2015/07/04 のログ
ご案内:「常世神社」にアリエンティアさんが現れました。
アリエンティア > 「…………」

神社のベンチ。
うつらうつらと今にも眠そうにこっくりっとしてる。
昨日はちょっと夜更かししてしまった。
寝たのは23時。
いつもより2時間くらい遅かった。
なにをしていたかと言われれば、勉強をしていたのだが……
一応、今日で気の張るテストは終わり。
あとは自信のあるものだけだ。
だから、ちょっと、気が抜けてしまったのかもしれない

アリエンティア > 「……ぁ……ぅ……んぅ?」

こっくり、こっくり……
首が上下に揺れる。
寝てしまおうか……
でもねたら風邪をひいてしまう。
そんな葛藤でなんとか踏みとどまってるが

(……なんかふわふわ……してきた……)

眼をこすりつつ

ご案内:「常世神社」にギルバートさんが現れました。
ギルバート > 少年は公安にて身を張る立場。
厳しいテスト週間も終わりを向かえ、日課だった体力づくりに精を出す。
この神社を通るルートは、眺めの石階段の傾斜が丁度よい。
お気に入りのランニングコースの一つだった。

「はー……。数日空けるだけで、息がここまで上がるなんて……。」

ベンチで小休止を入れようとした矢先、先客の姿を認める。

「あー……。」
「こんばんは。……いや、おはようか。」
「隣いい?」

アリエンティア > 「……ふぁ!? は、ふぁい……どじょ……」

声を掛けられて、ぴくん! っと肩を震わせる。
でもそのあと消え入りそうな声で目を眠そうにこすりながら
隣を空けるように、動いて。

「こんばんは……ねてない、ねて、ないです……」

ぐぐーっと体を伸ばして。
ふわりと特徴的な白と黒の髪が揺れる

ギルバート > スポーツタオルでばさばさと、乱暴なまでに髪を拭く。
初夏の風がひんやりと、火照った熱を静かにさらっていく。

横目にはあどけなさの残る少女の顔。
この辺じゃ珍しいなと黙するも、校舎で見たような記憶が微かに蘇る。

「そろそろ寒いよ。さっき、『雨振るかも』って。」
「天気予報。」

タオルを被ったまま、くしゃりと湿った前髪越しに少女を見やった。

アリエンティア > 「……あ、め……?」

ぼーっとして。

「雨!?」

まずい、どうしよう。
今日は洗濯物干しっぱなし。
全部おじゃんになってしまう、眠気が完全に吹っ飛んだ。

「え、え……それほんとですか?」

よだれの後を、口元に付けつつも
本人はそれに気付いていないようで。
そして――

「……あれ? あなたは?」

ようやく意識がはっきりしてきたのか
今の状況を整理するように
首をかしげてそう尋ねる。

ほんの少しの汗の香り。
運動していたのだろうか……

ギルバート > 「ん。オレ?」
「学生だよ。一年の。」
「ギルバートっていうんだけど。」

慌しい子だなあと第一印象。
その様子はどうにも微笑ましく、くすりと目を細めた。

「ちょっと運動をね。」
「別に何かスポーツしてるってワケじゃないけど……。」
「まあ、必要だから。」

それが当然かのように言葉を発す。
タオルから放たれた髪を掻き上げて、後ろへと撫で付けた。

「君はここで何してたの?」
「誰かと待ち合わせ?」

アリエンティア >  
「……ギルバート? 日本人じゃ、ない?」

ぽーっとして。ふと、自分の口元の感触。
あわてて口を拭って、髪を整えて
身だしなみをしっかりする。
男子の前で。あるまじき失態というように。

「へ、へぇ……そうなんだ……?」

同学年ということで、敬語はないことにした。
いや、そうではない。
ただ、今までの素行に気付いて恥ずかしさをごまかすためで。
それを取り繕えてないだけだ。
それがわかるかもしれない。
笑われたのを感じれば、顔を真っ赤にして俯く。

「スポーツをしてないのに必要なの?」

どうして、というニュアンスで。
とてもではないが顔を見れない。

「待ち合わせってわけじゃなくて、テストの気分転換に、散歩」

ギルバート > 「『健全な肉体には、健全な魂が宿る』……らしいよ?」

冗談交じりの返答。
別に信じてるわけではないけどね、と付け加え。

「本当はオレも、気分転換がしたかったのかもしれないな。」
「自分のことなのによくわかんなくて。」
「そういうことって、結構ない?」

一方であどけなさの強い少女に対して、あまり女子として意識のない様子。
少し意識をする相手なら、どうにもスムーズにはいかないのだが。
今この場面においては、落ち着いた気のよい男子といった印象を持つ。

