2015/07/05 のログ
ご案内:「常世神社」に久我山千里さんが現れました。
久我山千里 > 「さてと、ま、たまにはお役に立たなくちゃね」

自慢の三つ編みおさげを左右に揺らし、久我山千里は大鳥居に続く階段を竹箒片手にのぼってゆく。
かつて通っていた学園で疎まれた千里は、父と誼のあった常世神社の宮司の計らいにより
この常世へ渡ることとなった。

千里自身も宮司とは面識があった、実家である神社に訪れた際、お茶を出したことがある。
「そういえばこっちに来たとき以来宮司様に会えてないのよね、どこにいるのかしら」

社務所はいつももぬけの殻。
先日の中祭でバイト巫女チームの指揮を執っていたのも禰宜の神主であった。

「ま、いっか、お掃除お掃除」
休日昼下がりの常世神社は、散歩などで立ち寄るものもそうおらず、人影もまばらである。
千里は身の丈ほどもある『持参』した愛用の竹箒をくるりくるりと器用に扱い、
大鳥居から随神門、拝殿までの参道をひたすらに掃きはじめる。

それは傍から見るとまるで竹箒とダンスを踊っているかのようであった。

久我山千里 > 「あれれ?まただ、ま、楽だからいいんだけど」
拝殿のまわりまで掃き清めたあと、千里が塵をまとめた袋を社務所裏の集積所へ運ぶと、
そこにはすでに数袋の麻袋が積んであった。
中は鎮守の森のものと思しき落ち葉がぎゅうぎゅうに詰まっている。

「ありがたいわーホント、よいしょと」
袋を置きパンパンと手の埃を払うと、立てかけていた箒を手にとり、鞄を肩に掛ける。
と、不意に顔をしかめ、虚空をにらむ。

「あによ、え?手水舎の掃除がまだ?あーもうセンリは細かいなぁ」
「おうちではそれあンたの担当でしょ?今度今度、にしし」

傍から見れば、ひとりごとで会話をしている様である。
事情を知らぬ他人が見れば、気味悪がること請け合いだろう。

「はい、というわけで今日のお掃除はおしまいっと」
そのまま参道を抜け、自室のある下宿街へと歩を進めるチサトであった。

「試験勉強の気分転換はできたかって!?うっさい!」

ご案内:「常世神社」から久我山千里さんが去りました。