2015/07/02 のログ
ご案内:「常世神社」に霜月 零さんが現れました。
■霜月 零 > 「……ああ、そんじゃ先に行って待っとくから。それじゃ後でな」
話し終えて電話を切る。相手は雪城氷架……つい最近できた彼女である。
「ま、センスに文句は言われそうだけどなあ」
散歩がてら周囲を見回っていたのだが、なんだかんだデートできそうな場所が埋まっていたのだ。
それに、夜の神社と言うのは、中々に趣深い。静かに二人の時間を過ごすなら適切だろう、と判断したのだ。
■霜月 零 > こんな時でも帯刀しているのは、帰りに女子寮まで護衛がてら一緒に帰るつもりだからだ。
なんだかんだ物騒なところでもある、風情はないかもしれないが一応の備えだ。
「……」
そわそわ。
「……」
ちらちら。
「……」
そわそわ。
そんなにすぐ来るわけもないのに、とても待ち遠しい。
ご案内:「常世神社」に雪城 氷架さんが現れました。
■雪城 氷架 > しばらくして、石段を靴が叩く音と共に、少女がやって来ました
「おっす、零。今日の試験どうだった?」
零を見つければ、その表情を緩ませて、
少し走ってきたのかわずかに肩を上下させて、そう声をかける
■霜月 零 > 「よ、氷架。まあ、まあまあかね」
笑って、立ち上がって出迎える。
最近、朗らかな笑みをすることが増えた。多分……目の前の女性のおかげだろう。
「あー、急がせたか?」
迎えに行けばよかったかな、と少し後悔しつつ。
■雪城 氷架 > 「笑ってまぁまぁ、ってことは余裕あるなコイツ」
脇腹を突っついてやる
「ん、まぁちょっとだけ。早く零の顔見たかったし」
そう言ってにんまり笑う
■霜月 零 > 「はは、まあ余計な時間取られないように、最低限勉強しといたからな」
突っつかれるままに笑う。そう、後で面倒なことになってデートとかに支障が出ないように、空いてる時間で詰め込んでおいたのだ。
「う……」
にんまりと笑われては顔が赤くなる。嬉しい事を言ってくれる彼女だ。
「ま、俺も氷架の顔見たかったしな……ありがと」
照れ隠し気味に微笑みつつ、走ってきてくれたことに感謝する。純粋に、嬉しくてたまらない。
■雪城 氷架 > 「ふふ、顔真っ赤だぞ零」
くすくすと笑う
こういう反応が好きで、わざと言っている節すらある
「試験期間中だと放課後くらいしか会わないもんなぁ。
まぁこれを乗り越えれば夏休みも近いし、最後の難関ってやつだ」
笑みを浮かべて、よいしょっと神社の軒に腰をかける
■霜月 零 > 「クソ、そういう氷架はあっさり慣れやがって……」
自分はまだまだ慣れないのに、どうにも悔しい。ちょっとわたわたさせてやりたいという気持ちもあるが、中々上手くいかないのである。
「夏休みに入れば……もっと時間作れるな」
隣に腰かけて、ついでに手を重ねてみる。
■雪城 氷架 > 「ふふ」
が、慣れているわけではない。
こうやって先手をとることでペースを握っているのである
ある意味処世術だ
「うん、遊んだり、話したりたくさんできるな…」
手に触れられると、自然にその指を絡ませる
■霜月 零 > 「そうだな……そういえば、氷架って泳げるのか?」
手を絡ませられて、赤くなりつつも微笑む。
触れられるのが嬉しい。こうやって一緒にいるだけでも嬉しいのに、こうやって触れ合えば幸せが倍増する気分だ。
■雪城 氷架 > 「私?泳ぎは得意なほうじゃないかな…まぁ、小学生の頃の話だけど」
中学生にもなると海にいって泳ぐことは少ない
ボートでゆらゆらしたり、のんびりすることが多くなるものだ
「……ほんと、すぐ顔真っ赤になるからわかりやすいよなー零」
手を触れてまた顔を赤くする零にくすくすと笑う
こちらも、少し頬は朱がさしているが
■霜月 零 > 「んー、そっか。じゃあ、海に行くよりは、もっと別の場所の方がいいかもな」