アリエンティア >  
「……なんかのことわざ?」

きょとんっと、その返答に声を返して。
ちらちらと髪の隙間から、少年の様子を窺うように。

「……あ、あたしはアリエンティア・ルン・エーデルハルト、です」

そういえば自分の自己紹介はしてなかったな、なんて思いつつ。

「……あたしは、今はそういうのない、かな?
なにかわからないこと、あるの?」

なんだか、堂々としてる男の子。
それなのに自分は、なんてちょっと思って。
きゅうっと、スカートを握りしめて

ギルバート > 「わからないことがわからない、のかな。」
「消化しきれない靄(もや)が心の中に居座ってて。」
「何かの拍子で大きくなったり、がらっと変わったりして。」
「身体を動かしてる時は、あまりそういうこともなくなるんだ。」
「……だから続けていられるのかな。」

見上げれば月の光はおぼろげで、星の瞬きは島の情景に負け、儚く佇んでいる。
少年はこの光景が好きだった。
ここからの眺めは格別で、いつか誰かに教えてあげたいと、そう思っていた。

「そして暫くこうぼーっとしてさ、ふらりと帰る……って感じ。」
「言葉にすると、なんか変な奴みたいだね。」

たまの饒舌は墓穴を掘ると経験則。
何処か誤魔化すような笑みが浮かぶ。

アリエンティア > 「……ふぅん」

詳しくはよくわからない。
わからない、が……

「……そう? なんか男の子、って感じ、するけど」

話を聞いて、ふと感じたことをこぼす。
髪をいじりながら、ようやく落ち着いてきた胸を
手で押さえて。

「なんとなくだけど、それ、あんまり嫌いじゃないんでしょ?」

思ったことをそのまま。
あんまり隣にいる少年を知っているわけではない。
が、少なくとも。そのもやっとしてる部分と走ってる部分。
両方とも、いやな感じではないことは少し思った。

「なんというか、思考錯誤、してる感じ?」

言葉としてあってる? と内心で呟き。

「何かもがいて目指してる感じあって、あたしは好きだな、そういうの」

ギルバート > 「ありがとう。そう言ってもらったのは初めてだ。」

他人に話したのも初めてではあるが、まさかの返答に何処か嬉しげで。
見つめ続けるにも気恥ずかしさか視線を外す。
そこにしとりとひと雫。薄い雲が集いに集い、星の多くはカーテンの向こう側。
辛うじて月が自己主張をしているが、それもあと何分か。

「あー……やば。これそろそろ本格化するかも。」

ばさばさとタオルを払い立ち上がる。

「そうだ。傘、持ってる?」
「折りたたみでいいなら。」

そう言いつつ差し出すそれは、グレーのあまり目立たない配色。
自分は走って帰るから、と。学校で会ったときに返してくれればいい、と。

アリエンティア > 「……? 何かお礼言われることしたっけ?」

でも、なんか嬉しそう。ということはきっと
何か元気づけられたのだろうか

「……わ、ホントだ……」

降ってきてしまった、洗濯物はもうだめかもしれない

「……ぇ、いいの?」

少しの逡巡、でもこれもきっと”かっこつけてくれてる”
のだと思って、そっと受け取り。

「ん、ありがと。借りるね?」

だから笑って、そういうことが
淑女(レディ)のたしなみだとそう思った

ギルバート > 「ん。」

手渡す側からぽつりぽつりと地面はまだらに水玉模様。
不規則なステップめいて雨脚が、ゆるやかにではあるが強さを増していく。

「それじゃ。また会えたら学校で。」

踵を返し駆け足で。
下り階段へ入ると、その姿はあっという間に見えなくなった。

ご案内:「常世神社」からギルバートさんが去りました。
アリエンティア > ――やっぱ男の子って速いな……

目の前を走って行った少年を見送ってから。
ふと、右後ろを見た。

……だれも、いない。

ふぅっとため息をひとつ落として。

「うん、また学校で」

そう返してからちょっと駆け足で寮へと。
洗濯物をとりこまないと大変だなぁ

帰ってからの予定を思い出して苦笑しながら

ご案内:「常世神社」からアリエンティアさんが去りました。