2015/06/26 のログ
遠峯生有子 >  のろのろと、頭を上げる。
 何がよくなかったのだろう。
 そもそもこの方法が向いていないのかもしれない。
 たしかに魔法の発動のための瞑想ではない。
 自分が昔からの方法を勝手にアレンジして実行しているだけだ。

「自己流ってやっぱりよくないのかな。」
 それは今思えばそうなのだろう。特に魔術のようなものにとっては。

遠峯生有子 >  今度、実技魔術の初歩も履修しよう。
 そう、心に決めたが、ふと思い出したことがあり、
 膝に抱えた鞄を脇へ下ろす。

「たしか…。」
 先日、教師は別に瞑想などはせずに、
 単に手を握って開いただけで光を作り出していた。
「…こうかな?」
 片手では不安なので、両手を胸の前で合わせ、指を組む。

遠峯生有子 >  組んだ親指に額を触れて、
(どうかこの手の中になにかありますように。)
(魔力を感じることができますように。)
(自分の体のなかにあるものが、集まって光になっているといい。)
(今は確かに、なにも分からないけれど。)

(どうか…。)

 手をひらく。

 何もない。

ご案内:「常世神社」にエリナさんが現れました。
遠峯生有子 > 「やっぱり無理かぁ。」
 さすがに溜息をつく。

エリナ > 「あら。」

まさかこんな時間に先客が居るとは思わなかった。
いや、別に居ようが居まいが困りはしないが。
ただ人気をあまり感じない時間帯にしては珍しい、そう思っただけである。
何かの練習をしているようで、近づいてしまっては邪魔になるだろうと思って近寄らずにその場で見守るのだ。

遠峯生有子 > 「しょうがないかなー。
 そのつもりになれば急に使えるようにとか、ならないよね。魔法って。」
 そう、自らに言い聞かせ、
 鞄を引き寄せて立ち上がる。

(あれ?)
 いつのまにか、誰かいる。

エリナ > 「見つかってしまいました、ごきげんよう。」

どうやら上手くいかなかった様子……と思いきや、彼女と目が合ってしまった。
スカートを軽く持ち上げ、優雅に挨拶をするエリナ。
そして何でもない世間話の体で話しかける。

「魔術の練習ですか?」

遠峯生有子 >  いつのまに、その場所にいたのだろう。
 疑問に思いながらも、「こんにちは。」と笑顔で返す。

 鞄を両手で支えて膝の前で持ち、
「そうです。テスト近いから。」
 いろいろとここにいたった要因はあるのだが、ひとことで表すとそうなってしまうのだ。

エリナ > 「勉強熱心ですね、上手くいきましたか?」

先程の様子を見る限りだとあまり上手くいったとは思えないが一応聞いてみることにした。
見たところ年下であろうか? 何にせよ熱心なのは良い事である。

遠峯生有子 > 「んー。全然です。」
 えへへと笑う。

「魔術なんて使ったことなかったから、
 急に出来るようにならなくても、しょうがないんですけどねー。」
 鞄を下げる両の手を、再度ぎゅっと握りなおし、

 そして小首をかしげ、
「えっと、ここ、これから何かに使いますか?」
 相手の現れた理由を推察する。

エリナ > 「そう……もし良ければ見てあげましょうか?」

別に何をするでも無くちょっとした寄り道である、これくらい何てことは無い。
そして彼女に気を使わせてしまった事だけ少し気に悔やむのだ。

「たまたまここに寄っただけですから、別にどうもしませんよ。」

遠峯生有子 > 「魔法、使えるんですか?」
 生有子の顔がぱっと明るくなる。
 いくらかの尊敬をこめたまなざしで、

 別にどうとも、と答える相手をにこにこと見る。
 背の高さは同じか、若干生有子が高いぐらい。
 しかし物腰から相手が大人に見える。

エリナ > 「魔術なら少々……。」

そう言って詠唱や瞑想無しで手のひらの上に小さな光を出した。
それは遠峯の周りをふよふよと回りつつ浮いている。
元々魔術の適正はずば抜けているエリナ、これくらいの事は造作も無い。

遠峯生有子 > 「わぁ」
 いきなりやって見せてくれたので、軽い歓声が漏れる。
 本当に、造作もなく魔法が使えるのだと見て取る。
 しかも、そのやり方は先日教師がしてせてくれたのと同じように感じた。

「上手いんだ。」
 溜息と共にそう付け加え、
「どうやってそんなに使えるようになったんですか?」

エリナ > 「ふふふ……。」

遠峯の様子に思わず微笑んでしまうエリナ。

「魔術の得手不得手は生まれつきにもよりますが、一番大切なのは日頃の訓練です。
誰だって最初はハイハイから、ですよ?」

遠峯生有子 > 「じゃあ、たくさん練習したんですね。」
 どんな練習をしたのか気にはなるけれど。

 神域に烏が鳴く。
 もうだいぶ日も傾いて。
「あのう、また教えてください!」
 今日のところは、もう帰らないと。

エリナ > 「あら、もうこんな時間……ええ、ごきげんよう、気をつけて帰ってくださいね。」

再び優雅にお辞儀をし、遠峯を見送るであろう。

遠峯生有子 > 「おやすみなさい。」
 律儀に、ぺこりとお辞儀して、鳥居をくぐって帰っていった。

ご案内:「常世神社」から遠峯生有子さんが去りました。
ご案内:「常世神社」からエリナさんが去りました。