取らぬ狸の、ではあるが、夏休みのデートについて思いを馳せる。
今までは放課後にちょっと、くらいだったが……夏休みともなれば、一日中デートなんて言う贅沢だってできるのだ。期待に胸が膨らむのも無理からぬことだろう。
「この、好きな子に嬉しい事言われたらこうなるもんだろ……ほら、氷架も」
少しむすっとしながら、頬を突っついてやる。ほら、赤いじゃないか。
■雪城 氷架 > 「夏の予定かー。
軽音部の合宿練習とか、臨海学校とか、縁日もあるよな。
都合がつけばドイツのお父さんにも久しぶりに会いたいな。
…あとは、零とも長い時間一緒にいられる」
微笑む
まだ、お互いのことで知らないことが多い
それを知るのが、とても楽しく有意義なのだ
一緒にいて、話をするだけでも満たされていく
「むぃ……それでも零ほどじゃないと思ってるけど…?」
ほっぺとぷにっとされて、思わず目線を外す
■霜月 零 > 「俺は部活も委員会もやってないからなー…そういう意味じゃフリータイムが長いな。
つーことはまあ…氷架と居られる時間、最優先だな」
微笑み返す。急な流れで恋人になった以上、一緒に過ごしてお互いを知り合っていくのはとても大事で、楽しい事だ。
新しい一面を知るたびに愛おしくなる。もう随分と自分は参っているのかもしれない。
「でも、やっぱり赤くなってるのは事実だろ?」
テイクマイターン。こっちがいじり返してやる順番が回ってきたかもしれない。
笑いながら、ふにふにと頬を突っついてやる。気持ちいい。
■雪城 氷架 > 「零は刀とかの鍛錬もあるんじゃないのかー…って、うく……。
や、やめろよなー、こんなの恥ずかしいに決まってるだろっ」
見る見る赤くなってしまって、慌ててつんぷにしてくる零の手を掴む
■霜月 零 > 「はは、それはそれで何とかするさ…っと、己、ガードしたか」
手を掴まれてもにやにや。赤くなったのを見るのがちょっと面白いし、こうやって反応してくれたのが嬉しい。
やっぱりこういう反応があると、好いて貰えているんだという実感がわくのだ。
■雪城 氷架 > 「………」
大きな手
小さくて指の細い自分の手とはずいぶん違う
この手で撫でられるのが、口には出さないけど好きだ
「そ、そういえばさっ」
誤魔化すように話題を切り替える
「ふ、芙蓉には…まだ言ってないんだよな…?私達の、コト……」
やはり気になるらしかった
呆れるくらいのブラコン妹である、安易に伝えていいものか
■霜月 零 > 「あ、あー……」
ちょっと気まずい顔。
「言ってない、なあ……。アイツの事だからまあ、変なテンションになるのは目に見えてるんだけどなあ……」
問題は、それがどっちに行くかである。
流石に友人である氷架に弓をぶっ放す事はないと思いたいが……思いたいが、兄に「親愛表現」と称して弓をぶっ放すクレイジーブラコンシスター、それが霜月芙蓉である。
兄としてうんざりするくらい、親愛は伝わっている。
流石に恋愛感情ではないとは思うのだが、変なハイテンションになったり、逆に謎の鬱状態に陥ったり……愛重きが故に、行動が読めない。
「どうする?氷架はルームメイトだし、隠したまんまなのはちょっと気分悪いだろ?」
■雪城 氷架 > 「まぁ、な……。
芙蓉が零のこと大好きなのは伝わってくるから、私が零のことを取っちゃったとか思われるとな…。
せっかく友達になって、一緒に住んでるんだし、今の関係は壊したくないんだ」
軽いため息混じりに、空を仰ぐ
「もちろん黙ったままなんてイヤだし、ちゃんと知っててもらいたいけど、
た、タイミングっていうかさ…難しいよな……」
■霜月 零 > 「まあ、俺の芙蓉に対する感情が恋愛じゃなくて家族愛なように、芙蓉のもそうだとは思いたいんだけどな……。
ただ、アイツの考えてることは俺には読み切れん。ネジが緩んでるからな、芙蓉は」
溜息を吐く。が、迷ってばかりでも仕方ない。
