに。

(思ってもない事を呟きながら、仰向けに寝転ぶ。
 実際に飛べる能力が手に入ったとして、多分今の心境はさほど変わらないだろう。)

──わかってるけど。

(能力の所為では、ないのだ。)

東雲七生 > あんまうだうだ考えてもしゃーねえかー……。

(そもそも頭を使うのは得意じゃないのだ。
 腕を額に乗せ、大きく溜息を吐く。
 考えたところでまとまらないし、何かが良くなるというわけでもない。)

まあ、今日くらいうじうじしてても誰も文句言わねーよな。

東雲七生 > っし。帰ろ。

(横たえていた体を起こすついでに、そのまま勢いに任せて石段から体を投げる。
 そのまま宙で前転し、足が再び石段に触れたと思いきやもう一度跳躍。
 次に地面に足が着いた時には既に石段の前だった。)

こんな気分でも、体幹はまあまあ、ってのが何というかまあ。
──日頃の成果ってとこかな。

(苦笑しながらデイパックの位置を正して、東雲は夕日に背を向ける様に走って行った。)

ご案内:「常世神社」から東雲七生さんが去りました。