「こういうのは、変に感づかれる前に言っちまった方がいいとは思うんだよな。
……まあ、信じようぜ。アイツはトンチンカンなところはあるが馬鹿じゃねえ。わかってくれるはずさ」
安心させるように笑って見せる。芙蓉はアレな人間でもあるが、別に倫理観が欠如しているわけじゃない。寧ろ倫理には厳しいタイプだ。
だからこそ、しっかりと受け止めてくれると思う。
そう、信頼してもいる。
■雪城 氷架 > 「そうだな、友達で、何より零の妹なんだ。
信じなきゃウソだよな」
ふふっと笑う
やはり友達には素直に祝福してほしいではないか
「うん、そうだよな、そう……。
別に私達は誰に咎められるようなことをしてるわけでもないんだ」
■霜月 零 > 「そう言うこった。アイツだって、まああのテンションで笑ってくれるさ」
芙蓉としては複雑だろうが……やっぱり、受け入れて、ついでに言えば喜んでほしいものだ。
「ああ、別に悪い事してるわけじゃねえ。ただ好き合って、ただ付き合ってるだけ。よくある話だろ?」
そう。ただ、一組のカップルがそこにいるだけだ。おかしい事は何もない。
「……報告と言えば、涼子さんには言ったのか?」
こっちも確認する。ついでに言うと、まあ、その、物凄く気が早い話だが、将来的に家族になるかもしれない人だ。しっかりと報告はすべきだろう。
■雪城 氷架 > 「だよな、芙蓉はいいヤツだ。絶対喜んでくれる」
安心したように、やわらかな笑みを返して
「お母さんは……何か、察してそうな気がしてさ。まだ言ってないんだけど…、
ふ、普通お母さんに彼氏できたよーとか報告ってするもん…なのかな」
しない人も多そうではあったが…
■霜月 零 > 「う、うーん……結局いつかは言う事になる、とは、思う」
即座に言うべきかはともかく、どこかのタイミングで言った方がいい、のではあろう。
「それに、同じ学校にいるんだからさ……隠し通すのは無理だろうし、変に隠しててやましい所でもあるのかって思われるのもイヤだしな……」
これからの時間、二人でいる時間はきっと増えていくだろう。その中で、道端でばったりもありうる話だ。
そうなる前に、素直に言った方が気が楽かもしれない。
■雪城 氷架 > 「うん、まぁ…多分気づいてるとは思うんだよな…。
今思えば、あの時カフェで九郎を追いかけて出てったのだって───」
きっと、そういうことだったのだ
「そういえばさ、お母さんのことちゃんと話してなかったな、零に」
そう
二人がこうなったきっかけだったとも言える
トラウマ
あれは大事なことで
ちゃんと伝えなきゃいけないことだと思っていた
■霜月 零 > 「ああ、成程な……」
軽そうに見えて、よく気が付く人なのは自分もわかっている。
才能がないと自虐していた自分を諌めてくれたのは、他ならぬ雪城涼子なのだから。
「そう言えば、な……本人から聞いたのも、さわりくらいなもんだ」
その話については、深くは聞かなかった。軽々に踏み込んでいいものでもないし、当然の判断だったはずだ。
だが……今は、自分も関係者と言える。聞く義務があるだろう。
「無理は、すんなよ。きつかったらやめてもいいからな」
心配そうな顔で前置きする。大事な話でも、それでトラウマを刺激されてしまっては問題だ。心の傷に関しては、妹の事でよくわかっている。
■雪城 氷架 > 「……ん、大丈夫、無理はしないよ。
確かに思い出しちゃうのキツいけど、それでも零には知っておいて欲しい」
すぅ、と大きく息を吸い込んで、吐く
深呼吸をして
「……最初に言っておくと、私はその時の記憶が断片的なんだ。
ショックが強かったせいなのか、理由はわかんないけど……。
いくつぐらいだっけな…多分、10歳かそれくらい。
私のお父さんは、その頃外の世界でもチラホラ現れるようになった異脳の力の研究してて───ってか今もしてるんだけど」
ゆっくりとした口調で、話し始めた。
「お母さんも力が発現してさ、それで研究施設で調べることになったんだよ。
昔のことだし、此処の研究区みたいなレベルの施設じゃなかったけど……そこで事故があったんだ。
なんでその場に私がいたのかはよく覚えてないんだけどな。兄貴…来島先生も一緒にきてた、と思う」
■霜月 零 > 「…………」
緊張した面持ちでそれを聞く。
……異能開発に関して、事故は付き物だ。魔術でもそうだが、何かしらの開発を行うのは事故と隣り合わせ。少しでも歯車がかみ合わなければ代償問わず事故が発生する。
大がかりな魔術を研究していた施設が、ある日忽然と消滅してしまったこともあるくらいだ。
しっかりと氷架の手を取りながら、静かに続きを促す。
■雪城 氷架 > 「さっき言った通り、記憶が断片的なんだ。
異脳の力を調べるだけの施設なんだ、なのに爆発事故が起こった。
コンクリートの壁が、私の方に崩れてきて、それで───」
きゅ、と零の手を握る自分の手に力が込められる
微かに、震えているかもしれない
「お母さんは私を突き飛ばして、助けてくれたんだよ。
そう…助けてくれたんだ。でも自分は崩れてきた瓦礫から逃げれなかったんだ。
それで……」
それで
華奢な体を尖ったいくつもの瓦礫が押し潰して
氷架の目の前で、赤に染まった
「………」
手が震えている
「…お母さんの異脳は、暴走したからってそんなことが起こる異脳じゃないんだよ」
火気のない場所での爆発事故
「私は、その時から今のこの力が使えるようになってたんだ」
だから、そういうことなんだろう
「……でも誰も責めないんだよ。当の、お母さん本人もさ」
少女がことさら自身の力の制御に拘る理由の根底
それが過去を遡った事故にあった
■霜月 零 > 「……そう言う、ことか」
氷架の異能は、炎を操る異能だったはず。妹の話だと、氷も使えるらしい。
状況証拠で言えば、考えられるのは、そういう事。氷架の異能が、暴走した。
そう考えるのが「非情」に自然だ。
「でもな、氷架」
震える手をしっかりと握り返す。震えを抑え込んでやるかのように。
「そうかもしれない。まあ、もしかしたらそうじゃないかもしれない。
でもまあ、なんとなくわかるぜ。涼子さんが氷架を責めない理由は」
何故なら、自分には妹がいるから。そして、恋人がいるから。
その妹に、恋人に当てはめて考えれば、きわめて自然にこの結論に行きつく。
「お前が無事で、それだけでよかったんだろうよ。
氷架が生きている。それでもう十分なんだ。その上で、きっと氷架に枷を背負わせたくないんだよ」
死に瀕する事態に陥っても、大事に思う人が生きていてくれた。それは、きっと自分の命を放り投げてでも得たい結果で、それが得られれば満足だろう。
その場で死に果てて、その先を見れない無念はあっても……得た結果に、笑って死ねるはずだ。
「まあ、俺ならって言う憶測だけどな……だから、気に病みすぎるな。
氷架が枷を自分で背負い込んだら、涼子さんだって安心できねぇぞ?寧ろ罪悪感を抱くかもしれない」
愛娘に枷を背負わせてしまったのは自分だ、と。
この親子なら……そうやって、自分を戒めてしまいそうだった。
「だから、その分前を向こう。大丈夫だ、今は俺もいる」
何かあったら、守る。氷架自身も、その周囲も。
■雪城 氷架 > 震える手を、ぎゅっと掴んでくれる零
少しずつ、震えは収まっていく
単純だと思うかもしれない、それでも
誰かがと触れ合っているというのはそれだけで落ち着くものだ
「……ジッサイほんとのトコは、わかんないけどな」
そう言って苦笑する
「そうだよ、わかってる。
ちゃんとわかってるんだ、だから零にもちゃんとこのコトを話せた。
ただそれでも、やっぱりあの光景だけは一生忘れられないし、思い出すとやばくなる。
でも忘れちゃいけない、まいったよな、ほんと」
はは、と少しだけ力なく笑って、無意識にその身体を寄せる
「最近は、前ばっかり向いてるさ」
■霜月 零 > 「大丈夫、お前は強いよ」
無意識に寄せられた体を抱き寄せて、抱えるようにしながら頭を撫でてやる。
「ありがとうな、頑張って話してくれて。
その過去は、きっと忘れちゃいけないし、ずっと向き合っていかなきゃならねぇんだろう。だけど、どうせなら、俺にも付き合わせてくれ。
元々部外者の俺が言っても仕方ないかもしれねぇが……俺も、それを一緒に背負っていきたい。
どうせなら、痛みだって分かち合いたい」
抱きしめて、頭を撫でながらゆっくりと告げる。
「一緒に頑張ろう。一緒に前を向いて、一緒に歩こうぜ。氷架」
■雪城 氷架 > 「……零って割と恥ずかしいこと真顔で言うよな」
抱き寄せられ、抱きしめられ
そこで出た言葉は多分きっと、照れ隠しだったのだろう
「もちろん、こんな美少女を射止めたんだ。
それぐらいはシてくれないといけないよな」
くすくすと笑みを浮かべて、いつもの氷架である
「けどそれだけじゃ不公平だ。
もし零が何か壁にぶち当たったら私が一緒に蹴破るからな」
■霜月 零 > 「言うな、これでも真剣に言ってるんだ」
少しむすっとする。これもまた照れ隠しだ。
「ま、ホント俺にはもったいないくらいだと思うよ。
でも……俺の彼女だもんな。いくらでも、支えてやる」
蹴破ってやる、と言われれば少し笑う。
「そりゃあ頼もしいな。俺はまあ、あんまり才能がある方じゃなくて、けっつまづく事も多いだろうが……そんときゃ、引っ張り上げてくれ」
■雪城 氷架 > 「知ってるよ、ポーズでこんなこと言えるようなヤツじゃ、私と屋上で恥ずかしいやりとりなんかできないもんな」
身体を預けて、しばし体温を感じる
自分が特別華奢なのもあるだろうけれど、零の身体は大きくて頼もしく感じる
「壁なんていくらもあるよ、私達まだ大人じゃないからな、ふふ、任された」
ぽす、と頭を預ける
月次な言葉しか浮かばないが、幸せな時間…なのだろう
■霜月 零 > 「ま、そう言うこった……言っとくが、俺はお前に完全に惚れてるんだからな。
今後も恥ずかしい事は多分どんどん口にするぞ、それくらいじゃないとこの気持ちが表現できねぇ」
抱きしめて、小さな体のぬくもりを感じながら頭を撫でる。
「一緒に大人になって、一緒に老けていけるといいな」
静かに、また恥ずかしいことを言う。が、自覚はない。
だからこそ、彼の本心なのだろう。
■雪城 氷架 > 「さすがに気が早いだろ、ばか」
たまわず笑ってしまう
老後のことまで考える高校生なんてそうそういない
「……でも、こうやって一緒にいれたら、ずっと満たされてそうだな…。
ちょっと前まで顔も知らなかったのに、へんなかんじだ」
■霜月 零 > 「あっ……」
一気に顔が赤くなる。そう、とても自然に、あるがままに、これからの「未来」を想定してしまっていた。どんなおのぼりさんだ。
「ま、まあ……でも、そうだろ?こうやって一緒にいて、のんびりして、お互いの事を話してさ。
まだまだ関係が短くて、まだまだお互いを知り合えていないから……余計、満たされるのかもな」
知っていきたい。知ってもらいたい。
そんな欲求が止めどなく溢れ、そして満たされていく。
その充足感が、とても心地よかった。
■雪城 氷架 > 「ぷっ」
また一気に顔を赤くしている零に思わず吹き出す
こういうところが本当に可愛らしいと思ってしまう
「うん、まぁそうかも。
知れば知るほど、もっともっと深く知りたくなる…」
身を寄せたまま、ちょっとだけ顔を赤くして
静佳が言ってたように、きっとそのうち、ソレもするんだろう
お互いを知る上では絶対に避けて通れないアレを
「………なぁ、零。
今日は私から、…その、しても、いいかな……」
もじっとしつつ、白い指先を自分の下唇へ当てる
前は、零からだった
■霜月 零 > 「くっ……」
笑われてしまった。こういう所はまだまだ、慣れない。
「お互いどんどん知って行って、でも俺達は多分、自分ってのを更新していくから、それでまたそれを知って行って……そうやって、時間を過ごすのはきっと、幸せだろうよ」
微笑む。本当に気が早いが……そうやって、手を取り合っていけたらどれだけ幸せだろうか。
「……ああ、頼む」
そして、そんな氷架にお願いされて、断ろうはずもない。
氷架からしたいと言い出してくれたことが、何よりうれしいのだ。
■雪城 氷架 > 「……ん」
零の背中へ腕をまわす
否が応でも距離が近い、密着といってもいい
零の顔が目の前にある
その、唇も
しまった
そんなことを意識していまうものだから、
零の目の前で見る見る氷架の顔が真っ赤になっていく
「───っ!」
このままだと耳から煙を吹きそうなぐらい赤くなりそうだったので意を決して、唇を重ねる
柔らかいものともっと柔らかいものが触れ合う感触
こんな、ただそれだけの行為がこんなにも心地よいなんて
■霜月 零 > 「……」
体が密着し、綺麗な顔が迫ってくる。
氷架の顔が赤くなり、それでこれからすることを意識して零の顔も合わせる様に赤くなるが……
「―――」
唇が重なれば、その感覚に酔いしれる。
抱き合い、唇を重ねる。言ってしまえばそれだけの行為。
だというのに、体中が多幸感に包まれ、この時間がどこまでも続けばいいのにと思ってしまう。
このまま、時よ止まれ。そんな風に願ってしまうくらいには……幸せで、心地よい。
■雪城 氷架 > 「っ……」
唇を離す
赤い顔を誤魔化せるわけもなかった、
なにせ今は、さっきよりももっと顔が赤い、それに───
ふつ、と氷架の心の中に湧いたもの
もっと、したい
一呼吸置いて、もう一度、唇を重ねに行ってしまう
■霜月 零 > 「ぁ……」
離れてしまったことを惜しみ、赤い顔を少し微笑ましく思う。
が、その瞬間、また唇が重ねられるのを
「ん……」
喜んで受け入れる。もっと、もっと。いつまででもこの幸せに、浸っていたかった。
■雪城 氷架 > 心地よい
気持ち良い
お互いの体温が触れ合う距離で
お互いの柔らかい部分を押し付け合う
ただ唇と唇をくっつけあうだけの、子供のキス
そんな行為を何度繰り返しただろうか
ようやく、赤い顔をしたまま、氷架がその腕を解いた
「はふ……」
熱っぽい吐息が漏れた
しまった
何でこんなに何度も何度もしているんだ自分
アレな女だと思われたかもしれない、と表情を伺ってしまう
■霜月 零 > 「……」
氷架が腕をほどけば、そのままぼーっとしてしまう。
呆れた?そんなはずはない。何度やってもやっても、それでも続きを欲するほどにはこの行為は至福に満ちていた。
寧ろ、幸せすぎて……少し、呆けてしまったのだ。
■雪城 氷架 > 「…お、おーい……?」
なんだか呆けている零の顔の前で手をひらひら
■霜月 零 > 「……はっ!」
意識を取り戻す。いかん、気持ちよかったからと言って、デート中に呆けるとは。
「す、すまん……ちょっと、その……良すぎた」
少し目を逸らし、バツが悪そうに頭を掻く。
怒られてしまう、だろうか……?
■雪城 氷架 > 良すぎた
そう言われて再び顔を真っ赤にして顔を伏せてしまう
ぼひゅー、とか煙が出そうな勢いである
「お、お前、そういうコト言って私を恥ずかしがらせたいだけじゃないだろうな……」
ぷるぷる
ものすごく恥ずかしがってる
■霜月 零 > 「だから、俺がこんな状況で、そんな器用な事出来ると思うか…?」
こちらも顔が赤い。だが、まぎれもなく本心なのだ。
「氷架とのキスだぞ……良くないわけがないだろ」
それとも、もしかして氷架はあんまりだったのか……?と、少し不安そうに問い掛ける。
■雪城 氷架 > 「う……」
だから、そういうのが余計恥ずかしいのだというのにこの男は!
「………そ、そんなに良かったのか…?わ、私も、そりゃ、良かった…けど…」
ダメだ、こういうことを素直に言うのは慣れてない
もじもじしてしまう
■霜月 零 > 「な、ならよかった……」
ほっと一息。ここで「あんまりだった」と言われたら、ショックで寝込んだかもしれない。
だが、幸せをかみしめると同時、少し不安も感じてしまう。
……キスだけでこうなら、その先に行ってしまったらどうなってしまうのだろう。
アリスと言う少女に植え付けられた妄想が脳内に蘇る。
少し際どい服を着て、誘ってくる氷架……望まないわけがない。
「(こ、これ以上はまずい……!)」
顔を赤くしたまま、氷架に抱き付く。
邪念を振り払うつもりだったが……無意識に邪念を満たす方向の行為に走ってしまったのは、やはり青少年だからなのか。
■雪城 氷架 > 「う、うん───ふぇぁ!?」
なんかいきなり抱きつかれて変な声が出てしまう
「え、ちょ、な、なんなんだよもう、いきなり…」
困ったような、でも赤い顔をしながら零の背中へ腕をまわして
■霜月 零 > 「あ、う、す、すまん…」
自分でもちょっとびっくり。だが、とても幸せな状態だ。
背中に腕を回してもらって、抱き合う形……その状態に至福を感じる。
「……なあ、氷架」
そのまま、ぽつりと声をかける。
■雪城 氷架 > 「や、別にいいけどさ……」
頭をぽすん、と胸元に預けてしまって、まんざらでもない
「……ん?」
そのまま、目線だけをあげて
■霜月 零 > 「やっぱ、俺お前が好きだわ」
当然の事なのだが、言わずには言われなかった。
こんな幸せを感じることが出来るのは……相手が、氷架だからに他ならない。心から、そう思う。
「後、幸せすぎてヤバい……これ以上の展開になったらどうなるのか想像もつかん……」
恥ずかしい事だろうが、ダダ漏れである。
■雪城 氷架 > 「……改めてそういうこと言うの、卑怯だと思う」
ぼふっと再び顔を埋めた、照れ隠し行動ももはやお見通しではなかろうか
「…私もわかんない、どうなるんだろうな…」
今どき中学生が経験するよなライトなキスでこれだ
先に進んでしまうのが、怖くもあるし、待ち遠しくも在る、不思議な感覚
■霜月 零 > 「はは、悪い悪い」
埋められた頭を撫でてやる。こうしてやると喜んでくれるのは、なんとなく把握済みだ。
「まあ、俺達が初心過ぎるっつーのもあるんだろうけど……先に行きたい気もするし、ちょっと怖いっつーのもあってな……それに、急ぎ過ぎてもよくない気もするし」
撫でながら考える。
この先……と言うと、やはりこう、そろそろ雑誌とかなら年齢制限がかかってくるような行為だ。
そう言った知識は氷架の方があるのだろうが……期待と不安と焦りと自制が渦巻いている。
■雪城 氷架 > 「い、いいよ。初心だって、仕方ないし…。
ゆっくりでも、さ…前に進めば、それで……」
撫でられながら、そう答える
それは本心だ
氷架自身も、先に興味が無いわけじゃない
それでも、急ぐ必要はない、ゆったりと、ゆっくりと
二人のペースで進めれば…
「……あ、時間…」
まったく時間のことを考えていなかった
あまり遅くなると女子寮は厳しい
ゆっくりと、零の懐から、名残惜しそうに離れて
「続きは、また今度な」
■霜月 零 > 「ああ、一緒に進んでいけば……」
そう頷いたところで、時間と言われて少し時間を確認する。確かにそろそろ、女子寮はヤバい。
氷架の感触がなくなることを惜しみながら、そのままそっと氷架の手を掴む。
「お、送るから、その間は……」
手は繋いでいよう、と。なんとも女々しいというか、情けない言葉かもしれないが……それでも、少しでも触れていたかった。
■雪城 氷架 > 「………」
手を握られた、が
氷架は零の腕に自分の手を回す
「手を繋ぐのもいいけど、高校生ともなればこれくらいするんじゃないか?」
腕を組んで歩こうというのだ
■霜月 零 > 「うあ……!?」
腕を組んで歩く。これだと、密着度が高くより氷架を感じながら歩くことが出来る。
一気に顔が赤くなるが、しかしそれを拒否する理由なんてありはしない。
「ああ……そうだな」
腕を組んで、体を寄せて歩く。
……氷架は「私めちゃくちゃ甘えに行くタイプかも」と言っていたが、何のことはない。
自分も、大概なのだった。
■雪城 氷架 > 歩きにくいかと思えばそうでもなく
世の中の男女がこうやって歩く理由がなんとなくわかる
手をつなぐよりも、確実に相手を近くに感じられる
その存在を自分の隣に感じられる
「明日も試験だ、頑張ろうなー」
他愛のない
学生生活のことや、雑談をかわしつつ帰路を歩くのである───
■霜月 零 > 「おうよ、氷架こそトチんなよ?」
笑いながら歩く。ただ歩くという行為が、こんなにも楽しい。
そんな幸せをかみしめながら、ゆっくりと帰路を歩いて行った―――
ご案内:「常世神社」から雪城 氷架さんが去りました。
ご案内:「常世神社」から霜月 零さんが去りました。